幻想郷物語 ~if be if story~   作:竹馬の猫友

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”もしも”はあくまでそういった仮定のこと。
しかしこの世界はその”もしも”が現実の世界。
こちらの世界の歴史は少し違う。


すいません風邪引いて寝込んでました。
本来ならもっと早めに投稿するはずだったのですが…。


第3話 戦闘・氷結・門番

 箒に跨り空を翔る。弾を避けながら。弾の発生源を見ると先ほどの虫の妖怪。さほど本気に戦っているわけでは無い様で弾幕は薄い。その為避けることは簡単だ。しかし、私にとって初の弾幕ごっこ。避けながら相手に向かって弾幕を放つということが出来ないでいた。

 

「おいおい、どうしたよ。さっきの威勢はどうしたぁ?」

「あなたのっ、力量を、確認してる、だけですっ!!」

 

 そういって虫の妖怪に虚勢を張る。妖怪は私の言葉が嘘だと分かっているようだったがその言葉に対して何も口にしなかった。おそらく自分が勝つと信じているのだろう。舐められてばかりじゃいられない。そういった感情で熱くなりそうになる頭を自制を効かせ抑える。

 

「(熱くなっちゃだめだ。…教えてもらった”スペルカード”というものがあるじゃないか。それだったら倒せるかもしれない。)」

 

 そう考え自分のウエストポーチに入っているカードに触る。今自分が触っているのは「恋符「マスタースパーク」」と呼ばれるスペルカードだ。ポケットの中に入っている八卦炉と呼ばれるマジックアイテムを使って大火力のレーザーを放つ、という簡単なものだ。おそらくそれを使えば簡単にこの勝負は付く。しかしそれでは私の為にならない。負けては元も子もないのだが、経験は重要だ。ならば今のうちに少しでも経験を積んでおくことが必要だと思う。

 だが本当にそれで良いのか?今私達の戦っている下には少年が弱り横たわっている。ぱっと見ただけだったので妖怪の仕業か、はたまた純粋に病気などで弱っているのかは分からないが、どちらにせよ早く処置しないと危ないだろう。だったら手段を選ばずに今スペルカードを使って倒してしまったほうが良いのではないだろうか。

 一瞬の思考。だがそれがあだになる。

 ドスンという衝撃と共に右肩に走る鈍い痛み。私は相手の妖怪の弾幕に被弾してしまった。その弾の痛みと衝撃に耐えながら箒を握り締める。

 

「ようやく当たったか。そういえばルールを決めてなかったな。被弾2回、スペルカードは1枚だ。」

 

 まだ被弾1回で負けと相手の妖怪がしなかったのが唯一の救いか。先程の妖怪の言葉に頷く。しかし被弾はもう許されない。それにスペルカードも1枚のみ。

 …腹を括れ、霧雨魔理沙。お前ならできる。そう考え体制を整えつつ鞄の中身を確認する。

 

「(よし。ある(・・)。)」

 

 私はその鞄の中にあった1つの球体を取り出し上着のポケットに入れる。この球で戦況を変える…!そう言う風に意気込み妖怪に視線を向ける。

 そんな私を見て虫の妖怪の雰囲気も変わった。そしておもむろに口を開く。

 

「お前…これが初戦か」

「えぇ」

 

 少し冷静になったらしい虫の妖怪の言葉に対して短く返事をする。そんな私の返事を聞いて虫の妖怪は納得したように頷く。おおよそ先程の私の動きからそう言う風に予想したのだろう。自分で言うのもあれだが先程の立ち回りは下手の一言に尽きる。避けるのに精一杯でこちらは全然攻撃できなかったのだから。

 

「先程は人間を食べられなくてイライラしていた腹いせに戦っていたが、ここに改めて勝負を申し込む」

 

 どういった風の吹き回しだろうか。というか、あんたキャラ変わりすぎじゃない?とそう心には思いつつも口には出さない。

 

「あなたがそれでいいのならその勝負受けて経つわ」

「あぁ。ルールはさっき言ったものでやろう」

「えぇ」

 

 同情なのだろうか。私に少しでも希望を見せようとしているのだろうか。妖怪の魂胆は分からない。もしかしたら気まぐれで再戦を要求したのかもしれない。妖怪の考えは人間には分からない。

 そして短い私の返事を聞いた後にお互い少し離れた位置で構える。

 

 

 

 一つの戦いが始まろうとしている中、別の場所でもう一つの戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

「ここは私の湖……領土侵犯をしてきたのはそっちでしょ?紅白巫女さん」

「領土侵犯って…私はただ通ろうとしただけだってば」

 

 現在氷の妖精にいちゃもんつけられてます。例の真紅の館に向かう途中湖の上を通れば近道だと思い通ったのが運の尽きだった。なにやら私が湖の上を通ったのを「この騒ぎに乗じて縄張りを奪おうとしている人間」という風に勘違いしたらしく絡まれてるのだ。しかも厄介なことにこの妖精知識は結構あるらしい。冷静に考えれば「人間がこんなところ奪うはずがない」と分かりそうなものだが、頭に血が上っているらしく話を一向に聞こうとしない。

