今日久ぶりの日曜投稿です!
この第2章もそろそろ終盤、物語はまだまだ続きます!
では23話どうぞ
発射された飛翔体は最大速度を出して音の壁を超えて、目標に近づいて行った。
ミサイル、何度も言うが、この兵器は戦闘を根本的に変えてしまった。
今まで有視戦闘が主体で、その他は艦載機による魚雷、爆撃しかなかった。けれど、ミサイルはその場から動くことなく、何十キロも離れた敵を攻撃できるようになった。
その未来の兵器が、今この世界の深海棲艦の空母めがけて飛行している。
深海棲艦はその存在に気づくことは無い。気づくのは自分の障壁に当たった時だけ。
だがこのミサイルは、その障壁を無効化するミサイルとは、つゆ知らず。
「着弾」
音は何も聞こえない。
海上に立っている飛騨の声だけが、聞こえた。それと海面が緩やかにうねる音と。
一瞬青く光ったように見えたが、そのように見えただけだ。
敵のシールド無効化し、装甲を貫通して、爆発する。
そして空母は飛騨のレーダーから消えた。
「敵艦の排除を確認、これより鎮守府に帰投する」
みんな唖然としていた。
自分達には今何が起こっていたのか、さっぱり分からないからだ。
戦艦の金剛や比叡、重巡の高雄、軽巡の川内、神通、那珂。
そして駆逐艦の白露、時雨、夕立、睦月、吹雪。
「この海域にもう深海棲艦の反応はない、帰還しよう」
飛騨がこのようなことを言ったが、みんなの顔が強張っていた。
それは恐れにも捉えることができる表情。
彼女達の恐れは、得体の知れない、その攻撃方法にあった。
発射すれば100発100中の命中精度。
それに何でも見透かしている飛騨のレーダー、と頭脳に。
自分達は今、自分達の世界にいないのではないか?
そんな考えがよぎっていたのかもしれない。
彼女一人を除いては。
「飛騨さん!凄いです。あの攻撃も未来のものなんですよね?私も使ってみたいなぁ」
と目をキラキラさせ、興奮しているのは吹雪だった。
「さすが吹雪ちゃん。あんなの見ても怖いと思わないなんて…」
「やっぱり、ちょっとおかしいぽい?」
吹雪のそんな言葉で、時雨と、夕立が言ったセリフでこの場は和んだようだ。
吹雪は「おかしくなよ〜」と言いながら夕立に向かって言っていた。
それを半笑いで見ていた飛騨だった。そんな彼女の気配りかはわからないが、この場はなんとかなった。そして、みんなは鎮守府に帰るようにした。
♢ ♢ ♢
日が傾き、空がオレンジ色に染める時間。
空いている窓からは気持ちのいい風が入ってきていた。
飛騨たちの戦闘が終わり、帰投に入ったとの連絡を受けた鎮守府では、雷龍が大淀さんから借りた書物を読んでいた。
ここの鎮守府の戦闘記録が書かれた、戦闘経過表だった。
なぜそれを見ているのかと言うと、この世界に来てから不自然なことが多い。
存在するはずのない空母や、駆逐艦など、自分の覚えている記憶と照らしわせていたのだ。
それになぜか持ち物に入っていた、歴史書と一緒に見ていた。
「やはりか、すでに歴史の改変が始まっている」
雷龍は本を見ながら言った。なぜかそれは本を見ればわかる、なぜなら飛騨が開いているページには、何も、何も文字が記載されていなかったのだ。
白紙だった。そのページは丁度、MI攻略の時のページ。
(俺の記憶が正しければ、この時、
赤城と加賀が大破で航行不能、飛龍と蒼龍は大破、戦艦金剛、雷巡北上も大破。のちに駆けつけた本隊が攻撃を始め敵を撃破したものの。正規空母2隻、戦艦1隻、雷巡1隻、駆逐2隻を失った。と記されていたはず。
なのに、それが書かれていない。しかも、この世界にはまだ、彼女らが生きている。)
雷龍は悪い予感が働いていた。俺たちが来るより前から、歴史の改変は始まっていた。
あの時に遭遇したのはもしかして、俺達のいた世界の艦ではなくこの時代の艦なのでは?と思っていた。
(考えすぎかもしれないな。)
そのときドアのノックの音がした。
「雷龍さん、飛騨さんからの定期連絡です」
雷龍は空いていた、ページにしおりをして本を閉じた。
そしてその部屋を後にした。
雷龍が部屋を出た後に強い風が吹き、しおりのしていたページが開くと、そこに文字が書きかけで止まっていた。
そしてしおりが外れ、本は閉ざされた。
[ 10 ]
飛騨たちが帰った来たその晩、雷龍は飛騨を呼び、こう話した。
「すでに歴史の改変が始まっているかもしれない」
雷龍のその言葉に飛騨は顔を曇らした。
「そのことなんだが…。
すまない」
「どうした飛騨?」
頭を下げた飛騨に問いかける雷龍。
「今を生き残る為に、ミサイルを使った」
雷龍は一瞬目を見開いたが、すぐにいつもの顔に戻った。
「そうか…、使ったのか。まぁいいだろう。
そよりだが、今日行われた作戦、本当は『敵機の奇襲攻撃で軽空母2隻、重巡1隻が轟沈する』というのが歴史だ、」
「まさか!?」
「あぁ、もう歴史は変わっている、今日のこの任務に空母は1隻も…」
飛騨が雷龍の言う言葉を最後まで聞かずに言ってきた。
「まさか俺たちが変えたのか?」
飛騨が聞く、雷龍は少し
「いや、それよりも前だ、それよりも前に変わっていたのだ、」
「まさか!?」
雷龍は立つと机の上に置いていた本に手を伸ばした。
だがその手は本に届くことなく、止まった。そして、雷龍は頭を抱え始めた。
「頭が、い…たい…、あ…つい…」
「どうした!?雷龍!」
頭が重く、何か、何か得体の知れないものが雷龍の頭の中をかき回すような感じだ。
雷龍の意識は遠のいていく。
「どうし…らい……り…」
飛騨の声が遠のいていく。半開きに開いた雷龍の目には飛騨が声をかけていたが、だんだんと頭の痛さと厚さで、意識が遠のいていく。そして雷龍は気を失なった。
飛騨は慌ててみんなを呼びに行こうとしたが、飛騨も地面が波打つような感覚に襲われた。飛騨は何とかしてドアにたどり着くが、ドアを開けることなく、その場に倒れこんだ。
☆あとがき☆
どうも、皆さん読んでいただきありがとうございます。
初めての方は初めまして、作者の杜木 馨《かおる》です。
今回の話しはどうでしか?
とうとう、歴史の改変が始まってしまいましたね。でもよく考えたおかしいですよね?
飛騨たちの世界ではすでに居ないはずなのに、いる。
それはなぜなんでしょうね?
皆さんもいろいろ考えてみてください
次からはちょっと話が変わります。
次話は、この小説の冒頭部分の謎がわかるかもW
(第弐章かなり短く終わりそうW)