奇跡を呼びし艦娘のIS世界における戦い 作:オーダー・カオス
と同時に思ったこと。
あれ?これ前回に繋げればよかったんじゃ?と後悔しました。
「三人とも無事か……
良かった……」
アリーナで起きた一連の出来事が収束し、先に傷ついた二人が避難した後に二人を助けた雪風もまた無事であることを目にして俺は安堵した。
そして、同時に今回傍観していたり助けには入れなかった自分に対して俺は苛立ちを感じた。
雪風のおかげで助かったとはいえ、その雪風がいなければ二人は明らかに危険だったのだ。
いつも雪風がいてくれるとは限らない。
本当に今回はたまたま助かったようなものだ。
情けないな……俺……
雪風が来てくれたのが幸運であると同時に俺は自分の不甲斐なさを嘆いた。
「あれが……雪風の戦い……」
隣でシャルロットは初めて目にした雪風の戦いに圧倒されたかのように声を漏らした。
「ああ、あれが雪風の戦いなんだ……」
シャルはようやく雪風の戦いを目にして俺が以前から語っていた意味を理解したらしい。
相変わらず雪風は本気だ。
炎が幻視出来るのではないかと思えるほどに彼女の戦いは激しく視える。
そこにはアイツが必ず勝つのではないかと言えるほどの確かさと力強さも感じられる。
だが、シャルロットは
「うん……確かにすごいけど……
何と言うか……
「………………」
「……え」
雪風の戦いをそう語った。
その言葉は余りにも意外過ぎた。
だが、俺はともかくとして箒はなぜか否定しなかった。
「い、いや……
こう思っちゃいけないと思うんだけど……」
シャルロットは友達の雪風のことを恐怖したことに後ろめたさを感じているらしい。
でも、俺は
「……いや、仕方がないことだと思うぞ俺は」
「「……え」」
それは仕方のないことだと認めた。
確かに雪風の戦い方は洗練された技や気迫に満ちた姿、突破口を見つける洞察力から華麗であり、果敢であり、雄々しくも見える。
だが、同時にそれは鋭く、苛烈で、荒々しくも見えるだろう。
ライオンやサメ、虎が美しくてかっこよく思えるのと同時にそれらが恐ろしく見えるのと同じ感覚だろう。
シャルロットがそう思うのも無理はない。
「
「……え!?」
「なっ……!?」
何せ雪風に憧れや興味を抱いている俺自身すらもたまにそう感じる時があるからだ。
いや、シャルロットの言葉を受けて俺はようやく実感したのだ。
雪風は確かに強いし、かっこいいし、頼れる人間だ。
でも、その戦い方は本当に野性味が溢れていると言っても過言じゃないのだ。
仮にこれが「IS」による試合じゃなければ自らの血を流すことすら厭わない気がするのだ。
それは何よりも戦った俺だからこそ感じることだ。
言うなれば、あいつの戦う姿は正真正銘の「戦士」の姿だ。
故に纏うものが異様なのだ。
「じゃ、じゃあ……どうして……」
箒が俺に対して疑問を抱く。
箒は元々、雪風の戦い方に対して反発しているから何を言いたいかは理解できる。
「雪風を嫌いにならないか、か?」
「あ、ああ……」
きっと箒が言いたいのはそんな雪風の一面を知りながらも、そして、一定の恐ろしさを理解しながらも俺が雪風を嫌わないかと言うことだろう。
確かに理屈としては正しい。
誰だって怖いものを嫌うのは当然だ。
でも、俺は
「あいつの守ろうとする意思は本物だからだ」
「……え」
「本物……?」
雪風の発するあの剣幕とあの目ときっとそれらの根底にある意思を感じ取って俺は否定できないのだ。
確かに雪風の持つ力とたまに見せる怒りはすさまじいものだ。
ある意味では破壊の力を持つ嵐のようにも感じられる。
でも、あいつはそんな力を持っていてもそれを破壊に使おうとしない。
むしろ、誰かを守るためにしか使わないのだ。
「誰かを守るためならあいつは何時だって本気だ。
そんなあいつを間違っているなんて、俺には言えない」
雪風はラウラに対して出会ってからいつも怒りを滲み出している。
だけど、そんな個人的感情すらも必ず踏みとどまって暴力を振るおうとしない。
嫌味や正論は言うがそれに悦に浸るようなことは決してしない。
何よりも普段のあいつは常に本気だろうと「無人機」の時や今のラウラの時のように誰かが危険な状態でない限りは相手を叩きのめそうとしない。
あいつは相手を傷付けることの恐ろしさを確りと理解している。
「箒、いい加減、雪風の事でムキになるのはよせよ。
あいつは―――」
俺は箒に雪風が決して力を振るいたくてああいう戦い方をしているのではないと言おうとしたが
「うるさい……!!」
「―――あ、おい!?」
泣きそうになりながらも箒は逃げる様に去って行ってしまった。
「箒……」
箒を追いかけることを俺は出来なかった。
「……一夏、今のは……」
シャルロットが俺を咎めようとする。
俺だって理解している。
誰だって、自分が間違っているなんて遠回しでも言われるなんて嫌なのぐらいは。
それに箒だって自分の非を自覚できない人間じゃない。
昔の箒ならともかく、あの一件以降の箒は自分が間違っていることの理解ぐらいは出来るし、それに対して強い罪悪感を抱いてしまうことぐらいは出来る。
多分、今も悔やんではいると思う。
ただ、今の箒は転校する前の時と違って何故か拒絶してしまっているのだ。
「わかってるよ、シャル……
でも、相手に嫌われないだけの言葉で助けられることなんて限られているんだ」
「それは……」
シャルロットも思い当る節があるのか、いや、そうじゃない。先日の雪風の叱咤を受けて自分が前に進めたことでシャルロットは理解できているんだ。
相手を大切にするのは決して相手の都合に合わせることじゃないのを俺は雪風を、いや、鈴を通して知ることが出来た。
『それとも、アンタの言う『守る』てその程度のもんなの?
