オブジェクト整備長の雑用係   作:フリーザ様

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ババロア

 

 

そんなこんなで、作戦開始。今回の作戦の目的は、イグアス方面海岸へ上陸し、内陸部へ入り込んでくるであろうマスドライバー財閥の殲滅。

 

「そろそろ上陸だぜクウェンサー。俺らも『潜って』おいたほうがいい。そう簡単に当たるとは思えねえが、榴弾砲なら届きそうな距離だからな」

 

「あ、ああ」

 

言いながら二人は鼻にティッシュを詰めたヴレイアを連れて歩き始めた。三人はエレベーターの上に乗り、艦内に潜った。

二人は艦の最前部へ向かう。そこは巨大な倉庫のようになっていて、すでにたくさんの兵士が待っている他、オブジェクトの整備に使う機材を積んだ大型車両なども置いてある。三人とも適当なところに座った。

 

「お姫様が海岸線の安全を確保したら、俺らは浜辺で海水浴開始。沿岸部に最低限のメンテ施設と簡易飛行場を作り上げる。その他の兵舎とか何とかは、飛行場を使って輸送機で運ばせるって寸法さ」

 

ヘイヴィアの説明に、ふぅーんとテキトーに相槌を返すヴレイア。すると、クウェンサーの無線機から、友軍の通信が入った。

 

『たいくつなさぎょうね』

 

「人を殺すよりいいんじゃないか」

 

『あなたたちをまつのがたいくつなの』

 

ミリンダの声だった。ため息まじりに言った。

 

『クウェンサー、オブジェクトのけんきゅうテーマにまよっているって言っていたよね。なら、パーツこうかんなしで「りく」と「うみ」を行き来できるすいしんほうほうについてとか、どう?』

 

「………なんか、お姫様怒ってない?」

 

ヴレイアが怯えたように言うと、それに応えるようにお姫様は言った。

 

『さっきメールで、もぎせんのいらいがあったの。ほとんどめいれいみたいなものだけど。1かげつごにノルマンディーほうめんでだって』

 

「うわ、『正統王国』の『本国』じゃん……。なら、ボッコボコにしてやれよ!」

 

ヴレイアが威勢良く言うが、

 

『……わたしが、かませいぬの方』

 

ムスッとした様子でそう返ってきた。

 

『ブライトホッパーってきいたことある?」

 

「あるよ」

 

「ああ、俺も」

 

「………ない」

 

バカ一人のためにクウェンサーは解説した。

 

「『正統王国』で開発されてる最先端オブジェクトだよ。レーザービーム系の装備を集中装備させた機体。静電気で巨体を浮かばせた上で、バッタに似た脚を使って地面を蹴ることで、超高速移動ができるとかって奴」

 

「ついでに言えば、乗るエリートは有力『貴族』の長男坊だ。そこらのオブジェクトと差別化を図るために、内装は王城用の宮大工にオーダーさせているらしいぜ」

 

「ふぅーん……。で、なんでお姫様がかませ犬になるの?」

 

「バッカ、オブジェクトの性能が全然違うだろうが」

 

「それに何の問題が?」

 

「「はぁ?」」

 

バカにしたようにクウェンサーとヘイヴィアが言うが、ヴレイアは能天気な顔で言った。

 

「だって、刹那はフラッグでジンクス堕としてるし、アムロにいたっては輸送機でアッシマー堕としてるじゃん」

 

『わたしはイノベイターでもニュータイプでもない』

 

「ノインさんだって普通の人だけどトーラスで暴れてたじゃん。ライルは途中参戦の普通の人だけど最後まで大活躍だったよ。要は乗り手次第でしょ」

 

『…………』

 

「やる前から嫌になる前に、まずはやる気出そうよ!」

 

ヴレイアに言われ、少しお姫様は黙る込んだ後、言った。

 

『……そうね。いっそ、どたんばでほうしんかえて、えんりょなくガチでふつかってやろう』

 

「そーだ、やっちまえ!」

 

「おい、煽るなバカ」

 

すると、クウェンサーがヴレイアの耳元で言った。

 

「つーか、お前女の子相手でも意外と話せてるじゃん」

 

「顔が見えてなきゃ問題ないんだよねぇ……。直で話すと緊張しちゃうんだよ」

 

「とことん中学生みたいな奴だなお前」

 

その言葉に「うるせっ」と返した時だ。通信が入った。

 

『がいとうエリアのチェック完了。……山のしゃめんに、ふくすうのきんぞくはんのうあり』

 

「複数の金属反応っ?」

 

その言葉にクウェンサーとヘイヴィアの間に緊張が走るが、別の通信が入った。

 

『こちらシャルルマーニュ。ベイビーマグナムへ。その山は鉄鉱石が大量に埋蔵されていると報告を受けている。判断の参考にされたし』

 

『てっこうせき?』

 

平気兵器

 

『だ、そうよ』

 

投げやりにお姫様は言った。

 

「あの、実は鉄鉱石じゃなくて待ち伏せしてる敵の砲台だったら、困った事になるの俺たちなんだからね。オブジェクトの分厚い装甲に守られているお姫様には実感できないかもしれないけど」

 

『むっ。もんだいないったらもんだいないもん』

 

「そうかそうか。なら、もしもその金属反応が本当に砲台だった暁には、おっぱいで型を取った特殊なババロアでも作ってもらおうかな。もちろん実演でね」

 

直後、ジュワッと何かが蒸発するような音が炸裂した。山の斜面にギリギリぶつからない範囲で主砲のレーザービーム砲を威嚇砲撃したのだ。

 

『反応なし。やっぱりだれもいないとおもう』

 

「間違ってたらホントにババロアだからね」

 

「馬鹿話はそれまで」

 

フローレイティアが打ち切るように口を挟んだ。

 

「ひとまず、お姫様からの報告を優先する。よーし、それじゃ手早く海岸に上がって、お姫様の浮き輪を外してしまおう。付け替え作業を敵さん見つかると色々面倒よ。気付かれる前にお姫様を陸にあげて自由自在に動かせるようにすることが、安全に作戦を終わらせる一番の方法だと考えるように‼︎」

 

その台詞で、全員の顔が引き締まった。

 

「あと五分で沿岸部に突入する。あとは小型の水中翼船で海に繰り出して、一気に上陸するから。総員は当作業を行う担当の整備兵の護衛と協力に尽力するように。以上よ!」

 

作戦が始まった。

 

 

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