鎮守府警備部外部顧問 スネーク   作:daaaper

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分割した前話の後編です




大規模作戦 船出

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらっ珍しい組み合わせね、どうしたの?」

 

「あっフォレストさん」

 

「どうもっ」

 

「こちらこそどうも、吹雪ちゃんに秋月ちゃん、けど黄昏れるにはだいぶ遅い時間よ?」

 

スネークが乗って来た改装捕鯨船“平和丸”、そこにはいま護衛としてここまで共に来た艦娘の大半が残っていなかった。

 

すでに燃料と弾薬の補給は完了し、千歳と千代田・そして最上と三隈の4人はいま消耗した艦載機の補給、もとい生産を行っているため自室に籠もっている。

 

大人勢こと金剛や霧島・高雄と摩耶は食料や様々な物資の搬入を手伝うため……というかマーリンに引っ張られ船を行ったり来たりしており、それを見て駆逐艦の大半も手伝っている。

 

そして今回の護衛機動部隊の主軸である軽巡3人はパッツィーの紹介で諜報班フロアで様々な情報を提供・入手している、諜報班としても戦術予想を立てるためにはルイが提出してきた報告書だけではあくまで予想までしか建てられないため場所を割いてくれている。

 

そのため、船に残っているのは戻ってきた艦長を含めた艦橋メンバーに加えて医務室の設備の搬入が終わり先に食事を済ませていたフォレストと追加で艦尾で作業しているティムが率いる技術者集団、そして吹雪と秋月の2人である。

 

「……黄昏れる、というよりやることが無くてちょっと暇なんです」

 

「私はその……少し夜が苦手で」

 

「……へぇー駆逐艦は夜戦でこそ動き回れるって聞いてたから夜はむしろ好きだと思ってたわ、川内なんか昼間より夜の方が気分良さそうだからなおさら」

 

「川内さんは……一度夜戦演習で戦ったことがありますけど少し特殊ですから」

 

「そうですねっ、私から見ても少し異常だと思いますっ」

 

「秋月ちゃんが異常っていう位のレベルなのね……」

 

「はい!」

 

「いやっうん……まあわかったわ、それで2人でお喋りしてたってことね?」

 

「そうですね、とにかく驚くことばかりでしたから」

 

「あら、そんなに気に入ってくれた?」

 

「いやっ気に入った……と言うより何かこう……興味深いと言うか何というか……」

 

「まあ吹雪さんの言いたい事は秋月も分かりますよ。何かこう……変な事ばっかりで」

 

一体どこに海上の孤島の地下で補給も無く半年以上生き延びようとする組織があろうか?

食料が無ければ作れば良いじゃないと言わんばかりに地下に水耕栽培施設を普通作るだろうか?

しかも食料自給率200%を維持するなど300人規模では普通は出来ない……ハズである

 

そもそも地下100mもの場所にたった4週間で人が快適に住めるほどの環境を整えられるのだろうか?

絶対的に抗えない相手に海上封鎖をされ、誰1人逃げられない状況で誰も狂わないのか?

冷静に半年以上も生きていける物なのだろうか?

 

何より艦娘である2人は単なる少女では無い、前世とも言うべき過去には世界大戦を経験し軍艦として太平洋での戦いの最前線を見ているのだ。

現代戦の知識が乏しくとも戦(いくさ)の知識はある、それを踏まえても武器を持った人間があまりにも過酷とも言えるこの状況では何が起きてもおかしく無い。

暴動が起きてないのもそうだが、隊員達の動きがあまりにもスムーズなのだ、仮に上手く生き延びてきたとしても半年以上ものブランクは兵士にとっては大きいものだという事も知っている。

 

そんな状況にも関わらず、戦車や様々な資材や研究資料などの様々な物資を詰め込み撤退する。

まさに基地1つを丸ごと移動させる訳だが、それをたったの6時間で完了させるというのだ。

これは仮に軍隊であったとしても、一個師団規模の部隊を派遣するのにかかる最短時間に等しい。

ここではあくまで一個大隊規模ではあるが、それでも戦車に装甲車・戦闘ヘリに医療設備と研究設備を丸ごと移動させるとなると6時間で引越しの積荷が整うとは思えない。

 

「……そうね、確かに知らない人が見たら驚くでしょうね」

 

「なんか……現実味が無くて」

 

「でしょうね、だって私ですら実感無いもの」

 

「フォレストさんもですか!?」

 

「何もそんなに驚くこと無いでしょう、だって私はここで半年以上も過ごしてないんだから。

つまり私も知らない人の1人よ」

 

「言われてみれば確かに……」

 

「けど、想定外ってほどでもなさそうに私は見えるんですけど」

 

「……あら、それはどう言う意味かしら秋月ちゃん?」

 

「もし本当に想定外だったらフォレストさんも他の皆さんのお手伝いに行っていて私たちとこうしてお話してないと思うんです、けど余裕があるからここに居るんですよね?」

 

「……そうね、確かにあなたの言う通りね」

 

そう言って仮設(?)本部がある島を見る。

現在平和丸は物資搬入のため桟橋に接舷、他の船が島の中側、又は外縁で警戒に当たっている。

 

吹雪の言う通りもし6時間で撤退することが不可能、

もしくはギリギリなら船の上で仕事でも無い限りのんびりなんて出来ないだろう。

だが実際には暇そうにしていた秋月と吹雪を見つけて付き合っている。

 

しかし6時間で撤退するための仕事量がとてつも無い物なのは誰でもわかる、猫の手も借りたいほど忙しいに決まっているにも関わらず、フォレストには余裕がある。

それはつまり仕事量とかではなく、精神的な面で余裕がある、そう含めて吹雪は聞いてきた。

 

それだけの事を考えられる彼女に少し感心しながらフォレストは頷いた。

 

「それは皆さんを信頼しているって事ですか?」

 

「信頼……まあそうよ、だって世界で一番あれほど頼れる仲間は居ないわ」

 

「その、前にも聞いたんですけど本部の人達……ですか?その人達ってそんなに凄いんですか?」

 

「……確か秋月ちゃんはウェーバーより狙撃が上手い人がいるなんて思って無かったのよね?」

 

「はい!だってスネークさんの狙撃も凄かったですけど、ウェーバーさんは全部の銃弾を爆弾に当ててましたから!!」

 

「ば、ばくだん?銃弾を当てる?」

 

「あっ吹雪さんに説明しますと、私一度スネークさん達と一緒に正規空母の皆さんを相手に対空訓練をした事が有るんです」

 

「それはどう言う……」

 

「今思えば壮大なんですが、事件直後でしばらく休みを貰っていた加賀さんと瑞鶴さん、あと二航戦の飛龍さんと蒼龍さん、あと赤城さんと翔鶴さんに大鳳さんを含めた7人を交えてやったんですけど……」

 

「そそそれって正規空母の皆さん全員を相手にしたんですか!?」

 

