鎮守府警備部外部顧問 スネーク   作:daaaper

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帰還

 

19:30

渋滞に少し捕まったが7時過ぎには帰ってきた

運転手に礼を言い、正門にいる奴に挨拶をする

 

「なんか異常はなかったか?」

 

「あー……えーと」

 

……なにかあったらしい

車が走り去って行くのを横目に門番の2人が顔を見合わせている。

言おうか言わないか悩んでいるようだ

 

「……俺の部下がなんかやったか?」

 

「いえ、何もやってはいないんですが……」「現在進行形で、今も状況が起こっています」

 

……あいつら何をしている?

 

「それ、艦娘の娘たちとか自衛官に迷惑はかけてます?」

 

「あ、いえ。言ってしまえば単なる身内の問題なんですけど……」

 

「……で、あの4人は今何をしている?」

 

再び門番の2人が顔を見合わせる。

今度はどう表現したらよいのかわからないようだ、顔が険しい。

 

そして決意したようだ

 

顔をコッチに向け言葉を掬い上げるかのように、ゆっくり口を7回動かした

 

 

「……鬼ごっこです」

 

『・・・は?』

 

俺は目の前に広がっている鎮守府で、何が起きているのか理解し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さーて!みんないる〜?」

『はーい』

 

時刻は16:45

無事に誰1人もケガなく捕まえられたわ!

てなわけで工廠の中でみんな集まって反省会を始めよう!

……いろいろ危なかった事はあったけどね、主にショットガン

 

「まず、反省会始める前に1つ聞きたい事があるわ」

 

「何ですか?」

 

「……なんで飛龍たちは私たちのショットガンを所持していたのかしら?」

 

『…………………』

 

エアーの“鋭い目線” 効果はバツグン

……関係のない駆逐艦の娘まで目をそらして下向いてるし

飛龍たちに至っては逆に目線を離せないみたい……“こころのまなざし”かなぁ?

 

「もう一度聞くわ、何故私たちの武器を持っていたの?」

 

『…………………』

 

対象は黙秘……てか なんで今尋問してんの!?

 

「ちょっとエアー!そんなの後にしようよ〜………関係ない娘まで怖がるから」

 

「……そうね、じゃあひとまずソレは置いといて反省会をしましょうか」

 

「じゃあ私が進行する!!」

 

「……あんた大丈夫?」

 

「大丈夫 大丈夫、問題点は明らかだし」

 

「そうよエアー、今回は単純だし マーリン自身がやりたいって言ってるんだから良いじゃない?」

 

「……それもそうね、じゃあマーリンよろしく」

 

よし任された!

ささっと終わらせてアイス食べたいし〜

 

「てなわけで早速みんなには反省してもらいま〜す!んで、みんなが反省すべき点は何でしょう?」

 

「時間までに逃げ切れなかった事ね!」

 

「……まあ雷の言う通りなんだけど、もっと根本的な事は何?」

 

さすがに負けた理由はわかるだろうけど

反省して改善すべきところがわかると良いなぁ……お!手上がった!!

 

「はい加賀どうぞ〜」

 

「……必死に転ばそうとしました」

 

「そうだねぇーみんなヤル気満々だったねぇー。そしてそれが今回の原因だねぇー」

 

まさに みんな勝ちにこだわり過ぎなんだよねー、まあ手段を選ぶなとは言わないけど。

……やっぱり少し教えないとダメかー

 

「ちょっと!勝ちにこだわるのはダメって言うの!?」

 

「ズイカク〜 いくら何でもそれは考えをひん曲げてるよ……」

 

「そうね、いくら何でも早とちりじゃないかしら?」

 

「!! なんであんたにそんな事言われなきゃならないのよ!?」

 

「ハイストップ!今回はちょっと加賀の言う通り最後まで話は聞こうね〜

自分の思っている事と違って質問したり文句言うのはイイけど、ちょっと落ち着こう」

 

「…………」

 

いやまぁ 私が言える事でもないんだけどさー

……てか何で加賀ってこんなに瑞鶴に当たりが強いの?

