艦これ ~時が刻んだ傷跡~   作:杜木 馨

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メリークリスマス!!!!
大変遅くなりました!

といことで今回はいつもの倍以上の量でお送りします。
(2話に分けてもいいレベル)
では今年最後の投稿です、それではどうぞ!


Fleet 39 『Iowa対さつま』

「はぁぁぁぁ!!!!」

 

 ズドーーーーン!!

 

 アイオワの主砲から放たれる砲弾。

 

 さつまとアイオワは、他の艦娘と距離を置いて戦闘をしていた。

 さつまが距離を縮めようと近寄るが、アイオワは自艦の動きと連動させて、主砲回転させ、撃ち、近づけないようにしている。

 お互いがぐるぐるとその後追うように動いている。

 

 たまにだが、ヒットもしているようだ。

 だが、シールドで全て弾かれてしまう。

 

 ズドーン!!

 

「堅いわね貴方」

 

 アイオワがそう言った。

 

「貴方こそ、なかなかやるじゃない」

「足、結構早い方でね!!」

 

 ドンパチする2人。

 だけどアイオワは戦闘しながらであるが、少しの違和感を抱いていた。

 対人戦はこれが初めてではない。

 米中海戦時に数多くの艦娘たちと戦った。

 だけどこんな気持ちは初めて。まるで意思を持った深海棲艦と戦っているみたい。

 

 私は戦ったことがないから分からないけど、その昔意思を持った深海棲艦も居たという報告も挙がっている。

 でも彼女は別の意味で違う。

 

(彼女から生気をほとんど感じない…)

 

「貴方って、まさか死んでいるわけないよね?」

「え…」

 

 するとさつまが一瞬だけ動きが止まった。

 アイオワは止まった隙を逃さずその場で急停止し、上の方を向いていた砲身を、下にさげ、動きの遅くなったさつまを狙い定めて撃った。

 

 アイオワの三連装の主砲が唸りを上げる。

 全砲門一斉射!

 

 ズドドドーーーーン!!!

 

 砲撃をもろに食らったさつまだが、自動で防壁は展開されあまりダメージを受けてなかった。

 けれど防壁が限界を迎えたようだ。

 攻撃の反動でよろけてしまったがすぐに動き出した。

 だが既にアイオワに照準を捉えれておりさらに砲弾を受けてしまう。

 とっさに右の艤装で防御する。

 防御体制がとれず3mほど後ろに飛ばされる。

 

「くっ、防御体制がとれなかった。」

 

 さつまが口にする。

 さつまの右半分の艤装が中破し、4基の主砲のうち2基が故障した。

 

(だが、まだ撃てる。)

 

 動き出そうとしたさつまに追い打ちでミサイルが飛翔してくる。

 

 さつまはミサイルを捉え対空砲を打とうとするが、弾が出ない。

 そしてアイオワの砲弾とともに全弾命中してしまう。

 

「さつま!!」

 

 そう叫んだのは別のところで3人を相手にしているぶこうだった。

 近寄ってきた艦娘に体当たりをしてはね退け、さらに追撃で艤装についている主砲を放った。

 

 だがモンタナが前を塞ぐ。

 

「ここらかは行かせない」

 

 主砲を構え、通り抜ける隙が見当たらない。

 

「このぉ!!」

 

 だがぶこうがそれほど心配することでもなかった。

 黙々と灰色の煙が上がっている中から不気味な笑い声が聞こえてきた。

 

「ハハハハハ、実に惜しい。本当に惜しい…、」

 

 そう言うとボフン!!

 という擬音語が似合うだろう…、いきなり黒い霧が発生したのだ。

 アイオワたちのレーダーからさつまの艦影が消える。

 

『機関起動を確認。

 スフィア生成。

 損傷箇所認識、Fマテリアルの収集開始。

 自動修復プログラム始動。

 高速修復を開始します。』

 

 霧が晴れるとさつまは青黒い球体の中で体を縮こませていた。

 そして今まで攻撃で受けていた傷がだんだんと修復を、自動で修復し始めたのだ。

 壊れたはずの右側の艤装が元に戻っていき、ミサイル等の攻撃で無くしたであろう腕も再生している。

 そして完全に、元の体に戻った。

 

「嘘!?化け物…、」

 

「何あれ!」「信じられない」などの声が聞こえてきた。

 アイオワが感じていた変な違和感はこれなのか?と思った。

 でも違うとも思った。

 

 その時間は2分ほどだった。

 だが誰もが、それを攻撃しなかった。

 しなかったのでは、しても無意味と自然と思ったのだ。

 そしてさつまは目を覚ました。

 ゆっくりと足を海面につけると、青黒い球体は上と下から同時にシャボン玉が弾けたかのように消えた。

 そしてゆっくりと歩き出す。

 アイオワの方に向かって。

 

「あと1分早くこの攻撃の連鎖を喰らっていたら危なかった」

 

 と、さつまが海面を蹴り加速して、驚いて動きが鈍くなったアイオワの首元を右手で掴んで海面に叩きつけた。

 

 バシャン!!