「えっと……途中は二手に分かれてたんですけど、最後は大鳳さん以外の皆さんの艦載機を相手にはしましたね、スネークさん達と一緒に」

 

「はあいいぃぃ!?」

 

「……どれほど凄い事なのか私にはイマイチピンと来ないけど、とりあえず落ち着いて吹雪ちゃん」

 

さらっと正規空母7隻を相手に訓練したという秋月の言葉にあからさまに動揺する吹雪に冷静になるように言うフォレスト、だが吹雪がこうなるのは無理はない。

 

というのも別に吹雪が赤城さんスーパーラブ勢だとか、瑞鶴と加賀の仲違いに翻弄されたとか過去があるという訳では無い、断じてない。

……まぁ吹雪が赤城を全く尊敬していないのかと言うとそういう訳で無いのだが、少なくとも吹雪と赤城が同じ鎮守府にいた事は無い、瑞鶴や加賀も同じだ。

 

しかしそれでも演習では相手になる事もあるし、三鎮守府混合の艦隊で一緒になる事も無いわけじゃない、だがそれでも正規空母は1人、多くて2人であり大半は軽空母の人達が相手になる。

それなのに訓練に一個艦隊、6人全員が正規空母など聞いた事が無い、というかそれだけの艦載機を相手に普通は捌ききれない、ましてや一航戦・二航戦・五航戦という現在どころか今後なにかしらの戦力増強があったとしても最強の空母機動部隊の航空戦力として揺るがない存在だと断言できる。

 

そんな6人を相手に訓練をしたという事実だけで、真面目で学級委員というのが板に着く吹雪にとって

誰よりも一所懸命に訓練に打ち込む彼女にとってはそれだけで十分なインパクトだった。

それに加えて普通………………では無いにしても兵士が艦隊戦に参加し、しかも空母の空襲に曝されたと聞けば動揺するのも無理ないのだ。

さらに付け加えれば水上打撃部隊として長門・陸奥を筆頭とした第二艦隊まで付いた連合艦隊が相手だった事はここでは吹雪に伝えない。

 

「ああの、そにょ!」

 

「……吹雪さんには今度落ち着いた時に秋月が訓練内容は教えますね」

 

「それが良いわね」

 

「はい!」

 

「よろしい、じゃあ秋月ちゃん 話の続きを続けてあげて」

 

「はい……それで何の話でしたっけ?」

 

「えっと、そのウェーバーさんの狙撃が凄くて爆弾がどうこうと」

 

「ああそうでした!そういえば吹雪さんは交流戦の映像は見ましたか?」

 

「ええ?……まあ見ましたけど」

 

「その時赤城さんと加賀さんの艦載機が急降下爆撃を仕掛けたのですがその時爆弾をある程度撃ち抜いていたんです」

 

「……それで秋月さんはそれをやろうとした、とかですか?」

 

「そうです!最もスネークさんからは誰でも練習すれば出来ると言われましたけど」

 

「そうなんですか?」

 

「はい、そうおっしゃってました。

というかフォレストさんが交流戦の時爆弾を撃ち抜いていた張本人ですから」

 

「誰でも出来るようになるんですか!」

 

「そうね、練習すれば」

 

「それはどんな練習ですか!?」

 

「簡単よ、自分の思い通りに弾丸を飛ばす技術と一瞬でターゲットの優先順位を決めれば良いの」

 

「・・・それはつまり?」

 

「まあ射撃精度を上げるにはとにかく使う経験するしかないわ。一瞬で見極める訓練は自分が捌ききれる以上の情報を扱う事かしら」

 

「捌ききれる以上の情報を扱う……」

 

「まあ秋月ちゃんの場合は元々防空駆逐艦だって言うから射撃管制指示を全部秋月ちゃん1人に任せてBOSS達はそれに従って撃ちまくったって所よ」

 

「その時にも……」

 

「まあ私は参加して無いけれど、BOSSとウェーバーは一発一発全部兵装を撃ち抜いてたみたい」

 

「そんな神業みたいな事が……」

 

「まあBOSSはもちろんウェーバーもスナイパーじゃ無いんだけどね」

 

 

 

「「・・・ええ!?」」

 

 

 

その言葉に2人が叫ぶ、ついでにハモる。

それはそうだ、そんな超絶技巧を持っている兵士が狙撃手じゃないなんて信じられない。

まだスネークが狙撃手じゃないのはなんとなくわかる、常に狙撃銃というよりハンドガンとナイフがよく似合うからだ。

だがウェーバーは何処からどう見ても、聞いても狙撃手である。

話を聞いていただけでも射撃精度が高いのはうかがえる、そして同じ鎮守府にいる秋月からすればよく狙撃銃を扱っているウェーバーが狙撃手では無いなんて信じられなかった。

 

 

「そうよ、さっき吹雪ちゃんがおかしくなって忘れられてるけど、本部にいるのは凄い人ばかりよ。ウェーバーより上手い人なんてここには何人も居るわよ」

 

「そういえばそういう話でしたね・・・ってそれ以上に上手い人って一体どんなひとなんです!?」

 

「秋月も気になりますっ!」

 

「そうね…………例えば単身狙撃銃一丁だけで戦車に喧嘩を売って随伴歩兵を排除した後砲塔を向けてきたから砲門から直接弾頭に当てて信管作動させて戦車自体を爆破したり、

敵のスナイパーと戦う時にわざと自分の居場所を大ぴらにバラして、相手が撃ってきたら避けて相手の居場所を見つけてたった一発で仕留めたり、

自分が思い通りの弾頭を描ける範囲だったらどんな軌道を描こうとも、どんな速さで走り抜けようとも確実にただ相手の急所を狙い撃ったり、

あとアサルトライフルではあるけどマガジン30発分全部を別の的に1発づつ当てる変態とかかしら」

 

「( ゚д゚)っ・・・はい?」

「( ゚д゚))・・・えっ?」

 

「だから銃だけで戦車を爆破したり敵の弾丸は避けて自分の弾は一発で当てたりマッハだろうが自分のテリトリー内なら当てたりレート800のマシンガンを1発づつ別の的に当てたりするの」

 

「……いやなにいってるんですか!そんなことできるひとなんているわけないじゃないですか」

 

「うん秋月ちゃん、動揺するのは構わないけれど漢字を使いましょう」

 

「えっと、そんな技量を皆さん持ってるんですか?」

 

「皆じゃないわ、けどみんなからスナイパーだって言われてる人はそんなおかしいと思うような事を平然とやってのける人よ」

 

「そう……なんですか」

 

「ちなみに会議に出席してたヤッコさんはスナイパーでは無いけれど、さっき言った全弾を1発づつ

別の的に当てるわよ」

 

「そうなんですか!?」

 

「本人が言うには慣れればどうとでもなるらしいけど」

 

「どうとでも……なるんですか」

 

「何事も経験よ、膨大なね」

 

「そうですか……」

 

「吹雪ちゃん、意外と浮き沈み激しいのね」

 

「……だから」

 

「うん?」

 

「だから……フォレストさんは皆さんを信頼しているんですか?」

 

「そうね、だって自分より強くて頼れる人がいれば自然と信頼できるでしょう?

