奇跡を呼びし艦娘のIS世界における戦い 作:オーダー・カオス
『ユッキ―!終わりマシタ!』
「!
こちらの被害は?」
金剛さんからの入電を受けて、私は直ぐにこちら側の被害状況を訊ねた。
彼女が報告してきた。
この時点でこちらの勝利は確定したも同然だ。
彼女がこの戦力差で不覚を取ることなど万が一にもないだろう。
だからこそ、被害の方を先に訊ねた方が適切だろう。
『古鷹が軽傷、艦載機が四機墜落』
「え!?」
「分かりました。
墜落した艦載機を回収後、念のため、作戦海域の見回りをお願いします」
『OK!』
古鷹さんが軽傷を負ったのと艦載機が四機撃墜されたのを受けて、私は艦載機を回収し、もう一度海域を見回ってから帰還する様に指示した。
「ゆ、雪風さん!
あの……古鷹さんは大丈夫なんですか!?」
山田さんは古鷹さんが軽傷とはいえ、怪我をしたことに対して心配してきた。
「大丈夫ですよ。
私は何とも言えませんが、私達はそんなに柔ではありません」
そんな彼女にそう言った。
「古鷹さんは重巡の中でも古強者です。
何度も傷を負いながらもその痛みに耐えて戦って来ています。
それは他の人にも言えることです。
ですから、心配し過ぎないでください」
「……はい」
私は我ながら自分勝手な考えを彼女に言った。
艦娘だけではなく、全ての軍人にとっては戦いにおける傷は付き物だ。
だからこそ、嫌でも慣れてしまう。
……でも、私が言うべきことじゃないんですよね
けれども、それは私が言うべきことじゃないだろう。
それは指揮官という立場にいる私が言えば、責任逃れのための言い訳にしかならないからだ。
加えて、
大して、傷を負ったことのない私達が彼女たちの怪我を大丈夫だと言う資格はないんですよね……
私には彼女たちの痛みを語る資格はない。
私は彼女たちと違って、重傷を負う様なことはなかった。
そんな私が他者の痛みを軽視する様な言葉を吐くこと自体がおこがましいことだろう。
私が嫌うあの参謀たちと変わらないですね
私のやっていることは私から三人の妹を奪ったあの参謀たちと同じ事だ。
戦いにおける死を己は遠ざけて置きながら、美化しそれを崇高なものと宣う。
実際に戦友や姉妹、上官、部下を目の前で失い、『立派な最期でした』と言うしかない人間の気持ちが分かるはずがない。
それを私はこの立場で同じ様なことを言っている。
同じ穴の狢だ。
この役目を山田さんにさせるのも……
山田さんにその役目を任せるのと言うのは、つまるところ、私が最も嫌うことを他者に押し付けるということだ。
この立場を欲する人間は多くいるが、決していいものではない。
むしろ、地獄でしかない。
「……山田さん。
恐らくですが、この海はもう大丈夫です。
一週間は私達が交代で見張ります」
「!本当ですか!?」
「はい」
しかし、その地獄の中でも誰かの日常を取り戻せたと言うのならば、それは決して無駄ではないだろう。
それだけは強く言える。