……………………来たか
敵は……捉えた、スリーマンセルで2組 武装は初めて見る銃だ。
恐らく日本人の体格に合わせてあるのだろう、明らかに小柄に見える奴でも普通のアサルトライフルと同じ長さに見える、グレネードは見えない。
ハンドガンを携行しているのもいる、恐らく士官クラスだ。
「……始めるか」
静かに6人の後ろに回り込む。
すぐ横に木と、中腰になれば隠れられる草むらがある
自分のカスタム銃を持ち、彼らの後ろから銃口を向ける。
ダットサイトには 頭がしっかりと標準に入った。
「……!第三小隊が接敵!!」
「場所は⁉︎」
「寮の近くです!!」
食堂こと臨時作戦本部に通信が入る。
寮は正面ゲートからは離れている、むしろ艦娘のドックや工廠があるこの基地の中枢部に近い。
「すぐに今で出いる部隊に連絡、包囲網を形成! 」
すでに通信は各部隊に伝達され、目標の場所は彼女達にも伝わった。
「長門‼︎」
「ああ、すぐに現場に急行する。 総員、この長門に続け‼︎」
第一艦隊が出撃していたため、第二艦隊の旗艦 長門が艦娘達による部隊の指揮をしていた。
アラートが鳴った後、艦娘達も武装化、本部との無線も確立させた。
艦娘達は、ドック並びに工廠周辺の警戒をしていた。しかし、まさかそこまで侵入してくるとは……
「敵は何者なのかしら?」
長門の妹 陸奥が聞く
「敵の正体に関しては何も解っていない、 ただ………」
「ただ?」
「本当に1人か?」
『!!』
誰も口にしなかったが、長門の答えには全員が考えてなかった訳ではない。
しかし、今第三小隊が補足しているのは1人で 正体ゲートのカメラにも やられた自衛官と
それをやったであろう男しか映っていなかったらしい。
だがそれに対し 話す間もなく 近くから銃声が聞こえた。
「…警戒」
言葉はそれで足りた。
全員は周辺を警戒しながら出来るだけ早く救援に向かった。
……残りは2人、しかし初撃を躱しただけあって、タフだ。
無力化するには頭を狙うか一気に弾を喰らわせるしかない。
早く片ずけなければ周辺を封鎖される。
それこそ、自分にとってまずい。
側面をとって——
「大丈夫か⁉︎」
「!」
……どうやら、真打が来たらしい。
声は明らかに若い女の声だ、しかも10人はいる。
艦娘だ
予想はしていたが、やはり応援に来たか。
……ここは撤退だ
「大丈夫か⁉︎」
全員がそれを視認した。
正面ゲートで、すでに第二小隊はやられてはいたが あくまでそれは 奇襲だからだ。
……奇襲を受けるのもどうかと思うが、それでも今 目の前の第三小隊の状況は異常だ
何せ完全武装の6人の部隊がすでに消えかかっている
残りの2人は、木の後ろで 隠れているしかなかった。
それをやったのは目の前の男だ
なら何を躊躇する事があろうか?
すぐに第二 第三艦隊 はそれに標準を当てた。
「打ち方!!——」
しかし、向こうのほうが上手だった。
手榴弾が飛んでくる
残りの隊員と艦娘達は後ろに下がり地面に這いつくばる 、破片を出来るだけ避けるためだ
だが
「……煙?」
破片ではなく煙が出てきた 。スモークグレネードだ
誰もが呆然としてたが「しまった!!」と隊員の1人が言ったその言葉に全員が気付いた。
逃げられたのだ
「……こちら 旗艦の長門だ 目標は交戦中に逃走 周辺の閉鎖と救護をもとむ」
「了解した その場で待機せよ 今向かわせる 怪我人の人数と状況は?」
「4人だ 状態は——」
端的に長門が言う。周りと比べ比較的冷静だった。
第二 三艦隊の面々を見る。
……しかし誰も答えない
「おい、どうしー」
た、と長門は言えなかった 。——答えない理由が分かった
「……状態はどうかしたか?」
本部からの無線が聞こえるそれは、冷たい。
恐らく予想がついたのだろう
「……頭を 撃たれて——」
そう本部に告げていた……。
……さてどうするか、このまま艦娘と戦闘してもいいが……はっきり言って面倒だ、
何より向こうは陸とはいえ航空機を撃墜出来るだけの威力と精密さはある。
……久しぶりに体を動かし、アラスカよりは楽しんでいるが 怪我はごめんだ。
そろそろ切り上げる、包囲網はしかれているがなに どうという事はない。
騒ぎが広がる前に片ずける。
「そろそろか」
提督が突然、言いました。
「何がそろそろなんです?」
いくら何でもまだ 制圧が不可能なまでやられてはいないはず。
……はずです。
「ヒントは何故私がここにいるのかだ」
「・・・はぁ」
けっして溜息ではありません。
その言葉を理解はしましたが、果たして可能なのでしょうか?