まあ嫌なことしてくる奴だったら信頼もなにも無いけれどね」

 

「……………………」

 

「……まああなた達が信頼出来ないのは当然よ、だって一度も会ったこともましてや戦った事も無いんだから、吹雪ちゃんはBOSSの射撃くらいは見たことあるかもしれないけどね」

 

「……はい」

 

「私たちは傭兵、雇われ集団、けど私たちはただ金のために動く人間じゃないわ、BOSSのために、仲間のために動くの」

 

「仲間……ですか」

 

「もちろんあなた達は仲間じゃないわ、あくまで協力者よ。

けど私たちは協力者をないがしろにする程外道じゃないわ、もしそんなことすればBOSSや副司令と他もろもろに“指導”される」

 

「なんかすごいですね……」

 

「まっ今も守ってくれてるのが居るんだけどね」

 

「はあ……」

 

「それにあなた達の仲間を支援する事に正式に決まったの、だから私が保証するわ、この世界で一番頼もしい味方を付けたってね」

 

「けど——」

 

「確かに私たちとあなた達との関係は複雑よ、ましてや私たちは傭兵。

今は味方でもいつかは敵になるかもしれない、敵でなくとも相対するかも知れないわ。

だけどそれは今じゃない、その時はそのとき今はいま、私たちは全力であなた達をバックアップする

それにいくら私たちが強くたって深海凄艦は倒せない、艤装を破壊することは出来るけど撃沈は無理だわ、あの相手が出来るのは貴方達だけなんだからもっと胸張んなさいよっ」

 

そう言って2人の背中をバシッと叩くフォレスト。

2人が揃って「痛〜い」と背中をさするがそんな事はお構い無しに話を続ける。

 

「それにあなた達がここで不安がったって何の意味も無いでしょう?

これからどうなるかなんて誰にも分からないんだし、精々私たち全員を無事にラバウルに連れて行きなさいよ」

 

「……なんかいつの間にか意味なくフォレストさんに私たち励まされてる気がするんですが」

 

「なに言ってんの、秋月ちゃんはまだしも吹雪ちゃんは不安まみれだったでしょうに。

変に抱え込んじゃってどうすれば良いのかよくわかんなくて手伝いに行かなかったんじゃ無いの?」

 

「…………………」

 

「そうだったんですか?」

 

「……そうかもしれません」

 

吹雪自身も気付いていなかった何とも言えない不安感、だからこそ今ここにいる……のか?

秋月がこっちを見て問いかけてきたものの、それに答えることが出来ないでいた。

けどマーリンに連れられていったみんなやルイと一緒に行った長良たちを見たとき、自分自身は何か手伝おうとは思わなかった……いや、思えなかった。

 

 

少し休みたいとは言ったが…………………………………………………実際のところ恐怖があった

 

 

 

「あのね〜そんなのみんな一緒だと思うよー?」

 

 

 

そんな重い雰囲気をあっさりとぶち壊す言葉が突如後ろから聞こえた

 

手には工具、服装は少し薄汚れ、しかし顔は随分と晴れやかな表情をしていた

 

「……何でまたこんなタイミングで現れるのよ、あなた実は盗み聞きが趣味なの?」

 

「なにを言うか、お前さんが俺の作業場でよく話しているだけじゃあないか。

実際秋月ちゃんが忘れ去られて俺が追い回されたときも俺の作業場で話してただろ?」

 

「それは確かにそうだけれど」

 

「えっと……」

 

「何でティムさんがここに?」

 

「うん?さっきも書いてあったけど後ろでちょっとした作業だよ、それも一段落着いたし随分と面白そうだからこっちに来ただけ」

 

「はぁ」

 

「……さて、吹雪ちゃんで合ってるよね?」

 

「は はい」

 

「別に君以外の娘たちだって多かれ少なかれ不安を感じてると思うよ?

そうじゃなかったら他の子たちもわざわざ俺たちの仕事を手伝ったりしないよ」

 

「……なぜです?」

 

「だってやる事が無いと余計不安だからでしょ、君たちは艦娘で海でその真価を発揮する。

まあ言っちゃえば陸じゃぁやる事無さすぎて代わりに考え過ぎちゃって怖くなる、そんでもって体を動かしたくなる、それこそマーリンみたいに」

 

「……えっじゃあマーリンさんって鎮守府じゃいつもにこやかで活発ですけど——」

 

「違うちがう、あれはマーリンの馬鹿っぽい性格だよ、それにどんな怠け者でも毎日訓練漬けの日々を送ってれば体が動かせないとウズウズするから、あくまで例えだよ」

 

「そうね、彼女に考えるって選択肢があるのか怪しいし」

 

「……いくら何でもそれは言い過ぎじゃないか?」

 

「そう?むしろ私はちょうど良いくらいだと思うわよ、彼女理屈より直感で絶対動いてるもの」

 

「……確かに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ちょうどその時〉

 

 

「・・・!?ヘビシアァァァァァン!」

 

「大丈夫か?」

 

「んあ、大丈夫だよ摩耶」

 

「そ そうか、なんか随分変なくしゃみだったけどよ……」

 

「ホントホント、なに“ヘブシァァン”って」

 

「なんか今の白露のモノマネすごく似てるっぽい!」

 

「夕立、それ似てるのか?寝てないのか?」

 

「……なんかさっきも今も私が馬鹿にされた気がするんだけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まあマーリンの事は今は良いとして、別に吹雪ちゃんだけが不安がってる訳じゃないさ。

他の娘たちだって似たようなもんでそれを気にしないためにわざわざ手伝ってくれてるんだと思うよ」

 

「そう……ですか」

 

それに秋月ちゃんや高雄さん・摩耶ちゃんみたいに俺たちとある程度一緒にいた娘たちはまだしも

他の娘たちに関しては俺たちはもちろんMSFって組織自体に人としてはまだしも取引の判断材料であろう軍事組織としての力を信用してないからね、そもそも意味あるのかって話だよねー」

 

「!」

 

「あっやっぱり図星か」

 

「えっと……どういう事ですか?」

 

「まぁ秋月ちゃんは実際にBOSSとウェーバーの精度とマーリンの弾幕を近くに見たし、しかも前にレールガンも見た事あるから感覚が麻痺してるって言った方が良いかね」

 

「あんな見た事もない物を見せられたら普通じゃないってわかるものね」

 

「ああ、だがほとんどの娘は俺たちを“単なる兵士”だとしか捉えていない。

頭で理解してたとしても、“単なる兵士”だっていう先入観は捨てきれてないだろうよ」

 