 

「そうヘコまないのよ瑞鶴、ひとまずお話を聞きましょう?」

 

「……ウン」

 

「それじゃ進めるけど……瑞鶴が言ったことがある意味私達が言いたい事でもあるかなぁ」

 

「ソレは……勝ちにこだわる、という事に対してですか?」

 

「そう そこが今回の争点の中心なんだけど……艦娘としてのあなた達のサガなのかなぁ〜」

 

BOSSが一ヶ月前に示した艦娘の弱点・・・陸上では兵士としては動けない・勝てないという事

それは警備の意識改善と、この娘たちが無茶しない様にするため

 

 

本人たちも気づいてなかったけど、彼女たちは弱い

 

 

もちろん海上ではあの深海凄艦っていう怪物を倒せるし、効率的に動ける、対艦戦闘の知識もある

けど、陸上ではそうはいかない。

彼女たちの艤装は人に向ければ確実に致命傷どころか跡形も無くなる、

ハンドガンやライフルみたいに膝や手に撃つことは出来ない、撃てばほぼ確実に急所に当たる。

 

 

そうなれば……彼女たちは“殺人”になっちゃう

 

 

もちろん そんな事態が起きる事は日常的じゃないし彼女たちが闇雲に使う事もない。

けれど昨日みたいな事が起きなくもない、そんな時に勝ちにこだわる っていうか、正義感で動いたら取り返しのつかない事になるのは明らかなんだけど……始まる前に言ったんだけどね〜

 

 

「川内さ、私が始める前に言った訓練内容覚えてる?」

 

「あー……逃げるだっけ?」

 

「そう、要するに逃げ切れれば勝ちなの」

 

「そんなの当たり前じゃない!鬼ごっこなんだもの!」

 

「けど暁ちゃん、みんな逃げ切るんじゃなくて私たちを倒そうとしたよね?」

 

「当然よ!みんなマーリンたちには負けっぱなしじゃいられないもの!!」

 

『…………………』

 

……ちょっと、みんなあまりにも純粋に言うもんだから気まずくなってるよ

まあそれだけ私たちを倒したかったっていう証拠か

 

「けどさー私たち3人全員倒せるとでも思った?」

 

「え・・・それは……」

 

「そりゃ思わないよね〜 実際返り討ちにあってるし」

 

「……………」

 

「あ」

 

どうしよう!

 

すごい涙目になちゃった!?

 

てか泣いてる!!

……スゴく視線がイタイよ………特にフォレストからとてつもないプレッシャーを感じる

 

「・・・あんた言葉ぐらい選びなさいよ、まだ相手は子供だったりするんだから」

 

「ひゃれが子供にゃのよ!」

 

エアーの言葉にツッコミ入れるぐらいは元気なんだ……

 

「暁ちゃん落ち着くにゃ」

 

多摩が暁ちゃんをなぐさめてる

……なんか罪悪感しか湧いてこないんですけど

 

「……続けて説明するけど……OK?」

 

『OK』

 

「……泣かしちゃったのはゴメンね。

けど逃げ切れば勝ちなのに、みんな私たちを倒しに来たじゃん?」

 

「……まあ暁ちゃんが言ったみたいに私たちも負けてばかりじゃいられないものね。

倒せる方法があるならやってみたくなるものよ」

 

あーやっぱり理解してはいないかー

……まあ皆最初はそうだったし、私もそうだったなぁ、懐かしいわ。

 

「じゃあ高雄に聞くけど、勝算はあったの?」

 

「え?」

 

「駆逐艦の娘たちで威力偵察、巡洋艦・空母で仕留めるって算段だったんでしょ?」

 

「……そうじゃなきゃ倒せないでしょう」

 

「あのさぁ〜なんか勘違いしてるよね?」

 

「何がです?」

 

「なんで私たちを倒すのにこだわるの?」

 

「わかるでしょ〜、高雄ちゃんや私たちは〜あなた達を倒して勝ちたかったのよ〜」

 

「……じゃあ言うけど、私たちがテロリストとかあなた達を殺す気だったとしたら皆死んでるよ?」

 

『…………………』

 

一気に場の空気が変化

文句がある娘・言いたい事を察した娘・黙る娘

……反応はそれぞれだけど雰囲気は悪くなった

 

「言わせてもらうけど、ここにいる全員 無駄死にしてるから」

 

「ちょっと!?そんな言い方ないでしょ!?そもそもコレは訓練____ 」

 

「訓練と実践の違いは縛りがあるのと死人が出ないだけなんだけど?」

 

「っけど!」

 

「私たちがね、皆が興味を持っているうちに逃げる訓練したのは昨日みたいな状況に巻き込まれた時、皆がどうするべきか教えるためにやったのね。

んで、今日の動きから見て みんなはやっぱり陸上では弱い」

 

「……マーリンさん、私たちはどうするべきだったのでしょう?」

 

とてつもない目線を刺してくる加賀の代わりに赤城が質問する。けどその目もとても……少なくとも

味方に向けるそれではないかなぁ

 

「簡単だよ、今回は逃げ切ればよかったの」

 

「……けど アイスが____ 」

 

 

 

『アイスかい!!』

 

 

 

私やエアーの3人で叫んだ。ってか倒せばアイスが食べれるから仕掛けてたの?!

