復讐教室~悲劇と憎悪の詩~   作:Mr.エメト

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主人公の秘密、彩菜と結子……関係のやり直し。


第惨話 やり直し

玄関のドアを蹴破り、滝沢家に侵入する統磨。

滝沢の両親は何が何だか、解らない状態だ。

そんな事はお構いなく統磨は口を開く。

 

「話は全て聞かせてもらった。あんたら、自分の子供の自由を奪うというのか?

 なんとも酷い両親だ、子供を道具として扱うとは人間じゃないな」

 

「よ、よそ者の君には関係ないだろ!!出ていきなさい!!」

 

「そうはいかねぇんだよ。俺はあんたら両親の娘さんに用があるんだよ」

 

統磨の後ろから、結子が出てくる。

 

「ど、どこ行っていたんだ!!」

 

滝沢の父が結子を狙って突き出されるが……統磨は拳を受け止めて、強く握る。

 

「ぐああ……ああ……!」

 

そのまま、ブンッと放り投げる。

 

「あ、あなた!!」

 

「悪いがお前ら両親と結子は親としての縁を斬らせて、俺が彼女を引き取らせてもらう。

 監禁させて、自由を奪わせて、人間とは思えない扱いをした貴様らは親でも人間でもない。

 ―――――ゴミクズだ」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

統磨は昔の事を思い出す。

 

親から愛情も注がれず、苦痛の日々を過ごしていた。

 

あの雪が降っていた日、追い出されて、彷徨い死を覚悟していた。

 

そして、"あの人"に拾われて――――。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

統磨は目の前のコイツらは前の両親を見ているようで気分を害した。

だからこそ、こいつらはこのままにしない。

穢れを知らないこの子に汚れを与えてやる。

 

「おい、こっちを向け」

 

結子は何かと思い、統磨の方を向く。

すると統磨の顔が近づき――――自分の唇と統磨の唇が重なった。

彩菜と恵美は顔を赤くし、キャーキャーと言う。

眼がトロリッとなりかけてたが、理性を取り戻し突き飛ばして離れる。

頬と顔が赤くなっている。

 

「な、な、なんてことを!!」

 

「貴様ぁ!!こんな事をして、ただで済むと思っているのか!!」

 

滝沢の両親の罵声も気にせずに鋭い視線で睨み返す。

 

「思ってないね。さっきの話聞いてなかったのか?

 お前ら両親と結子とは親の関係を切らせたんだよ、法律的にな。

 知り合いにそれが詳しい奴に頼んで手続きは済ませた。

 結子は俺の家に、2人は家に送っておけ、丁重にな」

 

幹部の男は頷き、彩菜たちを連れていく。

統磨はゴミクズの二人の前に立ち、憤怒の表情で見下す。

 

「貴様らは社会的に抹殺してやる。覚悟しておけ」

 

そう言い残して、滝沢家を後にした。

 

 

◇◆◆◇

 

 

日曜日―――。

 

「……大きな家」

 

彩菜は黒土家の大きな門を見て、言う。

小さな方の門を開けて、中に入ると大きな庭が広がり和風の屋敷がある

蒼い髪を束ねて、メガネの女性がニコリっと微笑む。

 

「私は堂島麗華(どうじま れいか)と申します。こちらにどうぞ」

 

彩菜は後に続き、部屋に案内される。

結子、恵美、藍も先に座って待っていたようだ。

 

「あれから、大丈夫だった?」

 

「ええ、黒土…さんが、空いた部屋に泊めてくれたわ。

 こんなに、羽を伸ばして心が休めたの何年ぶりだろう」

 

最後に統磨が入ってきて、座る。

麗華がお茶菓子と人数分の御茶を置き退室する。

 

「……ねぇ、統磨はいったい何者なの?あのクラブの人たちが驚いてたのただ事じゃないわ」

 

「私も噂でしか聞いてないけど、ギャングとかヤクザを取り締まっているって聞いたけど、どうなの?」

 

彩菜と恵美が質問して、統磨はニヤリッと笑う。

 

「そうだな。日本の裏社会を纏めている若頭と言えばいいか?

