海鳴市にある一軒の家に、少年が妹と共に住んでいた
少年の名は『
聖祥大附属小学校に通う三年生
容姿は艶やかな黒い髪に透き通る様な蒼色の眼
そんな彼の日常が始まる
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いつもの朝練を終え、妹の作った朝食を食い、学校の制服に着替えて、妹と共に登校する
「「行って来まーす」」
返事が帰ってくることはないけど、言わないよりは気分が良いね
〜通学路〜
普段通りの通学路だ、何も無さ過ぎて欠伸がでる!まぁ、欠伸がでるのは昨日夜更かししたからなんだけどさ
それに毎回何かある登校っていうのも嫌だけど、こう、何もないとなんかつまらないというか・・・
「兄さん?」
そんなくだらない事を考えながら歩いていると、隣を歩いていた妹が声をかけてくる
「ん、どうした朔耶」
玖龍 朔耶、僕の妹で、八歳だ
と言っても、義理のって付くんだけどな
容姿は某弾幕シューティングゲームに出てくるメイド長の髪を黒にした様な感じ、家ではよくゴスロリやメイド服を着てるがかなり似合っている
まぁ、今は学校の制服を着てるけど・・・学校ではモテるらしい
「今日の夕食は何が良いですか?」
「んー、久し振りにクリームシチューが良いな」
「…今日は多少帰るのが遅くなりますけど、気にしないでくださいね?」
「わかった」
いつもの店に行くのだろう、確か今日は月に一度のほぼ全ての商品が半額の日だっけか、あの店結構羽振りが良いよなぁ
・・・主婦達が血眼になって商品を奪い合う姿がかなり怖いけどな
その中に飛び込んで行ける八歳の妹を心から礼讃したいと思う、僕には無理だ
妹は毎回無傷で「良い買い物をした」というのが見て分かるほどのホクホク顏で帰ってくるのを見て安心する事しか出来ない
「それじゃあ兄さん、また後で」
おっと、いつの間にか学校についてたみたいだ、考え事してるとこういう事よくあるよね
「あぁ、また後で」
〜三年生用昇降口〜
妹と別れ、三年の昇降口に向かう
あぁ、やっぱり仕掛けてあるなぁ
今日も画鋲が上履きの中に仕込んであるよ、御丁寧に爪先の方にね
一体誰がやってるんだろうね、まったく・・・っと
両面テープで貼られている画鋲を取り外し、上履きを履いて振り返って見たら
「おはよう副委員長、そしてさようならだ」
竹刀を持った同級生の男子達に囲まれていた。
やれやれ、学習しようよ、そろそろさ…ってか、毎回だけど、その竹刀はどこから持ってきてるんだ?
「おはよう皆、面倒だから逃げさせてもらうよ」
「追え!今日こそ絶対に逃がすな!」
「副委員長を倒せば、委員長は俺の者だぁぁぁあ!!」
「そうはさせねぇ、副委員長を倒すのは、この俺だからな」
「俺、副委員長倒したら月村さんに告白するんだ」
「「「死亡フラグ建てんな馬鹿が!」」」
「おい、副委員長がいないぞ!」
「「「「あ、しまった」」」」
味方同士で潰しあってくれるおかげで毎回逃げきれるけど、なぜこうなった
僕は何もしてないんだけどなぁ…多分
〜教室〜
「おはよう、副委員長」
「おはよう、委員長」
挨拶してきたのはアリサ・バニングスちゃん
率先してこのクラスの委員長になり、僕を副委員長に任命した人物だ
「毎朝大変そうだね」
「僕は何もしてないんだけどなぁ」
次に話しかけてきたのは幼馴染の月村すずかちゃん
僕も本が好きで、よく本を貸したり、貸してもらったりしてる…この間貸したのは『そして誰もいなくなった』だね
「そういや、アレは放っておいていいの?なのはちゃんをアレと2人きりにするのは危ないと思「今度あんたの家で勝負よ!」…わかった」
僕が返事をすると同時にアリサちゃんは早歩きでなのはちゃんとアレの方に戻って行った
あぁ、アレって言うのは銀髪オッドアイの奴なんだけど、無駄になのはちゃん達に絡んでるんだよね
しかもなのはちゃん達に近づく男子を何かに付けて脅したりしてるらしい、現に被害者が出てるし
でも悲しいかな、見た目はイケメンだからなのはちゃん達以外の女子からは人気が高いせいで、色々と証拠を揉み消される事もある
「やっぱり大変だね?零君」
「あはははは…はぁ」
まったくだよ、話ししてるだけなのにこっちずっと睨んでくるし、軽いいじめみたいなの仕掛けてくるし、手下を奇襲特攻させるし……例を上げたらキリが無い
「でも零君、その喋り方疲れない?」
「うん、疲れたから戻してもいい?」
この喋り方、小1の頃に始めたんだけど、やっぱり合わないな
本家の爺さん達に仕込まれたせいか、癖がついてしまっていて中々戻し辛い、幼い頃についた癖が取れにくいのと同じ感じだ
「フフフ・・・ダメ♪」
「そういうと思ったよ」
幼稚園の頃からの付き合いだけど、すずかちゃんはいつか黒化するんじゃないかと思ってる
キーンコーンカーンコーン
あ、チャイム鳴った
「じゃ、すずかちゃん、また後で」
「うん、また後で」
〜一限目、国語〜
「この漢字はテストに出るからな〜」
毎回思うけど、襲撃←こんなのが小学三年生の漢字テストに出るってどうよ?
