幻想郷物語 ~if be if story~ 作:竹馬の猫友
赤橙黄緑青藍紫、様々な色の弾
鈴の音を響かせ門番は戦場を舞う
急いで書きましたので誤字脱字、おかしなところなどありましたらお手数ですがご報告お願い致します。
1/22 12:38 追記 若干の文章の修正をしました
~門番 side~
私は門番。館への招かざる客を配慮するのが仕事。そして私の主様はこちらの世界に来てからの大仕事。こちらの世界で言う”異変”というものを起こしている。主様は吸血鬼だ。吸血鬼は太陽の日を浴びてしまうと大変危険だ。そのために館のパチュリー様が赤い霧、いわゆる”紅霧”というものをこの世界に蔓延させたのだ。
そして今私は館の門の前に居るのだが少し遠くに強い霊力を持つものの気を感じる。おそらくこの霧を止めさせに来た者だろう。もし無理やりにでもこの館に入り込もうというのならば、私の力の全てを
「戦う気が無いのだろうか。…それとも臆しているのだろうか」
分からない。しかし、明確な敵意が感じられないということは相手には戦う気が無いのだろう。だとしたらどうするつもりなのだろう。まぁここは待ちの姿勢を貫くのがいいだろう。
…しかし、お嬢様、いや、主様は本当にこの世界でやっていけるのだろうか。あの人は優しすぎる。パチュリー様や咲夜さん、私がいなければおそらく館に引き篭ったままだっただろう。それに元の世界からこちらに来るなんていう選択をしなかっただろう。妹様とは本当に正反対の性格をしている。
ふと門の丁度直線上に位置する木のほうへ視線を向けると、その木の陰から紅白色の服を着た者が現れる。その者の気配は先程私が感じていた気配と同じ。そうか、やっと接触を図ってきたか。丸腰だが警戒は緩めないようにしないといけないな。そう思いつつ私は警戒の姿勢と体勢を変えることなくその人物を見据えた。
そして私は紅白の巫女との初めての対面を果たした。
~side out~
~霊夢 side~
館の門の前の木の陰から様子を見ているが門番らしい女性はまったく動こうとしない。まぁ門番なのだからその場から動くということは無いだろう。
「厄介だなぁ。出来れば何も争うことなく中に入れてもらえればありがたいんだけど。…あーでもあの人の弾幕も見てみたいな。そうなると…よし。まず敵意が無いことを示し接触。その後反応を見て戦闘に入るか交渉で館に入るか決めよう」
そんなことを私は回りに聞こえないぐらいの声で呟く。しかし、交渉とは考えたけれどもまず無理だろう。普通ならば門番に交渉したところで、知らない人物を館の中へ招くという権限を門番は持ち合わせていないだろう。そうなるとやはり弾幕ごっこしかないのだろうか。
「さて、とりあえず話してみますか」
私は武器となる札と針を仕舞って木の陰から体を出した。出来る限り相手に悟られないように敵意は消して門のほうへと向かう。先程私が隠れていた木と門の間には何もない為にお互いの視線が交差する。相手は依然警戒を解いていないらしくピリピリとした空気を感じる。気のせいなのかもしれないがそう言う風に感じる。静電気がずっと発生しているようなそんな感じ。だがそんなことを気にも留めずにその門番のほうへと歩く。そしていくらか歩きお互いの距離が適度に近づいたところで私から声を掛ける。
「こんにちわ。私は博麗霊夢。巫女をやってるわ」
「挨拶をされたなら返さねばなるまいな。私は
とお互いに軽い自己紹介と挨拶を交わす。先程と比べて相手の警戒が少し緩んだのを若干ではあるが感じる。なので少し交渉を試してみることにする。早いかもしれないがここに時間を割く余裕はあまり無いのだ。
「私の記憶が正しければ数日前までここに館なんて無かったと思うのだけれど、いつごろここに来たの?」
「その記憶は正しいと言っておこう。私達がここに来たのは2日前だ」
2日前か。こちらに来て間もないのに良くこんなことをするものだ。普通だったら少しこちらの世界の様子を見て、自分の力がどれほど通じるか確認すると思うのだが。もし自分より強い存在が来たらどうするつもりだったのだろうか。…来ても構わない、と思うほどにここの館の主は自分の力に自身があるのだろうか。
しかしこの門番いきなりの質問にも関わらず簡単に答えてくれる。もう少し情報が引き出せるかもしれない。
「2日前ね。ちなみにあなた達はスペルカードルールって知ってる?」