 アイオワの上に(またが)るさつま。

 他の艦娘はすでにさつまに照準を定めている。

 

「ック」

 

 そして刀を鞘から抜き、自分に照準を合わせている艦娘に主砲を向けた。

 アイオワも主砲を動かして、さつまの顔に向ける。

 顔のほぼ横に主砲が来る。

 

「貴方が切れば私は打つ」

「試してみるか?」

 

 さつまが切り掛かろうとした時だった。

 

『全艦隊撤退する!至急この海域から離脱せよ。繰り返す!全艦隊撤退する!至急この海域から離脱せよ。

 フラッシュを使用する』

 

 そう無線で言ってきたのフォードだった。

 

「撤退!?」

 

 アイオワが言った言葉にさつまが反応した。

 さつまは「撤退」の言葉を聞いて動きが一瞬止まり、アイオワはそれを見逃さずさつまのお腹あたりを蹴った。

 するとさつまが後ろに退くと同時に寝ている体勢から主砲で追撃した。

 

 アイオワが立ち上がる。

 

「本当に言ってるのフォード!?」

『あぁ、アイオワお前も撤退しろ』

「でも…」

 

 アイオワは主砲を構えているさつまを睨む。

 だがさつまは撃ってこない。

 

「分かったわ、撤退する」

 

 その時だった、大きな爆発音とともに眩い光がさつまとぶこうを襲う。

 キーンーと耳鳴りがして、目が見えない。

 不意打ち、砲撃は変えていたが別の方法攻撃が来るとは予想していなかった。

 いくらシールドがあると言えこの類は防げない。

 

「これは…、」

 

 これは米艦隊で使用されている撤退用の戦術の一つである。

 主に深海棲艦から撤退する時に使われているものである。

 フラッシュバンに近いが、それとは少し違う。

 

 高周波と眩い光を出して爆発するものである。

 

「ブースト…」

 

 アイオワがそう言って、勢いよく加速した。

 

『身体に異常を検知、修復プログラム作動』

 

 さつまとぶこうの目と耳が回復に1分とかからなかった。

 《自動修復プログラム》さつまとぶこう達、無名達に搭載されているものである。

 ダークマター機関があってこそなせる技である。

 

「さつま…、」

「大丈夫だ。だがレーダーが…、ジャミングか」

「この後どうする?」

「もう追う必要はないだろう。帰還する」

「わかったわ」

 

 といい、この戦闘をした海域から離れたさつまとぶこうだった。

 

 

[15]

 

 

 スクリーンの中央から映る右端まで伸びる白い線。

 それはさつまとぶこう2人の航跡だった。

 薄暗い部屋で数人の男達が見たいた。

 

 良い趣味とは言えない。

 衛星からリアルタイムでその映像を見ていたのだ。

 恐ろしいものだ。

 

「とてもいいデータが取れましたね」

 

「左様でございますな」

 

 と謎めいた頭にターバンを巻いた男が答えた。

 

 他でもざわついている。

 

「あの米太平洋艦隊に2隻で挑みに行けるとは…、」

「スプーキーを倒した後というのに」

「あのダークマター機関は素晴らしい!!」

 

 と軍事関係の、軍部の人間が口を揃えてそう言っていた。

 スクリーンにはまだ映像が映っているが部屋が明るくなった。

 

「如何でしたでしょうか?我々の艦隊は?」

 

「実に素晴らしい戦闘力だ!これを前線に配備すれば、深海棲艦の殲滅も!」

 

 と盛り上がる軍部の人間。口々にそれに賛同する人たち。

 

「彼女らは不死身なのか?」

「えぇ、ダークマター機関が起動し続けている限りは」

 

 とここで一人、足を組み、腕を組み偉そうだ態度でいる一人の男、赤いネクタイに金色のネクタイピンをしている。

 この部屋の中では一番年齢が低く見る、それと同時にこの部屋で一番偉い人であろう。

 髪の毛が真っ黒である。

 その男が口にした。

 

「このダークマター機関は、量産できるのか?」

 

 そう淡々と言ってきた。

 

「ダークマター機関は量産が困難で資料にもある通り現在、戦艦2隻、巡洋艦4隻、駆逐艦6隻の状態です」

 

 そう言ってすでに配っていた資料を手に持って見せてきた。

 

 一人一人、顔写真と共に艦種と出身地と生年月日、それと…、

 

「ん?この生年月日は一体…、顔と年齢が一致しないような気がするのだが」

 

