鎮守府警備部外部顧問 スネーク   作:daaaper

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交流戦

 

朝の08:30

学校の登校時間だが、今日この鎮守府では交流が始まる

……まぁやり方がゴム弾を用いた模擬戦、言い方を変えれば殴り合って交流する。

いや、殴り合って交流が生まれるとかヤンキー漫画だ……

すでに艦娘と自衛官・スネークの部下達がグランドに並んでいるのを見ると、地元のレディースとヤンキーが縄張り争いをするところにも見えなくも無い

 

だが、中央の台に私が上がっているのでそうは見えないのか?

……そんな事はどうでも良いか

 

「全隊員・艦娘の諸君、今日は遅れながらも外部顧問の歓迎会を行う」

 

全隊員・艦娘がこのグランドにはいないが

このグランド周辺や放送で聞いている

 

「そのセレモニーの1つとして、これから選抜メンバーで交流戦を行う。

事前に知らせた通りだが、選手以外にも注意を言っておく。

運動会みたいだが、全員よく聞け、命に関わらなくも無い。

戦闘範囲は正門近くにある事務棟から工廠前の艦娘寮までの間だ、弓道場の中は屋内と考えるが

その周りは問題無い。

山には入っても構わないが海には入るな、山も深く入りすぎて迷うなよ、

交流戦も歓迎会も出来なくなる。

カメラを使って撮る者は全員に赤のビブスを配っている、

赤ビブスを着ているのを撃った方は強制的に負けだ」

 

すでに着ているのもいる。

何人かのカメラは生で食堂でパブリックビューイングをするためだ

どうやら実況するらしい。

 

「出場者以外は別にどこにいても構わない

ただし、安全確保の為に食堂や自分の部屋にいた方がいいだろう、

流れ弾が当たっても知らん、痛いのは確かだ。

また、自衛隊や他の鎮守府からも見学者がいるので選手は張り切って頑張れ」

 

事前に彼らに演習と言って声をかけて来たのだ

まあ、合計で20人前後。

中には佐世保から来た艦娘もいた

 

「では、09:00から行動を開始せよ。それまで各陣営とも最終確認をしてくれ

直前になったらルールを確認し、開始する。以上だ」

 

こうして、開会式(?)は終了した

次は30分ほど上の方々と会話をしなければならないが………これが1番面倒だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おはようございます!』

 

「全員いるか?」

 

昨日の訓練後、長い時間籠っていたため、お互いに気にすることがなくなった

ガンスミスが1人1人の銃を最終点検している。

その間にこっちも話を進める

 

「今日は本番だ、昨日しか合同で動いていないが大丈夫か?」

 

「ここで大丈夫じゃ無いって言える奴を見てみたいです」

 

部下ではなく隊員の方から声がかかる

その言葉に全員が笑う

 

「よし、昨日の配置は覚えてるな? 」

 

『ハイ!』

 

「主だった作戦もわかるな?」

 

『ハイ!』

 

「……今から作戦内容を言うやつは?」

 

『 ハィぇえ!?』

 

「……良く引っかからなかったな」

 

「……敵はどう仕掛けてくるんでしょうか?」

 

全員が俺を見る

誰の目にも闘志が見られる、十分やっていける

 

「おそらく空母群は偵察機を飛ばして仲間に情報を知らせるだろう。大方、戦艦は市街地戦しか

できんだろうが、問題は軽巡洋艦の連中だ」

 

全員が意外な顔をした

どうやら戦艦の火力や航空機が脅威と感じていたらしい。

 

「なぜですか?」

 

「機動力もあり、陸上でもおそらく早い。何より主砲が撃ちやすい」

 

「……確かにそうだ」

 

隊員たちは納得したらしいが、部下達はイマイチピンと来ていないようだ。

脅威度を理解してもらうために説明する

 

「軽巡や駆逐艦の主砲は洋上でも中距離でやりあう為の物だ。

重巡や戦艦が市街地戦しかできないのは山の中では戦えないのもあるが、

ルール上、通常のように観測機や指示をもとにある程度の距離をとって撃つことが出来ない。

また、装填時間の問題からも障害物に隠れながら撃つ事で彼女達は火力を維持できる」

 

「ああ、だから私たちみ——」

 

瞬間、1番元気な女部下マーリンは全員から物理的ツッコミを喰らった

 

『黙りましょうか?』

 

なぜか昨日の訓練後から、彼ら全員が自在に殺気を放つという技を身につけた

……おかげでこれだけ近いと背筋が冷たく感じる

 

「——あ!?すいませんでした!!」

 

しかし、こっちは筋金入りの体育会系であまり雰囲気に関係無く思ったことをハッキリ言う。

……これが体育会系というのか知らないが

 

「まあ、わかればいい」

 

「ハイ!ありがとうございます、BOSS!!」

 

……こいつはバカじゃ無いが諜報員としてどうかと思う

しかし、今は諜報どころか戦力の派遣も出来ない、意味が無い。

 

「じゃあ、準備始めるぞ」

 

『了解!!』

 