考えてみれば当然だが、艦娘である彼女たちはピースウォーカー事件を知らなければスネークの逸話も聞いた事がない。

唯一ここにいる秋月だけはティムから一度スネークの武勇伝を聞かされたが、他の艦娘は誰1人聞いておらず、高雄や摩耶ですらその過去を知らない、実力に関しては3人とも身を持って知ってはいるため“単なる兵士”だとは少しも思っていない。

 

 

 

だが他の艦娘は、他の鎮守府の艦娘は身を持って知らない

 

 

 

吹雪は確かに夜戦の時、魚雷を破壊するという離れ業をやってのけた瞬間は見ている

 

だがそれは彼女たち自身の身に起きた出来事“ではない”

 

あくまでそれは起きた事であり自分が経験した事ではない

 

頭でわかっていたとしても身を持って経験しなければ強さというのはわからない

 

 

 

“自分より強い”

 

その事実は

 

経験しなければわからない

 

 

 

「……確かに秋月だけはスネークさん達がとても心強いのはわかってたので何とも思っていませんでしたけど言われてみれば皆さん知らないんですもんね」

 

「そういうことー俺たちの実力なんてそりゃ経験しなきゃわかんないさ。

ましてや自分たちより強いなんて自分が倒されなきゃわかる訳ないしね、そりゃしょうがない。

俺たちが君たちを倒せるくらい実力があるって言ったところで信じようが無いです」

 

「・・・じゃあ私はどうしたら」

 

「別にそのまんまで良いんじゃない?」

 

「「「えっ」」」

 

「……いやっなんでフォレストまで驚くんだよ」

 

「ティムだって私の仕事知ってるでしょうに」

 

「関係ねえよ、そりゃ吹雪ちゃんがストレスに弱くて少しの不安ですら戦闘に支障が出るって言うんだったら俺もその不安は取り除いた方が良いと思うさ、だが生憎吹雪ちゃんはもちろん秋月ちゃんや他の娘たちは艦娘だ、ぶっちゃけ歳考えれば俺らより長生きかもしれないんだぞ?

それに見た目通り心まで少女じゃない、ていうか本当に心も少女だったらここまで来れてないし砲雷撃戦なんてできる訳ねえよ、そんなにメンタル弱くない」

 

「……えっと」

 

「さっきもフォレストが言ってたが別に不安がったって何の意味も無いだろうよ。

これは言っとくが買い被りじゃく事実だ、今まで日本を守ってこれた君たちが今さら何を不安がるって言うんだ、ドンっと胸を張って構えてれば良いさ、何かあれば俺たちがバックアップする」

 

「ティムさん……」「……………………」「ティム あなた……」

 

「・・・どうした3人とも?」

 

 

 

「「「意外と良いこと言うんですね(のね)」」」

 

 

 

「・・・おい!なんだ3人揃って意外ってアレか?実は打ち合わせでもしてたのか!?

というか一体俺をどんな風に思ってたんだ!?」

 

 

 

「えっと……軽い人?」

「私は……よくわからなくて つい」

「そんな言葉をかけられるなんて思ってなかった」

 

 

 

「ヒドイなっ!?

て言うか秋月ちゃんが一番ヒドイってどゆこと!?

フォレストの言葉が一番納得出来るってどうゆうことだ!?

あと吹雪ちゃんはよくわからないのに人のこと勝手に傷つけるの止めてっ!!」

 

「い、いつに無くティムさんのツッコミが冴えてます……」

 

「……サラッと流してるけど、一番の原因は秋月ちゃんよ?」

 

「か、軽い人って思っても言っちゃダメですよ」

 

「そうでした」

 

「2人とも自然にディスるの止めてくれるかなぁ!?」

 

「「はははははははは!!」」

 

「……こいつはヒデェ」

 

そう言いながらもティムも吊られて笑っていた…………限りなく苦笑と言われる物に違いないが

序でに言えばフォレストは微笑んでいた。

 

「ほら、ずいぶんと笑ってるじゃない」

 

「……だな、俺がやられ損な気もするが」

 

「・・・ティムさんありがとうございます、勇気付けてくれて」

 

「なに言うんだ、元から俺たち以上に勇気はあるでしょうが。

ここまで頼り甲斐のあるお姫様もそうそう居ないし、自分で気付く切っ掛けを作っただけだ」

 

「随分とくさいセリフね」

 

「すいませんねぇー俺はルイやヤッコさんと違ってカッコ良くないんで」

 

「あら、自覚あるのね」

 

「うるせえよ」

 

「なんか元気出てきました、本当にありがとうございます」

 

「私も夜が少し気にならなくなりました」

 

「……俺をディスったからかなぁ」

 

「……すいません」

 

「まあ後で秋月ちゃんに説教するとしよう」

 

「私謝りましたよ!?」

 

「そうだな、だが無意味だ」

 

「そんなぁ!?」

 

 

これが世に言う因果応報である。

 

 

「……なんか世界観がトンデモない方向に飛びそうな気がするわ」

 

「大丈夫だろう、年内に大規模作戦が終わらなくて精神が不安定になってるだけよ」

 

「勝手に精神分析かけないであげて」

 

「そう?」

 

「そうだろうよ」

 

「あ、あのお二人とも?一体なんの……」

 

「ああ、気にしないでくれ」「気にしちゃダメよ」

 

「……けどティムさん、一個だけ間違いはあると思います!」

 

「うん?俺変なこと言ってた?」

 

「はい」

 

「ほぉ……何かな?」

 

吹雪が先程までと違い、随分と挑戦的な物言いでティムに物申した。

それに良い傾向だと思いつつ、さて俺は一体何変なことを言ったかなと思い出す。

 

……………………………………………変なことは言われたんだが

 

 

「ティムさんさっき、“俺たちが君たちを倒せるくらい実力がある”って言ってたじゃないですか?」

 

「……うん事実だと思うよ、さすがに海上じゃお手上げだけど」

 

「けどわたし、思うです」

 

「うん?」

 

吹雪は振り返ってキメ顔みたくこう言った

 

「マーリンさんやスネークさんには私じゃかないませんけど、少なくともティムさんには勝てる自信がありますっ!これでも私、力強いんですよ?」

 

 

「・・・ふっ」

「・・・えっ」

「……おいマジかよ」

 

まさかの言葉である。

要約すると俺“たち”のことばの中に残念ながらティムは少なくとも入ってはいないと言うことだ。

 

「はっはっはっはっ!傑作だわ!!てぃ、てぃむがっふぶきちゃんっになめられてるっ」

 

「……あっあのっ吹雪さん?」

 

 

だがそれは

 

 

「・・・・・・ふ」

 

「えっ?ティムさん?」

 

 

ティムの言ったことは はっきりとした事実だ

 

 

「ふふっ…………いやぁ少し調子に乗りすぎちゃったかな」

 

 

吹雪は知らない

 

マーリンが少しCQCを鍛えた川内ですら「たぶん勝てる」程度である

 

そしてダッシュで神通に追いつく程度には体は動くのだ

 

 

「・・・あのさぁ吹雪ちゃん」

 

 

その声の主はティムである

 

