面倒くさがりな直感系決闘者がゆくARC-V物語 作:ジャギィ
それでは出会う第11話ドーゾ
「俺は「
「えーと、攻撃力が2600に上がってるから600×3のビートとトークン破壊時の800×3のバーンで合計4200……あー、負けかー」
「…ようやく勝ったが……戦い方を変えるだけで、こんなにも強くなるのか…」
「今までチマチマバーンだけで戦うから3人1組で行動する事になるんだろうが。「一族の結束」からのトークン生成サンレンダァ、のビートだけで普通にワンキル圏内だぞ。ここに「
「……お前は、デュエルの事になると意味の分からないことを言うが、専門用語か何かか?」
「あぁ…うん、僕のいたとこ…じゃなくて、自分で分かりやすく変えてんだよ。ビートは戦闘でダメージを与えることとそのダメージの総称で、意味がモンスターで相手を殴る…叩くって意味。バーンが……」
すでに深夜に差し掛かる時間帯の、1つの物置部屋。そこで廊下の照明を頼りに……風斗と捕虜の男が、長い時間デュエルを行っていた。床に並べられたカードをデッキという形に戻しながら、風斗は時計を見た
「あっ、もうこんな時間か。今日はこの辺で終わりにするか。……今日そろそろ終わるけど」
「…そうだな……色々教えてくれてありがとう。あと、カードも貰ったりして……」
「別にいいよ、気にしてないし。僕としては「
「…………、……そう、だな……なんであんなにエクシーズどうこう、俺は言っていたんだろうな…本当に、バカバカしいことを……」
顔を地面に向け、己の過去を悔いるオベリスクフォースの男。完全に油断しきってる今、開かれた扉から風斗を振り切って融合次元に逃げ出すのは、難易度が高くはあるが十分可能な状況であった
しかし彼は、ここから出ようなどとはもう考えてもいなかった。あの密閉された環境からここに来て、自分が…アカデミアの皆が、如何に愚かで残酷なことをしていたのかを自覚してしまったから。罪悪感に押しつぶされないように彼はここに留まっている
「…まぁ、人間みんな間違えるもんだ、完璧な奴なんで絶対居ねえよ。……だから間違ったと思ったなら、自分の出来ることでも、他人に言われたことでも、誰かの助けになることをすればいいんじゃねえか?それはお前の自由だろ?…お前の知り合いの命を奪った罰は、アカデミアを倒しながらでも考えるよ」
そうだ、風斗も彼と同じ…自らの手で命を、未来を奪った人間。彼らは罪人、一生を後ろ指を指されながら生きるしかない…だから
(俺は…何が正しいのか分からない…だから、色んな人を助けよう。俺みたいな人間に襲われている人を、たくさん助けよう)
罪の清算とか贖罪とか、そんな小難しいことを彼は考えていない。ただ、いつか自分のしたことを許してもらえるように……許すと、言ってもらえるように、戦おうと思った。そして……自分の知らない、知る必要がないと断じられた色んなことと世界を、見ていこうとも
ただ、そう思っている彼にも1つの気掛かり…というより、願望がある
(…プロフェッサーは本当に俺たちを騙していたのか…?……それだけが、知りたい)
もしかしたら、また戻るかもしれない。下劣で悪趣味で、嘲笑しながら人間をカードに変える少し前の自分に。……それでも、彼はどこかでまだ赤馬零王を信じている……不幸と悲哀を撒き散らす病原菌のような呪いが、彼の心の底でへばりついていたのだ
それはオベリスクフォースの浮かび上がった良心を、際限なく苦しめる
「んじゃ、おやすみ〜」
「…あぁ、おやすみ……」
就寝の挨拶を交わしながらも空っぽの皿が乗ったトレーを片手に、風斗は扉の枠をくぐりながらドアノブに手を伸ばし……
「…あれ?黒咲?なんでお前がこんな時間にここに?」
何故か部屋の前で待機していた黒咲に声を掛けた。黒咲の方向に顔と身体を向けながら扉を閉める
「それは俺のセリフだ。お前こそ、こんな夜遅くに何故ここにくる?」
「……えーと…食事運ぶついでに、色々聞くべきことがあってだな…」
「デュエルしながらか?」
「……バレてた…?」
どうやら部屋の防音性はさして高くなかったようであり、今の黒咲の発言から察するにしっかり内容を聞いていたようである
露骨に目をそらすも、冷ややかな視線はいつまでたっても消えない。その冷徹な態度が、ささやかな疑問に対しての答えであった。当然ながらバレバレである
「その……聞きたいことがあったのはホントでですね、ハイ…」
「…………」
重い沈黙が、両者の間に流れる
「…まぁいい。俺はただ、アカデミアの人間が逃げ出さないか見張っていただけだからな」
「ゴメン…。…あと、別にやるのは勝手だが杞憂に終わると思うぞ。少なくともあいつ、もう
「…………」
「…それと、瑠璃に関してはロクな情報が1つもなかった」
「……そうか……」
顔は至って冷静を装っているものの、その声のトーンから黒咲は状況の手詰まりに苛立ちを感じているのが簡単に分かった
それだけをいうと、黒咲は風斗に背を向けて廊下の先を歩き出し……
「………黒咲……」
己の内なる感情を抑え込む後ろ姿に、風斗は既視感を覚えた。自分の無力を噛み締める黒咲……怒りを滾らせるその背に対して、風斗は何も言ってやれなかった
かけてやれる言葉が、なかった
一期一会……という四字熟語をご存知だろうか?