 その生年月日には艦歴174年11月27日と書かれていたがその横には18歳と書かれていた。

 実際この年だとまだ4歳である。

 

「ええこれは、この艦娘になった時の時期を書いているんですよ。その下に本当の生年月日が書かれていますよ」

 

 その下には小さい文字で

 153年10月2日と書かれていた。

 

「これは一体…、まさか彼女は!!!」

 

「お、察しがいいですねぇ〜

 ですがそれ以上は答えないでもらいたいものです。」

 

「まさか、彼女らはクローンなのか!まさか…」

「クローンと来ましたか…、違いますね。ですがその次の考えは当たっているでしょう。」

 

 と腕組を解いて、その用紙を見ている一人の男の顔色が変わった。

 それはいい方の考えではない。

 

 悪いほうだ。

 まさか彼女らは死んでいるのか…。

 

「流石の私でも、少し考えますが…その考えは」

 

 と、ここで謎めいた男が机の周辺を歩き出した。

 

「彼女達はいわば、艦帝(艦娘)と深海棲艦と間の存在。」

「間の存在?」

 

「そうです。皆様ご存知と思われますが深海棲艦とは、時には艦娘や艦帝が沈没した後に強い思いが深海棲艦として生まれ変わる。そのことはご存知ですよね?」

 

「確か、10年前の論文でそう言っていたな。すべての深海棲艦がそうではないが」

 

「この計画が始まったのは今から20年前です。

 当時戦闘は負け戦が多かった…、ほとんどの戦闘で戦術的撤退を強いられた。だがFマテリアルの発見で戦場は変わり、反撃が始まった。

 その時から、今までの艦娘よりも強い艦娘を作る。

 そしてこの計画が始まりました。計画名は言えませんがね。

 最初の10年はどうやってするのか、それは本当に可能なのか?など議論が出ましたが、それもFマテリアルのおかげでなんとかなり、Fマテリアルと融合したダークマター機関が製造できたのです。

 だがそこからが問題だった。

 この機関はいくら調整しても生身の人間ではそのパワーに耐え切れづに、その謎の力に飲み込まれてしまった」

 

「飲み込まれた…」

 

この部屋にいる人の顔色が変わる。

 

「だがある時一人の少女が現れた、土佐型戦艦2番艦 薩摩(さつま)だった。

 今は亡き土佐型戦艦、あの17次海戦で全て沈んだ戦艦ですよ。8番艦まであったのに…。 

 彼女はどんな実験にも耐えた。だが成功しなかった。

 だが一番適合率は良かった。あと少しだった。

 けれどそんな彼女も戦況の悪化で戦場に出て行ってしまった。

 我々はその間に深海棲艦を鹵獲することに成功した。

 深海棲艦に施したが彼女らは何も起きなかった。何も…、それは『深海棲艦にはそれを扱うという意思がなかったから』だと我々は推測した。

 そして我々の元に悲報が入った、彼女が戦死したと…」

 

 とここで謎めいた男の歩みが止まり一旦話を切った。

 

「ここからは少し重たい話になるのですが、大丈夫ですか?」

 

 

「構わん続けろ」

「かしこまりました」

 

 そしてまた歩き出した。

 

「我々はどうにかその死体が手に入らないかと…捜索した。

 すぐに見つかりました!

 そして深海棲艦に鹵獲されていた彼女の救出に成功した。

 だが目を開けた彼女は深海棲艦になりかけていた。

 

 我々はふと思った、今の彼女には艦娘としての意思がハッキリある、そして今は深海棲艦になりかけ、一度は沈んでいる。

 あの時深海棲艦では飲み込まれなかったが、起動はしなかった。

 艦娘では起動はしたが飲み込まれた。

 

 なら今の彼女なら、その(はざま)の彼女なら可能かもしれない!

 

 そう思ってした結果実験は成功した。

 

 そして今の彼女が生まれた。

 

 その後はいろんな手を尽くてその間に存在する艦娘を探しましたよ。

 これが骨が折れる作業でしてね…、

 それにあの最強と言われた戦艦も手に入りましたし。

 

 まぁそのあとの実験で記憶や感情が邪魔であることがわかったんですよ、

 ですが彼女の場合は7割しか消せなかった。あと戦艦クラスはどうも記憶や感情のコントールが難しいみたいですね。

 だから今回みたいな行動をとってしまったのかもしれませんね。」

 

 「今回とは、勝手にアメリカの第7艦隊を攻撃した事ですか?」

 

 「ええ、そうです。

 まだ艦娘としての時の感情。

 守りたいと思う気持ちがあるのかもしれませんね。そもそもその気持ちだけは消してないんですよね」

 

 この話を聞いて何人かは、意味がわからない、理解が出来ないようなかんじでいた。

 