しかし妙な寒気が辺りに漂う

 

秋月は一歩後ろに下がったために柵に当たってしまった。

 

フォレストはやれやれと思いながら念のためいつでも動ける様にした。

 

そして先ほどの秋月と同じようにからかっていたと思うっているのか、

 

はたまた油断しているのか調子に乗っているのか、

 

吹雪はなんとも思わずティムの方を向いた

 

 

「…………俺のこと舐めすぎだ」

 

 

吹雪はティムと目が合った

 

 

 

その瞬間

 

 

 

怖気付いた

 

背筋が凍る思いは今まで戦いで経験したことがある

 

だがソレとは違う恐怖

 

 

驚怖

 

 

さっきまで少し下に見ていた事も忘れた

 

ただ冷たい視線が身体中に突き刺さる

 

とにかく逃げたい

 

今すぐこの場から去りたい

 

せめて斜線を切りたい

 

頭は必死になってそう自分に言い聞かせ足を動かせと命令する

 

まずは目線を逸らせと

 

 

けど目が離せられない

 

 

ガンッガンッガンッと殴るかのように頭が警告する

 

 

早く逃げろと

 

 

けど頭が動かない

 

けど目が動かない

 

けど首が動かない

 

 

どんなに逃げたいと思っても

 

どんなに逃げたいと願っても

 

 

身体がまるで動かない

 

 

カンッカンッカンッ

 

 

突然、時計の音がする

 

 

カッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチ

 

 

カッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチ

 

 

 

カッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチ

 

 

 

 

カッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチ

 

 

 

 

 

カッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチ

 

 

 

 

 

カッチ……カッチ……カッチ……………カッチ……………………カッチ…………………………………カッチ

 

 

 

 

 

 

そして時計の音が止んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンッ!

 

 

 

 

 

 

「ヒィィ!?」

 

 

「……大丈夫か?」

 

「アァハァッ!ハァハッハァハッハァハッ!!」

 

「……すまんフォレスト」

 

「あんた少し手加減しなさいよ、圧かけて怯えさせて……」

 

「悪りぃな、このままだと色々と問題が発生しかねないから強行策に出た」

 

「わかるわよそれぐらい、あなたはちょっと秋月ちゃんの相手してなさい、こっちで処置するから」

 

「はいよ」

 

そう言うとティムに代わってフォレストが吹雪の目の前に立った。

そしてティムはやれやれと思いながら未だに柵にもたれ掛かっている秋月に声をかける。

 

「おーい秋月ちゃーん、いい加減帰ってこーい」

 

「……へっ?あれっティムさん!?」

 

「うん、とりあえず気分は?」

 

「えっ?ま、まぁ……良く分からないです……なんか混乱してて」

 

「だろうねぇ、まさか秋月ちゃんまで影響出るとは思わなかったけど」

 

「えっといまのは一体……」

 

「あー・・・ハハハ、何というか……まあ俺がちょっと本気出して威圧しただけなんだけどね」

 

「…………え?」

 

「・・・まあ威圧だけじゃ無かったりするけど」

 

時計の音が60回以上カチッカチッと鳴ったが今のは一瞬ほどでせいぜい数十秒間の間に起きた事だ。

しかし明らかに時間が遅く…………少なくともそう感じた。

そして何より今まで何とも感じなかったティムから異様なオーラが出ていた。

 

「えっと、いまのは……ティムさんだったんですか?」

 

「まあね、ていうか少し殺気も混ぜて牽制しただけなんだけね」

 

「どうしてそこまで……」

 

「危ないから、って言った方が早いかな」

 

「あぶない?」

 

「えっと、まぁ俺がからかわれるのは別に良いんだけど他の隊員にもそんな態度取られるといささか問題が発生するのは避けられない、別に技術屋だからって強くない訳じゃないからね。

もし他の奴といまみたいな発言されたら他の娘にも被害が及びかねない、だからまだ気心知れる俺が本気で怖がらせたってこと」

 

「わざわざそんなことしなくても……」

 

「艦娘だろうが人間だろうが、経験して痛い目会わなきゃ悪いことなんて反省する切っ掛けにならないからね」

 

「それは……そうですけど」

 

「それに俺も怒らせると怖いんだってちょっとは知ってもらわなきゃ」

 

「っ!」

 

「あっ別に秋月ちゃんをいじめるつもりは一切ないから、怒るつもりも無いし」

 

「そ、そうですか……」

 

「ちょっとお話はありますが」

 

「うぅ……」

 

「……まあ闇雲に私は強いなんてセリフは堂々と言わない方が良いわな」

 

「そうよー私だって医療的な支援が主だけど弱くないしね」

 

「フォレスト早いな、吹雪ちゃんは……寝かしたのか」

 

「トラウマにはならないわ、当然さっきの出来事は忘れないけど」

 

「そういつはどうも」

 

さっきまで過呼吸気味だった吹雪だが、今は落ち着き疲れたのかそのまま寝てしまっていた。

 

「少しすれば自分から起きると思うわ、運んでおくから私から金剛とマーリンには伝えとく」

 

「了解だ、そろそろみんな戻って来るだろうけどな」

 

「そうね、じゃあ私は部屋に置いてくる」

 

「おうよー」

 

そう言うとフォレストはスッと吹雪を抱き抱え彼女の吹雪の部屋に担いで行った。

その姿が見えているうちにティムが言葉を続ける。

 

「……まっ俺よりおっかない奴なんて沢山いる、みんな良い奴らだ、だけど最初は誰とでも上手くやっていける奴ばかりじゃないから気をつけろってことだ」

 

「……肝に銘じておきます」

 

「別にそこまでかしこまらなくて大丈夫だ、頭の片隅にだけ置いといてくれ。

……それなら俺もおさらばしますかねぇ」

 

「まだ仕事が有るんですか?」

 

「おうよー、実は少し寄り道しただけだしね」

 

「随分な遠回りな気がします……」

 

「そうだね、まっ俺はもう一踏ん張りだよ、秋月ちゃんもこの後打ち合わせとかでしょ」

 

「えっええ、恐らく長良さんたちが帰って来てみんな集まればすぐに」

 

「ならそれまで少しでも休む事だよ、秋月ちゃんは防空の要なんだから」

 

「は はお!」

 

「はお?」

 

「す、すいません……」

 

「随分カワイイ噛み方するんだね……まあなおさら休んだ方がいい良いよ、そんなじゃねー」

 

そう言って手をヒラヒラさせながら曇りのために当たりが真っ暗だった夜に消えていった。

しばらくボーとしていた秋月だったが、思い出したかの様にあせあせと艦内の自室へ走って行った。

その時、雲の切れ目から僅かな月明かりが漏れ顔が夜なのに少し赤みががっていたのは吹いていた夜風しか知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………あー聞いてると思うから先に言っておくわ・・・・・・俺が悪かったから!!」

 

そう言って猛ダッシュで艦内に走り下へ降りていくティム

 

