オブジェクト整備長の雑用係   作:フリーザ様

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作戦終了

 

 

「そろそろオブジェクトの整備が終わるはずだ」

 

そう言われてから5分経った。

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「なんか、遅くね」

 

ヘイヴィアが言った。

 

「おい、まだ終わんないのか。やるなら一思いにやって欲しいんだけど」

 

「確かに遅いな」

 

目の前の奴が賛同した。

 

「サボってるのか?それとも何か不備があったか……。様子を見てくる。少し待っていろ」

 

そう言ってそいつが引き返した時だ。銃声が響いた。整備場に向かった敵兵が、頭から血を流して倒れた。

 

「っ⁉︎」

 

「な、なんだ⁉︎」

 

すると、整備場の屋根の上から、2丁拳銃を構えた男が跳んだ。

 

「っ⁉︎」

 

「このっ……!」

 

反逆者だと思った敵兵たちは、全員がライフルを向けた。が、跳んだ男は空中で回転して銃弾を躱しながら射撃、敵の兵士の頭を五人狙撃した。

 

「な、なんだ……?反乱か?」

 

「オラァッ‼︎」

 

クウェンサーが呟くと共にヘイヴィアが自分の後ろの敵兵に体当たりした。

 

「ぐあっ⁉︎」

 

「なっ……⁉︎」

 

クウェンサーとミリンダも後ろの奴に体当たりし、取り押さえた。

 

「おい、助かったぜあんた!」

 

クウェンサーとヘイヴィアが突っ込んできた奴を見ると、そいつは帽子を取った。

 

「って、ヴレイア⁉︎なんだその格好……!」

 

敵兵の服を着たヴレイアだ。

 

「逃げるよ!敵兵士は全滅させた。残ってるのはオブジェクトだけだ」

 

「それが一番危ねぇんだろうが!今から逃げたってパーツ取り替えられて追いつかれるのがオチだろ!」

 

「大丈夫、整備兵も全滅させた!クウェンサー、爆発させて!」

 

ヴレイアがクウェンサーを見た。だが、

 

「や、やー……その、爆弾は仕掛けられなかったんだわ……」

 

ヘイヴィアの一言にヴレイアは固まった。

 

「嘘ォォォォォッッ⁉︎」

 

「ご、ごめんね……」

 

キャラに似合わず優しく謝るヘイヴィア。

 

「ゴメンねじゃないでしょ!これじゃ四人仲良く消し炭じゃん!」

 

「っせぇな!仕方ねぇだろ!パーツが思ったより多くて手持ちのC4じゃ全然足りなかったんだよ!」

 

「……でも、てきをぜんいんしまつしたなら、エリートが自分でせいびしないといけないんでしょ?」

 

「! そうか、もしかしたら逃げ切れるかもしれないって事か……!」

 

ヴレイアとヘイヴィアの喧嘩にミリンダが言った。

 

「よし、なら少しでも遠くに離れるぞ!」

 

全員で走り出した。だが、基地から脱出して森の中へ入って行った時、嫌な電子音が聞こえた。

 

「っ! もう取り替えが終わったのか……⁉︎」

 

「畜生……ここまでかよ!」

 

ヴレイアとヘイヴィアが呟いた時、クウェンサーがニヤリと笑った。

 

「大丈夫」

 

「はぁ?」

 

言うと、起爆スイッチを押した。ウォーターストライダーの足元が小さく爆発した。

 

「おい!全然ダメじゃねぇか!」

 

「オブジェクトには敵に鹵獲されるのを防ぐために機密保護装置がセットされているんだよな。大破もせずに行動不能に陥った際、敵軍に回収されてテクノロジー解析されるのを防ぐため、下位安定式プラズマ砲の特殊ガスを使って自爆する機能だ」

 

「それがなんだってんだよ!」

 

「こいつは厳密なセンサーで制御され、滅多なことでは暴走しないが、そのセンターを取り外してタービンを爆破した場合、正確な自動判断なんて出来ると思うか?」

 

「……! まさか、テメェ……!」

 

その瞬間、基地のど真ん中にいるオブジェクトが爆発した。

 

「……テメェ、あの時に⁉︎」

 

クウェンサーは倉庫から出る時に、次の整備で使われる足のパーツを探し出し、その中のセンサーを取ってC4を仕掛けたのだ。

 

「ああ。奥の手っていうのは最後まで取っておくもんだろ」

 

オブジェクトの爆破により、基地のほとんどが吹き飛ぶ様子を見ながら、クウェンサーはヘイヴィアに言った。

 

「ヘイヴィア、フローレイティアさんに通信を繋げられるか?」

 

「あ、ああ。裏技を使えばなんとか」

 

「報告するぞ」

 

「? 何のだ?」

 

「決まってるだろ。作戦完了の報告だ」

 

クウェンサーはニヤリと笑いながら言った。

 

 

 

 

本国のパーティ会場。特別表彰式だ。クウェンサー、ヘイヴィア、ヴレイアは生身でオブジェクトを壊したとして表彰されることになった。

三人は表彰台の上で話していた。

 

「……お前一応貴族だろ。俺より礼服の似合わない奴なんて初めて見たぞ」

 

「うるせぇな。アラスカで鹿を追いかけまわしてるうちに感覚を忘れちまったんだよ。大体テメェだって似たようなもんじゃねぇか」

 

「……僕、初めて礼服着たかも」

 

「………なんか普通に似合うな」

 

「ああ、ムカつく」

 

「理不尽⁉︎」

 

「そういえば、みんなこの後どうするんだ?」

 

「俺は軍にいたのは、家の跡取りとして相応しい功績を残すためのものだ。けど生身でオブジェクトをぶっ壊したんだからもう勝ち組だ」

 

「そっか。まぁ俺も似たようなもんだ。今回の件で軍に気に入られただろうし、国のデータベースを見る特権もらえるだろうしな」

 

「なるほど……最強兵士はどうなんだよ」

 

「僕は……フローレイティアさんより上司になれると嬉しいなーなんて……。あの人を顎で使ってやりたい」

 

「ははっ、そりゃいいな」

 

なんて話してると、殺意の目線を感じたので三人は黙った。で、三人の首にメダルを掛けられる。そして、最後に司会者はこう言った。

 

『それでは、生身でオブジェクトを撃破した三人に盛大な拍手を。その特殊で優れた戦力を今後も世界のために使っていただくことを願って、笑って次の戦場へ送り出しましょう』

 

「「………はっ?」」

 

クウェンサーとヘイヴィアが声を揃えた。見れば、軍のお偉いさん方は白々しい笑顔で次の配属先を話していた。すると、ヘイヴィアが小声でクウェンサーに言った。

 

「(おい、訊けよヒーロー。どうやらドッキリじゃなさそうだぜ。あっちの席のデブが話してるのを聞いたんだ。俺らの配属先が分かったぞ!)」

 

「(何だよ配属先って。もう決定事項かよ!)」

 

「(お姫様のオブジェクトと一緒に動けって話らしい!)」

 

「(マジかよ。って事はまた怪物オブジェクトと真っ向勝負か⁉︎)」

 

「イエーッス‼︎」

 

「「((イエスじゃねぇー!))」」

 

二人はおデコに手を当てた。

 

 

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