オブジェクト整備長の雑用係   作:フリーザ様

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障害物競争なら普通は泥まみれ
南極


 

 

あの後、フライド評議員は見事に捕まった。

で、今は火薬庫。三人揃って、マガジンに銃弾を詰める作業中だ。

 

「おい。なぁもう無理だぜ。こんなもんは戦争じゃねぇっ‼︎核ミサイル撃っても動き続けるオブジェクトが闊歩するような戦場で、こんな小さな弾丸チマチマ詰めたってなんの役にも立たねぇだろ‼︎」

 

「ヘイヴィア、そのマガジンやり直し。お前、今、変に力んだからマガジンのスプリングがS字に歪んだよ。音でわかる」

 

「何でテメェは嬉しそうなんだよ⁉︎こんなイライラする作業続けたら精神がやられちまうわ‼︎」

 

「えー?こういう細かい作業してると心が安らがない?むしろ重たいライフル担いで野原を駆け回る方が変なんだって」

 

「おーおー、オブジェクトの設計学んでる『学生』さんはこの変態ぶりだよ。っつーか、こんなのなんの意味があるわけ?軍需企業の方もさ、パッケージに収める前に、工場で弾丸を詰めてから輸送してくれりゃ良いんだ」

 

「それだと長期保存中にマガジンのスプリングが緩んで、動作不良を起こすリスクが増えるとかって話じゃなかったっけ?」

 

「ホントかよ?それプリンターのインクと同じでさ。本当は全然余裕で使えんのに、わざと消費期限を設けて新しいのを買わせたいってだけなんじゃねぇの?」

 

「ヘイヴィア、そのマガジンはスプリングがおかしい。一度詰めた弾取り出してやり直し」

 

「うがーっ‼︎」

 

「うるさい。というかヴレイアを見習えよ」

 

クウェンサーの視線の先はヴレイアが気持ちよさそうに寝息を立てていた。と、いうのも、とっくにマガジンと弾丸を三等分した自分のノルマを終わらせたからである。

 

「こんな脳筋バカを見習えってのが無理だ」

 

「普段から戦場のことしか考えてないから、銃弾マガジンに詰めたりするのは得意なんだろ」

 

「ケッ、今すぐこのマガジンに詰めた弾丸でブチ抜いてやりてぇな」

 

そう悪態をつきながらヘイヴィアはぐいーっと伸びをしながら背後を見た。その先には、小さな戸棚がある。

 

「なあ、おい、クウェンサー。見ろよ。すっげぇモン見つけた」

 

「?」

 

「訓練用の教材ビデオに混じって、一本だけエロビデオが差さってるぞ」

 

 

 

 

気が付けば、ヴレイアはヘイヴィア、クウェンサーと共に南極に立たされていた。任務は、正統王国軍の無人観測所が破壊されていないかのチェック、破壊されてないようなら、破壊されないように敵の排除、だそうだ。

 

「ふわああ……また、戦場かぁ……ねむい」

 

ヴレイアが大きくあくびを一発。そのヴレイアに横からヘイヴィアが言った。

 

「けっ、いーよなー戦うのが専門の脳筋は。俺は本当なら基地で三年ぐらい働いてりゃ家督を継ぐための資格が手に入るって話だったんだぜ?それがなんで戦場に立たなきゃいけねんだよ」

 

「……それを言ったらこっちは派遣留学で、オブジェクトについて勉強するために基地へやってきたはずなんだけど。一体何でオブジェクトのオの字もない氷の大陸に飛ばされなくちゃいけないんだ」

 

「ままま、いいじゃないの」

 

「「ノーキン馬鹿はだーってろ」」

 

相変わらず酷い言い草だった。

 

 

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