面倒くさがりな直感系決闘者がゆくARC-V物語 作:ジャギィ
ではでは逆襲の第29話ドーゾ
暗く、闇に
少年たち…トマトヘアーが特徴の榊遊矢の場には「オッドアイズ・ドラゴン」が、白髪が煌めく砕羽竜太郎の方には「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」が存在している。だが2人の場にはリバースカードなどなく、あらゆる効果を無効にする「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」も効果の源の
刹那、ビルの谷間の暗闇から何かが「オッドアイズ」に迫る。赤い竜に巻きついて拘束したそれは粘着性を持った長い糸であった。巻きつかれた「オッドアイズ」が輝く粒子へと変化する姿を見て遊矢は叫ぶ
「「オッドアイズ」!!」
「遊矢!…な?!」
だが被害はそれだけにとどまらず、元「オッドアイズ」の光が糸の元へ吸い込まれたかと思うと、同じ方向から糸が何本も飛び出してくる。先ほどの捕らえるためのとは違う…破壊の線。頑丈な機械の胴体をいとも容易く貫通すると、「インフィニティ」は苦痛な機械音声を響かせながら爆散した
たった一瞬で丸裸状態にされた遊矢と砕羽の2人はただ強く歯噛みし、悔しさで顔を滲ませる。なぜ……
そんな中、ビルのガラスを這うように現れたのは…巨大な蜘蛛。当然ただの蜘蛛ではない。細長い蜘蛛の身体の上部に女性型モンスターの上半身が同化しており、赤い髪から伸びた触覚のようなものが小刻みに震える。遊矢たちの相手が操る「地底のアラクネー」はその効果により「オッドアイズ・ドラゴン」を奪って装備し、「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」を戦闘で破壊したのであった。優位に立った愉悦感からか左手の甲を上にして顔の前に持っていき、女王にように嘲笑してみせる
そして蜘蛛の大きな青い甲殻で覆われた腹の部位の上に、男が着地する。赤いデュエルプレートにカードを乗せた男の外見は、下半身が青い、上半身とマスクが赤に白い網状の模様が入った見た目である。腰を落とし手を足元に添え、残る手を虚空に伸ばしながら……男は叫ぶ
「少年の愛するモンスターを奪う男、スパイダーマッ!!」
軽快なジャズ音が聞こえ、蜘蛛男が「遺影、遺影〜♪」と口ずさむ中、再度遊矢と砕羽は悔しさで顔を滲ませる。そこに少々理不尽への怒りも含めて
なぜ……このふざけきった
そんなデュエルを外から見ている人たちの反応は4つに分かれていた。1つは完全に呆気を取られてポカンとしている者、1つはいつも通りの光景にため息を吐く者、1つはふざけた態度のデュエルに憤る者、1つはチープながらのヒーローショー?を楽しんでいる者
そんな外野の反応に気がつかず、完全にスパイダーマッ!を演じ続ける風斗とハイテンションの蜘蛛男に振り回され続ける遊矢と砕羽
『遊矢、アクションマジックで回避しろ!今ならまだ間に合う!』
『分かったよ竜太郎!……あった!アクションマジック…「蜘蛛男の気まぐれ」?!効果欄にハズレって書いてあるけど!?何これ!?』
『ハッハッハッハ!(アラクネーの糸で)すり替えておいたのさ!』
『そんなのあり?!』
『不条理な声を聞き流すヒーロー、スパイダーマッ!!』
『さっきから思ったがお前本当にヒーローか!?』
当然過ぎるツッコミがアクションフィールドに反響するが、ガン無視して決めポーズの調整を行う風斗。もはややりたい放題である
「あれほど真面目にデュエルしろと言っておいたにも関わらずこのようなデュエルを……まったくけしからん!」
「権現坂、あの人は至って真面目よ。エクシ…この街に来る前に住んでいたところでもこんな感じだったから」
「……あとで1発叩いてやる必要がありそうね」
後ろの、目を点にした遊勝塾見学者の親子の様子を見ながら柚子はため息を吐く。この様子ではおそらく親と一緒に来た山城タツヤという男の子が入塾者になることは難しいだろう、という考えから出た落胆のため息である