「いずれにせよこの機関にも艦娘の魂が沢山詰まっているので、大事に扱いたいですね」

 

「それは、一体どういう意味ですか?」

 

 「それは言えません。なにせ、企業秘密ですから」

 

 沢山詰まってる。

 そう、あのダークマター混合機関を作るには、20人程度の艦娘のマテリアルが必要になるのだ。

 無名1隻を作るのに約20人前後の艦娘を必要とする。

 その艦娘たちは力を失い、ただの人間に戻ってしまう。

 だが時折、記憶障害を起こしたり、性格の変動がある。

 その時は…、これ以上は語るまい。

 だがそのような研究が、このようなことがあっては成らない。

 

「彼女たちは利用できるのですか?」

「えぇ、問題なく。まだ深海棲艦に対しては戦闘系経験が少ないですが、ご覧になられた通り彼女らは艦娘に対してあれだけの戦果を挙げました。それは深海棲艦に対しても通じると考えていいと思います」

 

「だが、今はミサイル戦闘の時代。今更あのような砲撃戦重視の艦隊を作るなど…」

「違うのですよ、戻すのです。砲撃をしていた時代の戦法に。その方が確実ですから」

 

 すると薄暗っ方部屋の電気がついて、扉が不自然に勝手に開いた。

 そして、スーツを着た背の大きい180cmある大男が入ってきて、こちらに来るように案内した。

 話を途中で切られた。そう感じるしかなかった。

 

「それでは、これで終わりです。

 どうか、いい返事を聞けるよう、願います」

 

 赤いネクタイをして膝を組んでいた男が立ち上がった。

 

「確かに彼女らは強い。だが我々にも倫理観というのもがある。

 これは帰ってからじっくり考えさせてもらうよ」

 

「い、ず、れ、彼女らが必要になる時が来るでしょう、」

 

 二人は肩を並べて、背丈は謎の男の方が20cmぐらい低い。

 だが眼光がすごい、二人はにらみ合いそのまま通りすぎた。

 そして男は出て行った。

 

 すべての人が出て行って、残ったのは2人だけになった。

 

「まさか、彼が対深艦(しんかん)防衛省の副長官、作戦案実行長の藤堂 竜司君ですか…」

 

 タブレット操作していたターバンを巻いた男が答えた。

 

「そうですね、親子揃って息子が対深艦(しんかん)防衛省の副長官で、お父さんが深海軍総長官とは、また面白いですねぇ」

 

 

  ♢ ♢ ♢  

 

 

 あの部屋から出て、国家海洋作戦本部局の玄関の前にあるロータリーに向かっていた。

 一人明らかに大きい、その大きい男は赤いネクタイをしていた。

 すでに車は停車している。

 

「どうぞ」

 

 と言ってドアマンが後部座席のドアを開けた。

 1人が前に乗り、赤いネクタイをした藤堂 竜司は先に運転席側の後部座席に座った。

 そして車は走り出した。

 門を出てすぐに隣に座っている赤黒いネクタイをした男に話しかけた。

 

「あの謎のターバンを巻いた男は《NPSM》の人間のようだな」

「やはり、あの実験は続いていたのですね」

「そのようだ。あれは非人道的すぎる。

 早急に書類を整えてくれ。もっと情報が知りたい」

「かしこまりました、竜司さま」

 

 と言うと車は途中で止まり、同乗していた赤黒いネクタイをした、スーツ姿の男が車から降りた。

 




☆あとがき☆

どうも、皆さん読んでいただきありがとうございます。
初めての方は初めまして、作者の杜木 (かおる)です。

今回の話しはどうでしか?

長かった…、やっと完成した。
これでこの話から解放される…。やっと書きたい話が書ける。
1ヶ月ほど空いてしまい申し訳ないです。

気がつけば1ヶ月経ってましたorz
2話分に分けれたのにねぇ、劇場版艦これも第5週目の来場者特典、さすがにお金が…、
先週投稿できるよに頑張ったのですが、できませんでした。

ここで映画の話題に、見てない人はスルーしてね

先週2回目見に行ったのでその話しようと思ったんですが結局投稿できづに…、
皆さんは映画はもう見られました?いやぁ本当いい内容でしたよ!
本当に!

だって2回も行くぐらいですからね、(特典目当てです)本当に2回行ってもいいなぁと思ったぐらいなので本当良かったです。
実は今回色々変更したのは映画の影響なんですね。
それで色々と投稿が遅れたり、内容を少し変えたりと…、
その作業がこの小説ないと、別の設定内であったりと…
とにかく大変でした。
いい内容が書けたので良かったと思います。

これが今年最後の投稿となりますが、来年もまだまだ続いていくのでどうぞよろしくお願いします!

それでは
よいお年を〜

(元旦も頑張る!)

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