瀬尾優斗は全治1週間、越智一真はあの時の暴力で自宅謹慎10日だ。
更に、女子生徒5人も問題を起こして自宅謹慎となった話を聞かされた。
3年たちはその話題で持ち切りだが、二人だけ笑っていた。
「優斗は学校に来れないだろうな。自慢の顔がズタズタにされ、六股とバカなことをしたからな」
「ええ……。いい気味だわ。本当に」
「ところで野村藍も復讐対象に入れる気か?あいつは別に外してもいいと思うがな」
「まだまだ利用させて貰わなければいけないわ。それに…あんまり、懐かれると面倒なのよ」
二人はそんな会話をして次なる行動を起こした。
3年3組のクラス委員の一人、滝沢結子を追跡する。
=学校外=
「その滝沢ってどんな子だ?気が強く姉御肌と聞いたがな。そんな女、俺は好みだねぇ」
「あんたの好みはどうだっていいわよ。……親が以上に厳しいと聞いてたわ。
期待に沿わなければ折檻されると、私が彼女と友達と付き合っていた時から聞いた話だけどね」
「おいおい、折檻って……虐待みたいなものじゃねぇか?期待に沿わなかっただけでか?」
イジメもそうだが、親による虐待も社会問題となっている。
精神疾患が原因と言う見方もある。残りはストレスが溜まって捌け口として子供にぶつけたりとしている。
なら、滝沢の場合はどうだ?勉強しつつげて偉人になれというのか?
"子供の自由を奪う"
統磨はそんな結論を導き出しアイフォンを取り出す。
「ああ……俺だ。滝沢家を調べてくれ。解ったら……」
連絡を終えて、統磨はため息をつく。
彩菜はどうかしたのだろうかと思うが、今は問いかけるのはやめておこうと留めた。
◆◆◆◆
駅のロッカーで私物が入っている袋を取り出す結子。
彩菜と統磨は追跡し、カメラを撮る。
結子が更衣室で着替え終わるのを待つ。
「で……資料を見たがこの時間は塾に通っていると」
「勉強のストレスを発散させるためにクラブに通っているって」
「15の中学がクラブ通いか、フフフフフッ。危険な事をするね」
ポッキーをポリポリと食べる統磨。
彩菜も一本頂き、食べる。
更衣室から出て来た結子は大人びた女性に早変わり。
他の男子が見たら、まず告白するだろうというレベルだ。
見失わないように、二人は追跡して、結子が通っているクラブの写真を撮る。
=隠れ家=
証拠の写真を数枚手に入れて、机に広げる。
「それで、その写真をどうするんだ?」
「結子がクラブに通っている秘密を知っているのは恵美だけ。
恵美が投函したという事実を作れば、彼女たちの関係も壊れる」
「なるほど、友情を壊すにはこれほどないなぁ……けど、俺にはなんか引っかかるな」
「引っかかる?」
「ああ、それを投函するのは待って、確かめたいことがある」
◆◆◆◆
―――翌日。
今日は休日、統磨は市街を歩いていた。
その統磨を隠れて尾行している人物―――窪田恵美だ。
(彩菜があいつと組んでからはイジメが無くなったけど、黒土って善くない噂を聞くわ)
独自に調べたが、ギャングとかヤクザなどを取り締まっている家だと聞かされたぐらいだ。
他の友人関係は色々とあるとも言われている。
だが……彩菜のイジメが酷くなって、屋上に行ったのを気になり見たら統磨と話をしていたのを見た。
その次の日に彼と一緒に行動をしていた。
「きっと、彩菜にいやらしい事に迫ったんだわ。絶対にしっぽを掴んでやる」
電柱、ゴミ箱、ポストと隠れながら追跡して、統磨が路地裏に入り込んだ。
恵美もその後を追いかけるが――――。
「……!?いない!?」
確かにこの路地裏に入っていたはずなのにと探すが―――。
「探し人は、俺か?」
統磨の声が響き、恵美は辺りを見渡し、後ろを向くと彼はいた。
「でも、何処に……!?」
「こんな路地裏だ。建物の壁と壁を使って、上に登って待機してたんだよ」
逆に追い詰められてしまった。
「……あんたに聞きたいことがあるんだけど。彩菜に何かしてないわよね?」
「フフフフフフッ、友達の縁を切った奴が何を言うかと思えば、関係ないだろ?」
"関係ない"という言葉にムッと聞いて反論する。
「あるわよ!!確かに……結子が彩菜と友達をやめて私もついていったけど!!」
「じゃあ、なんで最後まで傍にいてやれなかった?
彩菜と一緒にいたら結子に見捨てられる恐怖か?
クラスの連中にイジメられるのが怖いのか?