士気は高い、

この即席のメンバーでどこまでいけるのか試してみよう

17人を引き連れてヘルメットを被りながら最初の場所に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「向こうの士気は高いね〜、昨日の訓練にナ〜ニしたんだろうね?」

 

「……それはそれです。それよりみなさん、大丈夫ですね?」

 

『ハイ!』

 

昨日は陸上でも射撃に問題無いか確認した

結果は、各自のレベルで命中率は上がりも下がりもしなかった

コレならやっていける

 

「では、準備体操をしたら寮の前に位置に行きましょう」

 

『ハーイ』

 

駆逐艦の娘が全員で返事をすると、

小学校の遠足のように思える

 

「赤城さん、大鳳、頼みましたよ」

 

「任せてください」

 

「加賀さんも気をつけてださいね」

 

2人に声をかける

……なぜだろう、いつもはこんな事しないのに

 

「加賀さん、なんか嬉しそうよ」

 

「え?」

 

嬉しそう?私が?

 

「……なぜそう思うのですか?」

 

「ええ、だっていつもと違って駆逐艦の娘達が加賀さんの声に対して

子供のような声を出したんですから」

 

「……彼女達は子供でしょ?」

 

「けど、あなたの声に対して、さっきはシャキッとした返事じゃなかったでしょう?

アレは、あなたの声がいつもと違ってクールじゃなかったからよ」

 

「……そうですか」

 

なぜでしょう、

……今度は体が熱くなっている気がします

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼女達も、艦娘なんですか?」

 

あ、1番面倒なのがなんか来てる〜

自衛隊や艦娘の存在を嫌っている感じの政治家だー

 

「ええ、そうですよ」と心の中では色々とツッコミながら

何だかんだで身についた営業スマイルで答える

 

 

「あんな小さな子も戦わなければいけないの?」

 

 

おそらく駆逐艦の娘達を言っているのだろう、まあその気持ちはわかる。

だが何も知らずに自分の支持のために彼女達を材料にするのはやめろ

 

 

 

「ええ、彼女達がいなければこの国は奴らに上陸されてました」

 

 

 

駆逐艦がいなければ戦艦や空母は行動することは自殺に等しい、露払いは重要な役目だ

 

 

私は、彼女達の露払いをしなければならない

 

 

でないと、彼女達は瞬く間に政治という冷気に襲われ、凍り、動けなくなる。

そんな状況が許されるわけが無い。

彼女達は、少女兵・人道無視・違法実験による人間兵器なんて憶測や、言われをしている。

彼女達の利用を理由に、政権や自衛隊を責める人もいなくも無い。

 

誰が何を言おうが構わない。だが、それを指摘してヒーローにはなれない。

なるのはこの国や世界を滅ぼしかけた人間という汚名だろう

……下手すれば汚名すら残らずに全員が消えるかも

しかし、そんな事実をなぜか知らせないのがメディアだったりする

 

「あ、時間なので失礼します。」

 

そう言って席を立つ。

やっと面倒なのから解放される

あの議員は全く呼んでもいなかったが「近くを通ったので」来たらしい。

まったくもって、迷惑だ、そんなにちょくちょく来ても非難材料は無い。

本人たちとはなぜか話そうとしないが、話して欲しくも無い。

 

 

 

「開始五分前だ、代表者はグランドに来てくれ」

 

呼ぶとすぐに加賀とスネークは来た、近くにいたらしい。

 

「ルール変更は無い、何か質問は?」

 

「無いぞ」「無いわ」

 

「では、2人とも配置についてくれ」

 

「お手並み拝見です」

 

「よろしくな」

 

お互いに、睨んでから散らばっていく

……交流だって分かっているのか?

 

5分後、09:00になる

「改めてルールを説明する

制限時間は3時間 全員を無力化するか 時間内で残っているのが多い方が勝利 倒れた者は起き

上がった後に無線で知らせろ。書いてなかったが負けた方はペナルティーがある。では始める!」

 

 

すぐに合図の信号弾を打ち上げる

あとは、食堂で仕切ってくれるらしい

私はさっさと提督室に戻ろう

 

 

 

 

 

 

 

—食堂—

 

 

「さぁ、ついに始まりました、交流戦!ガチマッチ!!

決してイカは出てきませんが、実況はわざわざ佐世保からやってきた青葉と」

 

「陸奥で〜す」

 

「……カメラ中継は衣笠・高雄・祥鳳・天龍・竜田・浜風。カメラ映像、音声は夕張さんが担当してくれていまーす」

 

「ね〜青葉、何でカメラ中継の担当は胸がおお—」

 

ゴン

 

「さて陸奥さん、今回の交流ですが私たち艦娘の圧勝では無いでしょうか?

あ、コレ全国の鎮守府にも中継してますけど安全性は倒れている夕張や明石さんから

折り紙付きなんで安心してください」

 

「……まあ突っ込むのはあとにして…………そうね、圧勝では無いと思うわよ?」

 

「え?そうですか??人が武器を持ち、丘での戦闘とはいえ私たちは強いですよ?