詳しい意味は忘れたが、要約すると「人の出会いは一生に一度きりと思い、その出会いを大切にしなさい」…という意味だったはずだ。確か
……何故、そんな言葉を急に思い浮かべたかというと……
「お〜い、お前大丈夫か〜?」
「う〜〜………」
「…とりあえずヘルメットは取るか……」
目の前の状況を端的に説明すれば、ヘルメットを着けたライダースーツの男が横転している白いDホイール…走りながらデュエルするバイクのようなマシンの近くで唸りながら倒れていた。一生に一度なんてレベルじゃないくらいに会わねえよこんな状況
覚えのある声と姿とDホイールで既にこいつが誰なのか確認するまでもないのだが、一応怪我してないかも含めて確認するためヘルメットを外す。スポッとな
最初に映ったのは、なんとも言い難い髪型であった。青みがかかった紺色の髪はまだ普通(遊戯王では)なのだが、前髪が左から右上に曲がるような形で何本も束ねられており、色は明るい黄色。どう見てもバナナですありがとうございます
そして問題のヘルメットを着けていても見えたその顔は……
「………やっぱりかー……」
瞳は薄い翡翠の色だが、主人公榊遊矢…そしてユートにもそっくりな顔立ち……
間違いなくこいつは、シンクロ次元の人間…ユーゴである。ストーリー上では、ユーリに攫われた幼馴染の女の子リンを助ける為に1人で次元を行き来した唯一の人間。当然こいつも遊矢シリーズ特有の特別な力を宿したカードを持ち、その名は「クリアウィング・シンクロ・ドラゴン」というシンクロモンスターである。アニメでは次元の転移ができたのはこのカードの力とも言われている
リンを攫ったユーリを追いかけてここまで来たのか?…しかし、だとしたらなんで倒れて……
ぐぎゅるぅ〜〜〜……
唐突に聞こえた空腹を知らせる音。しかし僕は昼飯をついさっき食ったばかりだから、腹を空かせるどころか満腹ですらある。そして周りを見渡すも、見えるのはいつもの荒廃とした世界で人影すら見当たらない。かつこの場にいるのは僕とユーゴの2人だけだから、つまり……
「…………」
「うぅ〜…腹減った〜……」
「……ハァ……」
とりあえずバッグから適当に惣菜パンを取り出し、ユーゴの前でチラつかせる。無機質なビニールの匂いしかしないはずなのに鼻をスンスンさせると、ユーゴはゆっくりと起き上がろうとした
「…腹減ってるならパンでも食うか?バナナヘアー君」
「バナナじゃねー…ユーゴだ……」
こんな状態でも名前を訂正しようとする根性は、ある意味勲章ものだと思った
「フゥ〜、食った食った〜!ありがとな、助けてくれて!」
「別にいいよ。餓死なんてされたら後味が悪くなるから助けただけだし……」
「そっか。でも人がいて良かった〜!誰も来なかったら本当に飢え死にするところだったからな〜」
非常にご満悦な表情で快活な声を上げるユーゴ。僕はそれを聞き流しながら、周囲に散らばったビニール袋やプラスチック弁当箱を一箇所にまとめながらため息を吐いた
まさか溜め込んでた非常食殆ど食われるとは思ってもいなかった……。こいつの胃袋どうなってんだよ、まさか胃の中にモーメントが!?…逆に有り余ったエネルギー吐き出しそうだな、ユーゴの場合
「俺の名前はユーゴ!お前は?」
そういえばフレンドシップカップじゃやたら飯食ってたなぁ…なんて
「僕の名前は白星風斗。ちょいと経緯があって、このエクシーズ次元にいる」
「エクシーズ次元…?ここ、そういうのか?」
目を丸くして質問してくる。そうか、本編じゃ1度エクシーズ次元に来てからどこかに転移(アニメとかじゃ明記されなかった)して、その後またスタンダード次元に転移したからあまり驚いてはいなかったけど、ユーゴからすれば今回初めて次元間を移動したわけだから事情がさっぱりというわけか…
ここは自然を装ってこいつがシンクロ次元出身なのだということを自覚してもらおう
「あぁ。お前、デュエルでどんな召喚法を使う?」
「召喚法?それってシンクロ召喚のことか?」
「シンクロ召喚か……」
ちらりと、視線をスライドしてDホイールを見る。ユーゴが元に戻したからしっかり立てられて置かれてある
「それに、あれはDホイール……」
「お…お前、Dホイールを知ってんのか?」
「よーく知ってる」
アニメで身につけた知識ではあるが。主に蟹とか下っ端とか見ながら
「…ユーゴ、多分お前の住んでいたところ、シンクロ次元ってところなんだと思う」
「シンクロ次元……」
「この街、やたら壊れてるだろ。なんでか分かるか?」
「う〜ん……分かんねえなぁ……」
首を傾げて疑問符を頭に浮かべるユーゴに、当然だろうなと呟きながらも事の顛末を話す
「この世界の…デュエルモンスターズにはな、さっき言ったシンクロ召喚以外にも召喚法があるんだよ。エクシーズ召喚とか、融合召喚とか……」
「融合じゃねえ!ユーゴだ!」
ノルマ達成
けど話を遮られたのは少し腹が立ったので軽くユーゴの頭を叩く。関西人特有のツッコミを活かした打撃はほんの少しの力でもかなり効いたようで、叩かれた箇所をさすりながら痛そうに唸った
「イッテェ〜〜〜……」
「やかましい、勝手に話無視するお前が悪い。別に名前を間違えて言ったわけじゃねえんだからいちいち反応するな」
「リンみたいな奴だな……」
ぶつくさ言うユーゴ。その言葉だけで普段からどれだけリンがユーゴに振り回されているのか内心理解できてしまい、心の中で合掌。苦労してんだなぁ、リンも……
「…とにかく、それぞれの召喚法に応じた、全部で4つの次元がこの世界にはある」
「4つ?シンクロとエクシーズと融合……あと1つは?」
「世界の基礎であるスタンダード…って次元だ。世界の基礎って言うくらいだからな…僕たちの知らない召喚法があるのかもしれないし、全部の召喚法があるかもしれないし、何もないかもしれない……。とりあえず、世界には4つ次元がある…ここまではOK?」
