そんなわけで、強襲揚陸作戦開始。小型の水中翼船に乗り込んで、上陸開始。
浜に上陸するまでは、大体2〜3分程度。クウェンサーが手摺に掴まりながら前を見た。もう陸地が見えている。
「おい。なんかチカッて光ったぞ⁉︎」
ヘイヴィアが叫んだ。
砂浜奥に連なってる、100メートルほどの高さの山の中から、何かが高速で向かってきているのだ。
(………レールガン⁉︎)
咄嗟にクウェンサーはそう思ったが、口を動かすだけの暇はなかった。
マッハ5の速度で海面に叩き込まれ、目の前で水しぶきが巻き上げられた。直撃こそ避けたが、海面が大きく唸り、ジャンプ台を超えるように水中翼船が大きく跳んだ。
死の寸前にありながら、クウェンサーは両手を上げて叫んだ。
「ひゃっほう‼︎ババロアぁぁぁぁぁ‼︎」
「何で満面の笑みを浮かべて喜んでんだよクソが‼︎向こうの砲撃はバンバン続いてんだろうがよぉぉぉぉぉ‼︎」
ヘイヴィアのツッコミ。
そんなアホな幕の隙に、ヴレイアは運転席に乗り込んだ。
「代われ。僕がやる」
そう言うと、先読みしてるとしか思えない反射神経と動体視力で、レールガンを避けまくりながら、浜に向かって行った。
「撃ち落とせ‼︎」
クウェンサーの無茶苦茶な注文にお姫様は応じた。
大小100門の砲の内、対空用のレーザーに命令を飛ばす。マッハ5のレールガンをレーザーが焼いて行った。
「くそっ‼︎」
『上陸続行‼︎直撃しなければ死にはしない‼︎ここで引き返しても強襲揚陸空母ごと撃ち抜かれるのがオチよ‼︎構わず進んでお姫様と協力し、一刻も早く敵を黙らせること‼︎それが生き残るための方法よ‼︎』
フローレイティアの叱咤が飛ぶ。
ヘイヴィアが涙目で叫んだ。
「クソッタレ‼︎いい無茶振りだ!あの上官はホントにSだよな‼︎こういう命令飛ばす時の声のツヤが半端じゃねぇぞ‼︎」
「その声を聞いて体を震わせてるヘイヴィアモ相当なもんだと思うよ‼︎」
「なあクウェンサー、山ん中にマスドライバー財閥のオブジェクトが隠れてると思うか?例えばあの山自体が、デカイオブジェクトに土を被せて作り上げたモンだとかよ‼︎」
「いくらなんでもそれはないだろ!おそらく、南極の時と同じだ!斜面に穴を掘ってレールガンを押し込め、草木を被せてオブジェクトのスペア砲を隠していたんじゃないのか⁉︎」
叫びながらクウェンサーは無線機のスイッチを押した。
「こちらクウェンサー‼︎衛星から情報を集めてるブリッジへ尋ねたい。山の中に人影はあるか⁉︎」
『こちらシャルルマーニュ。熱源・電磁気ともに人間大の反応なし。おそらくスペア砲は遠隔操作かプログラムで砲撃している』
「民家などの建物は⁉︎」
『確認できず。そこにあるのはスペア砲だけだ』
よし、とクウェンサーは周波数を切り替え、お姫様に通信を繋げた。
「ベイビーマグナムへ。民間人の巻き添えは心配ない。遠慮はいらない!山ごとブチ抜いちまえ‼︎」
ゴバッとい轟音が炸裂した。
ベイビーマグナムの一撃が山を吹き飛ばした。
『こちらベイビーマグナム。こうげきかんりょう。レールガンのほうげきは止まったようだけど、敵の生死は判別できず。すなぼこりがはげしすぎてチェックできない』
『こちらシャルルマーニュ。ベイビーマグナム同様、砂埃のせいで状況を確認できない。砂埃は幅800×奥行き300メートルにわたって広がっているが、敵兵が身を潜めている可能性は否定できず。何らかの方法で、至急確認することを提案する』
と、いうわけでクウェンサー、ヘイヴィア、ヴレイアの3人は山の中、敵兵探しをすることになった。
「ちくしょう、こんなのは無人機の仕事だぜ。わざわざ人間様が体張ってやるようなモンじゃねえぞ」
「というか、レールガンがあったってことはやっぱりそこに動力を供給していたオブジェクトが近くにいるって事じゃないの?」
ブツブツ言う二人の元にヴレイアが運転を変わってもらって戻って来た。
「どしたの?二人とも」
「や、その前にお前今までどこにいた?」
「運転席」
「あ、ああ、うん。そう」
沖に到着し、3人は無線機と武器を持って山の中に入って行った。