海に囲まれながらも島の地形からそよ風程度の夜風がそれを聞いた

 

「・・・はぁ、まったく・・・」

 

そして1つのため息を付く

 

すると今度は1つの突風がヒュンと吹く

 

そして夜風は何処かに行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢

 

 

 

 

 

 

23:20

約束の6時間まであと10分だったが、その前に全ての物資・人員の搬入が終わった。

すでに装甲車・戦車・ヘリはそれぞれシェーパー・タンクトップ・チョッパーへ固定が終わりヘリが1機ずつそれぞれに艦橋でいつでも稼働可能な状況で待機させてある、もちろん暴風雨への備えとして仮設ハンガーも併設した。

そして戦闘班の機甲部隊がこの3隻に各兵器の警備も兼ねて登場している

 

戦闘にはほとんど参加しない研究者及び医療班は兵員輸送船であるトランスシップに乗る。

トランスシップワンは医療専門船としての機能を有し、他の2隻は研究者や研究医が乗っている。

一般貨物船には警備として戦闘班が、また諜報班が一時的な情報収集船として情報を集約することに特化した船として位置付けられた、ただし深海凄艦の電波は傍受出来ない。

 

また、糧食班は各船に分配され万全の態勢で全乗組員のコンディションを完璧にする。

 

「全艦用意は良いか?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()》》》》》》》

 

「護衛部隊も用意は良いかい?」

 

《大丈夫です、周辺に敵影もありません》

 

「潜水艦はこっちでも探知できる様にはなったけど水上と空の敵は未だに俺たちにとっては脅威だ、頼りにしてるよ」

 

《わかりました》

 

「これより島から撤収する!

既に展開が終わってるトランスシップに予定通りジェネラルからチョッパー・シェーパー・タンクトップの順に合流しろ、俺たちも最後の仕事が終わり次第そっちに合流する。

それまでに陣形を整えとけよ」

 

()()()()()()()()()》》》》》》》

 

「……それは各船の操舵主の腕によると思うんだがのぉ」

 

「赤松さん、それは言わないお約束ですよ」

 

「一体誰とのお約束じゃい?」

 

「……よくわかないです」

 

「なんじゃそれ」

 

「赤松さんも山田さんもメタい話やめてくれませんかねぇ」

 

改装捕鯨船“平和丸”艦橋内では締まってるのかどうなのかよくわからない会話が展開されていた。

そして平和丸の他に島内には改装自動車専用船3隻と普通貨物船3隻が停泊している。

 

 

現在、輸送護衛部隊として海に出ているのは

第1 艦隊:長良・秋月・吹雪・白雪・初雪・深雪

第2艦隊:名取・時雨・村雨・夕立・高雄・摩耶 の計12人である。

そして今まで周辺警戒に当たっていたトランスシップワン・ツー・スリーの3隻は既に広い海に出ており、その3隻を護りつつ全艦の合流を待っている状況だ。

 

 

先ほどのルイの言葉通りジェネラルが抜錨、移動を開始し他の船が後ろに続く形になる。

 

「……しかし、打ち合わせの時は何とも思わなかったんだが、何で俺たちが最後なんだ?」

 

「そうですか?別に順番は今回はそんな重要じゃないと思いますけど」

 

「いやいや山田よ、良く考えてみろ?

この船はスネーク……まあ一番偉い人が乗ってるわけだ、つまり一番守るべき人でもある。

それに間違いはないわな、ルイ?」

 

「まあそうですね、別にBOSSが一番偉い訳じゃなくてみんな偉い!みたいな綺麗事を言う気はありませんからその通りです」

 

「……まあいい、それでだ。

来る時もそうだったが基本的に船団の中心、つまり一番守りやすいところに位置してた訳だ」

 

「そうですね、けどそれが?」

 

「ここは効率重視の軍隊だ、わざわざ最後に回さないでも中間に入れてくれれば手っ取り早いだろ?

それがケツで出航なんだぞ?……なんか企んでるじゃあないか?」

 

「その流れで何で俺を見るんですかねぇ」

 

「何でってこの場で色々知っていて話せるのお前さんしかいないからだろうが」

 

「へいへい左様ですか……まぁ必要措置ですよ」

 

「ほぉー、一体どんな?」

 

「まあそれは秘密ですよ、それに見ればわかりますから」

 

「そうか……なら待つしかないな、別に悪影響がある訳でも無さそうだしな」

 

「そう言ってもらえるとこっちも楽ですよ」

 

そう言うとルイは甲板の方に目線をやっていた。

その甲板には艦娘と自分の尊敬する、そして最高の戦士が混じっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……さて、そろそろか

 

「全員いるか?」

 

「いますよBOSS、先ほど部屋に行って確認しました」

 

「いや、ここに残ってる艦娘が居るかどうかを聞いたんだが……」

 

「けど彼女たちの部屋には誰1人居なかったんで全員いると思いますよ」

 

「わかった、ありがとうなパッツィー」

 

「いえいえ」

 

まぁ全員居るだろう。

部下たちに関しては……まぁ残ってる奴はいないはずだ、わざわざ残る意味も無い。

それに死にたい奴は少なくとも今はいない、それに各班で人数確認も済んでいる。

……月明かりすらないこの曇り空じゃ人数確認も難しいが。

 

「けど、何でまた僕たち全員を集めたんだい?」

 

「まぁ…………なんだ、俺らからのお礼というか通過儀礼とでも言った方が良いか?」

 

『???』

 

「とりあえずお前たちには総仕上げをしてもらう、そのために一番見やすい甲板に集めた」

 

「そう言うこと、後で長良たちにみんな自慢できるわよ」

 

「え、なにそんなに凄いことするの?」

 

「そうね、とりあえず派手よ」

 

「ネタバレはそこまでだ、準備した連中が報われないだろう」

 

「わかってますよ、私も空気が読めない訳じゃ無いんで」

 

「そうか……まあ良い、とりあえず代表者を2、3人出して欲しいんだが」

 

「それってどんな代表者なの!?」

 

「…………まあ島を離れたことを全員に知らせる“のろし”を上げるボタンだ」

 

「じゃあ私やるっ!!」

 

「なら白露ちゃんは決定ね、あと2人出来るけど?」

 

「じゃあ私やろうかしら、何か面白そうだし」

 

「っ千歳お姉がやるなら私もやるっ!!」

 

「決まりね、じゃあ3人はこっちに来て」

 

そう言うと手を挙げた白露・千歳・千代田がフォレストの方に着いて行く。

それに連られて他の娘も3人に着いて行く。

その団体と少し距離を置けばちょうど葉巻が吸えそうだ——ったが、どうやら説明が必要らしい。

 

 

「……今さら疑う気はナイデスけど、何か企んでるじゃないデスヨネェ?」

 

「……そう睨むな、別にお前たちに危害を加える気は無い、それにこれは士気向上も加わってる」

 