そう、例えるならサーヴァントのアサシンぐらい」

 

「……青葉、わからない人だっているから、この鎮守府だと。けど向こうにはすごいのがいるよ」

 

「夕張さん、そうなんですか?まあ、制限時間の3時間のうちにわかるでしょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「艦載機、発艦させます!」

 

「私たちも行くぞ、ついて来い!」

 

「じゃあ、私たちも始めるわ。なんかあったら呼んでね〜」

 

加賀、長門、川内を中心とした3チームも行動を開始する

 

「見つけ次第、無線で連絡してくださいね」

 

そう言った後、赤城から彩雲が2機飛び立つ

妖精はバンクを振った後に上昇していった、同じように加賀からも2機発艦し上昇していく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おや、アレは何でしょう?」

 

「空母の人が出した偵察機ね」

 

「ナルホド〜、自衛官達を空から見つけ出し行動するんですね」

 

「まぁ当然だわね、あなたも水偵を使ったりするでしょ?」

 

「そうですね。敵の位置や勢力がわかればどう対処すれば良いのかわかりますし、気持ちの持ち前が違います」

 

「そうね、ただここは海上じゃ無くて陸上だからすぐには見つからないでしょうね」

 

「ああ、隠れる場所が多いですもんね」

 

「サーモグラフィーみたいに熱源が見えるカメラとかあるんですけど、艦娘に装着は一応できても

艦載機にはまだ装着できないんです……」

 

「夕張さんはそういえば実験艦で装備開発に詳しいんですもんね」

 

「ハイ!ていうか最近来た技術屋さんスゴイんですよ!!」

 

「……いきなりテンションが変わりましたね〜」

 

「まぁ時間があるから話を聞きましょっ、まだ交戦しないみたいだし」

 

「…………ですね。で、何がスゴイんです?」

 

「だって考えてみてください?普通、弾丸を発射するのにどうします?」

 

「え?……それは、火薬ですよね?」

 

「はい。じゃあ今自衛官や外部顧問の方が使っているのは?」

 

「……演習弾でしょ?」

 

「それは、艦娘側ですよ!」

 

「あ〜とえ〜と…あ、ありました!……ゴム弾?」

 

「ええ、私たちが演習で使うように痛いけど怪我はしないようになってます」

 

「……それがどうしたんです?」

 

「普通、弾丸じゃ無いものを撃つとき火薬では撃てないんです」

 

「そりゃそうよ、私たちが特殊なんであって、ゴム弾に火薬なんか詰めたら弾じゃ無くなるわ。

だから、モーターとか圧縮ガスとかで撃つんでしょう?」

 

「……あ」

 

「どうしたの、青葉?」

 

「……さっき集まってたとき観たんですけど、持ってた銃はモデルガンとかじゃ無いんです」

 

「それが?銃があるならそれを使——えない?」

 

「ええ、そこです。どこにもモーターやガスを装着する所なんて、完成されている本物の銃には

無いんです」

 

「……けど夕張、撃てるのよね?」

 

「ええ、試し射ちもさせてもらいました」

 

「じゃあ、大体の物の作りぐらいわかるんでしょ?」

 

「それが、観てもわからないんですよ」

 

「……はい?」

 

「薬室内と銃身が変わっただけんです、ここに改修した実物あるんですけどみます?」

 

「ええ、ジャーナリスト として是非!」

 

 

 

「………本当だわ、青くなっている以外変わってないわ………」

 

「……分かんないです」

 

「あ、いじりすぎると情報漏洩防止のために爆発しますからね」

 

『……ぇえ!?』

 

「大丈夫ですか!?いきなりそれ投げてどうしました?!」

 

「……爆発しないわ……」

 

「確かにスゴイですね……」

 

「とにかく!そんな物を作る人が今ここにいるんです!!」

 

「……確かに圧勝は難しいかもです」

 

「ちょっと、実況に戻りましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《——移動を開始せよ》

 

「……了解」

 

返事をしたあと移動を開始した……………………………さぁ、どうなるんだかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《そっちは何かあった?》

 

「いいえ、何も見つかりません……そちらは?」

 

《何も変化無いかな、長門の方はどうなの?》

 

《こちらもだ……足音1つしない》

 

「まぁ、まだ1時間しか経ってませんからね……」

 

秋月が言う通り、まだ1時間しか経っていない。

……けれど、何か嫌な予感がする。

 

「秋月、周辺に反応は?」

 

「……電探にも反応ありません」

 

《山の中は電探は使えないけど、気配は感じないね》

 

「全員、警戒してください。いつ来てもおかしくりませんから」

 

『了解』

 

全員から返事はあるものの、変化は何も起きない。

偵察機もあの後、上空を旋回させているけど、地上に動いているものが赤いビブス以外無いそう。

 

「……赤城さんはどう思います?」

 

情報を待ちながら相手が何を考えているのか探る、でないと自分の集中力が保てない。

洋上では航海をしているから、常に周りに注意したり艤装に異変が無いかなど、

やることが多いけれど…………今はやることが無さ過ぎるわ。

 

「十中八九、作戦行動でしょうね。ただ……」

 