……それより 今日は居酒屋が忙しくなりそうです。
着いた。昨日俺が来ていた提督室。
「 失礼する 」
律儀にノックをしてやった。
「 どうぞ 」
あの貫禄のある声ではなく、若い声が聞こえた。
…一応ハンドガンを手に入る。
入ると、相変わらず年がわからない提督と右に女性がいた。
昨日は居なかったが秘書だろう。
こちらを見て微笑んでいることから、恐らく俺が来るのを知っていたようだ。
「ご用件は何ですか?」
貫禄のある声が聞こえ、俺は答える。
「……結果発表をしたい。おまえを貸して欲しい」
「……………」
本部の空気は重い。
最初にやられたのも痛かったが、捜索中の部隊も攻撃を受け しかも逃げられた。
包囲網を敷いたが、第三小隊が接敵し 逃してから既に20分が経った。
「……収容作業はどうか?」
長門からの無線後、軽巡洋艦達は隊員の回収をしている
「もうすぐ完了するとのことです」
オペレーターは答える。
さて、ここからどうするか——
「全隊員に伝える」
突然、提督から放送が入る、この鎮守府の一番上に立つのはこの提督だ。
しかし、提督業は基本 艦娘に対しての指揮は取るが警備に関しては中隊長が指揮を執る。
普通の基地と違いこの鎮守府の主な作業は艦娘がしている。
もちろん艤装のメンテ等を手伝う部隊もあるが自衛隊が行う主な任務は警備だ。
なので全隊員にまで声がかかることはほとんどない。
「直ちに武装を解除し講堂に集合せよ…………私は捕らわれた」
かくして、五分後には行動可能な全隊員と艦娘が講堂に集まった。
「……何を、するのですか?」
おもしろがりながら、この提督は聞く。
……面白がっていると俺が思う時点でどうかとは思うがまあ良い、質問に答える。
「結果発表をしたい、 なので全員を集めて欲しい」
「……しかし、この騒動を収めるにはどうしましょうかね?
私が呼びかけたところでこの事態が収拾出来るとは思えませんが」
わざとらしく聞いてきた——簡単なことだ。
銃口を提督の頭にくっつける。
トリガーに指はないが提督を盾にできるよう提督の横に移動し、秘書を正面に捉える。
!?」
さすがに驚いたのか秘書はこちらを見て間合いを取る……だがなかなか出来るようだ。
恐らく艦娘に違いない、すぐにこちらを睨み——
「スネーク、銃口を外した方が話は早く済む」
「……そのようだ」
確かにどこからか出てきた弓で狙われるのは気がひける、腕もなかなかのようだ、軸が全くブレていない…………彼女に撃って、銃が有効なのか調べてもいいが女に撃つのは趣味じゃない。
それに撃つ気も無い、しまうのが一番だ。
「——しかし、この状況は悪くないな」
突然、意味のわからないことを提督が言う。
銃をしまいながら、秘書の方を見るが彼女もワケがわからないようだ。
そして席を立ち、鎮守府内全てに伝えるための放送のスイッチを押し「全隊員 に伝える」
と放送し始めた……どうやら彼は捕まったらしい、秘書は笑っている。
その五分後、講堂は食堂以上に混んでいた。
約300人ぐらいは入るこの講堂にはいつもは大規模作戦の説明なんかに使われる
艦娘と隊員全員が入るには狭いが今は、隊員が少ない。
あの事態の後に、とんでもない放送が入ったが混乱はなく 不安の声が少し聞こえる。
そもそも、あのとんでもない放送でも混乱が起きていないのは、長門による無線だ。
提督の放送から1時間前
「……頭を撃たれて—–ただ気絶している」
「——死んでいないのか!?」
少しの間の後、本部からの無線は驚きを隠せていない。
それはそうだ、深海凄艦との戦いでは残骸は酷いものもある。
そんな全く慣れている彼女達も驚く、何せどこにも“傷ひとつ無い”状態で隊員達は倒れていた。
「呼びかけたところ、気がついた」
「………」
「どうした?」
「一体どういうことだ……?」
確かにその通りだ。 一体何が目的なのかわからない。
だが検討は付いていた
「………直ちに正面ゲート付近に誰かを向かわせてもいいか?」
「ああ、頼む。こちらは包囲網を解くわけにいかない。」
「了解した、では軽巡洋艦達を向かわせる。 終わり 」
そんなわけで誰も殺られてはいなかった……やられはしたが
正面ゲート付近の隊員達は、既に気がついていたが膝や腕を撃たれてまともに動けなかった。
そのため、軽巡の艦娘たちは救護室に収容した。
そして現在、避難していた駆逐艦を含め 艦娘は第一艦隊以外全て講堂集まった
誰もが提督を待っていた
「優秀なんだな」
俺は袖で集まる様子を見ていた。
ずいぶん立派な講堂は小さい舞台のような作りだ、プロジェクターもある。
的を置けば練習場には……ならないな、後ろの壁が薄すぎる。
「まあ、優秀だと思いますよ」
提督は言う。
先ほどの秘書は同じように隅に並んでいる……未だに少し笑っている、周りは気付いていないが。
「さて、ここでも私に銃口を当てますか?」
「いや やめておく、死にたくはない」
様子を見るに至って皆冷静だが、同じことをすれば 確実に 躊躇なく 実弾が体に食い込む。
……刺されるのは目線だけでいい。
「では普通に前に出ますか」
「もう既に 普通じゃないがな。誰かのおかげで」
「さぁ? 誰のことでしょう?」
「……勝手にしろ」
そうして、2人で全員の前に立った。
……確かに彼女達全員が優秀だと私は自負している。
しかし、前に出た途端 一斉に銃口を向けられると話が違う。
武装を解除するよう 私は言ったはずだが……長門が言った。
「提督が捕まったと聞き、ここに待機していました。」
……いや、確かに“艦娘には命じていない” が
「–—なので、その男を確保してもよろしいですか?」
実際、自衛官達は武装を解除していた。
ただ、何故かこちらを見ていた。……いや睨んでいる。
……あれ、なんか背中がゾクゾクする……ナゼだ……私は死ぬのか?
「……提督、よろしいですか?」
今度は はっきりと言われた 。言葉から怒りを感じなくも 無い
「いや、武器をまず下ろせ。そして話を聞け、確保どころか、動くな」
「……了解」
そう言って彼女達も武装を解除して直立不動でこちらを見ていた。
……全く、本当に優秀だ。