「狼煙で士気向上ですか?……一体何をするんです?」

 

「まあそれだけじゃ無いがな、お前たち2人には戦略上の話もしておくか」

 

一番後ろにいれば他の艦娘には聞こえない様にしやすい、まぁ今回の話は別に聞かれても良いんだがこの2人は少し特殊だ、配慮は必要だろう。

もっとも顔すら判断し辛いこの状況じゃあ特別な配慮も必要無さそうだが。

 

「……お前たち2人は確か物資搬入の手伝いをしていたな?」

 

「マーリンに引っ張り回されただけだったヨォ……」

 

「それにしても随分広かったです」

 

「そうだ、あそこは馬鹿みたいに広い。

お前たちには絶対見せてないだろうが石油採掘のプラントまである、その上戦艦の砲撃でもビクともしないくらい硬い岩盤に覆われた島だ、そんな島が敵の勢力圏内にある訳だが……」

 

「・・・!?それって——」

 

「そうだ、敵に占領……いや接収と言った方が良いか、とにかく俺たちが出て行ったあと深海凄艦が巣くってもおかしく無いだろう」

 

あれだけ要塞化された島ならどんな奴でも使わない手は無いだろう。

それにあれだけ広ければ補給施設としても機能する、あの場所は中途半端ではあるが立派な前線基地程度には簡単になり得る。

 

「もっとも電気系統・動力系統は完全に破壊した、まず内部に入るには隠し扉を探し出した後そこを爆破する必要があるがな、それにまずこの島が利用価値があると見破る必要がある」

 

「But,enemyはとてもスマートデス、時間が経てば利用されるネ……そうなれば厄介なんデスガ?」

 

「そうだ、それに軍事において想定外は論外だ。

だから俺たちはその対応策を徹底的に打つことにした、士気向上も兼ねてな」

 

「……どういう事でしょう?」

 

「それを今からやるって言うんだ、答えを言う気は俺には無い、それに見ればわかるしな」

 

「そうですか」

 

「……………………」

 

霧島はそれで納得したみたいだが、金剛の方はそれでは気に入らなかったらしい。

……だからと言って俺がどうする事も出来ないんだがなぁ。

 

《BOSS、お先に失礼します》

 

「ヤッコか、お前らには当分世話になる、先に行かれたところで失礼でもなんともない」

 

《そうは言われましてもBOSSはBOSSですから》

 

「お前は確かジェネラルワンだったな?」

 

《ええそうです、いま目の前ですよ》

 

「・・・わざわざ手を振らなくても見える」

 

《では最後の仕上げを頼みます》

 

「任せろ」

 

そう言って無線を切る。

船の横を一般貨物船であるジェネラルワンが通り過ぎ、艦橋外で手を振っているのがヤッコだ。

……ガタイからしてあいつだと断定するのは容易いが

その後続には同じような貨物船が2隻とデカい輸送船が3隻も続いていた。

 

「みんな足元注意してね、いくら何でも懐中電灯使う訳にはいかないんだから」

 

『わかってまーす』

 

「……本当に遠足みたい」

 

「お前も言うのか、それ」

 

「いやだって本当にそう思うんですもの」

 

「そうか……」

 

「ねえパッツィーさん、私たちは具体的に何をするの〜?」

 

「そうねぇ、簡単に言ってしまえばスイッチを押すのよ」

 

『スイッチ?』

 

「そうスイッチ」

 

「……えっと何のためのスイッチなの?」

 

「だから狼煙って言ってたでしょ」

 

「一体何の狼煙よ?」

 

「そうねぇ…………復活の狼煙かしら」

 

「っなにそれ?」

 

「なんか映画のタイトルみたい!」

 

「っていうか……なんかいまの言い方がきな臭いんだけど」

 

「千代田は胡散臭いって意味かしら?」

 

「そ、そこまで言わないわよ!」

 

「ある程度はあるんだね」

 

「もがみん、聞こえてしまいますわよ」

 

「もう聞こえてるわよ!」

 

「まぁまぁみんな落ち着いて、見ればわかるわ、タンクトップは出た?」

 

《ちょうど目の前、お嬢さんたちがよく見える、まだ早いぞ?》

 

「了解よ、長い航海を楽しんでなさい」

 

《俺たちはしばらく出番が無さそうだからな、徹底的に整備させてもらうさ、そっちには宜しく言っておいてくれ》

 

「了解よ、じゃあ手筈通りに」

 

《ああ、わかった》

 

「BOSS、間も無くタンクトップが島外に出ます、そろそろです」

 

「合図まで待て、そしたら渡す」

 

「了解です」

 

《BOSS船が動きます、念のため注意を》

 

「俺に言うな、全体に言え」

 

《了解、乗員に通達、これより島から撤退するため船が動く、振動と揺れに警戒しろ。

繰り返す、これより島から撤退するため船が動く、振動と揺れに警戒しろ。

また戦闘班からのサプライズもある、見たい奴は甲板に来い、以上だ》

 

ルイの艦内放送が入った・・・背後から現れるな

 

「サプライズと聞いてっ!!」

 

『!?!?』

 

「……マーリン、暗闇で近くにいる奴の顔がやっと見える程度の状況で大声を出しながら突然後ろから現れるな、こいつらがビビる」

 

「けどBOSSはわかってたんですよね?」

 

「注意喚起が間に合わない」

 

「けど別に脅かす気は無かったんですから——」

 

「マーリン、ちょっと言いかしら」

 

「アレ?パッツィーじゃん、どうしたの?」

 

「ちょっと手伝いなさい、あなたが驚かしたせいでちょっと泣いてる子もいるから」

 

「・・・え」

 

「ほら来なさい」

 

「ちょ ちょっとぉ!?」

 

「ちょっとじゃないわよ!」

 

……まあ自業自得だな、しばらくパッツィーの配下になるだろう。

それと同時に船が動き出した、いくら身構えていても揺れるものは揺れるか。

 

「アウワまーりんダッタンデスネぇー」

 

「お姉さま!?」

 

……つい後ろを見なければ良かった。

 

「……とりあえず落ち着け、別に幽霊が出て来たわけじゃない」

 

「ワッカてますよ!」

 

「輪っかってどうする」

 

「揚げ足取らないでくだサイ!!」

 

「そうです、それに幽霊なんているはずがありません」

 

「……なにを言ってるんだ、幽霊はいるぞ?」

 

「・・・スネークはghostを信じてるんデスカ?」

 

「ああ、さすがにサンタは信じてないがな」

 

サンタなんている訳がない、NORADだって探しているが存在する訳がない、いる訳がない。

 

「何故幽霊は信じていてサンタクロースは信じていないんですか?」

 

「どうしたいきなり」

 

「いいですか、あんな非科学的な存在を信じる意味がわかりません。

サンタクロースは伝説上の人物ではありますが、実際に存在していた人物がモデルになっているのは確かです。

一方で幽霊というのは世界各地で、もちろん日本でも目撃が報告されてますが、そのどれもが確証が得られない不確かな物ばかりです、そんなものを信じて何になるって言うんです?」