「ええ、……何を企んでいるのか解りません」

 

そう、深海凄艦には何を企んでいるのかあまり考えなくていい、

知能も存在し作戦行動もとるけれど、動機は資源や破壊活動など単純明快でわかりやすい。

……一度してやられたけれどあれは私たちの完全な判断ミスによるもの。

 

しかし今の相手は人間、しかもプロ、あのスネークという人間は様々な戦場を生き抜いてきた。

正に百戦錬磨の戦士。

今とっている行動に一体どんな意味があるのか、私たちが予想付くものでは心理的な不安を煽る・隙を作るというもの、けどそれだけじゃ戦術的に何か向こうにメリットがあるとは思えない。

 

「これが、嵐の前の静けさじゃなきゃいいんですけど……」

 

大鳳がそんなことを言う

 

静寂

 

その言葉通り、幻聴が聞こえそうなくらい物音がしない。

せいぜい、海風が聞こえるぐらい。

 

「確かに……何かが起こる前はこんな感じだ」

 

「私もそう思います!勘ですけど!」

 

響・雪風の2人も言う、2人とも主な作戦に参加し戦後も生き抜いてきた艦。

もともと艦娘は霊感では無いがそういった類を感じやすい、特にこの2人は第六感が優れている。

 

「何か、感じたらすぐには言ってくださいね」

 

『ハイ!』

 

赤城さんの言葉に2人が返事をする

……あと30分もすれば一旦偵察機を下さなければいけないわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、食堂では

 

 

 

 

「陸奥さん、まっったく実況することがありません。

始まってから約60分、食堂ににいる皆さんもぐったりしています……」

 

「他のカメラさん達にも変化無いの、夕張?」

 

「じゃあ、いま全部モニターに出します」

 

「……変化無いわね」

 

「……一体どんなことを考えているのかしら?」

 

「スネークさん達ですか?」

 

「だって、見つからないのはいいとしても、仕掛けないのはオカシイわ。」

 

「なぜです?いたって普通の戦略の1つだと思いますけど……」

 

「確かに、艦娘っていう戦艦や航空戦力ていう未知の脅威は存在するけど

だったら1回ぐらい威力偵察をかけるのが常道よ?

兵力が均等でもわざわざゲリラ戦みたいに奇襲をかけてるのもあるけど、

それだって相手がどんな対応をするのか試すのが当然だわ

今回は制限時間があるから、1時間以内に仕掛けて作戦を立てて倒しに行かないとキツイはずよ」

 

「……失礼ですけど、陸奥さんに何でそんな知識があるんです?」

 

「だって、私が沈んだ理由って未だにどうして爆発したのかわかってないでしょ?

で、憶測の1つに工作員による爆破ってのがあったりするのね。

だから知っておけば何かわかるかもと思って少し本とかネットでそういった類の文章を読んでたの」

 

「だから、解説に名乗り出たんですか〜」

 

「そういうこと」

 

「では、艦娘側の対応は——」

 

「間違えでは無いわ。

私たちは戦いには慣れているけど、出会い頭の遭遇戦は苦手だわ。

……夜戦が大好きな川内達はむしろ慣れているけどね。

だから、相手を待ち構えるのは自分たちが動くより私たちには向いているの」

 

「ああ、言われてみれば川内さん達は見かけてませんね……」

 

「おそらく、実働部隊ね」

 

「機動力と突発的な戦闘に慣れているからですか?」

 

「ええ、そういった事もちゃんと考えられているわ」

 

「加賀さん達も見かけてませんね」

 

「空母は装甲が薄いし、彼女達がいなければ航空戦力も使えなくなるもの」

 

「では、このままだと……」

 

「ええ、少し自衛隊側には武が悪いわね。とても一気に押し切れるとは……思えないわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……赤城さん、一旦偵察機の子を降ろしましょう。時間です」

 

「そうね。じゃあ大鳳が代わりの偵察機を出してください」

 

「了解しました」

 

海の上では1時間半なんかではなく更に長い時間飛ばせる

けど、ここは陸上。

いつものような行動が出来るわけでは無い

限界になる前にあの子達を戻す

 

「じゃあ、行ってらっしゃい!」

 

大鳳のボーガンから射出された弓は二機の彩雲に変化して上昇していく

その後に、赤城さんと私の子達が降りてくる

 

「お疲れ様です」

 

一応妖精達にも確認するが、見ていないらしい。

首を横にブンブン振っている。

 

妖精達にも個人差はあるけれど、上空から人1人と同じ大きさの深海凄艦を見つけ出せる視力に問題があるとは思えない……

 

「山の中にいるのかもしれないわね」

 

「そうですね、少し確認します」

 

赤城さんも同じことを考えたみたい、無線機で川内に伝える。

 

「川内、そっちに全員いるかもしれないです。山から一気に来るかもしれません」

 

《う〜ん、コッチもそう考えて何回も捜索はかけたんだけど足跡や匂いも無かったし 山頂には那珂を置いて勝手にライブやらせてるから、狙撃される事もないし》

 

