復讐教室~悲劇と憎悪の詩~   作:Mr.エメト

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あけましておめでとうございます。

初投稿は復讐教室から!!

今回は休息と次なる計画への布石・・・?


僅かな安息と契約

僅かな安息と契約

 

 

滝沢結子。

ある件をきっかけで彩菜との友情を戻し、両親と決別して黒土家に住んでいる。

とは言っても、結子が委員長としての仕事があるため先に出ていることが多く一緒に登校しているわけではない。

休日は統磨を起こしに部屋に入る

 

「ほら、起きなさい」

 

揺さぶって起こすが、統磨は起きない。

寝顔を見て、フッと思い出すのは―――強引なキスである。

ちょっと顔を赤くして自分の唇に触れる。

 

「……なに、自分の唇に触れてんだ?」

 

心臓がドキッとして、声がした方を見ると、統磨は目を擦って起き上がる。

 

「な、なんでもないわよ。唇が少し乾いていたような気がして……」

 

「ふーん、そうかい」

 

くああっ、と欠伸をする統磨。

寝間着を脱ごうとしたが、結子を見る。

 

「このまま、俺の体でも見ようというのか?意外と筋肉あるぞ」

 

「み、見るわけないでしょ!!」

 

そう言って、結子は部屋から出ていき乱暴に襖を閉める。

統磨はやれやれとポーズを取り、私服に着替える

 

 

◆◆◆◆

 

 

朝飯を食べ終えて、今日の予定はなにもない。

時期が時期だから、進路とか受験とかすればいいんだが……。

 

「折角いい天気だしな……。よし」

 

結子がいる部屋の前に立ち、襖の戸を開ける。

 

「邪魔するぞ」

 

「なに?どうかしたの?」

 

「今日はいい日だから、気分転換に遊びに行くぞ」

 

「唐突すぎないかしら?それに受験勉強だって……」

 

「勉強するのは大事だが、たまに外の空気吸って気分を入れ替えしないとな」

 

強引に手を引っ張って、外へと出かける二人。

街へと遊びに来た、二人。

本屋に立ち寄り新作の漫画や小説を探して買ったり、アイスやクレープを買って食べ歩いたり、

ゲームセンターに寄ってシューティングで画面の敵を撃ちまくったり、ユーフォーキャッチャーでヌイグルミを取り結子にプレゼントをした。

 

こうして遊びまくって夕方、海が見える場所へと向かう二人。

 

「やっぱ、夕方の海はいいな……オレンジ色に輝く太陽が沈んでいく光景は美しい」

 

「この光景が好きなの?」

 

「ああ……母さんと一緒に見たからな。俺を家族として向かい入れた思い出の光景だ」

 

目を瞑って昔の思い出を語る。

 

「……結子。お互い親に恵まれず、辛い思いをしたが、

 この先は俺たちが間違えないように生きていこう。

 お前も親友の彩菜も守ってやるさ」

 

そう言って、ニッと笑う統磨。

夕日の光のせいなのかいつも以上に輝いているため結子は顔が赤くなりドキッとする。

少し、顔を俯くが統磨はイタズラな笑みをして、不意打ちのキスをする。

しばらくして離すが、結子は顔がトマトみたいに赤くしてビンタが炸裂した。

 

―――夕焼けの海、痛い思い出ができた。

 

 

◆◆◆◆

 

 

旧校舎の図書室。

そこにとある少女は哲学本を読んでいた。

 

"塚本美穂(つかもと みほ)"。

 

彩菜とは小さい頃からの親友。

時折、何か先を見ていることが多く、こうして本を読んでいる。

戸が開くと、其処に入ってきたのは……統磨だ。

 

「よぉ……こんな所で本を読んでいるのか?

 まぁ、静かに本を読んだり昼寝するには最適だな」

 

相変わらず言うが、彼女は表情を変えない。

統磨はお構いなしに、彼女に近づく。

 

「……お前はどこまで知っているんだ?全ての始まりから終わりまで?」

 

「……なんのことかしら?」

 

「彩菜のイジメに関してだよ。

 少しお前さんの事を調べたんだがな、大変なモノを抱えているんだろ?

 それが原因で彩菜の元から離れたのか?」

 

美穂は変わらず本を読んでいた。

 

「………それとも?彩菜を影ながら守って自分は何とか解決しようと奔走中か?」

 

その言葉を聞いた途端、美穂は本を読むのを止めてジッとこちらを見る。

 

「まぁ、心配しなさんな。

 彩菜の安全は保障してやるし、お友達もこちら側に入らないようにする。

 それに……ゲームマスターは意外と近くにいるかもな」

 

統磨は視線をずらして、そう言うと目を瞑って立ち去ろうとした。

 

「……それで、お前さんと契約を交わしたいんだがな。

 持っている情報を提供してくれるのが条件だ」

 

「……内容によるわ」

 

「内容は―――――どうだ?」

 

その言葉に美穂は驚くが、しばらく考えて――――。

 

「その契約。結ばせてもらうわ……助かるなら……」

 

「決まりだな」

 

彼女が調べた情報を得て、統磨は今後の計画を立てる。

次に狙うは――――川本大輔(かわもと だいすけ)だ。


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