Re:ゼロからはじめる俺のハンター生活は間違っているのだろうか 作:名無し@777
装備作るのってクロスになって少し簡単になった気がするけど、気のせい?
平塚師匠は考える───振りをした後、ニヤリと口元を浮かべた。
「ふむ。お前がそう言うのならば良かろう。しかし、言い出しっぺは君だ。彼の世話は全て比企谷、君にしてもらう」
言われるだろう思っていた内容に対して既に考えていた言葉を告げる。
「ええ、解ってます。準備とかしてくるんで三十分後にまた此処で集合でいいっすか?」
「それで構わん。ほら、さっさと行った、時間は有限だぞ」
俺は何が起こっているのか把握しきれずにフリーズしている材木座の首根っこを掴み、引きずるようにして集会所を後にした。
時刻は既に昼頃に差し掛かっている。朝方に見た賑わいは更に増し老若男女、数と多くの人々がこの町を闊歩していた。昔住んでいた村と比べればお祭り騒ぎのようだ。
ハンターを生業としている俺や師匠、材木座もそうだがこの街はハンターに対してとても環境が良いと言える。
一つは古龍観測所や、アリーナと呼ばれるハンターの憩いの場となる場所といった設備がある事。
二つ目は物資が豊富であることだ。
狩りをするにあたって集会所での依頼を受けた場合はハンター協会の方から物資の援助はある。しかし、安全を期すにはそれだけでは足りない。
攻撃を受けた場合に必要な回復薬。
モンスターの捕獲や虚を突くための罠類。
ガンナーと呼ばれる遠距離武器を使う者ならば銃弾や矢じりに塗るための液体が入ったビンなどが必要になる。
こういった物資は際限無く有るわけではない。だが、我々ハンターにとっては毎度の狩りには欠かせない。
よって、需要を供給を釣り合わせるのは困難を極めるはずなのだ。
しかし、ことドンドルマに置いてはその限りではない。
各地方から商業団体や販売人が集い、この都市で売り捌き、腕を降るっているのだ。
至るところに販売店があり、日曜雑貨や食材、先程例に挙げた道具を販売している。装備を製作する鍛冶屋は指で数えられるほどしかないが、どの店も屈指の実力を持っている。
これほど適した環境があるのかと言えば無いのではないだろうか。
しかし、全てが良いこと詰ぐめという訳ではない。
各店も品揃えも違えば同じ商品であっても価格や質が全く違う。酷い処では効果の薄い薬や効き目が悪い罠を破格の値段で販売している処もある。
実際に俺はルーキーの頃、そういった店舗の餌食になっていた。回復薬を飲めば腹痛に襲われ、罠を張れば勝手に作動する。
狩りから帰った後に販売していた店舗を覗けば既に其処は物の脱け殻となってるなっているのは当たり前。
「これは効き目強いから本当はもっと高いんだけど……いいよ! 新人さんには優しくしないとね!」
そう言った店員の顔は忘れない。
ああ、確かに強かったよ。悪い方向にな。
俺の絶対に許さないノートには半数は悪徳商売人の事が下記連ねられている。ちなみに残りは幼少期に俺を苛めてきた奴等で埋まっている。
閑話休題。
要はこういった狩りに出る前に必要なハンターの知識は必要不可欠なものだ。
平塚師匠の弟子に入った翌日に贔屓にしている店を俺に教え、良い品の見分けかたや交渉術を実践的に教えてくれた。
ちなみに、交渉に関しては俺はもう気にしない。数百単位の金ためにあの長時間に及ぶ話し合いをするのは俺にとっては拷問でしかないからな。
なにあれ、なんで二人とも嬉々として相手の腹を探ってるの? 戦闘民族なんですか。いや、片方はそうでしたね。平塚師匠は戦闘民族だな。確実に。
俺が材木座を連れ出したのは平塚師匠に、教えてもらった事をそのまま伝えるためだ。
師匠は俺の意図を察してなのか、それとも特に意図はないのか。前者の可能性の方が圧倒的に高い気がするが師匠は認めないだろう。
問題はそこではない。
俺がやろうとしている事は平塚師匠の真似事。つまりは、この俺が他人に対して教えを説くと言うこと。
今更足踏みすることは出来ない。何より時間制限まであるのだ、ゆっくりはしてられないのだ。
適当に覚悟を決め、何時も買い出しに使っている店に向かいながら材木座質問をする。
「あー、材木座。お前、道具何処で買っている?」
「む、我は道具は買わぬ。全てこのゴットフィンガーが我の欲するものを生み出すのだ」
「あ? んな馬鹿な事言ってんじゃ……いやお前まさか、全て調合してるのか?」
調合。
フィールドに生えている薬草やキノコを採取し、ハンター自らアイテムを作ることだ。費用は自然界の物を使っていたり、店から材料を買い足して行うのだが、材木座の言い様では全てフィールドから採取したものを使っているのだろう。
確かに、そうすれば経費はかからないが効率が悪い。クエストの合間に行うか、素材採取のためだけに赴く必要が出てきてしまう。
正直、信じ難い事だ。
驚愕の表情を浮かべているだろう俺の顔に一段と低い声で説明してきた。
「左様。他者が創った万物など信頼することは出来ぬ。信ずるものは自身と『死神』のみだ」
暗い影を落とした表情。それは鏡を見れば何時も目の前に映る顔と似ていた。
だから馬鹿な奴だと、俺は一概に否定することは出来なかった。
材木座義輝という人物も俺と同じく、気兼ね無く他者と接する事が出来ない人間なのだろう。
そうなってしまった原因は解らない。しかし、同じ境遇だからこそ、そうなってしまった切っ掛けは往々にして重く、ドス黒いものだと決まっている。
だが、同時に疑問にも思う。
こんな奴が何故得体の知れない人物、『死神』という奴なんかをそこまで信頼する理由が解らない。
俺は
脚を止め、材木座と向かい合う。