〜二限目、理科〜
「クキャキャキャキャ!ウヒャーヒャヒャヒャヒヒャヒャ!どうだ?わかったか?」
理科科教師、烏山 文幸
この人、相変わらず笑い方怖っ!
…でも教え方が単純で分かりやすいって人気なんだよな
…大学で講師もしてるんだよね、人は見かけによらないってことかな
〜三限目、社会〜
「徳川幕府は…ん?ここ事実と違うな、ここはだな…」
社会科教師、徳川 千鶴
この人は徳川家の子孫らしい、偶に事実と違う部分を訂正して教えてくれたり、テストに出したりする
文部省泣かせの教員として知られてる(日本全土に)
まぁ、日本史(徳川幕府の事など)に関してはこの人に聞くのが一番だろうけど、小学校で習う事ではないと思う
〜昼休み〜
はぁ〜、今日も濃い授業だなぁ
「零君、一緒にお昼」
「すずか、そんな奴に構ってないで早く行こうぜ!」
空気の読めない銀髪来たぁ
「………うん、わかった……零君、また後でね」
軽く憎しみの篭った眼で銀髪を見てた気がするけど……僕の気のせいだよね
「う、うん、また後で」
銀髪の後を仕方無く歩いてますという黒いオーラ全開ですずかちゃんは歩いて行った
さて、どうするかな
「零、一緒に飯食おうぜ」
「あぁ拓哉君、わかった、ちょっと待ってて」
彼は神崎 拓哉君、僕の親友で、銀髪と対立する派閥のリーダーをやってる
このクラスには三つの派閥がある
一つ目は銀髪こと神城 綜椰をリーダーとする神城派、神城の事が好きな女子達や、神城の手下の男子達による派閥だ
二つ目は拓哉君をリーダーとする神崎派、神城が嫌いな男子や女子などによる所謂、対立派だ
三派閥の中で規模こそ最小だが実力者?揃いだ
三つ目が僕をリーダーとする中立派、平和に暮らしたい男子や、神城の被害に会った男子、女子達による派閥で、三派閥の中で一番規模が大きい
まぁ、僕の派閥の人に手を出したら、僕が全力で潰しに掛かるし、友人である拓哉君とは同盟を組んでるから僕と拓哉君の派閥では問題が起きない
「お、副委員長!」
「副委員長だ!乗り込めー!」
「「「「乗り込めー!」」」」
「「やめい!」」
拓哉君と一緒に取り敢えず片っ端から額にチョップして止めていく、なんだ乗り込めって、僕は建物とかじゃないんだけど
「ほら、さっさと席揃えろ」
「「「「了解!」」」」
やっぱり普通のクラスじゃない、指示一つで敬礼する小学生とか見たくない
「なぁ零、今日帰りに翠屋行って見ないか?」
「ごめん、今日は少し早めに帰るから行けないや」
「そうか、わかった…じゃあ今度模擬戦しようぜ、最近襲撃が増えたから鍛え直しておきたいんだ」
「それぐらいなら問題ないよ、今週の金曜でどう?」
「わかった」
久々だなぁ、拓哉君どれくらい強くなったのかな?
〜Side:神崎拓哉〜
あ、やべ、地雷踏んだか?
すっげぇ楽しそうに笑ってるよ…だが、前の時よりは強くなったはずだ
その成果を零に見てもらうのは良いかもしれないな
「さて、昼休みも終わりだな」
勉強も本気でやらないと小学生の授業なのに置いてかれるからなぁ
〜放課後 Side:玖龍零〜
さて、色々かっ飛ばして放課後だ
因みに、四限目は英語、五限目が道徳だった
道徳とか今、銀髪に最も必要なものだと思うけど、あいつ全然話し聞いてなかったよ…
すずかちゃんもいつもの2人と帰ったみたいだし、僕もそろそろ帰ろうかな
〜通学路、帰宅中〜
1人で帰宅するというのも、久しぶりな感じだ
いつも朔耶か拓哉君と一緒に帰ってたからなぁ、昔はすずかちゃんとも帰ってたんだけど、最近は銀髪が邪魔してくるから碌に会話も出来ないよ
全く…………………ん?
何か一昨日から感じては居たけど、何なんだ?
この歪な魔力………公園の方からだ
…少し行って確かめるべきだね
〜夕暮公園〜
この海鳴市という街の中でも、特に大きな三つの公園の内の一つで海に面しており、名の通りに夕暮れ時に美しい夕陽を見る事ができると有名である
休日だけでなく平日の夕暮れ時にまでリア充やバカップル共が集まり、甘い空気を漂わせる場所でもある
そんな公園には、普段とは違う空気が漂っていたが、それは闘争の空気では無く……
「すぅ……すぅ……」
「…何でさ」
金髪の少女がベンチで眠っていた
もうじき寒くなり始める夕暮れ時に
今思えば、この出会いが魔法というモノに関わり始める、切っ掛けだったのだろうね
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