一話、1人目の転生者
此処は一体、どこなんだ?
一応、辺りを見渡すが、黄昏時の浜辺のような場所であり
遠くの丘の上に恐らく教会のようなものが建っているのが分かる
「うん、こんな綺麗な風景は見た事がないから多分、俺は死んだんだろうな」
「はい、その通りですよっていうか納得するの速くないですか?」
「いや、トラックに轢かれて生きてられるなんて…そんな化け物じゃないし」
「貴方の友人が聞いたら恐らく否定するでしょうね…」
「たかが校舎の五階から飛び降りても無傷だったぐらいで化け物扱いは失礼ですよ」
「普通の人間からすれば十分化け物です、ていうか死んだのに普通ですね」
「いや、大体こういう見知らぬ場所でいきなり出てくるのは神様とかそう言う系で転生させてくれるって言う感じの、テンプレだと思うんですよ」
「いやまぁ、確かにそうですけどね」
そこ肯定していいのだろうか
「でも俺はそこまで良い事したつもりも無いんで結構ですよ」
「いやいやいやいや、貴方の年齢でこれだけ善行積んでる人も珍しいので転成させろって言われてるので貴方には転生してもらいますよ!」
「えぇ〜、人の意見無視ですか」
「まぁいいじゃないですか、テンプレ通りで」
転生させる側がテンプレって言っていいのかな・・・?
「て事は、能力か何かをくれるんですか?」
「何も与えずに送り出すほど、私は外道じゃないですよ」
「んじゃあ、二つだけ、一つ目はFate/Zeroの無窮の武練、二つ目は肉体の上限を無しにして下さい」
「はい…ってそれ以上人外になるつもりですか!?」
「努力すれば報われると言うのを不言実行しているだけです!」
まったく、人外だなんて失礼な
「まぁいいですよ、もう一人、転成者がいるそうですので、とりあえず気をつけて下さいね」
「おや、心配してくれるのですか」
「べ、別に貴方の事なんて心配じゃ無いんですからね!」
「ツンデレですねぇ」
少し顔赤くなってる、可愛いな
「む〜…もう送りますからね、次で質問は最後にして下さい!」
「では、俺が送られる世界は何処なんですか?それと聞きそびれましたが、俺が助けた子は生きてますか?」
「二個じゃないですか…まぁいいですけど、貴方が助けた子は生きています、それと送られる世界はリリカルなのはの並行世界のような場所です、さようなら、また会う時を楽しみにしてますね」
少女が笑顔になるのと同時に、不意に足下に穴が空くと重力に従い
俺の体は落ち始めていた
「ちょっ!身体能力関係無っ!しかももう一度死ねとっ!?」
あの子は助かったのか、よかった
安堵する俺の心とは裏腹に落ちて行く俺の叫び声が
浜辺に虚しく響いていた
「ふう、これで終わりですね」
一人残された少女は息を吐くと、手元の書類に印鑑を押した
「…お元気で、
そう呟き、少女はその場から立ち去った
印鑑には『ヘスティア』と言う名前が刻まれていた