 筋のなってないチンピラどもには容赦なく潰しては警察共に突き出している。

 素性をしている学校は俺の事を悪く思っているだろうがな……。

 それに、俺はこの家で生まれの者じゃないから尚更な」

 

「どういうことなんですか……?」

 

藍がそう尋ねて、統磨はポッキーを食う

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

昔の事を語る。

 

――両親は自分の事を人間として扱って貰えず、愛情も注がれなかった。

 

――あの雪振るの中で、彷徨い死を覚悟していたが……。

 

――黒土家の頭首であり、義母である―――黒土清華(くろつち さやか)に拾われた。

 

――自分が置かれた状況を話し、前の両親は親権を失い、投獄された。

 

――施設に送られるかと思ったが――――。

 

「……帰る場所がないなら、ここにいなさい。私の息子になって」

 

――その言葉に涙と声が枯れるぐらい大泣きした。

 

――温もりを与えてくれた、あの人を昔も、今も、これからも忘れない。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

(だから、あの時……)

 

彩菜は統磨の行動を思い出していた。

結子の今の状況に似ていたからこそ……。

 

「私のお父さんとお母さんは……?」

 

「あんなゴミ共は刑務所にぶち込まれたよ。

 証拠品の録音テープを警察に渡してな。

 プロでも解らない様、編集はしてあるから死ぬまで檻の中だ。

 仮に出られたとしても、あの二人は頼る者もない」

 

ポッキーを咥えて笑う統磨。

クズ共を地獄へと落とした気分は最高なんだろう。

次に真剣な顔になり、結子に言う

 

「まぁ……お前もクラブ通いと、バカな事は二度とするなよ。

 中にはギャングやヤクザ繋がりがあって臓器売買されてもおかしくない店もあるからな」

 

そう一歩間違えれば、取り返しのつかないことにもなっていたのだ。

 

「私はこれからどうすればいいのかな、親もいなくなって……。

 夏休みの時、彩菜を見放した罰が当たったから……」

 

「なら、この家に住みな」

 

統磨の言葉に驚く、4人。

そんな事を気にせずに彼は語る。

 

「住む家が無いなら大学に出て卒業したら、仕事を紹介してやる。

 それに、お前はまだ失っていないだろう」

 

統磨は立ち上がり、部屋を出ようとする。

 

「彩菜ともう一度親友になれ、それがてめぇの償うべきことだ」

 

そう言って、彼は部屋を出る。

四人となり、結子は彩菜と向き合う。

 

「彩菜……夏休み前の時、貴女に辛くあたって、ごめんなさい……。

 イジメで辛い思いをしていたのにあなたを見捨てて……」

 

彩菜は結子の両手を取る。

 

「いいのよ……。あの時、結子の苦しみに気づけなかった私も同罪だわ……。

 こんな私をもう一度、友達になってくれる?」

 

「勿論よ!彩菜……ごめんね!ありがとう……!」

 

結子は彩菜を力いっぱい、抱きしめる。

恵美も藍も包み込むように二人を抱きしめる。

部屋の外に出ていた、統磨はフッと笑う。

 

 

◆◆◆◆

 

 

=隠れ家=

 

「……復讐は終わらすわけにはいかないよな」

 

机には復讐する者たちの名前が書かれている封筒を並べる

 

「まだ復讐を果たさなければいけない者たちがいるもの。

 だけど、結子と恵美は巻き込むわけにはいかないわ」

 

この身が許されないのならば、地獄に落ちてもいい。

イジメを行った者たちに相応の罰を与える。

 

「次はこいつの番ね」

 

封筒から選ばれたのは……峰嶋貴志(みねしま たかし)。

次なる復讐する者が決められた。

 

 

◆◆◇おまけ話◇◆◆

 

 

「そういえば、結子。あなた統磨とキスしたわよね」

 

「え゛っ!?あ、あ、あれは……黒土からしてきたというか……」

 

「それにしても、黒土って大胆なことするよね~。人が大勢いるのにキス、写真撮り逃した~!!」

 

「え、恵美!!」

 

「あ、あの……キスはどんな味がしましたか……?」

 

「あ、藍さん……!?」

 

「確かに気になるわね……」

 

「どうなの?さぁさぁ!!」

 

三人に迫られて、涙目になりながらも顔を下に向いて……

 

「チョ、チョコ味……」

 

「そういえばポッキーいつも食っていたものね」

 

「甘いキスというわけですなー」

 

甘いガールズトークは更に盛り上がる中、部屋の外で待機してた統磨はポリポリとポッキーを食べていた。




おまけ話でちょっとした休息タイム~。

殺伐とした本編にも少しだけ、こんな日常があってもいいじゃないか
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