……言い方を変えとけばよかった、のかな?

 

「けど赤城さん、俺から1つ聞いていい?」

 

「ハイ、なんですか?」

 

突然ティムが手を挙げてこっちに歩いて来た

……てか出入り口ら辺でなんかイジってたみたいだけど、よくあそこから話し聞いてたわね〜

 

「仮にアイスが食べれなかったとしても、みんな3人に仕掛けてたよね?」

 

「…………確かに仕掛けてました」

 

「だよね。まあ確かに意外とマーリンが毒舌だったのは確かだし、言葉を選ぶべきだったのも事実。

けど、みんなの勝ちにこだわるっていうのが勘違いだっていうのも事実なんだよ」

 

「……具体的に何が違うのでしょう?」

 

「加賀さん目線が怖い、そう睨まないでくれ……

そもそも俺たち……マーリンはもちろんBOSSの部下ってみんな君たちと一緒だったんだよ」

 

「……どういう事です?」

 

「最初から意地張って、強い奴に勝とうとするの。あー駆逐艦のみんなは俺から話聞いたよね?」

 

「聞いたよ〜、スネークさんなんか倒せると思って〜、奇襲仕掛けて〜、ボロボロになるんだよね〜

で、それだけじゃ納得できないから色々試すんでしょ〜?」

 

「………ありがとうね時津風ちゃん」

 

ボロボロって教えたのかあいつ!

……いやまあコテンパにされたのは事実なんだけどさぁ

 

「で、当たり前なんだけどなかなか勝てないわけよ」

 

「……それでどうするんです?」

 

「マーリンが言ったじゃん。“今回は逃げ切ればよかった”って」

 

「……戦わずに逃げたのですか?」

 

「“その時”はね。だって今勝てない相手にどうやって勝つって言うの?」

 

「……私たちは戦って勝たなければならないわ」

 

「……まあ、確かにみんなは俺たちと違ってほとんど敗北は許されない。

けどさ ソレって海上でだけの話でしょ?それに、俺達は自分からBOSSに勝負を仕掛けるのを止めただけ。戦闘からは逃げるわけにはいかないでしょ」

 

どうやってティムはわからせる気なの?

まったく展開が読めないんだけど…………

 

「けど〜、やっぱり勝ちたいわよね〜?」

 

「もちろん勝ちたいよ、だから技を磨く。自分の得意分野をとにかく伸ばす、

それでBOSSに勝てばいい、いくらBOSSが優秀でも機械に関しては俺の方が知ってる」

 

「……それ自己満足じゃな〜い?」

 

「そっくりそのまま愛宕さんに返すよ。あの3人に近距離戦闘で勝とうなんて自己満足を解消する

以外の何物でもないじゃん、しかも無謀な解決方法だし」

 

「それは………」

 

「3人を転ばして勝とうなんて自己満足でしかない」

 

『…………………』

 

愛宕が黙る

同じ様に他の艦娘まで黙った……駆逐艦の娘だけは顔を上げて静かにしているだけ

 

「あー、私が言いたかったのはね、みんな無茶しすぎなの」

 

「……無茶?」

 

 

私の言葉にすぐに反応したのは、意外にも瑞鶴だった

 

 

「訓練だから何を試しても良いけどさ、訓練なんだから自分のためになる事やんなきゃ意味ない

でしょ?常に勝ちに行くその心意気を持てる奴ってなかなか居ないし、みんなスゴイ優秀だよ?

だけどね、さっきも言ったけど、もし私たちが殺す気だったら駆逐艦の娘達は少なくとも意味ない

行動になってたんだよ?