「おう」
頷くユーゴを見てから、僕は周りを見渡しながら話を続ける
「このエクシーズ次元に、融合次元のアカデミアって連中が侵略を仕掛けてきたんだよ…年数は聞いてないが、老朽化した建物を見るに1年以上は経ってるだろうな……。目的は分からんが、重要なのは奴らが敵意を持って攻めてきてるってことだ。だからこの次元の人間は、アカデミアに対抗する為にレジスタンスを結成して命懸けで戦っている。見事な戦争っつー構図が完成…というわけだ」
説明を終えてからユーゴを見る。彼の顔には眉間にしわが寄せられて、普段の気楽そうな雰囲気はどこにもないほど真剣に何かを考え込んでいる。…まぁ話が突拍子すぎるだろうな……
けど無理に理解する必要はないし、このままじゃ話が進まないから無理矢理話を切り替える
「……あー、真面目に考えてるとこあれだが、お前はなんでこんなところに?」
「え?…そうだ!リンを攫ったやつを追ってここまで来たんだった!風斗は見てないか!?俺のそっくりの顔の奴!」
話題を変えて事情の再確認をしようと試みた直後、ただならない剣幕でまくしたててくるユーゴ。このやりとりだけで必要な情報をほとんど引き出したものだから、やろうとしたことが一気に減ってしまった。両掌を身体の前に小さく立ててユーゴを宥める
「落ち着けユーゴ、とりあえず落ち着け。詳しい事情は面倒くさいから聞く気はないが…お前そっくりだと?ちょっと待て………それって、こいつのことか?」
バッグのポッケにあるスマフォを取り出し、ユーリとの戦闘の際に撮った写真の画像を画面に映してユーゴに見せる。表情が、怒りに染まる
「あーー!こいつだ、リンも担いでるし間違いねえ!あの野郎、やっぱりここに来てやがったのか!」
「…言っておくが、こいつが担いでるのは瑠璃っていうこの次元の人間で、お前の言うリンとは別人だぞ」
「ハァ?何言ってんだよ、この横顔とかリンそっくりだぞ」
「……髪の色とかもか?」
僕がそこまで言い切ると、腕を組みながら画像とにらめっこを開始。…何かを思い出しては、画像を見るという動作を何度か繰り返す……そして数分後
「……あっ!よく見たらリンじゃねえ!あいつの髪緑色だ!」
「いやその時点で気づけ!」
鋭いツッコミが炸裂。今度は小気味のいい音がユーゴの頭から鳴り響く
「イッテェッ!」
「なんでここまで時間掛けたんだよ!幼馴染の姿くらいしっかり覚えとけよ!」
ったく!実際に見て分かったよ。これならスタンダードの柚子をリンって間違えるだろうし、セレナ相手にも抱きつこうとするわけだ…。……けど幼馴染相手でももう少し自重くらいしろよユーゴ…。自分と顔が似てる娘に抱きつこうとしたなんて聞いたら、リンがあまりにも不憫だわ……
「……ん?…なぁ、1ついいか?」
ユーゴが訝しむ様子でこちらに話しかけてくる。まるで、何かを疑っている感じである
「あん?何?」
「なんでお前、俺とリンが幼馴染だって知ってんだ?」
「…………」
アカン、やらかしてもーた
「……あー、っと……さっき…お前言ってただろ?『横顔とか幼馴染のリンにそっくりだ』…って……」
「…そうだったか……?」
自分の先ほどの言動を思い浮かべながらも、こちらに疑惑の視線をぶつけてくるユーゴから顔をそらし、必死に言い訳を考える
ヤバいどうしようマジでやらかした。この場でユーゴしか知らないはずの『リンと幼馴染』っつー情報をうっかり口にしてしまった
…もし仮に…本当仮にだが、僕がリンと攫った奴と繋がっている……なんて思われた日には、面倒ごとがマッハで追いかけてくる始末になる。そんなことになったら本当にマズい。つーか僕が嫌だ。どうすれば……!
「待て!このガキども!」
「ッ!」
ふと聞こえた男の怒鳴り声。それはユーゴの後ろから響いてきて、目の焦点をユーゴの後ろにずらしながらその方向に向かって走り出す。ユーゴの制止の声が聞こえるが返事をしている暇はない。かなりの距離だろうが一気に足を地に蹴りつける
…するとそこにいたのは、中学1年生と小学3年生くらいの女の子たちが手に何かを持ちながらオベリスクフォースたちに追いかけられていた。2人の似ている顔つきから姉妹かと予想をつけるが、どうでもいいことだと思考を頭の隅に追いやってこちらに向かってくる子供たち2人を脇に抱え込んで全力ダッシュで逃げに徹する。オベリスクフォースはそれを見るとこっちに向かって追いかけてくる
「おい、親はどうした!大人は!はぐれたのか!?」
右に抱えてる小さい方は泣きじゃくってとても返事が出来そうにないので、左のもう1人に質問を投げかける。しかし恐怖が声帯を麻痺させてるのか、微かに空気の震える声しか聞こえない。仕方ないので一瞬だけ顔をその子に向けるとふるふると首を横に振っていた
「それじゃああいつらにカードにされたのか!?」
犠牲者が出たのいうなら急いで潰さなければいけないが、だけどもその返信も首を振るだけ。他の人とはぐれてなくて、カードにもされていない。だけど2人だけでアカデミアに追われていて……あれ?…これって……
「……まさか、2人だけで外に出たのか…?」
顔を見るものの涙を流しながら口を閉じ、しゃくりを上げるその姿だけで充分であった。たった2人だけで出掛けた、という事実を…如実に物語っていた
「ーーーい!おーい!……くぅっ、どうしたってんだよ!?急に走り出しやがって!」
砂利と小石を弾く音が、Dホイールの駆動音とともに前から聞こえてくる。ユーゴだ。Dホイールに乗ったユーゴは途中で止まって、ヘルメットを外しながらこちらに問いかけてくるけど、今はこっちが先決だから後にする
こちらもDホイールの手前で止まりながら、持ち抱えた2人を下す。1人は完全に泣いており、もう1人ももう少しで決壊寸前である。この2人にかける言葉は、もちろん決まっている……
