機動戦士ガンダム~戦禍の少年~   作:ホルンでごぜーます

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3話目です
戦闘の描写はありません

欲を言うと書きたいですが……
感想、ご指摘お待ちしております


~アイザック・ハワード~

---冷たい

そんな感覚がオーウェンを目覚めさせた

 

体中が痛い、冷たい、動かない---

さまざまな感覚を感じながら周りを見る

 

そこには三人の男がいた

その服装から地球軍の兵であることがわかる

 

さらに奥を見ると、朱色のモビルスーツが3機いた

地球軍の近接戦型MS『エレファント』である

 

スペースアース軍がチャーリー侵攻時、極秘に開発していた全2種のMSの1つであり、

近接戦をもっとも得意とするMSである

 

「……なんですか、これ」

オーウェンは今の自分の状況が分らなかった

「まず、救援に遅れたことを詫びよう」

オーウェンの目の前にいる男がそう言った

「私はアイザック・ハワード中尉だ、私の右にいるのがイーサン・ウッド、左がトーマス・ウォーカー、2人とも少尉だ」

 

「……俺は、オーウェン・オルティースです

あの、なんで俺縛られて?」

 

「それはね?君は罪人だからだよ」

「……待って、待ってくださいよ!!俺は何も!!」

「今から君を地球軍本部チャーリーに連行する」

「……俺が何をやったってんですか!!」

「モビルスーツに乗っただろう?」

MSに乗った、これだけで罪人といわれるのか?

オーウェンは自由な足で地面を蹴りだし、目の前にいるアイザックに突進した

「ふざけんな!!」

「そうかい」

だが、逆に突っかかったオーウェンが頭を掴まれ、顔に膝をぶつけられた

 

「大人の……癖に……!!」

かまわず突進してくるオーウェンに横にいたイーサンが足に銃を撃った

堪らず倒れ、悲鳴を上げるオーウェン

「イーサン!!」

「掠めただけです、問題はないはずです」

「おいイーサン?アイザック中尉は中尉様でありますが?」

「……申し訳ありません、このままでは連行に支障が出ると思い」

「いや、いい……お前は帰ったら始末書を書け」

「はッ!!」

オーウェンはイーサンとトーマスに肩を持たれ、車に連れて行かれる

 

「オーウェン!!」

オーウェンの耳に、聞きなれた声が聞こえる

首を回し、後ろを見るとカリン・フローレスが居た

 

「カリン……」

「トーマス、イーサン、連れて行け」

首を前に回され、歩かされる

オーウェンの後ろで、悲鳴に近い声が聞こえるが、銃声が聞こえた後、何も聞こえなくなった

振り向くと、アイザックが威嚇射撃をしたことが分かる

 

「ごめん、カリン……」

カリンには決して聞こえない声を残し、オーウェンはトラックに乗せられた

「リアさんや、このガキが逃げないようによろしく

一応拘束しとくが念のためだ」

「了解しましたトーマス少尉」

「あのさぁ、もうちょびフレンドリーな感じで……」

「トーマス、MSを乗せに行くぞ」

「しょーないな、はいはい」

 

20分後

MSを乗せたトラック3台と、オーウェンの乗るトラック、MS1機は地球本部チャーリーに向って動いた

 

オーウェンは動き出したトラックの中で、リアという名の女性に頭の傷の手当を受けていた

当然拘束はされていた

「痛かったよね、これでひとまず大丈夫だよ」

「あの」

「ん?なに?」

「あのモビルスーツに乗ったってだけでなんで俺はこんなことに?」

「……まぁ、これについてはさっきの人達も納得がいってないけど話しておくね

君が乗ったモビルスーツは軍の極秘中の極秘だったの」

 

それからリアはオーウェンにすべてを説明した

ひとつ、オーウェンの乗った機体は極秘のMSで、それを軍属でもないオーウェンが動かしてしまったこと

ひとつ、動かした揚句、機体を損傷させてしまったこと

この損傷は、先の戦闘で120ミリ口径マシンガンを防いだ左腕のことで、

現状左腕は肩から先のあたりは使い物にならない

ひとつ、行方が分からなくなっていた始動キーを所持していたこと

始動キーは数日前から行方が分からなくなっていた、それを所持していた

これはオーウェンが盗みを働いたことになっていた

 

「……鍵は偶然拾ったんです」

「たぶん、それじゃ駄目だよ、どんなことにも犯人をつけなきゃ納得しないのがお上の方々だから……

機体には本当に乗ってしまっていて、壊してる……それに君……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--スペースアースの子だよね?--

 

「……何を根拠に?」

「君のデータカードだよ?」

地球に住む者には例外なく個人データの入ったカードが渡される

その中には当然どこで生まれたのかが記録されている

オーウェン・オルティースは確かに育ちは地球だが、生まれはコロニーである

当然、データにはコロニーで生まれたと記載されている

 

「正直ね?私、宇宙で生まれた人は嫌いなんだ」

「そんな人に手当てしたんですか?