勝てない事が分かってるのなら無茶しないで確実に勝てる方法を選ぶべき。

今回は仕返しする時じゃなかったってこと」

 

 

「そうねぇ………私たちを 転ばしたり 殴ったりして倒したいと思うなら毎日訓練しなきゃ無理ね」

 

 

まぁエアーの指摘は多分正しい。

……実際、訓練を受けてた自衛官が一ヶ月かけて私たちとやり合える様になったわけでー、

体裁きが素人同然なこの子達が渡り合うには…………最低一年かかるわけで、

“一年はかかる”なんて言ったらまたこの娘たちがヘコむか

 

「……不可能ってこと?」

 

「そう、私たちを力押しで仕留めようとするなんて無茶ってこーと」

 

「マーリンの言う通りだよみんな、野生の動物並みのやつを素手で倒そうとしてたんだから」

 

 

 

 

『……ああ』

 

 

 

 

 

ちょっと!?

なんであっさりみんな納得できてんの?!

 

「ねえティム?いくら2人がそうなイメージがあっても、私が野生の動物並みはおかしいわ」

 

「……3人に催眠術かけて、龍驤に対しては精神攻撃を仕掛けた奴が言う言葉か?」

 

「? あの〜ティムさん、龍驤さんが怖がったのってフォレストさんが原因なんですか?」

 

「多分そうだよ、龍鳳ちゃん………大方、エアーが不安を煽る効果音をかけたんじゃない?」

 

「けど音楽なんて私たちには聞こえませんでした……」

 

「ああ、それは指向性マイクで効果音を流したんだと思うよ」

 

「?? ソレは……どういう……」

 

「要するに、スピーカーみたいに音を周りに響かせるんじゃなくて、音を直線に……レザーみたいに

まっすぐ飛ばして、龍驤にだけ聞こえる様にしたの」

 

「はあ……」

 

なんでエアーが音を流したことわかってたんだろう?

……まあいいや、あと1分も経たずに17:00になるしね

 

「一応、私が言いたかった事はわかってくれた?」

 

「……無茶ですか」

 

「そういうこと。今みんなは私たちには戦闘では勝てない、今回の訓練だったら時間まで逃げ切って

時間を経つのを待つしか選択肢はなかったの。

……なんかアイスで私が釣ったみたいでゴメンね」

 

「……全体に言いたいことは終わりね?」

 

「ウン……え?エアーはなんかあるの?」

 

「1つは明日でも良いんだけれど……私たちのショットガンを使った“方々”に用があるわ」

 

『!!』

 

 

「逃げないでね?」

 

 

最初にかけた“こころのまなざし”は未だに効果が続いてたみたい。

4人の艦娘……飛龍・蒼龍・龍鳳・龍驤は固まったまま、動けないまま、その場でビクビクしてる

 

「あと、私たちに誰かアイスおごってよ〜?勝ったんだから」

 

「え!?フォレストは未だにアイスおごってもらう気なの!?」

 

「……なによマーリン、なにか言いたそうね?」

 

「いやだって……ねぇ〜」

 

「あっフォレスト、そいつは無理だぞ?」

 

『は?』

 

ティム何言ってんの?

全員が、艦娘の娘までもがティムが何を言ってるのか反応に困ってる

……あれ?なんで駆逐艦の娘たちは笑ってるの??

 

「……頭がおかしくなった訳じゃないみたいだけど……」

 

「フォレスト、俺をイカれた人間扱いするな。

俺が言いたいのは2つ、ショットガンの件とアイスの件だ。まずアイスは食べれらない」

 

「なんでよ!私にアイスを食べさせてよ!!」

 

「………お前、食い意地はるようなキャラじゃないだろ、清楚な印象で男がつい惚れるルックスと

綺麗な言葉使いが印象的なキャラであって、甘党なOLキャラじゃないだろ。

食い意地はるキャラは十分過ぎるくらいここには沢山いる」

 

「なんで私のキャラ設定をあなたが語るのよ、しかも文章量が普通じゃなくなってるわ……」

 

「……ねえティム、なんでフォレストはアイスを食べられないの?いやまあ、食べる資格は

全くないって私は思うけどさ」

 

「……ツッコミを入れたいがまあ良い。

言い方を変えて、“お前たちは勝ってないから”って言った方がわかりやすいか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…………………はあ!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや!いやいやいやいや!?

なんで私たちが負けてんよ!?

艦娘の娘は全員捕まえたよ!!負ける要素ゼロだよ!!てか勝ってないの!?