「…おい、聞いて……」
「ーーーこのッ…バカがッ!!」
僕の怒号とも呼べる叫びに、女の子は驚いて泣くのをやめる。ユーゴもビビったのか、何かを言いかけたその口を閉ざす
「ガキが、それもたった2人だけで外に出やがって!外の危険も理解してねえで勝手なことすんじゃねえ!」
難民キャンプの人たちも、街に行くときはある。…けどそれは、レジスタンスメンバーを何人か同行して、かつ正当な理由があってのことである。その正当な…というのも、必要最低限な何かが足りないとかそういう理由であり、その他の理由は余程の事情がなければ受け付けられない
当然である。勝手で自分本位な理由で、わざわざ一般の人を危険な場所に連れて行くわけにはいかない。だから外には勝手に出れないように監視の目が付いているのだが…今回はこいつらが一歩上手だったみたいだな。……もっとも、
小さい方の子が、泣きながらも抗議の声を上げる
「……だ…って……ヒック……だってぇ……」
「だってもクソもあるか!どんなわけがあったか知らねえが、それで人に迷惑かけてんじゃねえよ!だいたい……」
「おい!いくらなんでも言い過ぎだろうが!」
ユーゴは僕の物言いに怒り止めようとするが、ハッキリ言ってこいつらはやり過ぎた。ここで言っておかなければいつか忘れて、今度こそ取り返しのつかない事態になるかもしれないのだ…そう……
「……僕たちが居なきゃ逃げられなかったんだぞ!?どんな理由があっても、死んだら全部終わりだってのを分かれよ!」
…きっとこの時、僕は死に関して臆病になってたんだと思う。結果的に助かったとはいえ、身近に見て感じた明確な「死」を前にして…それがまた目の前で繰り返されるのではと想像して、もうあんな思いを味わいたくないという…まさに僕自身のワガママで、こんな小さな子供相手に大人気なく怒鳴りつけた
…けど、その子たちの手に持っている……小さい花を見て、己の形容しがたい赤々とした感情が徐々に冷えていくのを感じた
濃い緑の茎がピンと伸びていて、あまりに丁寧すぎる葉っぱと白い花弁が特徴な…前世でそれこそどこでも見かけた、タンポポの花。風を受けても茎ごとしか揺れないそれを、頭の中で人工のものだと判断した
「…………」
それでも、この荒れ果てた街ではその小さな花は…確かな美しさを……純粋に綺麗で、可愛らしいものだと思わせた
「……あっ!風斗さん!」
唐突に聞こえた音声の方向に向かって顔を向ける。そこには半田が他のレジスタンスの人間とペアで僕たちの方に向かう姿が見えた。途中でその顔が一瞬驚き、すぐに安堵の表情に変え泣いてる子供たちに近寄る。そうか、こいつらを探しに来たのか……
「…半田……こいつら連れてけ」
「え…風斗さん……?」
「奴らは僕が相手をする」
「あの…それは構いませんけど……その人は……?」
半田の視線は、ユーゴに対してのものであり、未知の乗り物に乗っている彼に対して半田は警戒せざるおえなかった
……しかし……
「心強い味方だ。ユートたちと同じくらいな」
「え……」
「………おい、チビども……」
半田たちの近くにいる子たちに近づき、視線を合わせるためにしゃがむ。そこから2人の頭を撫で、出来る限り優しく話す
「その花、誰かのプレゼントか?」
「……う…ん……パパが……誕生…日……だから……」
…そうか。親のプレゼントの為にか……優しい子たちだな……
「今度からは、ちゃんと大人に頼れ。お前たちがいなくなったら、どんなもの貰ったって親父さんたちは悲しむ」
「…ありがとう、お兄ちゃん……」
「行け、半田。あいつら、もう待っちゃくれねえだろうし」
「…あとで、詳しく聞かせてもらいますからね!」
半田たちはそれぞれ子供を抱えると、難民キャンプの方へ移動した
「…風斗…お前……」
「ユーゴ、悪いが手伝ってもらうぞ。その代わりに、良いことを教えてやる……お前の大切なリンを攫った人間は、こいつらの組織の人間だ」
「何!?それ本当かよ!?」
「マジだ。こいつらをぶちのめしたら攫った奴に関しても詳しく教えてやる。……どうだ?」
顎に指を当て、ほんの少しだけ思案するユーゴ…。しかしそれはものの数秒で解決したのか、敵を見つめながら返答を僕に返す
「…ならやるっきゃねーだろ。それに、俺もあいつらはなんか気に食わねえからな」
「決まりだな」
デュエルディスクを構え、そこから光の板を放出させる。出来るだけ「
「あの赤い布…レジスタンスの人間か!」
「お前がハンティングゲームなどとガキを追い回していたせいで見つかったんだ!我々の任務を忘れたか!?」
「す、すまない…今までの癖で、つい」
どうやらハンティングゲームなどと悪趣味なゲームをオベリクスフォースの1人が興じていたおかげで、あの子供たちは追いかけられていたらしい。娯楽に飢えているとは、アカデミアも一枚岩ではないらしい
ユーゴもDホイールのデュエルディスクを展開すると、エンジンをふかしアクセルに足を置く。ヘルメットをつける姿を見て、僕もフードを被りながらお辞儀をする。対象は当然、オベリスクフォース
「ドーモ オベリスクフォースのみなさん…サウザンド・フェイスです。僕たちにあったのが運の尽きだったな」
「何だと!?サウザンド・フェイス…貴様がか!?」
ざわめきが、奴らを中心に支配する。しかし次の瞬間には獰猛な笑みを浮かべ、ディスクを一斉に展開する
「丁度いい!奴がサウザンド・フェイスなら、何としても倒す!」
「プロフェッサーの命令通りに!」
「…そう上手く事は運ばねえよ……テメェらが突き進むのは敗北一直線の道だ!」
それだけを言うと、今にも走り出しそうなユーゴのDホイールの後ろにある小さな出っ張りを後部座席のように座る。片腕で支えてっと…
「な……お前何やってんだ!?」
「やるんだろ?ライディングデュエル…僕はこの辺の地形に詳しい、お前の助けにはなるさ」