「……そうですか」

 

《何かしら問題起きたら教えて、じゃあ》

 

「ええ、その時はお願いします」

 

……那珂が踊っているのがココからも見えるわね、衣装が光っている。

 

「電探にも反応ないです……」

 

「そんなにヘコまないで、秋月」

 

「そうです!今何もしてないのは秋月さんのせいじゃないです!」

 

「……雪風の言う通り」

 

赤城さんと雪風・響が声をかける、確かに秋月の気持ちもわかる。

1時間以上立っているだけで何も出来ることが無いんだと感じる。

実際、私も偵察機からの情報が無い今そう感じていた。

大鳳も発艦させてからフォローに入る

 

「そうですよ、秋月さんがいないと私も……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけどそのフォローは消えた

 

 

 

大鳳が黙った

 

 

 

「こっちです!!」

 

 

 

 

 

 

 

手を引っ張られる

 

雪風に針が通り過ぎる

 

袖が破れるのが

 

ゆっくり見える

 

走って壁に張り付く

 

 

「こちら護衛の響、大鳳ガンガン」

 

 

響が無線機で知らせていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《こちらウェーバー、対象1人と踊り子を仕留めました》

 

「……全員時間だ、行動を開始しろ」

 

《了解》

 

全員が待っていた獣の如く、それぞれがいた場所から走り出す

すでに戦艦と軽巡の予想される居場所は把握している。

元気なマーリンが仕切って戦艦達の殲滅を開始、ガンスミスらは山側でスタンバイ。

そして俺らは、待つ

 

 

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢

 

 

 

 

《こちら護衛の響、大鳳ガンガン》

 

ガンガンは大破時の略語

 

つまり大鳳がやられた

 

「摩耶・鳥海は加賀達の支援に迎え!私たちは通路を後退しながらそっちに向かう!」

 

『了解!!』

 

なら、護衛と状況確認をしなければいけない

残った4人で丸くなり周囲を警戒しながら——

 

「コンタクト!!」

 

『後ろ!?』

 

予想外の事態だ

前から来ると思っていたが後ろの工廠側から敵集団5人が現れた

すぐにココから向こうに行けそうに無い

 

「川内、そっちから加賀に応援出せるか!?」

 

《最初からそのつもり!もう向かってる!!》

 

摩耶と鳥海の2人はギリギリで弾を避け、壁側に入った

 

「長門!大丈夫か!?」

 

「いくつか喰らっただけだ!コッチも撃ちかえせ!!」

 

それどころじゃない、

どこからか湧いてきた敵を一掃しなければいけない

幸い人数はコッチが優勢だ、数で押し切れば支援に向かえる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全員ついてきてる!?」

 

聞いても返事はない

けど5人分の走る音は聞こえる

 

「このまま突っ切るよ!!」

 

《了解!!》

 

それだけはなんとか返答してきた、

事前にガンガンが出たら山を降りることを言っておいてよかった、那珂もすぐに来るはず!

 

「姉さん!」

 

「飛ぶよ!足元注意!!」

 

山からいっきに降りる為に段差を飛ぶ

その先は鎮守府の整備された道だ

着地は全員成功、走り出す

 

 

「コンタクト!!」

 

 

だけど、着地した瞬間に声が聞こえた

 

「川内さん!後ろから敵6!!」

 

すぐ右に曲がるとき、

確かに陽炎が言う通り6人はいた

 

「撒くよ!散開して!!」

 

でないと意味が無い

私のところに陽炎、神通に不知火と黒潮がついていく

走ればついて来れるのはなかなかいない

 

 

「行け行け行け!」

 

 

だが、向こうも二手に分かれ追いかけてくる

撃ってはこないが近ずいてくる

 

「超早いんですけど!?」

 

「口じゃなくて足動かしな!捕まるよ!!」

 

とにかく今は撒くか仕留めるしか無い

だが、振り向けば確実にやられる

 

なら走るしかない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

向こうもや〜る!

奇襲をかけたのに脱落者がいないし集弾率も高い!

コッチは壁越しに撃つけど、一番手前にいる2人がこっちを上手く押さえ込む

おかげで奥が狙えないっよ!

 

「こちらマーリン、ウェーバー支援して!!」

 

《対象は? 6人いるが……》

 

「1番でっかいの!ツノっぽいやつ!!」

 

それが向こうの指揮官らしい、

適確に6人を動かして抵抗している

 

《……捉えた》

 

瞬間、でっかいのは倒れる

だけど混乱は起きない、指揮官の負傷は想定していたらしい

 

「もう1発! イケる!?」

 

怒鳴りながら無線機に声を飛ばす

そうしないと銃声で声が聞こえない

 

《……ネガティブ!建物の陰に隠れやがった》

 

「じゃあ、手前2人を動けないように撃って!!」

 

《あいよ》

 

指示通り、テンポよく制圧射撃が飛んでくる

2人が動けなくなった、仕掛けるなら今!