一方で遊勝塾所属の小学生組であるアユとフトシの2人は、思いの外この茶番とも言えるデュエルを楽しんで見ていた
「頑張れー!遊矢お兄ちゃん、砕羽お兄ちゃんー!」
「蜘蛛の怪人なんかやっつけちゃえー!」
2人とも応援しているのは遊矢・砕羽チームである。流石に謎のスパイダーマンの正体については察しがついているらしいが、劣勢の見知った2人と優勢なあからさまに悪役みたいなことをやる蜘蛛男。子供心がなくとも、どちらを応援すべきかは一目瞭然であった
融合召喚された「キメラテック・ランページ・ドラゴン」によって破壊された2枚の伏せカードと装備されていた「オッドアイズ・ドラゴン」。伏せていた1枚である「奈落の落とし穴」の発動で道連れの形で「ランページ・ドラゴン」を除外するも、カードを2枚伏せてエンド宣言する砕羽。そして遊矢は当たり前のように「死者蘇生」を引き当て「オッドアイズ」を復活させる。ちなみに残りの1枚は「聖なるバリア−ミラーフォース」であった
『レディース エーンド ジェントルメーン!パートナーの残してくれたチャンス、このラストターンで大逆転を果たしてみましょう!』
『カーーカッカッカッカッ!そのモンスターならば「アラクネー」を葬ることはできるが、0の手札でどうやってこのスパイダーマンまでもを倒すというのだ!戯言を!』
『確かにこのまま「アラクネー」を戦闘破壊しても、100の戦闘ダメージと「オッドアイズ」の効果の1200ダメージでは3000ものライフを削りきれません!しかしお忘れしていませんか?俺には素晴らしいタッグパートナーがいることを!』
『速攻魔法「リミッター解除」!さらにチェーンして「DNA改造手術」発動!俺は機械族を指定することにより、フィールド上のモンスター全てを機械族にする。つまり、パートナーモンスターの「オッドアイズ・ドラゴン」は「リミッター解除」の効果範囲に入る!』
『ホいつの間に!………あれ?これ結構ヤバくね?』
『攻撃力5000となった「オッドアイズ・ドラゴン」で「地底のアラクネー」に攻撃!「スパイラルフレイム」!!「オッドアイズ・ドラゴン」の効果でレベル6の「アラクネー」の元々の攻撃力の半分、1200ダメージを与える!よって総ダメージ、3800だ!』
『…さぁこい遊矢ぁ!砕羽ぁ!実は俺は1回刺されただけで死グワーッ!』
「…って終わったみたいね」
糸に絡まれながら錐揉み回転落下する風斗を見て、どこか怪我をしなければいいけど…と瑠璃は思った
「……帰っちゃったねぇ」
「帰ったな」
「何がダメだったんだろ」
「ダメだらけだろあれは」
『遊矢もあんま乗り気ではなかったしな』
腕を組みながらポツリと呟いた僕の独り言に反応して砕羽が同じような言葉とダメ押しを返してくる。流れるように内なる声も痛いところを突く。結局遊勝塾に入塾するかどうかは保留という形で山城親子は一旦帰ってしまったのである。あとで入塾することが分かっているとはいえ、本気で見学用のデュエルしろ内容を考えた上で保留だというのだから悔しくないわけがない。早い段階で遊勝塾に引き込むという僕の試みは見事に失敗してしまったというわけだ
本音を言えば、別に今入れなくても遊矢のペンデュラム覚醒のデュエルを見れば結局のとこ入ってくるだろう…が、だからと言って相手の興味を引けなかった事実が悔しくないわけではない。隠れプロ
「こうなったら今度の見学者には泣く子もさらに泣き叫ぶ恐怖のホラーデッキでも見せて……」
「やるな!」
「いだっ!」
次に使うデッキの構築を考えていると、いつ現れたのかストロング柚子からの鋭いハリセン打撃が脳天に炸裂した。頭をさすりながら振り返り、ぷんぷん丸状態な柚子と隣の砕羽に愚痴る
「なんだよ〜いいじゃん別によ〜。だってせっかく真剣に考えてデュエルしたのに笑うでも怒るでも泣くでもなくポカンとしてるだけなんだぞ?なんだあの妙な苦笑いは、ああいう反応が1番傷つくんだよ」
「だったら普通にデュエルすれば良かっただろうに。ツッコミどころ満載だぞ、白星の格好とか」
「まったくよ。ていうかいつまで着てるのよ」