「大丈夫かよ?」
「落ちた時は僕の自業自得だ」
体重のバランスを整える。エンジンの揺れがDホイール全体を軽く揺らすが特に問題なし……地形は1周できるエリアがこの辺にあったな……
「さて、と……やるぞ、ユーゴ!」
「ッ!おう!」
『デュエルモード・オン…オートパイロット、スタンバーイ……』
「こいつら、バイクに乗ったままデュエルだと!?」
「ふざけやがって!」
なんかどこかで聞いたことのあるセリフだが、極力無視の方向で
「ライディングデュエル…」
僕の声が、どんよりとした空に反響し……
「アクセラレーション!!」
ユーゴの大きな宣言とともに、2つのタイヤを高速で回転させ、オベリスクフォースに向かって突っ切る
「「「「「デュエル!!」」」」」
白星 風斗 LP4000 手札 5枚
&
ユーゴ LP4000 手札 5枚
VS
オベリスクフォースA LP4000 手札 5枚
&
オベリスクフォースB LP4000 手札 5枚
&
オベリスクフォースC LP4000 手札 5枚
Dホイールが避けたオベリスクフォースを横切って、そのまま走り続ける。そしてそれを奴らは追いかけてくる
「クソ!あいつらイカれてるのか!?俺のターン!」
悪態づきながらもこちらに向かって走りつつ、ターンを開始するオベリスクフォース。一応こっちはDホイールで走ってるのに何で生身で並走できるんだよ…
「俺は「
融合次元を象徴となるカード「
レベル3 ATK1000
「カードを1枚伏せて、俺はターンエンドだ!」
白星 風斗 LP4000 手札 5枚
&
ユーゴ LP4000 手札 5枚
VS
オベリスクフォースA LP4000 手札 3枚
レベル3 ATK1000
伏せカード 1枚
&
オベリスクフォースB LP4000 手札 5枚
&
オベリスクフォースC LP4000 手札 5枚
「僕のターン!ドロー!」
…うん、少し微妙だが、まだマシな……おっと
「ユーゴ、その横道を右に曲がれ!当分は横道もないから、十字路に入ったらまた右に曲がれ!」
「分かった!」
つい荒々しく命令してしまったが、今はデュエルを進めなければならない。車体を右に傾けて曲がるDホイールの上で体重移動しながらもユーゴの了承の言葉をしっかり聞いた僕は、手札を2枚引き抜く
「モンスターカード「ジェット・シンクロン」を墓地に送ることで、手札から「クイック・シンクロン」を特殊召喚することができる!」
テンガロンハットを被った西部劇な風貌の機械が、マントをたなびかせながら宙に浮きこちらに合わせて滑空する
クイック・シンクロン チューナー
レベル5 DEF1400
「そしてチューナーモンスター「ジャンク・シンクロン」を召喚!召喚に成功した「ジャンク・シンクロン」の効果で、さっき墓地に送ったレベル1の「ジェット・シンクロン」を守備表示で特殊召喚する!さらに、モンスターの蘇生に成功した時「ドッペル・ウォリアー」を手札から特殊召喚できる!」
ジャンク・シンクロン チューナー
レベル3 ATK1300
ジェット・シンクロン チューナー
レベル1 DEF 0
ドッペル・ウォリアー
レベル2 DEF800
「一気にモンスターを4体も並べただと!?だが、そんな低レベルモンスターで何ができる!」
僕の展開力に驚愕するも、ステータスを見てすぐに勝ち誇った顔をする。ホントこいつらって学習能力0だなぁ…何ができる、だって?
「色々できんだよ!僕はレベル2の「ドッペル・ウォリアー」に、レベル3の「ジャンク・シンクロン」をチューニング!」
「何!?」
「理性が作り上げし調律者よ!その意思の結晶を束ね、
レベル5 ATK2400
「くっ…シンクロ召喚…!」
「ハイパーライブラリアン」の出現により、オベリスクフォースは忌々しげに顔を歪める。しかしどこか余裕のある雰囲気に、少しリバースカードに関して警戒する
あの余裕……あいつらのデッキ構築を考えるに、融合モンスター以外の攻撃を抑制する「融合塹壕–フュージョン・トレンチ–」があのリバースの正体といったところか…?けど知らないカードもあるかもしれない
だがどっちにしろ、今はぶん回す!
「シンクロ素材として墓地に送られた「ドッペル・ウォリアー」の効果を発動!2体の「ドッペル・トークン」を攻撃表示で特殊召喚する!」
ポンッ!…と、黒みがかった薄い
ドッペル・トークン
レベル1 ATK400
ドッペル・トークン
レベル1 ATK400
「レベル1の「ドッペル・トークン」に、同じレベル1の「ジェット・シンクロン」をチューニング!シンクロ召喚!レベル2!シンクロチューナー「フォーミュラ・シンクロン」!シンクロ召喚に成功した時、「ハイパーライブラリアン」の効果!さらにチェーンして、シンクロ召喚に成功した「フォーミュラ・シンクロン」の効果発動!さらにシンクロ素材となった「ジェット・シンクロン」の効果をチェーン3で発動!逆順序解決で、デッキから「ジャンク・シンクロン」を手札に!残り2つのそれぞれの効果により、デッキからカードを1枚ずつドローできる!」
「なんだと!つまり…」
「2枚、ドローだ!…そしてレベル1「ドッペル・トークン」に、レベル2の「フォーミュラ・シンクロン」をチューニング!シンクロ召喚!レベル3!シンクロチューナー「たつのこ」!」
オレンジ色の体色をした、何とも可愛らし見た目のタツノオトシゴが現れる。腕もただの小さいヒレで、口もタコのような丸っこいものではなく、小さく開けられた口少し嘴っぽい形で、大きな黒い瞳をパチパチ瞬きさせた
たつのこ チューナー
レベル3 DEF500
「「ハイパーライブラリアン」の効果で、シンクロ召喚に成功したから1枚ドロー!…やっと引いたか」
ここまでドローして、ようやく目当てのカードを引くことができた。これであいつを召喚できる!
