復讐教室~悲劇と憎悪の詩~   作:Mr.エメト

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二か月ぶりの投稿。

原作、最新刊の六巻目……衝撃の展開ががが!!


第四話 崩れゆく音

結子の件が片付いてから、彩菜のイジメは減り続けていた。

統磨のもう一つの狙いがこれである。

仮に統磨が傍にいない時、結子と恵美がいれば他の連中は彩菜に手出しはできないのだ。

 

ただ、気になるのが……彩菜の幼馴染である塚本美穂(つかもと みほ)。

 

彩菜曰く"ミステリアス感"があるということで、旧校舎の本を読んでいる。

距離を置いており、イジメに参加していないが何かを知っていると読んでいる。

 

「いずれにせよ。感づかれないようにしなければな」

 

チラッと時間を見る統磨、そろそろ始めている頃だろう。

次なるターゲットは峰嶋貴志(みねしま たかし)。

とにかく卑怯者で、あることない事を言う。

口先だけの男で皆からも煙たがられている。

当然、統磨もその手の人間は大嫌いだ。

 

「さて、どうなるかな?」

 

 

◆◆◆◆

 

 

体育の時間

 

藤沢たちはバレーの授業をしている。

その時―――。

 

「きゃっ……」

 

「あ……だ、大丈夫?の、野村さん」

 

藍とぶつかったのは28番の吉永翔太(よしながしょうた)。

先生が駆けつけて、野村は保健室に運ばれる。

 

「……大丈夫か、アレ?」

 

「鈍臭い女だな。そういや、この前も……」

 

貴志はニヤニヤしながら、水筒の飲み物を飲む。

四時限目の理科。

だが……貴志は腹痛に襲われて、トイレに駆け込んだと山瀬裕也が報告する。

クラスの皆は仮病だとかあんまり信じてないようだ。

授業が終わり――――。

 

「腹も直ったし、一時間得したぜ。お前らは真面目にごくろーさん」

 

「ウザ……ん?あれ?」

 

結城真莉(ゆうき まり)がカバンを調べると……異変に気付いた。

 

「私の財布が無い!!」

 

「俺の時計が無い!!」

 

「私のペンケースが無い!!ブランドものなのに!!」

 

どうやら持ち物が消えており大騒ぎだ。

貴志は自分のバックが少し開いているのを見て、確認すると―――

 

「!!?」

 

急いで閉めて、持ち抱える。

 

「盗難とかマジあり得ないんだけど!!」

 

「ここんところ、酷いよなぁ……!!」

 

真莉がある提案をする。

 

「解ったわ。皆は教室から出ないで、一人一人の中身を確認するのよ。犯人捜しをするわ」

 

「確かに、このまま盗難のエスカレートしそうだしなぁ」

 

「何もなきゃいいで、他のクラス―――。もしかしたら統磨が犯人という可能性だって……」

 

貴志は気づかれない様にそろりっと教室から出ようとするが――――。

 

「何処に行くつもり?」

 

「は、腹の具合が悪いから、トイレに……」

 

「鞄を持って?ちょっと、中を見せな」

 

「な、何の権利があって!!」

 

「コイツ……何か隠しているよ!」

 

「なにモメテんだよ!やましい事が無いなら、さっさと!!」

 

北村亮(きたむら りょう)は鞄を開けると……時計、財布、ペンケースなどが入っていた。

皆が貴志を睨む。

 

「な、何かの間違いだ。藤沢が俺を恨んで……根暗の吉永が……」

 

「またあることないことでごまかす気!?」

 

「理科の時間、トイレに籠ってたアンタ以外に誰にできるのよ!?」

 

そう、彩菜と翔太は理科の授業に出ていた。

 

「統磨!!あ、あいつならできるんじゃないか!?」

 

「いい加減にしろ!!誰か先生を呼んできて!!」

 

「ち、違うんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

吉永はチラッと彩菜の方を見る。それは二日前の事だ。

 

 

~二日前~

 

 

放課後の事、吉永は他人の机を漁っていた。

教室のドアが開かれて、携帯で動画を撮っていた統磨と彩菜がいた。

 

「どうぞ気にせずに続けていいよ。ココの所、盗難騒ぎが全部アンタの仕業って知ってるもの」

 

「確か、四日前もだっけかな?小銭だけじゃなく、ポーチ、ストラップも盗んで妹にあげているんだろ?」

 

「ど、どうしてもそんなとこまで……!!?」

 

完全に追い詰められて、翔太は顔を青くしている。

 

「まぁ、待て。お前を吊し上げたいわけじゃない。協力してほしいんだよ。

 これがうまくいけば、他人になすりつけることができる。

 良い話だと思うがなぁ……?」

 

こうして、貴志を貶める作戦が始まった。

イジメの中心にいる真央の絵の具を隠した彩菜は取って来いと命じて、貴志の水筒に下痢入り水筒を作る。

水筒持参なのは、健康管理で学校の体育の時間、いつでも飲めるからだ。

体育の時間に翔太はわざと衝突し、理科の授業―――野村が早退のふりをして教室に戻らせ、貴志の鞄に皆の所持品を入れた。

 

日頃の行いのせいで、庇う者は誰もいない。

自分が蒔いた種でこうなったのだ、自業自得だ。

 