 

「側面イケるよ!」

 

《了解です!》

 

裏取り部隊が側面から3人

手前の通路に切り込む

 

《通路、クリア!!》

 

「全員、再装填!」

 

手前にいないなら

全員が並んで進めば制圧できる

 

『……再装填よし!!』

 

「前進!」

 

一斉に5人が横並びになり

人が出てきたら撃つ

右側面からは3人が近づく

 

《左と右から2人づつ出てくる、真ん中は空だ》

 

無線が見えない向こう側の状況を伝える

 

《………左!》

 

 

瞬間、左の建物から2人出てきた

 

同時に全員の射線がそこに重なり

 

弾が飛んでいく

 

直進して

 

今度は止まった

 

 

「ツーダウン!」

 

 

 

《……側面3人、そっちにも来るぞ》

 

同じように無線からウェーバーが状況を伝える

一瞬の後、銃声が聞こえた。

 

「クリア!」「クリア!」

 

「倉庫の裏にも敵影ありません」

 

……どうやらここは片付いたようね

 

 

 

 

 

 

周辺をクリアリング、

安全を確保し負傷者がいないのも確認した。

 

「マーリンからウェーバー、周辺に残敵は?」

 

《いないが、山から5人逃げ、二手に分かれた

その内の3人は片付いたが、残りの2人はロスト

山側で張ってた6人で周辺をクリアリングしてるが見つかってない》

 

「……残りは7人なのね?」

 

《ああ、そっちの支援をしていて観測をしていなかったんで 追跡も出来ていない。空母群も——》

 

突然ウェーバーが黙る

というか、声が出せないの?

 

「敵なの?」

 

《違う!…………俺にじゃ無い!!》

 

ブチっと音がする

全隊員に繋がる周波数に変えたらしい

 

 

 

《こちらウェーバー!敵航空機を視認、隠れろ!!》

 

 

 

言われてすぐに建物の陰に全員が隠れる

確かに羽の音が聞こえるけど…………この音は…………。

 

「ウェーバー、何機いる?」

 

《……約138機》

 

「……どこが約なのよ!?」

 

けど10や20の数じゃ無い

実際、プロペラの音で周囲が満たされる

 

耳が揺れるというより

体が揺さぶられているみたい……ていうか虫みたいじゃ無い!?

ていうか、どうすれば——

 

 

《どっから出てる?》

 

《……え?》

 

《……こちらスネーク、航空機の発生源はどこだ?》

 

 

聞き慣れた声が無線から聞こえる

 

 

《あぁ……海から 来てます》

 

《……わかった、俺らが仕留める。全員その場で待機、ジャマな時だけ撃ち落とせ。

ウェーバー、移動してバックアップしろ》

 

その言葉に全員が元に戻る、

熱くなっていた思考が冷める、

周りからは熱が戻る。

 

《……了解、移動します》

 

無線から聞こえる声も元に戻っていた

今はプロペラ機の音がちゃんと聞こえる……とても耳触りだ

 

《闇雲に撃つなよ、位置がバレてヤられるぞ》

 

『……了解』

 

どうやら、全員がジャマだと認識してたようで

無線が切れた後、目線を合わせる

そして、笑い合った

 

 

 

 

 

「やっと、出番ですね?」

 

「……できれば何もしたくなかったんだが」

 

俺は、15対18で片が付くと思っていた。

……艦娘には悪いが、そもそも陸上で兵力が均等していたら向こうに勝ち目は無い。ハンデでは無いが3人少なくして均衡させた。

だが2人だけでこれだけの航空戦力を投入できるとなると話は別だ、精神的にくる影響も少なく無い。

それに、向こうに勝ち目は無いがこっちに無駄なケガ人が出るのは避けたい。

 

「けれど、おかげでこうして3人行動できるじゃあ無いですか」

 

「そうですよBOSS、2時間近く座ってるだけなのも暇ですよ?」

 

「……お前ら本当に諜報員か?」

 

諜報員が我慢できなくてどうする……まあ、ジョークなんだろうが

 

「最後のひと片づけ、始めるぞ」

『了解』

 

1時間も待つより10分で終わらした方がお互いのためだ。

 

 

 

 

「……ダメだね、誰とも繋がらない」

 

「では——」

 

「ここにいるので最後でしょうね」

 

稼働全機を発艦させて長門たちの支援しようとしたけど

準備に時間がかかってしまった

 

 

………あの時の反省って なんだったのかしら

 

 

「……加賀さん反省は後です。艦載機の子達が今接敵しています、まだこの場所は敵にバレてません」

 

「まあ、一気に艦載機を飛ばせば位置ぐらいわかるだろうからね」

 

「ですからここで発艦させたんです」

 

ここは後ろは海、正面に通路は無く、来るなら左右のどちらか。

山からの狙撃もここからは建物の角度的に出来ない。

 

大鳳が倒れた時、それは私達が発艦させた後すぐ……気がつかない私が迂闊でした 。

ここは陸上であって海上ではなかった着艦場所をある程度予想できてしまう。

 

それに、ある程度高い所から見られれば居場所もわかる、そこを敵は突いてきた。

私達には遠距離からの攻撃には対処の仕方を知らないしそもそも対処のしようが無い。

敵の居場所を知るための事が逆効果だった。

だから海に向かって発艦させ海上で空中集合、一斉に鎮守府に向かわせた。

これならどこから来たのかわからない。

 

「仕方ありません。私も空母の皆さんの護衛として何回も随伴しましたけど、

陸上で戦う事なんて考えたこと無いです」

 

ついさっきまでと違う秋月がそこにはいる……とても頼り甲斐がある

 

「それで、攻撃は上手くいってるの?」

 

「……残念だけど、建物の陰に隠れられては爆撃は難しいわ」

 

「じゃあ、あと1時間耐えればいいんですね?」

 

「……そうね、耐えれば勝機が——」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまないがその勝機、元から存在しない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?