 

「こそこそしないで弾幕ごっこで決着をつけましょう」

「こそこそなんてしてないんだけど…わかったわ。弾幕ごっこをしましょう。ルールは?」

「被弾2回スペルカードは2枚」

「了解」

 

 互いの了承の後にお互い少しの距離を置いて対峙する形になる。しかし本当にすごいものだ。スペルカードルールがこんなにも広まっているなんて。妖怪たちから相談を設けられたのにはびっくりしたけれど、私にとっては嬉しいことこの上ない。この場で踊りたくなりそうなほどにうきうきする心を押し殺しお札を取り出す。

 

「そうそう私は紅白巫女じゃなくて博麗霊夢。好きに呼んでいいわ。…さぁいつでも良いよ。かかってきなさい!」

「自己紹介どうもありがとう。私はチルノ。氷の妖精。…かかってくるのはそっちよ。さぁ、凍って凍てつき凍えなさい!」

 

 その言葉と同時に薄い青色をした弾幕がこちらに襲ってくる。その弾幕を紙一重でかわしながら私もお札に霊力を込め投げつける。パターンを、ペースを変えながら撃ってくる相手の弾を体を捻ったり逸らしたりすることで避ける。その間も攻撃を忘れない。しかし相手に届く前に弾幕同士が当たり砕け散る。

 

「中々やるじゃない」

「あなたこそ人間の癖に……そろそろいくわよ。氷符「アイシクルフォール」!」

 

 チルノがスペルカードを取り出し宣言する。その瞬間、チルノの左右から氷の結晶の形をした弾幕が激流のように襲ってくる。しかもその中に混じって私を狙ってくる大き目の弾もあるものだから避けにくい。しかも弾幕が濃い為に視界が悪くなる。と、体を捻り回避をした瞬間服の袖に弾幕が当たり、袖の一部が千切れる。体に当たってはいないので被弾判定にはならないが注意が必要だ。

 スペルカードには制限時間がある。その制限時間が来るとスペルカードは終了。そのスペルカードを攻略したことになる。その時間切れを狙い私は避け続ける。しかし先程のように攻撃も忘れない。だが、相手の弾幕の威力が強いのかまったく弾が通らない。しかし悪あがきのごとく攻撃を続けていると氷の激流が途切れる。どうやら時間制限がきたようだ。案外短く感じたのは恐らく集中していた為だろう。

 

「さて次は私の番ね。霊符「無双封印」!」

 

 そう言って私もスペルカードを取り出し発動する。強力なホーミング性能を持った七色に光る弾が次々とチルノに襲いかかる。チルノが私から距離を置き弾を回避しようとするがホーミングの性能には適わないらしく被弾する。瞬間チルノの表情が痛みで歪む。

 

「(…ちょっと加減しとけばよかったかな。)」

 

 チルノの表情を見てそう言う考えも出てくるがすぐにかき消す。そう、あくまでこれは異変解決の為に行っていること。仕方の無いことなのだ。そう自分に言い聞かせる。

 すると体勢を整えたチルノが両手を挙げる。

 

「なに?」

「…見ての通り降参。はぁ…」

 

 驚いた。先程まであんなにやる気だった妖精がいきなり両手を挙げ降参してきたのだ。どういった風の吹き回しなのだろう。しかしため息混じりなところを見ると本人との意思ではないらしいと推測できる。

 

「あんなのと戦わなければ良かった…」

 

 それだけ呟いてチルノはどこかへ行ってしまった。私まだは何も喋ってないのに。しかし”あんなの”とは何のことなのだろうか。それはその場にいなかった私に知る由は無い。

 しかし結果的にとはいえ勝つことが出来たので湖の上を進む。

 

「ふぅ~ん。あれが博霊の巫女、ねぇ」

 

 後ろの木の陰から霊夢を見る視線が一つ。しかし霊夢がそれに気付くことはなかった。

 

 

 

 

 

「さて、とりあえず館の前に来たけどどうしよう」

 

 そう言って霊夢が見つめるのは真紅の館の門。それと門番らしき赤い髪の女性。服は緑色を基調とした見慣れない服。その女性を遠目から見て私は悩んでいた。遠目からでも感じるくらい警戒しているのが分かる。空気がピリピリと肌を刺激するような感じがする。

 それほどあの門番は強い。それにあの警戒のしようじゃ前から正攻法で行っても恐らく止められるだろう。なので少し策を練ってから行くことにしよう。

 そう思い私はその場で策を練り始めた。




こちらの世界では霊夢はルーミアとまだ戦いません。
スペルカードルールも最近になってから流行し出したということにしています。
”もしも”の世界はあくまで”もしも”です。
というわけで第3話でした。

次回「第4話 絢爛・舞踏・華人」

次回も宜しくです。
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