オレは声の主に会いに行く   作:ほったいもいづんな

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難しい……難しい……一人称って簡単だったんだね……。 私に文才がないってはっきり分かんだね。 あるの? ボケだけじゃね?





2日目の発見 2

 4話

 

 

 

 

 まだ昼前の海鳴住宅地。 その一角の「八神」と書かれた表札がある一軒家に祝歌はいた。 そして八神家の事情を聞いた。 八神の家にはたくさんの家族がいた。 そして奇妙な家族図だった。 まず八神家は元々3人家族で、父親と母親、そして娘の『はやて』。 だがはやての父親と母親は事故で他界。 足に障害を抱えたままはやては一人で暮らしてきた。 だが数ヶ月前に新たな家族が出来た。 家のつながりは一切ない、だがはやてを大切に思う心を持った人達。 祝歌に剣の切っ先を向けてきた『シグナム』、祝歌に鋭い目付きを向けてきた『ヴィータ』、二人とは違って優しそうな雰囲気を出している『シャマル』、大型犬と思われがちだが実際は狼に近い『ザフィーラ』。 彼女達ははやてを『主』と言って付き従っている。 本当に奇妙な家族図だ。

 

 祝歌は彼女達に自分の事情を話した。 自分の名前から能力、目的その他もろもろ話した。 話をしている間、何度もシグナムとヴィータに睨まれたが、その度にはやてが二人を叱る。 はやてが彼女達の主なのだと祝歌は理解する。

 

「貴様は『物』や『動物』等の『人間』以外の『声』なら何でも聞ける、そういうのだな?」

「あぁ、だからシグナムさんやヴィータちゃんから『声』が聞けたのは本当に驚いたよ」

「我々守護騎士は闇の書のプログラムの一つ。 魔力によって構成されている『物』だと考えれば、貴様の能力が適応されるのも少しは理解できる」

 

 複雑で濃い内容だった。 話を終えてはやてが一息付く。

 

「はぁー……びっくりしたわぁ。 まさか私たちみたいに変わった人がおるなんてなぁ」

「俺だって、他所の町に変わった人がいるとは思わなかったよ」

 

 ほんの少し話しただけで祝歌とはやては仲良くなった。 ……ヴィータは祝歌を見てつまらなそうにしているが。

 

「……ほんとーにそんなよく分からねぇ魔法が使えんのかよ?」

「だから魔法じゃないよ。 超能力的な感じで……」

「あたしらからして見れば魔法みたいなもんだ。 シグナムぅーほんとーにこいつの魔法くらったのか?」

 

 ヴィータははやてと仲良くなった祝歌が気に入らないのか、祝歌の粗を探し始める。 話を振られたシグナムだが、彼女はありのままの事実をヴィータに話す。

 

「くらったかは知らん。 だがこいつの『声』は奇妙だ。 何故か耳を傾けてしまう、何故か口が開いてしまう。 だがそれだけだ、それほど警戒する事はないぞヴィータ」

「ふーん……」

「信じてないならヴィータちゃんにも何か声をかけてあげようか?」

「おぉやってみろよ、ぜってー無視してやるからな」

「ヴィータちゃんもシグナムさんと同じで人間みたいで、ちょっと違う存在だから多分聞いちゃうよ」

 

 腕を組み豪語するヴィータ。 祝歌は少し考えてからヴィータと『話す』。

 

「『ヴィータちゃん、よかったらコップ一杯の水をくれないかな?』」

「はぁ? 何だそれ? ……ちっ、しょうがねぇな」

 

 何の捻りもない言葉に素っ頓狂な声を上げるも、渋々と言った感じで水を祝歌の前にだす。

 

「ヴィータちゃんがはやてちゃん以外の人からの頼みごとを聞いたなんて……」

「おいシャマル、そりゃどーいう事だ?」

「ありがとうヴィータちゃん」

「……け、命令しといて礼を言うのかよ」

「俺のは命令じゃなくてお願いに近いからね」

「……ムカつく」

 