 

左を見る

 

そこに

 

上空から急降下して来る子達が見える

 

けど全部当たらない

 

横の2人が上空に撃っている

 

真ん中の男がこっちに来る

 

その横から響・雪風が突っ込む

 

そこからならタックルすれば

 

海に落ちる

 

けど2人は走ってきた方向に

 

飛んで戻っていった

 

変わらず向かってくる

 

秋月が前に倒れる

 

川内と陽炎が主砲・機銃を構える

 

その場に2人が倒れる

 

そのまま目の前に来た

 

私達は動けなかった

 

何も出来なかった

 

 

 

「……すまないがお前達に勝機は今回、存在しない」

 

 

 

ハッキリ聞こえた

 

彼は、ハッキリ私を見た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事前に決められた周波数に合わせ

無線機に声をかける

 

「こちらスネーク、そっちは本部か?」

 

「ハイ!そうですよ!!」

 

聞いたことの無い声だ

女の自衛官なんてここにはいなかったはずだが……

 

《倒された方ですか!?》

 

「……お前、なんで嬉しそうなんだ?」

 

《違うんです——》

 

ガン

 

《ごめんね〜、この娘勘違いしてるから〜》

 

「……いや、報告したいんだが」

 

《ああそうなのね、どうしたの》

 

「全艦娘の無力化が終わったから交流戦は終了だ。

なんで、上空に待機している航空機の回収と、どこに集めればいいのか教えてく——」

 

《はああああああ!?あんた、いきなり何を言ってんですか!?こっちは2時間近く待たされて

実況して無いんで——》

 

 

ゴンッバスッ

 

 

《……ゴメンなさいね。ここで実況の中継してたんだけど何もカメラに映らないまま終わったから、

この娘いろんな事を思っちゃたみたい》

 

「……そいつ生きてるのか?」

 

《ええ大丈夫。少し気絶してもらっただけ》

 

「……さっきも言ったが今飛んでる航空機の回収、艦娘たちをどこに集めればいいか教えてくれ」

 

《わかったわ艦載機の件はコッチで処理する。艦娘もあなた達も全員ココ食堂に来て。

怪我人はいる?》

 

「ゼロだ、上で膝を擦りむいたのがいるらしいが大丈夫だ」

 

《了解よ、じゃあよろしく》

 

 

 

 

 

 

「……全員聞いたな?食堂に全員を運べ、駆逐艦は女3人で運んでくれ」

 

『了解』

 

すでにウェーバーを除いて17人全員が最後に戦った海岸沿いで集合している

艦娘を数えたところ17人しかいなかったが

 

《ああ、コッチで1人は倒れてるんで大丈夫です、自分が下に運びます》

 

と、ウェーバーから連絡があった。

膝を擦りむいたのがそれだ

 

「手が空いている者は代わりに武器を持ってやれ」

 

「了解、おーい寄越してくれ」

 

すでに役割分担は決まったらしい。

部下3人が駆逐艦5人を運び、ガンスミスが3人分の銃を持ち、

2人が念のため山に向かい、俺を含め残りの12人で艦娘を運ぶ。

わざわざ女3人に駆逐艦を運ばせるのは

 

 

……まぁ男に運ばれるソレは誘拐に見える

 

 

勘違いをする奴はいないだろうがどんなに力が強くとも女の子は女の子だ、配慮が必要だろう。

 

「全員背負ったか?」

 

『ハイ!』

 

「……行くぞ食堂」

 

 

 

 

 

 

どうやら決着がついたらしい。

先ほど、陸奥からココに連絡があった……まさか2時間で片付くとは思わなかったが。

しかも青葉が狂ったらしい……事前に頼んでおいて良かった。

そうで無かったら更に暴走したかもしれない。

とにかく向こうにも連絡はした、私も食堂に行く。

 

「さて、私も準備をしなきゃいけないですね〜」

 

「……ああ、そうだったな」

 

そうだ、まだ12:00にもなって無いが夜には歓迎会・・・という名の宴会だ。

しかもそれまでに、彼女達に“やってもらう事”が出来た。

その為にもまずは鳳翔と食堂に向かう。

 

 

 

 

 

「あ〜ら、ここで会うなんて〜」

 

「……お前、わざとらしいぞ」

 

食堂前で、この前会った龍田という艦娘に出会った。

その横にはもう1人女がいる……見たことの無い艦娘だ。

 