 

◆◆◆◆

 

 

「そうか、うまくいったのか。」

 

「ええ、あいつの泣き顔は最高だったわ」

 

「じゃあ、次は……俺の番だな」

 

次の標的は三輪楓(みわ かえで)と菅原千鶴(すがわら ちづる)と書かれていた封筒だ。

 

 

◆◆◆◆

 

 

三輪楓(みわ かえで)と菅原千鶴(すがわら ちづる)

彩菜に対して暴行とカツアゲをしている二人組。

噂では、美人局まがいの行動をしてオヤジ狩りを行っている。

もっとも、千鶴の場合は楓の行いをあまり思っていないようだ。

 

「情報、集めたぜ」

 

「お疲れ、風麻」

 

彼の名は3年2組の風麻純一(かざま じゅんいち)、クラスの情報屋だ。

こいつと知り合ったのは2年前の事だ。

たまに校舎裏でサボろうとした時に、大きな声が聞こえた。

様子を見で見ると、二人の女子が同じクラスの男子に絡まれていた。

 

「先生!!こっちだ!!」

 

大きな声でホラを吹くと、二人の女子は一目散に逃げた。

それが、風麻との出会いだ。

どうやら、美人局紛いの二人を調べていたが逆に見つかってたかられたのだ。

それ以降から二人は情報交換の為にやりとりをしている

 

「スクープを撮ろうとしたけど、逆に捕まってたら失格だね」

 

「……で、あいつらは何か動きをしているか?」

 

「いつものようにそこらにいるオッサンを美人局させて、金を奪う。彩菜にも執拗に金をぶんどっていたね」

 

「なら、今度は俺が奪う側になるか。自分たちがどれだけ、恐ろしい事をしたのか身を持ってな」

 

アイフォンを取り出し、連絡する。

 

 

◆◆◆◆

 

 

千鶴はその日も美人局をしていた。

 

(……楓のヤンチャにも付き合うのも正直辛いわ。一歩間違えれば、犯罪じゃんか)

 

二人の出会いは付き合っていた男が二股をかけており、その時にボコボコにしたのだ。

 

(楓にもはっきり言おう……)

 

一方の楓は時間を見計らって行動しようとしたが―――。

 

「貴方が、楓さんですね?」

 

話しかけてきたのは、青髪の男性だった。

 

「なるほど、あの人が言ってた通りですね」

 

「はっ?何言っているのよ?」

 

「ああ、心配しなくても……貴方には現実を忘れさせてあげますよ」

 

青い髪の男は連れの者たちを使って楓を車に連行する。

 

「は、離して!!イヤァァァァァ!!」

 

暴れる彼女を気絶せて、車に乗せ込んだ

 

 

◆◆◆◆

 

 

=???=

 

楓は目を覚ますと、辺りを見渡す。

薄暗いが、ここは何処かの部屋のようだ。

隣には千鶴がいた。

 

「ち、千鶴!?」

 

「か……楓……?私……どうして……」

 

ドアが開かれて、入ってきた。

 

「よお……。目覚めたようだな」

 

「あ、あんたは!?黒土!?」

 

「フフフフフフッ。

 お前らの情報を調べたが酷いもんだなぁ……美人局紛いをして、金を巻き上げる。

 強欲塗れの不良少女どもが」

 

統磨の後ろに、楓を連れ去った青い髪の男がいた。

 

「そ、そいつは!?」

 

「ああ、俺の部下の一人……柊和人(ひいらぎ かずと)だ。

 お前らみたいな女に騙されて心に傷を負ったんだ。

 今回はお前ら二人を捕まえることで色々と準備はしたのさ。

 

つまり千鶴の方にもこの男が現れて、連行されたという事だ。

 

「こいつの趣味は……女を弄る事が好きなんだとさ。文字通りな」

 

和人の手には竹竿を持っており、バシバシと地面を叩く。

 

「じょ、冗談じゃないわよ!!こんな事、許されるわけが……!!」

 

「ああ、心配するな。お前らの悪事は親共や学校に報せている。

 両親たちは……泣いて怒っていたよ。

 "どこで育て方を間違えたのか"っと、親不孝な二人だな」

 

残酷な報せに楓と千鶴は真っ青になる。

統磨はドアの方へと、歩く。

 

「まぁ……一生、弄られていろよ。きさまらの尊厳を無くすほどになぁ!!」

 

ドアを閉めて、和人は竹竿をギュッと握り、振りかぶる。

後に聞こえたのは―――叩かれる音と悲鳴だけだった。

 

 

◆◆◆◆

 

 

「あの二人は、そんなことになったの」

 

「二人の両親には更生させるという事で金で黙らせたよ。

 もっとも、出てきたところでどうにもならないがな」

 

二人が閉じ込められていたのは、統磨が管理している"ある施設"。

その施設長である和人が任されている。

今頃、二人は自分たちがやってきた事と両親に対する涙を流して懺悔をしている頃だろう。

 

「楽しいわ。こんなに心が軽くなるなんて……」

 

「まだ……復讐するものたちが沢山いるからな。次は諦観者共を始末するか」

 

そうして、取り出したのは……五十嵐隼人(いがらしい はやと)と森谷直人(もりたに なおと)だ。

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