笑えるわね?』
相手に嫌われたくないのは当たり前だ。
だけど、嫌われることを恐れて繕われた関係なんていつかは破綻する。
だから、俺は本当の意味で強くなりたい。
「そうだね……
でも、いつかは篠ノ之さんも笑って雪風と一緒にいられたらいいね」
「シャル……」
シャルロットは心の底からそう言った。
シャルロットは確かに雪風を怖いと言った。
でも、それでも彼女にとっては雪風は大切な友人に他ならないのだろう。
「……ああ……」
俺はその尊いながらもささやかな願いを受けて強く頷いた。
そもそも俺は箒のことを見捨てるつもりはない。
あいつもまた大切な幼馴染だから。
「やっぱり、ユッキーは眩し過ぎだね……」
ボーデヴィッヒさんの起こした騒動が収まった後、護衛対象であり同時に観察対象でもあるオリムーとデュッチー達や他の生徒たちのユッキーの反応を耳にして私はそう感じた。
内心、私はまたユッキーが荒事に巻き込まれたことに不安を感じていた。
しかし、周囲は違った。
「やっぱり、陽知さんてすごいよね!」
「うん、かっこよかった!」
「
……『正義の味方』か……
周囲の生徒たちの仕方のない反応を耳にして私は複雑だった。
暴力をあからさまに振るう悪役。
傷つけられて命を奪われそうになった人たち。
そして、そこに颯爽と現れ実力を見せつけた救世主。
またしても、ユッキーは本人の意思とは関係なく「正義の味方」、いや、「英雄」となってしまった。
やっぱり、眩し過ぎだよ……ユッキーは……
同時に私は先ほどオリムーが篠ノ之さんを追い詰めてしまったことに改めてユッキーの強過ぎる光の片鱗を感じてしまった。
ユッキー本人にとって不本意だけど、ユッキーは正しい行動ばかり取っている。
もちろん、それは悪いことじゃない。
むしろ、素晴らしいことだ。
よくある一見正しいと思われる教育ママや根性論ばかり押し付ける人と違ってユッキーには何も歪みがない。
それはユッキーが他人を思いやれる太陽だからだ。
だけど、そんな太陽を思わせるユッキーの輝きだからこそ、弱い人や傷を負っている人、挫折したことのある人間には辛いんだろう。
公明正大だからこそ何も反論できない。
でも、嫌でも自分は照らされてしまう。
ユッキーが悲しむようなことにならなきゃいいけど……
私はボーデヴィッヒさんが「トーナメント」でユッキーに負けた後が怖い。
私はユッキーが勝つと確信している。
それは身勝手な楽観かもしれないけどユッキーならば必ず勝つと信じられるのだ。
だけど、不安なのはその後だ。
完全にボーデヴィッヒさんは悪役だ。
周囲の敵意を集めている。
それは彼女の自業自得だろう。
ユッキーはボーデヴィッヒさんを倒すけれど、痛め付けるつもりなんてないはずだ。
でも、周囲は違う。
きっと彼女らの殆どはボーデヴィッヒさんの公開処刑を望んでいる。
ユッキーは誰も憎みたくないのに……
ユッキーの優しさはセッシーとの試合の前の出来事で理解している。
そんなユッキーが処刑人、いや、処刑器具のようにされないか私は不安でしょうがない。
ユッキーは誰かの涙を止めたり、誇りの為にしか戦わない。
どうしてユッキーはそんなに強いんだろう……?
ユッキーの邪念一つない在り方を私は尊く感じるとともに彼女が曇らないか不安だった。
夏イベ攻略終了。
マジで長かった。しかし、甲じゃなかったから言えることですが……
なんか、E7はボスよりも道中の方がやばかった気がします。と言うか、潜水艦が酷い。
ダイソンと空母おばさんはなんとかなりますが、潜水艦は決戦用の編成だと刺さります。