株式会社 鎮守府   作:不可

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はじめまして。
あふれ出る妄想の露出です。
取り留めの無い乱文と設定の稚拙さと知識の欠乏具合はお見逃しください。
ご指摘されても枕を濡らすだけで多分改善できません。
すみません。読もうとしてくださっただけでも感激です。
ありがとうございます。

※誤字を修正しました。(2016.01.21)


1. 深海棲艦は強い

 人類史にその名を刻んだ異形たち。それが深海棲艦と呼ばれる理不尽な何かだ。

 ある日突然現れて、ある日突然人を襲った。

 人間だって馬鹿じゃないし、言葉も通じない異形種に博愛の精神で以って接するほど純粋でもない。当然、警察や軍隊による鎮圧が行われた。

 いや、鎮圧しようとした。

 

 深海棲艦に物理的攻撃は効果が無い。

 全く無いわけではないが、極端に威力を減じられているのは確かだ。

 

 人類が持つあらゆる重火器が意義を失った相手である。

 ミサイルなどの超火力で薙ぎ払うことも不可能ではなかったが、不可思議にも深海棲艦どもは計器によって照準できないため、非常に効率が悪かった。

 

 ミサイルを十発撃って、どれか一発が直撃することを祈って、見事命中して、それが致命の一撃になることを祈るしか、人類に残されたまともな防衛手段は無かった。

 毒も、熱も、寒さも、空気も、電撃も。他に思いつくだけのあらゆる手段で人類は対抗しようとしたが、深海棲艦を葬り去れるのは最低でもミサイル一発分の物理的破壊力だけであった。

 

 しかし、ミサイルによる防衛手段も長くは続かない。ミサイルは高価すぎるからだ。

 どの国も、押し寄せる深海棲艦の物量の全てを、ミサイルのみに託すことはできなかった。

 某国がエイリアンものの映画よろしく核攻撃を敢行しても、一時的に敵を取り除けるだけでまるで意味が無かった。

 海を拠点とする深海棲艦は、ほぼ無尽蔵とも言える膨大な物量を有していたのだ。それは、かの有名な物量大国をも大きく上回るほどに。

 

 従って人類は、かなり消極的な漸減作戦に出ざるを得なかった。

 敵の圧倒的な物量に対して、自陣の攻撃手段は確かな有効性を持っていない。そんな状況で乾坤一擲の手段を思いつく天才は存在しなかったのだ。

 

 かくして人類は絶望的な状況の中、ただ生き永らえるためだけの反抗作戦に移り、以後は自国の生存に必要な最低限の防衛線を保つだけの軍事力を捻出することに腐心するようになる。

 こうなっては、同盟も平和主義も無い。

 ただ自国の資源と軍事力を可能な限り減らさないよう、自国防衛のみに専念する。そんな国家ばかりになってしまった。

 

 当然の帰結とも言えるが、そうなると軍事力に余裕の無い国や、そもそも高価な兵器を購入も生産もできない国はとてもではないが持ちこたえられなかった。

 

 まず東南アジアの諸島が落ちた。インド洋に浮かぶ数々の島やアフリカ大陸にいたっては地中海方面を除く大半の海岸線が敵の猛攻に沈み、今もじわじわと内陸部に押し迫っている。

 アメリカも当初は国家の威信に掛けてハワイ島やグアム島などの防衛を謳ったが、敵の物量が明らかになり、国防費と人名の損失数が膨大に跳ね上がったのを受けてこれを全面撤回。全住民の本土移送作戦に切り替え、以後は大陸本土の海岸線を最終防衛ラインとした。

 

 日本も例外ではなかった。まず、太平洋や東シナ海、そしてオホーツク海側の離島はすべて放棄せざるを得なかった。

 島民の性として、どうしても離れたくない、という輩は全国無数に居たものの、最初の数島で防衛に派遣された自衛隊員と島民の全てが海に沈んだことを切欠に、一斉に本土へと殺到した。日本政府としても、拠点防衛の難しい小島の住民をこれ以上守ることはできないと本土防衛に徹するようになる。

 

 さて、深海棲艦による侵攻当初は、いくつかの島国や弱小国の滅亡こそあったものの、軍事力に優れる大国は辛うじて耐えていた。

 しかし、一向に勢いを減じることの無いその攻勢に、いくつかの国は早くも息切れを起こしていた。

 日本である。

 

 元々日本は継戦能力に乏しい。戦争資源が少ないのだ。

 各国が資源消費を最大限抑えている状況では、防衛に十分な資源確保は不可能である。

 そんな深刻な事態に、更に最悪のニュースが日本を襲った。

 

 日本近海というか、南鳥島に敵の巨大棲地が出現したのだ。

 棲地。それは深海棲艦の侵攻拠点であり生産拠点である。そこを拠点とし、無限の物量が近隣の国々に押し寄せるのだ。

 これまで人類が確認した棲地はいくつかあるが、そのいずれもが未だに健在だ。つまり、今もそこから攻め入られている。

 かつてアメリカは自国の比較的近海に出現した棲地に膨大な質量攻撃と核攻撃の両者を実行した。どちらも確実に実施され、成功したものの、およそ二ヶ月後には元の状態に回復してしまったのだ。

 これ以降アメリカは棲地に対する攻撃は、断続的な漸減に留めることとなった。

 

 即ち、沈まないし攻略できない敵の拠点が、日本近海に現れたのだ。

 恐怖と言うよりも、もはや絶望でしかなかった。

 ただでさえパチンコ台に吸い込まれていく万札のように資源は減る一方で、一向に補給のメドは立たない。

 そこに更なる攻勢が待ち構えているとなれば、日本滅亡の時は目前だった。

 

 そう、そこで現れたのだ。

 日本を全滅の道から救い出し、存続の未来へと導く集団が。

 

 曰く、株式会社 鎮守府―――

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