 そっぽを向くヴィータ。 その光景に一同微笑む。 だがすぐに表情を切り替えて祝歌に話しかけるシャマル。

 

「祝歌さんは『声』を聞いてここに来た、そう言いましたよね?」

「うん、その通りだよ」

「その『声』は……私たちのものですか?」

 

 シャマル達が危惧しているのは自分達の念話が祝歌に漏れていること。 もし内容が全て祝歌に聞こえているならば、温厚なシャマルと言えど祝歌をこのままにしておくのは出来ない。 だがそんな心配とは裏腹に、祝歌はあっけからん様子で答える。

 

「? 全然違いますよ?」

「そ……そうなんですか?」

「だって『声』が違います、それにあなた達の『声』は多分この町に来て初めて聞きました。 だからシャマルさん達の『声』じゃないです」

「そう……ですか……。 ならこの家に祝歌さんが聞いた声の主がいるんですか?」

「じゃないんですか?」

「え?」

「え?」

 

 まさか質問を質問で返されるとは思わなかったシャマル。 混乱していると祝歌が続ける。

 

「まだこの家にあなた達と似たような存在……ないしは曰く付きの一品でもあると思ったんですけど……違うんですか?」

「えぇ……と……」

 

 シャマルは答えることは出来ない。 もちろん祝歌が言っているモノの大体の見当はついている。 だがそれははやてにとってはもちろん自分達「ヴォルケンリッター」にとっても大切なものであるからだ。 シャマルがまごついているとはやてがそれに気づいてソレを祝歌に見せる。

 

「祝歌さんが言ってるのはこの『本』のことですか?」

「本……?」

 

 はやてが両手で持っている黒い本。 確かにその本から異様な雰囲気を感じ取る祝歌。

 

「見せてもらっても……」

「ええですよ」

「なりません我が主!」

「だ、駄目よはやてちゃん!」

「こいつに見せなくていいから!」

 

 祝歌に本を渡そうとするはやてを三人が全力で止める。 それほど大事なものなのか、そう思う祝歌。 はやては止めに入った三人に疑問を持つ。

 

「なんでー、見せても別に困らんやろぉ?」

「で、ですが!」

「むぅー、みんなお座り! ちょっと静かにしてぇな!」

『は、はい……』(正座)

「わ、わう……」(正座?)

 

 話が進まないからだろう。 家臣達に正座を申し付ける。 何故かザフィーラも正座している。 どうやって正座してるかは想像に任せる。

 

「さ、見てもええよ祝歌さん」

「あ、ああ。 ありがとうはやてちゃん……」

 

 この時、祝歌は決してはやてを怒らせてはならないも思った。 きっと彼女が怒ったら、それはそれは恐ろしいのだろう。

 

「……不思議な本だ」

 

 気を取り直して渡された黒い本を見る。 かなり年季が入ってるいるように見える。

 

「この本はずっと昔からあったのかい?」

「さぁ……? 物心付いた時から持ってました」

「そうか……」

 

 だとするならばおおよそ10年近くはやてが持っていた事になる。 これならば祝歌の能力を十分発揮出来るだろう。 さっそく祝歌は本に語りかける。

 

「こんにちは、キミの事を教えてくれるかい?」

 

 始まる祝歌の対話。

 

「……」

 

 ……始まるはずだった。

 

「……あれぇ?」

「どうしたんです?」

「答えてくれない……もしもぉ〜し! 聞こえてますかぁ〜!」

 

 だが全く本は答えない。

 

「あれぇ? ……なぁはやてちゃん、この本はなんて名前の本なんだい?」

「確か……「闇の書」……言うたけなぁ? そうよねシャマル?」

「えぇそうですけど……」

「闇の書さーん! 返事をしてくださぁ〜い!」

 

 何度も本に向かって声をかけるも、反応は芳しくない。 20分弱声をかけ続けたが、結局一度も祝歌には返してくれなかった。

 