「あぁそれならこちらに来る前に妖怪の賢者と言ったか。その者に聞いた」
まぁあらかた予想はしてたけどやっぱりゆかりんが移動させたのか。と金髪ロングで紫色の道士の服を着た少し胡散臭い女性の姿を思い浮かべる。さて、そろそろ異変に関する質問をしたいところだ。いきなり聞いたら怪しまれてしまうだろか。…その時はその時だ。成り行きに任せよう。
「んじゃこの紅い霧。これはあなた達が発生させてるの?」
「…なぜそのようなことを聞く?あんたのような巫女には関係の無い話に思うが」
あちゃーやっぱり駄目かー。完全に警戒心戻っちゃった。内心トホホという気持ちと相手の弾幕が見れるかもしれないという期待の気持ちで分かれていた。そしてここまで警戒心が戻ってしまったのだ。もう私の正体を明かしても良いだろう。
「私はただの巫女じゃなくて博麗の巫女。この世界の異変を解決してるものよ。あとバランサーの役割もしてるかな」
「………なるほどな。つまり主様の起こしている異変を排除しに来たというわけか」
「排除なんて物騒な言い方ね。私は一応平和的に解決しに来てるんだけれど」
だがその言葉の半分は嘘だ。その主様と呼ばれている者とも戦ってみたい。見てみたい。しかし、それではいけない。話し合いで解決できるならそれに越したことは無い。私が戦うのはあくまで最終手段。
と先程の私の言葉を聞いた門番は何かしらの武道の構えのようなものを取る。
「その言葉を信じろというほうが今の状態から見れば無理な話だ」
「まぁそうだね。…ってことはやっぱりやることになるのかな」
「それが早いだろう。もし私を倒せれば通るといい」
そう会話を交わしルールを決める。被弾は3回スペルカードも3枚。それを決めた後で私は門番から距離を取る。門番はまだ先程の構えを取ったままだ。あの体勢からどのようにして弾幕を放つのだろうか。気になるところだ。と私は小銭を一枚取り出し「これが落ちたらゲーム開始」と伝えコイントスの要領で上に飛ばす。クルクルクルと回転しながら上昇していくお金。そのお金は綺麗な軌道を描き私と門番の間ぐらいに放物線を描き飛んでいく。その間に札と針を取り出す。
チャリン
お金が落ちた音がした瞬間門番の姿は見えなくなった。正確に言うと早過ぎて目で捉えられなかったのだ。そして博麗の巫女としての勘が働く。上だ。と私に訴えかけてくる。その勘を信じ全力で後ろへ飛ぶ。刹那私のいた所には七色の弾幕が土砂降りの雨のように降ってきた。ガガガガッと音がし、地面は抉られるように削れる。下手をすれば勝負が決まるどころか命も危うかったかもしれない。チッという舌打ちが上から聞こえたと思ったら次は右から弾幕が飛んでくる。その後時間差で左からも飛んでくる。まるで反則級の速度だ。そもそもこの門番は何の妖怪なのだろうか。見た目は普通の女性。しかし纏っている妖力の量が半端じゃないほどに多い。そんな妖怪が門番をしているのだからきっと主はもっと強いのだろう。ツーと背中に冷や汗が流れる。しかし考え事をしている暇は無い。私は札を3枚前左右に投げる。もちろん当てるつもりは無い。ただの威嚇射撃代わりだ。瞬間視界の右のほうに門番を捕らえた私はすかさず札を全力でばら撒く。しかし避ける隙間が無いというほどの量ではない。そうでないと弾幕ごっこのルールに反してしまうからだ。あくまでこの弾幕ごっこは美しさを競う勝負。力押しの弾幕では美しくない。だからあえて相手が避けられるように調整するのだ。事実この門番も消して避けられない弾幕の濃さではなかった。だから私は今まで避けられていたのだ。
「さすが異変を解決しようとしているだけのことはある」
「でしょ?」
そんな軽口を叩きながら私は七色の弾幕を避け札と針を投げつける。札には若干の追尾性能。針は純粋に速度が速い。その二種類を使い分け戦う。そして相手の弾幕がふと薄くなった瞬間を狙い門番に向かって霊力を乗せた針を飛ばす。
「まず一発…め…?」
当たったと確信した瞬間相手の手元が光る。スペルカードだ。そして私は当たると確信していたために驚きから隙が出来てしまう。
「華符「芳華絢爛」!!」
瞬間私の視界が花びらのような形で飛んできた弾幕で埋め尽くされる。どこからか鈴の音が鳴っているのが私の耳に入る。「綺麗」と素直に思った瞬間私は被弾した。
七色の華は巫女に襲い掛かる
硬く閉ざされた門
その門を巫女は破ることは出来るのか
次回 「第5話 油断・反撃・彩虹」
次回も宜しくです。