俺だったら無視しますけどね、恨んでる人だったら」

「嘘だよね?」

「嘘じゃありませんよ」

オーウェンはリアに両手で顔を抑えられると、顔を寄せてきた

咄嗟に顔を後ろに離すオーウェン

しかし、すぐ後ろは車内の壁であり、後頭部をぶつけてしまう

さらに、ぶつけた衝撃で頭が前に行ってしまう

 

 

痛みで目を閉じた瞬間、唇に何か違和感があった

オーウェンが目を開けた時にはその違和感はなかったが

 

「似てるなぁ……彼に」

「……恋人さんですか?」

「……ええ、スペースアースに殺されたの」

「それは……恨むのは当たり前ですね」

「その彼も、スペースアースだったの……軍属じゃなかったし、育ちも地球だったけどね

彼は、私を助けてくれるためにスペースアースの襲撃から命をかけてくれた……

死んじゃったんだけどね?」

リアはオーウェンの頬から手を放し、顔を伏せて話し続けた

 

「何でこうなったんだろうって、戦争だって好きでやってるわけじゃないのに

結局私も彼のかたき討ちのために軍に入隊しちゃったし……

この隊にいる人は皆同じで……スペースアースに曖昧な憎しみがあるんだ……

だから、皆あなたに対して本当の非情な態度がとれない……

あなたの手当てなんて、彼と重なっちゃって……憎いスペースアースと重なって……

泣きそうだか、嬉しくて泣きそうだか……」

 

「結局泣いちゃうんですね」

「うるさいよ?」

2人の身体が急に横に倒れかけた

トラックが止まった事によるGのためだ

 

『リア、食事の時間だ』

車内の無線通信からアイザックの声が車内に響く、時刻は8時半を超えた所である

「了解、オーウェン君は?」

『オーウェン君?』

「あ……連行されたオーウェン・オルティースはどうしましょう?」

『はぁ……、まさか骨抜きにでもされたんじゃないだろうな?』

「い、いえ、そんなことは……」

再び、アイザックはため息を吐いた

『いい、連れて来いリア・キャロウ』

「はッ!了解しました!」

 

暫くして2人がトラックを出ると、火のついた薪の周りに7人の男が2人を見ていた

内、何人かは2人を面白そうに見ている

 

「……なんですか皆さん?」

「いや?恋愛事に興味のないように見えたリアちゃんがまさか年下好きだったなんてね?」

「トーマス少尉そりゃセクハラってやつですぜ?」

「まぁまぁ、こっちが恥ずかしくなるくらいの会話してくれたんだ

これくらいはいいだろ?」

 

トーマスとトラックの運転手らしき男の会話についていけない2人にイーサンが答えを教えてくれた

「無線入れっぱなしだ」

 

 

 

 

結局、次からはリアではなくトーマスがオーウェンの監視役になった

 

「おうガキ、酒は飲めんのか?」

「いきなりガキはないでしょ、飲めませんよまだ」

「じゃあ俺からすりゃまだガキだなっ!!ははははは!!」

トーマスはスキットルの中に入ってる酒を煽る

オーウェンがそれが既に2本目であることに呆れた顔をトーマスに向けた

「ん~?飲みたいのか?駄目だ駄目だ!!これは最高級の芋焼酎なんだぞ~?」

「いりませんよそんなもの」

「そんなもの~!?飲んでもねえ癖にそんなもんだと?

ほら飲め!!飲めばわかる!!飲め!!」

 

トーマスはオーウェンの頬を掴み、スキットルを口に近付ける

オーウェンは飲まないと顔をスキットルから遠ざける

するとトラックの壁にまた後頭部をぶつけてしまう

結果、その衝撃でスキットルに口が付いてしまう

アルコール特有のむせかえるような匂いが口の中を通り抜けた

何回かの飲み込みがあった後

「おうおう?どうだい?最高級の味は?」

 

オーウェンは夕食と酒を吐きだした

 

 

 

 

 

 

 

 

「トーマス……子供には酒を飲ますな、というより連行中のやつに酒を飲ますな」

「しょうがないだろ!?俺ん息子が生きてりゃこんぐらいだしよ~……

別に酒をあげちゃならねぇって法律なんてないんだからよ……」

「はぁ……トーマス・ウォーカー少尉、コクピットにて待機してろ」

「了解しました……あぁ、バーナード……」

トーマスは、スキットルを仰ぎトラックからでていった

「部下が済まない事をしたな、すまない

あれでも戦争で息子を亡くしているんだ」

アイザックはオーウェンの口に水筒を近づける

 

「はは、酒ではないよ……ただの水だ」

オーウェンはスキットルに口をつける

「全部飲んでもらって構わない」

不思議と飲みやすい水である、とオーウェンは感じた

「これなんです?おいしいですけど」

「ああ、水に果実と塩などを入れた経口補水液だ」

「とても美味しいです」

「ありがとう、すまないな……私たちでは上に対し何も言えないのだよ」

「いいですよ、俺の方こそすみません、突っかかったりして」

「別にあれくらいどうという事はない……ところで、どうやったんだ?

新型のモビルスーツとはいえ、スペースアースのモビルスーツを1機撃破、

もう1機はほぼ無傷での鹵獲とは……

地球軍がモビルスーツを作ってから私たちの部隊はモビルスーツに乗ってはいたが……

こんな戦果はあげられない」

「あ、それなんですが……」

オーウェンは忘れていたことを思い出した

 

 

 

 

 

 




MS輸送用ホバートラック
地球軍の開発した輸送用トラック
運転には乗組員が1名必要
地球軍のMSには方にジョイントするパーツが存在しており、これをトラックに接続することにより、MSを固定することができる
動力をMSからもらうことにより、長距離での移動が可能

現在、4台がアイザック中尉率いる第8小隊に使用されているが、グラネルブルグと片腕を損傷したアデリーランドのために2台使用しているため、エレファント1機はホバートラックを使えないため、自機での移動をしている

第8小隊
アイザック・ハワード中尉率いる4名のMS小隊である
アイザック・ハワード、トーマス・ウォーカー、イーサン・ウッドは地球軍がMS開発当時よりMSパイロットとして地球軍に所属していたエリートである
地球軍の中でMSを3機所持している隊は第8小隊のみである

なお、リア・キャロウはチャーリー進行戦後の所属である

注意:残りの4人はメカニック兼ホバートラック運転のための増員であり、第8小隊には所属していない
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