幻想郷物語 ~if be if story~   作:竹馬の猫友

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遅くなってしまい申し訳ありません!
自身の納得のいく文が書けず一旦置いてしまってました!
半分リハビリのような感じなので今回はかなり短めです。ご容赦を。


第5話 油断・反撃・彩虹

 完全に油断していた。というより、誘い込まれたと言ったほうが良いのだろうか。相手が隙を見せたのだと思い、当たるだろうと慢心してしまった。その結果この様だ。

 

「早速一発被弾だな。存外この勝負早く終わるかもしれないな」

 

 膝を地面に着き座り込む私に門番が空から私に言葉をかける。しかしその言葉に答えている余裕は無い。先程被弾し、当たり所が悪かったのか少し呼吸が出来ないでいたのだ。だからと言って休んでいるわけには行かない。言うことを聞かない体に鞭を打ち半ば無理やり立たせる。綺麗な弾幕とは裏腹にダメージがでかい。ここからは気を締めていかないといけない。

 

「さっきの、あなたの言葉」

「ん?」

「現実になるかもね」

「はっ、諦めるのが随分と早…っ!」

 

 門番が肩を竦めやれやれといった様子で首を振った直後に、相手に目掛けて針と札を霊力を乗せ飛ばす。不意打ちを狙ったのにもかかわらず今の私の攻撃は相手の頬を掠る程度で終わった。

 しかし、それだけで私の攻撃は終わらない。思い切り相手のほうへ目掛けて思い切り地面を蹴る。霊力を乗せたかなり強い蹴りだ。その結果視界を塞ぐように砂埃が舞い起こる。そのタイミングを見計らって私は空へ飛ぶ。決して美しいとはいえないがこの際致し方ない。弾幕ごっこと言いつつ私のやっていることは普通の戦闘と大差が無いだろう。言ってしまえば外道だ。こんな戦い方をするのには理由がある。それは、先代巫女の教えの一つに「勝利は第一、評価は第二、見栄えは第三、敗北なぞ考えるべからず」という言葉がある。そして私はその考えの下育ってきた。最早外道は私にとって普通なのだ。

 と、内心美しくない自分の戦い方のことを考えテンションが下がりつつも空を飛ぶ。人間なのにも関わらず空を飛べるのは私の能力である、「空を飛ぶ程度の能力」のおかげだ。おそらく相手は妖怪だろう。きっと飛べるだろうから私を追ってくるはずだ。その予想通り砂煙を振り払いながら勢いよく門番が飛び出してきて、私と同じぐらいの高度で留まった。

 

「随分と実戦に近い戦い方をするのだな」

「えぇ、勝つこと優先に考えてるからね」

「随分と舞踏派な考え方をするのだな」

「少し違うよ。私は舞踏派じゃなくて…っ!」

 

 門番の言葉を訂正しようとしていたらいきなり目の前が色とりどりの弾幕で覆い尽くされる。それに反応できたのはある程度門番との距離が離れていたからだろう。

 

「不意打ちにしてはかなり力を入れるのね」

「出来るなら短期決戦のほうが良いからな」

 

 そう言葉を交わしつつ弾幕を避ける。避けるだけでは埒が明かないので私も応戦する。色とりどりの弾幕に私の針や札がぶつかり光の粒子を撒き散らし消える。まるで小さい花火のようだ。それを見て「あぁ綺麗だ」と思う私は些か戦闘に真剣ではないのだろうか。…いや違う。心の中ではそう思っていても巫女としての”異変を解決しなければならない”という考えは忘れていない。

 

「私は…勝たなきゃいけない!」

「私は守らなければならない!」

 

 ほぼ同時にお互いの考えを口にし弾幕を放つ…フリをして門番に一気に近づく。本来ならば自殺行為の行動なのだがお構い無しに懐に潜り込む。

 

「なっ!?」

「まずは一発!とびっきりのをお見舞いしてあげる!」

 

 そう言ってほぼ零距離で相手にかなりの力を込めた霊力の塊をぶつける。「ぐぁ」と小さく呻いたかと思ったら門番は地面に向かって落ちてゆく。頭から落ちて行ったのでさすがにまずいと思い落ちてゆく門番より先に地面へと向かう。そして落ちてきた門番を足に霊力を込め受け止める。どうやら先程の霊弾に力を入れすぎたようで門番は軽く気を失っているらしい。だがすぐに目を覚ます。

 

「…敵に助けてもらうとはな」

「さすがに目の前で傷つくのを黙ってみてるようじゃ巫女失格、というか人間的にどうかと思うけどね」

「…お前は、いや、霊夢は優しいのだな。……私の負けだ。通るといい」

「…いいの?」

「あぁ。だが、残りの者達が私と同レベルなどと考えるんじゃないぞ」

「うん!ありがと!」

 

 

 そう言って私は門を潜り抜ける。最初はどうなることかと思ったがあの門番…美鈴は優しい良い妖怪だった。そう考えつつ玄関と思われる扉のほうへ向かっていると不意に後ろから声がかかる。

 

「霊夢!もしこの異変が無事解決できたらお嬢様達と一緒にそちらへ遊びに行っても良いだろうか!?」

「…えぇ!もちろん!友人としてお出迎えさせてもらうわ!」

 

 たった数分。なのにここまで仲良くなれるとは思っていなかった。そんな一人の人間と一人の妖怪を見て微笑むものが一人。

 目玉のギョロつく裂け目の中で妖怪の賢者、八雲紫は微笑んでいた。

 

「こちらの世界は友好的な者が多くて素晴らしいわね。()()()の世界の霊夢もこんな感じなら参拝客も増えるだろうに…。でも逆に言えばあっちの霊夢はあの性格だから寧ろ人や妖怪を寄せ付けるのでしょうけど」

 

 スキマの妖怪はとある二つの似た世界を比べ、とある事を考える。

 

―――もし、この似たようで異なる世界の住人の内一人、入れ替えたならば、二つの世界とその住人の運命はどのように交じり合い、どのような化学変化を起こすのだろうか。

 

「少し考えただけでも面白そう…!…っとさすがにそれをやっちゃうと色々とまずいわね。惜しいけど自嘲しないと。私は今は傍観者。見て、観て、看なくちゃ」

 

 妖怪の賢者は頭を振り自身の考えを掻き消す。自身の欲望に従うことは簡単だが、もしそれで二つの世界が狂ってしまったら惜しい。

 だから彼女は見る。そして観る。 それ故に彼女は看るのだ。

 

そんなとある賢者の心の葛藤は誰も知る由も無い。




閲覧ありがとうございました。
紫おb…お姉さまの言っていた「見て、観て、看る」というのは、

見る:純粋に目で見るという意味。
観る:見るとは似ているが、こちらは観察という意味。
看る:こちらは子供の世話を看るというような意味で、もしお互いの世界の住人が危険な状態に陥ったとき等にサポートなどをするような意。

って言うような感じです。
というわけで第5話でした。次回もまたいつ更新するか分かりません。なので次回のタイトルはここでは未定としておきます。
出来るだけ早めの更新目指しますので今後とも宜しくお願いします!
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