しんしゅポケモンの、げんそうぐらし   作:サンダーボルト

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紅霧異変~終~

幻想郷には、程度の能力というものが存在する。

 

 

たまにやってくるスキマのお姉さんから聞いたが、あの人は境界を操る程度の能力をもっているんだと。ポケモンでいうところの特性かな?それで私にもあるんじゃないかと思い、調べてみた。

 

 

私の能力は、どうぐを生み出す程度の能力だった。

 

 

ドーピングし放題、回復し放題、きんのたま売り放題とかナニソレ。ポケモントレーナーが泣いて喜ぶ能力だ。私はポケモンなのに…。

 

 

まあ、ポケモンといっても見た目は人間なんだけどね。

 

 

幻想入りした影響か、何故だか人間の少年の姿になってしまっていた。聞けば、幻想郷の妖怪達の中でも力の強い者は人間の少女の姿になっているという事だ。なんでだよ、意味分かんない。

 

おかげで元のミュウの姿になるには、ミュウに"へんしん"する必要があるという、ミュウからすればなんともややこしい事になってしまった。

 

しかも人間になったからには、服を着なければならない。そうしないと目立ってしょうがない。人間の集落に行く頻度は多くはないが、変に印象を残したくない。

 

 

もう何度めんどくさいと思っただろう、と心の中で愚痴りながら洗濯物を干していると、空が一気にまっかっかに染まった。

 

そういえば、幻想郷ではたびたび異変というのが起こるんだった。この紅い霧は自然現象とは思えないから、十中八九異変だろうな。

 

しかし参ったな、これじゃあ洗濯物が乾かないじゃないか…。とりあえず、"にほんばれ"をくりだしてみたものの、効果はないようだ…。

 

どうやらこの霧、幻想郷を完全に覆ってしまっているみたいだ。これだけ広範囲だと、"きりばらい"を使っても焼け石に水だ。

 

 

……しょうがない、あの手を使うか。

 

 

特性、"エアロック"発動。全てのポケモンの遺伝子を持つこのミュウなら、自分の特性を変える事なんてお茶の子さいさいなのだ。ちなみにこの特性は天気の変化の影響を受けなくなるというもの。分かりやすく言うなら、雨に降られても濡れません。あられが降ってても痛くありません。は~、これで洗濯物が干せる…。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 

紅い霧が出てから数日経ちました。今日も平和です。なのにスキマのお姉さんに文句言われました。妖精や妖怪が活発になる訳でなく、人間たちもこの霧が無害だと分かった途端、普通の暮らしに戻っていったんだって。慣れって怖いね。

 

異変が異変として成り立たなくなると困るらしくて、私に"エアロック"を解除してほしいと頼みに来たみたい。でも洗濯物が干せなくなるのは困るんだよね。いや、"ねっぷう"とか使えば乾かせなくもないけど、やっぱりお日様の光を浴びせて干すのが一番だし。え?お日様出てない?隠れてるだけでちゃんと出てるよ。

 

というか、霧が紅いってだけで十分異変なんじゃないかな。博麗の巫女が動く理由にくらいなるんじゃないの?と、スキマのお姉さんに言ってみたものの、誰も困ってないんだからいいじゃない、って当人から言われたんだと。心が広いね、博麗の巫女。

 

 

結局、小一時間話してスキマのお姉さんはすごすごと帰っていきました。また巫女さんに催促しに行くんだろうなぁ。

 

そしてそのまた数日後、紅い霧は晴れましたとさ。

 

 

「……みゅー」

 

 

スキマのお姉さんの気苦労を察して、今日も私はみゅーと鳴く。

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