奇跡を呼びし艦娘のIS世界における戦い   作:オーダー・カオス

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第6話「無知」

「えっとね……

 かんちゃんは日本の「代表候補生」なんだ」

 

「え!?」

 

「む……

 そう言えば、日本の「代表候補生」とは面識を得ていないと思っていたが……

 そうか、彼女がか……」

 

 どうやら、先ほどの眼鏡の生徒が日本の「代表候補生」らしい。

 そう言えば、鈴が転校してきた初日にこの学年には「代表候補生」がセシリアを含めて二人しかいないと言われていたが、どうやら、その中の一人が彼女のことだったらしい。

 

「……しかし、それがお義姉様と織斑を恨む理由がわからない。

 とてもではないが、二人がそう言った方面で恨みを買うとは思えない。

 まさか、「代表候補生」の自分より目立っているから気に食わないとかいう理由ではないな?」

 

「それは……」

 

 実際、そうだ。

 俺も雪風もそういったことに興味がない。

 むしろ、出会ったばかりのセシリアやラウラの様にあっちから喧嘩を売られることはあったが、こっちから意図的に売ったことはないはずだ。

 

「……二人の専用機が原因なんだ」

 

「え?」

 

「何だと?」

 

 のほほんさんは彼女が俺たちを嫌うのは俺たちの「白式」と「初霜」が関係しているらしい。

 

「かんちゃんの専用機……

 その……開発が遅れちゃっててその原因が二人の「専用機」の開発と研究が原因なんだ」

 

「!?」

 

「成る程、そうだったのか」

 

 彼女が俺たちを恨んでいる理由。

 それは俺たちの機体が原因で彼女の機体の開発が遅れてしまっているのが原因らしい。

 

 そんなことになってたのか……

 

 のほほんさんから聞かされたあの生徒が俺たちを恨んでいる理由に俺は何と言えばいいのか分からなかった。

 

『望む望まざるにかかわらず、人は集団の中で生きなくてはならない。

 それすら放棄するなら、まず人であることをやめることだな』

 

 ああ……そうだな……

 

 千冬姉が入学初日に俺に言ったあの言葉。

 俺は望んだ「専用機」を手に入れた訳じゃない。

 

 でもだからと言って……

 『好きで手に入れた力じゃない』なんて文句言えないよな……

 それだけ俺は「白式」に助けられちまっているし。

 

 決して、好き好んで手に入れた力じゃない。

 千冬姉と同じ刀を扱えることは誇りに思っている。

 けれども、それ以上に俺は「白式」のお陰で色々と助けられている。

 雪風と戦うことが出来て、多少は認められた。

 セシリアに男だとかそんな理由で馬鹿にされなくなった。

 鈴と一緒に謎の無人機から生徒たちを守る時間を稼げた。

 「白式」のデータを求めたシャルのことを守ることが出来た。

 ボロボロになったがギリギリのタイミングで雪風を助けることが出来た。

 箒の抱えている闇を少しでも理解することが出来た。

 それだけのことを俺は望まないで手に入れた力で多くのことを成し遂げられた。

 

 今さら、偶然手に入れた力なんて言い訳なんか出来ない……!

 

 俺は既に「白式」に頼ってきた。

 その時点で言い訳なんかにもう使えない。

 

 ただ問題なのは雪風なんだよな……

 

 

 雪風の場合は俺と全く違う。

 あいつは元々、戦友の名前を冠する「初霜」を使っているだけだ。

 

 雪風にだけはズルなんて言って欲しくないな

 

 だから、雪風の耳には『ズル』という言葉は入って欲しくない。

 戦友の名前を冠しているものを『ズル』なんて言われれば雪風は怒るか、それでなくても自分が全て悪いと思ってしまう。

 

「だが……!!

 お義姉様も織斑も!!」

 

「っ!」

 

 ラウラはそれでもその事実を否定しようとした。

 彼女が言わんとしていることは分かる。

 きっとそれは「専用機」の持つ意味が違ってきていることや持っていることを誇っている場合じゃないということだ。

 

「……いい、ラウラ。

 雪風にはこのことを黙っているだけでいい」

 

「な!?

 織斑!?」

 

 しかし、それでも俺はあの生徒の無念さを知ったら否定する事なんて出来なかった。

 

「……ありがとう。

 のほほんさん、教えてくれて」

 

「……おりむー」

 

 何よりも自分がどうして彼女を傷付けてしまったのかを知って俺はそう言うしかなかった。

 少なくとも、知らないじゃ誰かを傷付ける様な真似をしたことを無自覚のままでなかったことだけは救いだった。

 

 それで良い訳じゃないけどな……

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