「「たつのこ」を使ってシンクロ召喚する時、1体だけ手札のモンスターをシンクロ素材にできる!」
「手札のモンスターでシンクロ召喚だと!?」
「手札のレベル2「ボルト・ヘッジホッグ」に、レベル3の「たつのこ」をチューニング!集いし願いが、進化へ導く新たな星となる!光さす道となれ!」
大きな赤に染まったバイクが、爆音とともに現れる。走り続けてたそれはやがて青と白の脚を前輪、同じ色合いの腕を後輪の中心から伸ばし、凹んだ座席部位から口元を白のガードで覆った頭を出す。その眼から落とした青い残光を影に溶かし、Dホイールの真横をともに走り出した
「シンクロ召喚!疾走しろ、レベル5!シンクロチューナー「アクセル・シンクロン」!」
唸るエンジン音が、二重奏の如く重なった
アクセル・シンクロン
レベル5 DEF2100
「「ライブラリアン」の効果で1枚ドロー!そして手札から魔法カード「手札断殺」を発動!互いのプレイヤーは手札を2枚墓地に送り、その後2枚ドローする!」
手札の「レベル・スティーラー」と「グローアップ・バルブ」を墓地に送り、2枚ドローする。だがここで必要な動作は、カードのドローではない。
「チッ…2枚捨て、2枚ドロー」
「お互いってことは俺もか…これとこれを捨てて、ドロー!」
オベリスクフォースたちは愚痴りながら…ユーゴも最後にカード効果を処理する
「僕の場のレベル5以上のモンスターのレベルを1つ下げることで、「レベル・スティーラー」は墓地から蘇生することができる!「クイック・シンクロン」のレベルを下げ、特殊召喚!」
レベル・スティーラー
レベル1 DEF 0
クイック・シンクロン
レベル4 DEF1400
「チューナーとチューナーではないモンスター…」
「またシンクロ召喚か!」
「当たり前だ!レベル1の「レベル・スティーラー」に、レベル4となった「クイック・シンクロン」をチューニング!シンクロ召喚!レベル5!「ジェット・ウォリアー」!シンクロ召喚の成功により、「ライブラリアン」の効果で1枚ドローする!」
ジェット・ウォリアー
レベル5 ATK2100
「さらにシンクロ召喚に成功した「ジェット・ウォリアー」のモンスター効果!お前の場の伏せカードを対象に発動!対象のカードを手札に戻す!」
「何!?」
「さぁ、効果に対してチェーン…発動はするか?」
「グッ…!……カードは…発動、しない!」
「ならば効果適応だ!「ジェット・バースト」!」
重い背と肩の間にある黒々なジェットパックに熱が徐々に溜まってゆき……出口から噴出した青い衝撃を利用し、「ジェット・ウォリアー」は地面スレスレにリバースカードに向かって加速する。止まることの知らない加速戦士の一撃は対象のカードを破砕し、強い風切り音と共に「アクセル・シンクロン」の横に戻ってきた
「チェーン解決!「ライブラリアン」の効果でドロー!」
これで一応の憂いは絶った…!
「行くぞ!僕はレベル5の「ジェット・ウォリアー」に、レベル5の「アクセル・シンクロン」を……
「マイナスチューニング?!何だそりゃ!?」
驚いたのはユーゴだ。自身の住むシンクロ次元でもこのようなカードは見たことがない……のも当然だな、フィール次元の伝説のカードだし
2体のシンクロモンスターは輝かしい白い球体と禍々しい黒い球体に姿を変え、5つの星々が反対の性質を持つ星と交わり……光よりも澄んだ、闇よりも歪んだ、虚無の扉が開かれる
「加速世界に現存せし神よ!輝きと濁りの狭間よりその姿現し、希望と絶望の星を生み出せ!」
その奥から聞こえるのは……特徴的な、事象をも震わす神の産声
「降誕せよ!レベル0!「アルティマヤ・ツィオルキン」!!」
時空が、歪む。その黒い穴から姿を見せたのは…人の10倍の大きさはある赤き竜。白の入り混じった赤い半透明な身体は流動的に色の波を作り、二翼と両腕と長い巨躯を揺らす。止まない輝きを発する黄色だけの瞳が壊れた街並みを写し、伝説の赤き竜はその咆哮をハートランドに轟かせた
アルティマヤ・ツィオルキン
レベル0 DEF 0
「な、なんだ……レベル0だと…?」
「モンスター……なのか、これは…?」
恐れ慄くオベリスクフォースたち。目元につけられた仮面の下から冷や汗と思わしきものを流し、走るスピードが少し落ちる
そして、減速は僕が乗っているものからも感じられ、見るとユーゴが目を丸くして「アルティマヤ・ツィオルキン」を見ていた。…って前見ろ前!
「これが風斗のドラゴン…すげぇ力を感じる……」
「おい!ちゃんと前を見ろ!交差点に差し掛かるぞ!」
「分かってるって!」
よそ見運転ダメ絶対、事故ったら目にも当てられんよ…
あと風斗のドラゴンって何?もしかして「クリアウィング」と同じ不思議な力を持つドラゴンと勘違いしてんの?…ないないないないないから。これは至って普通のカードで僕もただの一般人……とは言い難いけど、それでも超融合したり俺はゴールドレアだぜ☆したり俺とお前でオーバーレイ!したりしないからね!
