ぶっ壊す、と言っても正面から殴り込みに行くほどバカではない。とりあえず、整備基地に入ることにした。
中は0.5世代オブジェクトによってズタボロにされた死体がいくつも転がっていた。
「……ねー1人くらい生きてないの?」
「黙ってろアホ」
「なぁ、ここって0.5世代の整備場だろ?だったら設計図くらいどこかないのか?」
クウェンサーに言われて、三人はキョロキョロと探し始めた。すると、ヘイヴィアが「あっ」と声を漏らした。
「おい、爆発したのってこれじゃないか?」
その視線の先にはコンテナのようなものが壁一面に並べられていて、各コンテナには太いケーブルで連結されていた。
「なんだこれ、バッテリーか?」
「野球?」
「だから黙ってろカス」
「巨大なコンデンサーじゃないか。おそらく、0.5世代の動力炉に外部から干渉するための電源だろう。ここからオブジェクトの方に送ってたんだ」
「おい、爆発したのってオブジェクトじゃなくて、こっちの装置だったんじゃないのか?だとしたら、オブジェクトの方にはダメージが入ってないことになるぞ」
「まぁ、ほんとにオブジェクトの中心から爆風が漏れてたら、分厚い装甲が内側からめくれ上がってねえとおかしいわな。とにかく簡単に倒せねえのは分かってんだ。メンテ用のコンピュータを探して設計図を調べようぜ」
「ちくしょう、コンピュータも熱でやられてるとか言わないだろうな」
整備場を見回るヘイヴィアとクウェンサー。その間、ヴレイアは暇そうに0.5世代の様子を見ていた。0.5世代は、ただいまカメラを洗浄中だ。
その様子をウズウズしながらヴレイアは見ていた。
「……ねぇ、2人とも」
「あ?なんだ最強のバカ」
ヘイヴィアが振り向いた。
「その作戦会議、どれくらい掛かる?」
「あ?まぁすぐにでも終わらせるつもりだけどよ」
「なら、その時間稼ぎ必要だよね?」
「ああ。まぁ必要ないことはねぇが……おいまさかバカやめろ」
「とっつげきィイイイイッッ‼︎」
ヴレイアは突っ込んだ。
「あのバカ……!」
ヘイヴィアが言うが、ヴレイアは無視。早速バズーカをぶっ放した。0.5世代の副砲の中に入り、爆発はしたもののまるで効いていない。当然、0.5世代はヴレイアに気付く。
「来やがったな……!」
そう呟くと、人類とは思えない速さで森の中に逃げ込んだ。ヴレイアの脚の速さはとんでもない。0.5世代が機械で追えないレベルだ。そして、その途中で地雷を集中させて置いて、自分の持ってる爆弾も全てそこに置いた。
そして、その先でヴレイアは足を止める。
「おい、0.5世代のパイロット‼︎止まれ!」
ヴレイアはヤケに堂々とした声で言った。言うと、ヴレイアの方に振り向きながら、0.5世代は足を止めた。
「お前、技術レベルはうちのオブジェクトにも勝てない0.5世代なんだってね。その程度でうちの軍隊とやり合おうとするなんて、さっすが頭の中筋肉の野蛮人‼︎だから人間一人の速さにも追い付かないんだよ!悔しかったら、僕のことを踏み潰してみろチンカス野郎‼︎」
ヴレイアが言うと、その挑発に乗って0.5世代は動き出す。目の前に地雷があるのは知っていたが、その程度は効かないと踏んでいたのだろう。迷いなく突撃して来た。だが、その前にヴレイアはバズーカを地雷に向かって撃った。それらが爆発し、大きなクレーターを形成する。
そこに0.5世代は突っ込んだ。ガクッとバランスを崩す程度だ。それでも、ヴレイアはバズーカを乱射した。辺りの地面をどんどん爆破させ、0.5世代の足元を奪う。直後、0.5世代も負けじと発砲した。ヴレイアに向かって砲弾が飛んで来る。
「うおあっ‼︎」
慌てて横に飛び込んだ。直後、自分がいた場所が爆発し、爆風に巻き込まれてヴレイアは森の中の木に身体を強打した。
「グッ……!」
何とか立ち上がり、ギロリと0.5世代の方を見ると、副砲をこっちに向けようとしている。
(………ここまでか)
そう思った時だ。通信機から声が聞こえた。
『ヴレイア、0.5世代から離れろ!』
「もう離れてるよ……!」
『なら目を閉じとけ!』
「えっ?」
直後、何かが爆発した音が響いた。そして、その後に続くドドドドッという音。水の音だ。そして、最後に自分に副砲を向けていた0.5世代が爆発した音が響いた。
うっすらと目を開けると、オブジェクトは黒こげになっていた。
「………終わった、のか?」
隣の木に自分の身体を預けるように立ち上がり、0.5世代の方へ歩いた。
「よう、ヴレイア。ボロボロだな」
クウェンサーがいつの間にかそのヴレイアの隣に来ていた。
「……なにしたの?」
「感電させたんだよ。水を放水させて、そこに電気を流した」
「………なるほどね」
「お前も無茶苦茶したなオイ」
ヘイヴィアもヴレイアに声を掛けた。
「危なかったよ。あと少しで殺されてた」
「1人でオブジェクトを足止めとか……やっぱバケモンだぜ」
「うるせっ」
ヘイヴィアに肩を貸してもらい、三人は車の方に向かった。
「じゃ、行くか。フライドの野郎をブン殴りに」