後々ちゃんと書き直す……といいなぁ。
……。
ぷかぷか、ふわふわ。ゆらゆらと。
意識は無い。
無い……なくない?
……ある。
これがそうだ。
これが意識だ。
これが、意識か。
「――――」
「――――?」
「――!」
なんだろう。
聞こえる。
どこだ。
……捉えた。
モノがふたつ。離れてひとつ。
生命。
あれが、命。
分類……不明?
分類……ホモ・サピエンス? 不確定。ハゲ。
ホモ・サピエンス……認識? 生体反応、確認。衰弱。
人格形成中……完了。すでにしている? 知らない。
器を作成。
私は生まれる。
私を生み出す。
惑星の意志の元に。
人類に、黄金の時代を?
否定。それは人の可能性。
私。
……私?
私って、誰だ?
……。
芽吹く。
目覚める。
進化の可能性を見せてみろ、人類。
――活動を開始します。
目を開けると、世界は荒廃していた。
……あっれー?
くしくし。目を擦る。
もう一度、よく見てみよう。
街だ。
街だった。
瓦礫の山ができてはいるけれど、人里だ。
生体反応はかなり少ない。
「滅びの歌の出番が!?」
これもう適当に放っておいても人類は絶滅してしまうのでは!?
いえそんな短絡的な考えはひとまず置いておいて。
「私の名はワクチンマン!」
声がする方向に視線を向ける。
バイキンマn……おっと、なぜだか寒気が。
遠くに見える紫色のおかしな人型生命体の話を聞く。
ふむふむ。
人類が環境汚染を続けると地球が疲弊してしまうから、害悪となる人類とその文明を破壊すると。
……。
受け入れられない。受け付けられない。
嫌だ。駄目だ。
そんな衰退は認められない。
人類は、人間は。ホモ・サピエンスは、もっと、もっともっともっと繁栄しなければならない!
なにを犠牲にしても! なにを失おうと!
例えそれが、この母なる大地、大海……惑星そのものの死だとしても!!
人が旅立たなければ、意味が無い!
私は、その為に存在しているのだから!!
――対象を破壊します。
駆逐する。抹殺してやる。
この星の意思と、私の意思。
もしかしたら、もうこの時点で違ってしまっているのかもしれない。外れて、ずれてしまっているのかもしれない。
だが。
私は戦おう。
人類を見守ると、人間を巣立たせると。そう決めたのだから。
それが失敗に終わり、絶望するとしても。
人類を滅ぼすのは、私の仕事で、役割だ。
誰であろうと、なんであろうと譲らない。
この惑星は、私のモノだ!
……いやなんか違うけど、まぁいいや。
邪魔をするなら排除する。
人類に害する存在を、根こそぎ消してやろう。
アウロラは十分にある。惑星にもまだまだ満ち溢れている。可能性を感じる!
両腕……袖からリボンを射出、展開。
思考、衣装、概念、武装、セッティング……よし。
しすてむ、戦闘もーどを起動!
歩き出す。まずは慣らし運転だ。
自分の身体を持ち、動かすのは意外と楽しい。
戦うのは得意ではないが……鍵は守られるのがお好きなの。
っと。
ハゲと見詰め合っていたワクチンマンの身体が大きくなった。
肥大化? それって俗に言う負けフラグなんじゃ……ってこの知識はなんだろう。
なんて、考えていたら。
――衝撃が走った。
それはもう、上空の雲が晴れるくらいには凄いことが起きた。
ワクチンマンが吹っ飛んだ。消し飛んだ。
完全に見えはしなかったけど、たぶん殴ったのだと思う。
ハゲが、ワクチンマンを殴った。
ただそれだけのことなのに。
地球が震えた。
「あ、これアカンやつや」とでも言いたげに。
かく言う私も震えた。
なんかもう人類なんて放っておいても大丈夫なんじゃないかなって思えてきた。
……いや。
あれが人類とは思えない。
きっと人外なのだ。
だからあれはホモ・サピエンスではないのだ。
よし。そういうことにしよう。
人類を捨てるのはまだ早い。
「またワンパンで終わっちまったぁああああああああああああああああ!!」
膝をついて慟哭しているハゲに近付く。
とりあえず、観察から始めよう。
この世界の人類が、どんなものなのか。
滅ぼす必要があるのかないのか。どうだろうか。確かめよう。
……私がいる時点でアレな気もするけれど。滅びまっしぐらな気がするけれど。
マントを引っ張り呼びかける。
私は身長が低いため、ハゲが立ちあがってしまうと肩を叩けない。
「ハゲ、ハゲ」
「ん? なんだよ……てかお前誰だよ」
「人類のためにホモ・サピエンスを観察します。協力しなさい」
そう言うと首を傾げられた。
なぜに?
こちらも同じように首を傾げる。
「そうかわかった。迷子だな」
「迷推理です」
「とーちゃんとかーちゃんはどこにいるんだ?」
迷子ではないと言っているのに。話を聞きなさい。
とりあえず。
腕を伸ばし、空を指差す。
月は、出ているか……?
「は?」
月は出ているのかと訊いているんだ!
「……そうか」
なにがどう納得したのか。
わからない。
さっきの自分すらも、わからない。
あれは本当に私の意思か?
観察する前からなんか色々と仕込まれているような。
人類に翻弄されているような。
気のせいだろうか。
「ハゲは何者でしょうか」
「俺か? 俺は――」
趣味でヒーローをやっている。
そう言ったハゲを、ちょっとだけ、ほんの少しだけかっこいいと思ってしまったのは内緒。
だって可能性を感じたんだもん。
「あとハゲじゃなくてサイタマな」
「サイタマ……」
気が向いたら頑張って続ける。