ちなみに「アルティマヤ・ツィオルキン」はシンクロモンスターではあるがシンクロ召喚を行わないモンスターの1体。だから「ライブラリアン」でのカードドローは出来ないのだが……それをいちいち説明するのも面倒だしこのまま進めるか
「カードを1枚セット。そしてこの瞬間、「アルティマヤ・ツィオルキン」のモンスター効果!1ターンに1度、魔法・罠ゾーンにカードをセットした時、エクストラデッキから「パワー・ツール」と名のついた、あるいはレベル7・8のシンクロのドラゴンを1体特殊召喚する!」
「何!?」
「
空から光の塊が飛来する。眩い白を発しながら降り立ったそれは細い体躯の竜であり、ところどころボロボロな、しかし刹那の美しさを見せる翼を広げるその姿は……見るものに
「舞い降りろ!レベル8!「閃光竜 スターダスト」!」
閃光竜 スターダスト
レベル8 2500
「ドラゴンが2体だと!?」
「カードをもう1枚伏せる!これで僕はターンエンドだ!」
白星 風斗 LP4000 手札 4枚
レベル5 ATK2400
アルティマヤ・ツィオルキン
レベル0 DEF 0
閃光竜 スターダスト
レベル8 ATK2500
伏せカード 2枚
&
ユーゴ LP4000 手札 5枚
VS
オベリスクフォースA LP4000 手札 4枚
レベル3 ATK1000
&
オベリスクフォースB LP4000 手札 5枚
&
オベリスクフォースC LP4000 手札 5枚
「俺のターン、ドロー!「
レベル3 ATK1000
「「
口から放たれた火の玉が僕のライフを削る。ぶつかった部位からむせ返るような臭いと熱さが身体を襲う
白星 風斗 LP3400 手札 3枚
「あっつぁッ!…クソッタレめ!」
「カードを伏せる。俺はこれでターンエンド」
白星 風斗 LP3400 手札 4枚
レベル5 ATK2400
アルティマヤ・ツィオルキン
レベル0 DEF 0
閃光竜 スターダスト
レベル8 ATK2500
伏せカード 2枚
&
ユーゴ LP4000 手札 5枚
VS
オベリスクフォースA LP4000 手札 4枚
レベル3 ATK1000
&
オベリスクフォースB LP4000 手札 4枚
レベル3 ATK1000
伏せカード 1枚
&
オベリスクフォースC LP4000 手札 5枚
ターンが、ユーゴに回る
「俺のターン!俺は手札から「
ユーゴが召喚したのは、手も足もない機械の身体の両端に鋭いエッジがつけられたヨーヨーのようなものが特徴のモンスター
レベル4 ATK1400
ユーゴのカテゴリは「
「「ダブルヨーヨー」の効果発動!このカードが召喚に成功した時、墓地のレベル3以下の「
赤い鉄の独楽が、およそ10個くらい連なり出てくる。先頭の独楽にはグッと曲線を描いた2つの刃物が、クワガタの顎のように伸びていた
レベル3 DEF600
「バカな!」
「お前はまだ最初のターンのはず!」
「何故墓地にカードがある!?」
「風斗のカードのおかげだ!特殊召喚された「ベイゴマックス」の効果!このカードが特殊召喚に成功した時、デッキから「
2つの青い複眼と黄色の長い角がついた頭をそのまま固定しながら、竹とんぼの回転翼の形をした腕と脚をグルグル回し横向きに飛ぶ。その「タケトンボーグ」の飛行形態はGガンの超級覇王電影弾のように見え、そういうのを知ってるだけにとってもシュールに映った
レベル3 DEF1200
「俺は「
「チューナーだと!?」
「チューナーモンスター「
青い正四面体が一面から炎を激しく噴出しながら現れる。残りの三面には赤い目が描かれ、周囲に3つの小さい玉が浮いていた
レベル3 DEF1500
「俺はレベル3の「ベイゴマックス」に、同じくレベル3の「三つ目のダイス」をチューニング!十文字の姿もつ魔剣よ、その力ですべての敵を切り裂け!」
蒼い影が、次第に姿を現す。第一印象は巨大なけん玉……だが取っ手の部分が槍と捉えられるほど太い剣で、本来のけん先は丸みを帯びていた。横の2つの皿と呼ばれる凹みとは直角の位置に、ちょうど半分に分かれた玉が平らな部位を内側に盾のように取り付けられている。そして剣を前に向けて左側の玉と剣の間に…小さい胴体と頭が、挟まれる形でそこに存在していた
「シンクロ召喚!現れろ、レベル6!「
レベル6 ATK2200
「シンクロ召喚…?!何故貴様がシンクロ召喚を!?」
「俺のところじゃ普通に使っているぜ!「
「ストップユーゴ。その前に僕の「ライブラリアン」の効果からだ。カードを1枚ドローする!」
「別の奴のシンクロ召喚にも反応するのか!?」
「その通りよ。つーわけだ、利用するようで悪いがジャンジャンシンクロしてくれ。その代わり全力でサポートする!」
「任せろ!じゃあ、改めて「魔剣ダーマ」の効果発動!1ターンに1度、墓地の機械族の「タケトンボーグ」をゲームから除外することで、相手に500の効果ダメージを与える!くらえ!」
「グワァ!」
剣の先端から光弾を発射し、オベリスクフォースの足元に直撃する
オベリスクフォースA LP3500 手札 4枚
「俺はこれでターンエンド!」
白星 風斗 LP3400 手札 5枚
レベル5 ATK2400
アルティマヤ・ツィオルキン
レベル0 DEF 0
閃光竜 スターダスト
レベル8 ATK2500
伏せカード 2枚
&
ユーゴ LP4000 手札 5枚
レベル4 ATK1400
レベル6 ATK2200
VS
オベリスクフォースA LP3500 手札 4枚
レベル3 ATK1000
&
オベリスクフォースB LP4000 手札 4枚
レベル3 ATK1000
伏せカード 1枚
&
オベリスクフォースC LP4000 手札 5枚
「俺のターン!このターンから攻撃を行うことができる!手札から魔法カード「融合」を発動!手札の「
これは…ある意味面倒な奴が出たな……
そう思いながら、渦から生まれし2つ首の機械猟犬を見やる
「融合召喚!レベル5!「
レベル5 ATK1400
「いくら強力なドラゴンを呼べようと、自身が弱ければ何の意味もないな!バトルだ!「