 

「……お前の妹はこんなに理屈的だったのか」

 

「ソウデース、他からは脳筋なんて時々言われマスケド、霧島は艦隊の頭脳でもありマース!」

 

「……そうか、だが幽霊はいるぞ?」

 

「ですから、何であんな根拠もないものを何故あなたが信じるんです?実際に見たことやあったことが一度でも有るとでも言うんですか?」

 

「ああ、あるぞ」

 

「「・・・ハイ?」」

 

「……いや何度か見たことはある、あと幽霊と言っていいのかわからないが死者と話した事もある」

 

「…………あのすいません、いま日本語が聞き取り難かったんでもう一度言って頂けますか?」

 

「だから幽霊はいるぞ」

 

「その後です!」

 

「あった事も話した事もある」

 

「そこです!何ですかそれ!?」

 

「いや何でと言われてもな、見たものは見たからな」

 

「……really?」

 

「何故英語かはわからんが、嘘は言ってない」

 

「えっその、えっえっ!?本気で言ってるんですか?」

 

「だから嘘を言ってどうする」

 

「何か証拠はあるんですか!?」

 

「……まあ加賀に処分されたが、写真が何枚かあったな、それはマーリンのだったが」

 

「加賀さんも見たんですか!?」

 

「ああ、青ざめて瑞鶴と一緒に爆撃しようとしたが無理だと気づいて深海に沈められた」

 

「「・・・・・・」」

 

まああの写真は現像すればいくらでも焼き増しできるんだがな。

……出る前に頼んでおくか

 

《BOSS、そろそろ限界範囲です》

 

「わかった、パッツィーやるぞ」

 

「わかりましたよ、ほらマーリン!誘導しなさい!!」

 

「はいはい、ほらみんなはここね!可愛くないのは反対側に行くこと!」

 

『ウィース』

 

「いつの間にこんな人数に!?」

 

「なんかニンジャみたいネ……」

 

「……こいつら闇夜に紛れて動くのは得意ではあるからな」

 

「BOSS!リモコン下さい!」

 

「ああ、コレか、ほらよっ」

 

「っと、危ないですよ」

 

「お前が落とすほど鈍い奴だとは思っていない」

 

「真っ暗闇で結構混んでるんですけど」

 

そうは言ってもいい加減この明るさにも慣れている、落とすことはそう無い。

それに混んではいるがパッツィーが人のいない場所に避けたのもわかっている。

マーリンの方は……部下たちを反対側に追いやってるな、まあ大丈夫だろう。

 

「よし、じゃあ3人はこれ持って、まだ押しちゃダメよ!」

 

「う、うん」

 

「あら、本当にボタンだわ」

 

「パッツィーさん、これってフリじゃあ——」

 

「押しちゃダメよ、わかった?」

 

「・・・ワカッタ」

 

……暗闇でよく見えなかったがパッツィーが千代田の肩に後ろから手を置いて無理やり首を後ろに回していた様な気がするが…………暗闇でよく見えなかったことにしておくか。

 

「合図があるから、その瞬間にボタンを押して」

 

「合図って?」

 

「照明弾よ」

 

「照明弾!?そんなの打ち上げたら深海凄艦を呼び寄せちゃうよ!?」

 

「……わざわざ打ち上げる意味が何かあるのかい?」

 

「無いぞ、見栄えを意識しただけだ」

 

 

「「「「「「「「「はあああぁぁァァァァァァ!!?」」」」」」」」」

 

 

「……大丈夫だ、周辺100km圏内に敵は居なかった、水中にもな、だから大丈夫だ」

 

「なんかとっても信用できないんだけど!?」

 

「まあ安全確保の意味もあるからそんなに噛みつかないの」

 

「うぅぅ……って何安全確保って?」

 

千代田……別にそこに気付かなくていい。

だがタイミングが良かった、ちょうど島を抜けたところだ、なら始めるか。

 

《こちらタンクトップ、これより打ち上げる》

 

「こちらスネーク、了解だ、派手にやれ!」

 

《了解っ!》

 

直後

 

ポンッポンッポンッと音が連続で聞こえた

 

「えっ本当に照明弾!?」

 

「そう見たいね……」

 

その後、落下傘が開き周辺一帯を明るく照らした

 

日中ほど明るくはないが、周りの顔がよく見える様にはなった

 

「なんか……私たちがよく使う照明弾より明るい?」

 

「ほらボタン押して!」

 

「えっもう!?」

 

「ほら、みんな待ってるから」

 

「じゃあ、せいのっで押しましょう?」

 

「それ私が言う!」

 

「なら白露ちゃん言って!」

 

「行くよ・・・「「「せーの!!」」」

 

……押したか

 

なら・・・今か

 

「全員耳を押さえろ!!」

 

「えっ何で?」

 

「良いから押さえて!」

 

言うより早くパッツィーは耳を押さえる。

 

それに釣られて彼女たちも耳を塞ぐ

 

反対側に追いやられている部下たちは……とっくに耳を押さえてるか

 

 

「衝撃に備えて!」

 

「えっなに?なに!?」

 

 

すると島から突然まるで噴火の様な赤い火柱が立つ

 

 

ズドオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ

 

 

腹が響く様な爆音が全身にぶつかって来た

 

 

「・・!?・・!・・・?!?・・・」

 

 

表情からとても驚いているのはわかるが、生憎音がうるさすぎるためなにを言ってるかはわからない

口ですらまともに動いてないため読唇術も使えない

 

 

 

ドガアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ

 

 

 

さらに追加で爆発

 

 

島が崩れていきさっき船が通って来た僅かな通路が崩れる

 

さらに他の箇所も崩れ、岩石がでかい水柱を立てる

 

《なんですかあれ!?》

 

《敵襲か!?》

 

《あれは起爆スイッチを押したんだ、もう2度と使えない様にな、だから敵襲じゃない》

 

《そ、そうか……ていうか派手すぎだろ!?》

 

《ちょうどいいだろぉ?俺たちの船出になぁ!!》

 

……俺のセリフな気がするが、まあ良い

 

「全員よく聞け、これから俺たちは新天地に行く。

お前たちを長い期間封じ込めていたがそれも今日までだ、今日からお前たちは動くことになる。

1週間もすれば島に上陸できる様になる、そしてすぐに艦娘たちの支援に入る。

お前たちが今出来ることは備えだ、敵襲に備えろ、上陸に備えろ、支援に備えろ、あらゆる可能性に備えろ、お前たちのことを俺は信用している、お前たちも俺を信じて付いてきて来れ、以上だ」

 

 

 

 

ようやく船出だ

 

…………どうなるかはわからんが、こいつらと合流出来た

 

こいつらとなら、何とかなる、あとは………

 

「びっくりした〜」

 

「……すごい花火だったわね」

 

「・・・・・・」

 

彼女たち次第、か

 

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