「うーん、機嫌悪くさせたかなぁ……」

「物に機嫌とかあるのか?」

「もちろん。 だから出来るだけ刺激しないよう心掛けてはいるんだけど……」

「あたしらに効いて闇の書に効かねえってのは変な話だな」

「こんな状況は初めてだ……。 ……まぁ深く考えてもしょうがない」

 

 そういうと祝歌は荷物の中からカプセル状の薬を取り出す。

 

「それお薬ですか?」

「ん? ……うん、まぁ似たようなもの」

 

 祝歌は何錠か手に取り、それを口の中に放り投げて水で飲み込む。 その様子を見ていたはやてが祝歌に恐る恐る聞く。

 

「祝歌さんは……どこか悪いところがあるんですか?」

「んー? ……いや、これは薬と言うかビタミン剤みたいなものだよ」

 

 祝歌は薬をしまいながらはやてに言う。

 

「1日に一回飲めばいいし、何回飲んでも大丈夫。 でも一錠飲んでも三錠飲んでも効果は一緒。 たくさん飲んだからっていいことないし、気が向いたら飲む感じだからねぇ」

「そうなんですか……」

 

 祝歌が病気などにかかっているわけではない事を知り、はやては何とも言えない表情をしている。 ほんの少し憂でいる。 その表情を見て察したシャマルは話題を変えようと祝歌に質問をする。

 

「ところで! 祝歌さんはお昼はどうするつもりですか?」

「ん? いや、まだ決めてないです」

「ならご一緒しませんか? ね、はやてちゃん!」

「え、うん、せやね」

「決まりですね!」

 

 

 

 

 昼食の時間になるまでヴォルケンリッターの面々は自由に過ごしていた。 だから気が付かなかったのだ、八神家事変その2が起きていた事に……

 

「大変だぁ!」

 

 庭でゆっくりしていたはやてとシグナムは慌ててやって来たヴィータに驚く。

 

「ヴィータ、やかましいぞ。 我が主の御前で……。 それでどうしたんだ?」

「しゃ……シャマルが……シャマルが……!!」

「シャマルがどう……まさか!」

 

 ヴィータの狼藉を理解したシグナム。 理解した途端に表情は青ざめ、冷や汗が止まらなくなる。

 

「ばかな……誰も見ていなかったのか!?」

「あたしのせいだ……呑気してアイス食べてたから……」

「ふ、二人ともそんな騒がんでも……」

 

 狼狽える二人に困惑しながら二人をなだめるはやて。 そんな三人のもとにザフィーラ(狼)がやって来て言う。

 

「おい……祝歌が食べたぞ……」

『なん……だと……?』

 

 この時、二人に激震走る。 動揺し、一瞬思考が停止した。 だがすぐに意識を切り換えて事実を確認しに行く。

 

「もぐもぐ」

「祝歌ー! 無事かぁ!?」

「もぐもぐ……ん?」

「どういう……ことだ……!?」

「シャマルの料理を食べて平気な奴がいるなんて……!」

「みんなひどい!」

「もぐもぐ……俺は美味しいと思うけどなぁ」

 

 祝歌はヴィータやシグナムの様子からシャマルの料理は恐ろしいものだと理解するが、『今の祝歌』にはいともたやすく行われるえげつない行為(マジカル☆クッキング)など効きもしない。

 

 ちなみにシャマルは焦げ付いたフライパンをたわしでゴリゴリ磨いている。 ……このフライパンは焦げ目が付きにくいそこそこ値の張る一品であることをここに書いておこう。

 

「私はそれを食べて2日は寝込んだぞ……」

「えぇ……」

 

 ようやく昼頃、果たしてこの先驚かされるのは八神家なのか、祝歌なのか……

 

 

 




シャマルのマジカル☆クッキングはカットだ!

何で遅くなったかって? ごちうさ投稿してたから。(犬畜生)

今回も誤字脱字等のミスがありましたら、コメントにてお教えください。
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