攻撃の命令を下そうとする…しかしそれは、叶わぬ夢
「アルティマヤ・ツィオルキン」が身体を振り向かせ、神に刃向かう愚者を睨めつける。それだけで「
「なんだ!どうして攻撃しない!」
「無駄無駄。「アルティマヤ・ツィオルキン」は僕の他のシンクロモンスターがいる限り、攻撃にも効果の対象にも取れない」
「なんだと!?」
「曲がりなりにも異界の神だぞ?「ツィオルキン」を倒したければ、先にこの竜の尖兵を倒すことだな」
「クッ!攻撃は中断!俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド!」
白星 風斗 LP3400 手札 5枚
レベル5 ATK2400
アルティマヤ・ツィオルキン
レベル0 DEF 0
閃光竜 スターダスト
レベル8 ATK2500
伏せカード 2枚
&
ユーゴ LP4000 手札 5枚
レベル4 ATK1400
レベル6 ATK2200
VS
オベリスクフォースA LP3500 手札 4枚
レベル3 ATK1000
&
オベリスクフォースB LP4000 手札 4枚
レベル3 ATK1000
伏せカード 1枚
&
オベリスクフォースC LP4000 手札 2枚
レベル5 ATK1400
伏せカード 1枚
ようやくターンが1周か……エリアももう少しで1周する
「ユーゴ、そろそろ最初のところに1周する。ルートを覚えたなら操縦は任せるが……」
「大丈夫だ!Dホイールのことは俺に任せろ!」
「頼んだぞ」
走ってるあいつらが気の毒に思えてきたから早く終わらせねえとなぁ…もちろん僕らの勝ちで
疾走により生じる風からフードが外れることを防ぐため、フードを深く被り直しながら後ろに顔を向ける。既に敵はドローの予備動作の手前であった
「俺のターン!ドロー!手札から「融合」を発動!俺の場と手札にある合計3体の「
この組み合わせは…「
「融合召喚!レベル7!「
レベル7 ATK1800
「バトルだ!俺は「
3つの火線がその機体に命中し、「ダブルヨーヨー」は一部を溶かしながら爆破する。破片がユーゴを襲う
ユーゴ LP3600 手札 5枚
「グッ…!やりやがったな!」
「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」
白星 風斗 LP3400 手札 5枚
レベル5 ATK2400
アルティマヤ・ツィオルキン
レベル0 DEF 0
閃光竜 スターダスト
レベル8 ATK2500
伏せカード 2枚
&
ユーゴ LP3600 手札 5枚
レベル6 ATK2200
VS
オベリスクフォースA LP3500 手札 1枚
レベル7 ATK1800
伏せカード 1枚
&
オベリスクフォースB LP4000 手札 4枚
レベル3 ATK1000
伏せカード 1枚
&
オベリスクフォースC LP4000 手札 2枚
レベル5 ATK1400
伏せカード 1枚
「僕のターン!…「ジャンク・シンクロン」か…ダブったな…」
…クソ、マズったな……あいつらが「
「とりあえずバトルフェイズ!「閃光竜 スターダスト」で…」
「永続罠「融合塹壕–フュージョン・トレンチ–」を発動!これがある限り、お互いに融合モンスター以外では攻撃できなくなる!」
「マジかよ!このタイミングで!?」
つーか、やっぱそれかよ!
「つーことは、あいつらだけ攻撃できるってことか!?せこい真似しやがって!」
「クソッ……ターンエンド…!」
白星 風斗 LP3400 手札 6枚
レベル5 ATK2400
アルティマヤ・ツィオルキン
レベル0 DEF 0
閃光竜 スターダスト
レベル8 ATK2500
伏せカード 2枚
&
ユーゴ LP3600 手札 5枚
レベル6 ATK2200
VS
オベリスクフォースA LP3500 手札 1枚
レベル7 ATK1800
融合塹壕–フュージョン・トレンチ–
&
オベリスクフォースB LP4000 手札 4枚
レベル3 ATK1000
伏せカード 1枚
&
オベリスクフォースC LP4000 手札 2枚
レベル5 ATK1400
伏せカード 1枚
「俺のターン!俺は「
「ッツゥッ!グゥ…!」
「さらにカードを3枚伏せ、ターンエンドだ」
白星 風斗 LP2200 手札 6枚
レベル5 ATK2400
アルティマヤ・ツィオルキン
レベル0 DEF 0
閃光竜 スターダスト
レベル8 ATK2500
伏せカード 2枚
&
ユーゴ LP3600 手札 5枚
レベル6 ATK2200
VS
オベリスクフォースA LP3500 手札 1枚
レベル7 ATK1800
融合塹壕–フュージョン・トレンチ–
&
オベリスクフォースB LP4000 手札 2枚
レベル3 ATK1000
伏せカード 3枚
&
オベリスクフォースC LP4000 手札 2枚
レベル5 ATK1400
伏せカード 1枚
これは、かなり雲行きが怪しくなってきたぞ……けど!
「こんなところで、負けるわけにはいかねぇんだよォ!」
恐怖をごまかす。叫び、鼓舞することで己を保ちながら。そしてその中、ユーゴはデッキからカードを引く
情けない僕の精一杯の強がりは、風の波と一緒に流されていった
なんだか打ち切りエンドじみてますね
…すみません、内容考えているうちに中身が凄く長くなり、結果次の話へ持ち越しという形になりました。1話以上を使ったデュエルは初めてですが、頑張って書きますのでワクワクしながら待っててください
今話はアニメのセルゲイに触発されてやりました。だって久方ぶりの合体ですよ!?絶対腹筋崩壊(ブチン)しますよ!…だからしてやったりって気分ではありますね
あと風斗には正直「もっと疾走く走れー!」…とか言わせたかったのですが状況が状況なだけに変更いたしました。シンクロ次元編まで待ってね!
風斗とユーゴはかつて無い危機に立たされる!果たして彼らは勝つことができるのか!?そしてユーゴの疑惑を解くことができるのか!?
次回「加速の境地!」 ライティングデュエル アクセラレーション!
(相変わらずのネタバレとタイトル詐欺ですので間に受けないように)