いずれにしろ、お前は彩菜を見捨てたという事実は変わりない」
「そうだね……。
私は彩菜がイジメられているのを助けなかった卑怯者。
許してくれるわけないよね、彩菜……ごめんね」
恵美がポロポロと泣く。
統磨はしばらく、見ていたが……頭を撫でる。
「で……お前はどうなんだ?」
統磨の声に路地裏に入ってきたのは、彩菜だった。
「彩菜……私……」
彩菜は恵美の体を抱きしめた。
お互いの誤解で壊れかけたが、繋止めた。
統磨は野暮だと思い、しばらく二人っきりにしてポッキーを食いながら待っていた。
◆◆◆◆
彩菜はこれまでの経緯を恵美に話した。
「じゃあ……優斗と一真がそうなったのも……」
「まぁな、俺が考えた作戦よ」
本当は彩菜が発案者だが、そこは統磨が計画したという事にしておく
「結子は、夏休み前から後悔していたのよ。大会前で成績の事で親に怒られてから……彩菜に全部ぶつけてしまったの」
夏休み前―――。
あの時は結子の状態を知らなく相談した。
それは……自分のせいじゃないか、彼女の家だって知っていたのに何故、あの時、気づけなかったのか。
統磨のアイフォンが鳴り響き、出る。
「ああ……。結子の今の状態か?それからどうなっている?」
結子の心には成績優秀で居ることだけが生き甲斐だと感じるようになっていった。
彩菜との関係を打ち切り勉学や学校の事でストレスが溜まったら発散の為にクラブに立ち寄るの繰り返しだ。
情報調査を任せていた者から滝嶋結子の状況を報告する。
「これでようやく解った。原因は親にあったか」
「両親も両親だけど、結子もそんな事が……」
やることは決まり、統磨はアイフォンを操作し連絡する。
「……じゃあ、手筈通りに……。ああ、滝沢の両親共には……」
電話を済ませて、切る。
「どうする?見捨てた親友に復讐するか?助けるのか?選べ」
統磨は彩菜に選択を迫らせる。
確かに事情が知らなかったとはいえ、彼女を苦しめた。
けど、許してもいいのか?またあの時と同じように苦しい思いを味わいたいのか?
彩菜がとった行動は……証拠の写真をゴミ箱に入れた。
「お前の決意は解ったよ」
統磨は嗤い、黒コートを纏い、クラブ店に入る。
「よう、儲かっているか?」
「結子……」
その声に結子は振り向き、三人の姿を見て驚く
「あ、彩菜!?恵美!?それに黒土!?」
「さて、クラス委員長さん。
塾サボってこんな店に入っているとは、中々のワルじゃないか。
勉強がそんなに嫌気がさしたのかい?」
ククククッと笑う統磨。
周りのホストたちがざわつき始める。
「こいつって、黒土家の……!!」
「あ、あいつが!?」
ホストたちは驚愕している。
それを聞いて統磨はフフフフッと嗤う。
「知っているんだぜ?
てめぇらは裏で外国の連中にドラッグや若い女といった人身売買していることを。
この店に潜り込んだ、うちの諜報員がいるからな。今度はその女子中学生を値打ちしているんだろ?」
その言葉を聞いた結子は驚愕する
「お、同じだろ!!お前だって裏で色々と取引しているじゃないか!!」
リーダーの様な男がそう意見すると、統磨は懐から銃を取り出し―――。
―――バアンッ!!
天井に向けて撃った。
銃声が響き渡り、静寂する。
統磨は不敵に笑う。
「同じ?違うな、テメェらは筋が通ってないただの外道だ」
その言葉を機に、黒服を纏った男たちが入り込んで来た。
「俺はなぁ……略奪者だ」
彩菜は始めて統磨の姿を見る。
それは、人間とは思えない大きな鎌を持った悪魔と呼んでもいい。
◇◇◇◇
「じゃあ、後は頼んだぜ。お前ら、証拠一つも逃すなよ」
統磨は黒服の集団に命じ、黒服たちも作業を始める。
「さて、次の仕事だ」
車に乗り込む四人は滝沢家へと向かう。
=滝沢家=
少し離れた距離で車を停止する。
先程の黒服の男が録音機を持ってきたようだ。
録音したテープから再生させる滝沢の両親の声
『あんな低レベルの学校に行かせたから……結子のレベルも落ちて……』
『そうよ……外に出るからあの子は、あの子を部屋から一歩も出しちゃ駄目!……鎖でも掛けて……!』
これが親のすることなのだろうかと反吐が出るほどの気分だ。
結子もストレス発散の為にクラブに通っていたが、こんな事態になっているとは思わなく顔を青ざめていた。
「私……このまま、飼い殺されちゃうのかな……」
「……胸糞悪いな」
統磨は滝沢家の玄関ドアに立ち――――。
――――ドガンッ!!!!
ドアを蹴破り、複数の男たちを連れて入り込む。
滝嶋の父は怯えつつも問う。
「だ、誰なんだ君たちは!?」
「俺か?通りすがりの――――」
ズンッと右足を強く踏み、統磨はニヤリッと嗤う
「若頭だよ」
中学生が銃を扱うのはおかしいだろうよ、と意見があるかもしれませんが……刀で差し替えたほうが良かったのかな?
次回は救済回の後編&オリジナル主人公の秘密。
お楽しみに~。