 

「ね〜ね〜フォレストさ〜ん」

 

「……時津風ちゃん、どうかした?」

 

「私がさ〜、捕まった時に言った事って覚えてる〜?」

 

「“捕まっちゃった”でしょう?」

 

「そ〜なんだけど〜、そのあとだよ〜。何人捕まえたって言ってわたしが言ったじゃん」

 

「………あ ああ あああ!!!!」

 

「あああああ、うるさいわよフォレスト、“あ”になんか因縁でもあった?」

 

「秋月ちゃん捕まえてないわよ!私たち!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………あ ああ あああ ア〜キ〜ヅ〜キ〜!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やばーーーーい!!!!!

 

秋月ちゃんのことすっかり忘れてた!!!

 

そりゃ勝ってないわ!

 

……うわー、今まで言ったことが、すっっごく恥ずかしいんだけど………

 

 

「…………………」

 

「……ちょっと待って、秋月が居ないのって反応から見ると加賀や高雄・川内すら知らなかった

みたいなんだけど、どういうこと?」

 

「ソレはこっちのセリフよ」

 

「確かに言われてみれば……居ないですね」

 

「全然気付かなかったよ……」

 

「……けど駆逐艦のみんなはわかってたのね?」

 

「ウン、ティムさんに言われましたから」

 

「……ちょっとティム、あなた____ 」

 

「ああ、秋月ちゃんもう出てきて良いよ〜」

 

「・・・・・・わたしなんて・・・・・・」

 

ファア!?

 

壁から秋月ちゃんが出てきた!!?

 

いや、あれってステルスマットじゃない?

 

…………ふーん、そういう事

 

「待って……ティム、こっちに来なさい」

 

「おい、俺の話は終わってない。ショットガンの件があるだろ?あのショットガン渡したのは俺だ」

 

 

 

「……わかったわティム、動くな」

 

 

 

何企んでたか知らないけど、駆逐艦のみんなとティムは結託してたのね

で、時間稼ぎのために、勝ちを決定的にするために、私たちを油断させるために、

4人にショットガン持たせたってところ?

 

「夕張さん!俺らは交代式に出れないと思うからよろしく!!」

 

「え!?あ、はい」

 

「あと、4人には言ってなかったけどあのショットガン、安全装置かかってるし、

そもそも弾なんて1発も入ってなかったから」

 

『ええ!?』

 

「……エアー、フォレスト、わかってるよね?」

 

「当然」「もちろん」

 

「ティム、何か言い残す言葉は?」

 

瞬時にハンドガンを抜く

もちろん麻酔銃だけど……ちっ テーザーが無いのが悔しいわね

 

「反省会の内容は正しい。

艦娘の娘たちが無茶しすぎなのは事実だし……けどさ、弱い方の味方にはなりたいよね?」

 

「そう……遅れながらの戦線布告?」

 

「いや?逃亡宣言」

 

あ!逃げやがって!!

完全に敵対行動じゃない!!!

 

「エアー!」

 

「言われなくても」

 

「フォレスト!」

 

「事情聴取しておくわ」

 

「追うわよ!!」

 

安全装置よし、サーマルよし、アクティブレーダーよし!

待てコラーー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……もう居ない」

 

「みんな逃げ足は早いのよ、命を守るにも狩るにも必要だもの」

 

『…………………』

 

あまりに突然の展開とフォレストの答えに艦娘全員が工廠の出口を見ていただけだった

すでに3人は工廠の裏手の階段を駆け上がり、弓道場から山に入っただろう

 

「で、秋月ちゃんに聞きたいんだけど」

 

「・・・わたし、忘れられてたんですね・・・」

 

「……自分から隠れたの?」

 

「……いいえ、ティムさんに“勝ちたいならここに居ればいい”って言われて____ 」

 

「別にティムが無理やりやらせたわけじゃ無いのね?」

 

「……はい、ここで話を聞いてましたけど・・・誰も私が居ないの気づかなかったんですね……」

 

「……駆逐艦のみんなはわかってたのね?」

 

「まあ ずっとここに私たちはいたからね、知っていたよ」

 

響がさも当然のように、いつもと同じトーンで答えた

 

「……まさか、ショットガンもティムが渡したみたいだけど、許可しただけなの?」

 

「そうだね…… つい使いたいって言ったら“どうぞ”って言われたから……」

 

「……飛龍、常識って知ってるかしら?」

 

「ごめんなさい!」

 

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