「ああこの人ねぇ、さっきまで戦ってた人」

 

「……スネークだ」

 

名前は先に名乗っておく、まぁ名前でも無いんだが。

 

「私は衣笠って言います……何も見てないんですけどね」

 

「お前、ここの艦娘じゃあ無いな?」

 

「ええ、佐世保の鎮守府から来ました」

 

「……まあいい、すまないがそのドアを開けてくれないか?」

 

「ああ、いいわよ〜。覚悟してね〜」

 

「……なんで覚悟するんだ」

 

とにかく、まずは中に入って背負っている艦娘を下ろし——

 

 

 

「あ〜な〜た〜かー!!私のネタをパーにしたのはー!?」

 

 

 

……なんでまた責められるんだ

 

 

まぁ目の前で衣笠と竜田によって停められている。

いや、拘束されている。

周りの人間にひとまず背負っている艦娘を預ける。

 

「寝てるだけだ、もう少しで目が醒めるハズだ、寝かしておいてくれ」

 

「わかりました」

 

そう言って自衛官が艦娘を受け取り17人をひとまずソファーに寝させる。

幸い、3人分座れるソファーが大量にあった。

 

「あの、BOSS……?」

 

「ひとまずこっちだな……」

 

そう言ってドア付近で拘束されている……艦娘(?)をどうにかしよう

 

「あ、おかえりなさ〜い」

 

「……こいつも艦娘か?」

 

「ええ青葉って言います、私と姉妹なんですけど……」

 

「き〜ぬ〜が〜さ〜、しょっいちゅが〜わだ〜じの〜じ〜ご〜とを〜」

 

……俺が何をしたんだ?

女が泣くようなことをした覚えは無いんだが……というか、仕事を俺がどうしたっていうんだ?

 

「あのね、その娘いつもイベントとかで実況とか解説したり、ジャーナリストじゃあ無いけど、

新聞とか作ったりしてるのよ」

 

「ああ、だからあんなデッカいプロジェクターとアンプがあるんですね」

 

陸奥という先ほど無線でやり取りした艦娘が事情の説明する。

ガンスミスのやつが奥にあるのを見て納得した

 

「で、それが俺に向かって怒る理由にならんだろ?」

 

「いや、2時間近くここで中継してたんだけど戦闘シーンが一回も映らなかったのよ

せいぜい、艦載機が海からやってきたところぐらいで……」

 

「つまり、やる事が無いまま終わったからBOSSに向かって怒ってるんですか?」

 

「いや、それもそうなんだけれど。

……かかってきた最初の連絡が交流戦の終了宣言だったのが原因みたいなの」

 

「……そんなことか」

 

ならどうにかなりそうだ、あの提督もよく考えている。

 

「何が……そんなことだ!?」

 

「映像ならあるぞ」

 

『……え?』

 

青葉・衣笠・陸奥・竜田の動きが止まる

代わりに俺に視線が来た

 

「提督にカメラ付きのヘルメットを被ってくれと頼まれた。

だから映像なら俺らの目線カメラがある……後でコピーしてやるからジャーナリストなら映像の

編集ぐらい——」

 

 

 

 

「やっっったあああ!!」

 

 

 

 

 

 

「……めでたいな、こいつ」

 

『……そうですねー』

 

 

 

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢

 

 

 

 

「さて、結果は自衛官・外部顧問チームの勝利だ」

 

『…………』

 

「まあ、後で反省会はするとして負けた方の艦娘側にはペナルティがある」

 

『……え?』

 

見ていたかのようなタイミングで、青葉が落ち着いた時に提督は食堂に来た。

今は全隊員と艦娘、それに上の連中らしいのも見える。

 

まだ、18人の艦娘は寝ている。

ウェーバーもすでに来たが、連れてきたのがまるで舞台の衣装のような……何というか……言うのが

難しいが、目立つ艦娘を山から降ろしてきた。

そして今は提督が全員に向かって新たな命令のために説明を始めるのだろう。

 

「……それって、出てた人たちだけよね?」

 

「いや、全員だが——」

 

「ペ、ペナルティって私達は出てないのよ!?」

 

「まあすでに決まった事だ。3日前の点呼の時に集めて決めたんだ、文句があるなら各艦首長に言え」

 

『……………』

 

まあ、黙るだろう。艦首長のほとんどは交流戦に出ている。

しかし、駆逐艦・軽巡はともかく出ていない軽空母、空母には文句が多いハズだ

 

「心配するな、懲罰房なんかじゃ無い。ましてや罰ゲームでも無い。少し仕事をしてもらう」

 

「……仕事ってなによ」

 

機嫌が悪いのか、ふて腐れているのか、ソファーにいる加賀を見ながら瑞鶴が質問する。

 

「すでに連絡はした、昼から君達には漁船護衛で海に行ってこい。ついでに人手も足りないらしいから 手伝ってこい」

 

『…………え?』

 

30分後、

重巡3人・軽巡5人・軽空母4人・駆逐艦13人

が、漁をする漁船の護衛のために海に出た。

 

 

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