2人の辛辣なコメントを無視して自分の格好を見直す。随所随所で違うところも多々あるが、前世界の一般人なら名前と見た目だけは見たことがあるであろうヒーロー、スパイダーマンである。当然遊戯王世界には存在自体ないから自分で自作したものだ。工作とかなら昔から評価◎や5だったもん、余裕である
「なかなか着心地がクセになるから結構気に入ったんだよ。なんならあとで着てみる?」
答えは首を振る姿だけで丸分かりであった。ちえー、アホー、あとで着たいっつっても絶対着せねーからなー!絶妙にチクチクした感触を楽しみながら、僕はマスクを外して服を取り出す。女の子がいるんだから流石にこの場では着替えない
「子供か……」
「遊勝塾じゃ2番目に年上なのに、ホントに1番子供っぽいわね……」
「聞こえてんぞそこ。…そういや、他のみんなはどうした?」
「誰か来たみたいだから、多分応接室にいるんじゃないかしら?」
「なんでお前はここにいるんだ?」
柚子の性格からして、まず遊矢の近くにいるもんだと思ったんだが……
「アンタを引っ叩きに来たからに決まってるでしょ!もうちょっとは真面目にやりなさいよ!」
「待て待て柚子落ち着け。何が不服なのかは分からんが、世の中には「真面目に不真面目」という言葉が」
台詞の続きは、気持ちいいまでに綺麗なスパン!というハリセンの音に遮られてしまった。砕羽は白髪を指で解きながらため息を吐いた
柚子と砕羽が部屋から出た後着替え、遊矢らがいる場所に向かったところ、やはりというかニコ・スマイリーがいた。僕を除いた遊勝塾メンバー+権現坂もいて、対面している修造さんの表情は険しいものだが、気にしないといった感じに胡散臭い笑みを浮かべながら話を続ける
「ならばLDSが使用する最新鋭の
「そのために遊矢を晒し者にしろというのか!もう1度言う!遊矢をストロング石島とデュエルなど、絶対にさせない!」
最新鋭という言葉で修造さんを釣ろうとするものの、修造さんは断固として譲る気はないという態度でニコに返答する。おお、アニメじゃ物に釣られかけて柚子にハリセンで叩かれていたというのに…子供を守ろうとする大人の凄みはカッコいいと思わせるには十分過ぎた。でもこの強気がお金の余裕による変化だと考えるとカッコ悪いと思わせるのにも十分過ぎた
「フ〜ム………ん?遊勝塾の関係者ですかな?初めまして、私はデュエルチャンピオンであるストロング石島のマネージャー兼プロモーターを務めております、ニコ・スマイリーと申します」
話が平行線であることに参って困っているといった感じにニコが考え事をしていると、部屋に新しく入ってきた僕を見ると反射的といえる早さで挨拶をしてきた。もはや習慣といった様子である
「この塾の講師を務めている、白星風斗といいます。よろしく」
「なるほど、講師の方でしたか。これはご丁寧にどうも」
アイサツをされたら返さなければならない。古事記にも書かれてある…わけではないが、礼儀としては大切なので失礼のないように挨拶し返す。空気をブチ壊さないようできるだけ丁寧に
そしてニコの対応で内心ホッとする。どうやら彼には僕の隠したい正体…サウザンド・フェイスであることはバレていないみたいだ。まあ、社長には懇願してできるだけ僕とサウザンド・フェイスが直結しないよう色々工作してもらったからな。マネージャーをレオコーポレーションから派遣した人間にしたりとか
「…んで、そのストロング石……なんとかのマネージャーさんが、この塾に何のご用で?」
「はい。実は榊遊矢くんに、明日ストロング石島とデュエルをしていただきたく思いまして…もちろんテレビにも映るデュエル会場で」
空気をブチ壊さないように遠回しに毒を吐きつけるが笑顔でスルーするニコ。流石プロ…素で忘れていたとはいえ、わざと名前を間違えたことにピクリとも反応しねえ。心理フェイズは向こうのがまだ上手か
「……らしいけど、遊矢はどうすんの?」
「え?」
「ふ、風斗?!ま、まさかストロング石島とのデュエルをやらせる気かい!?」
何か考え込んでいる遊矢にそう話しかけると、素っ頓狂な声をあげ修造さんは姿勢を大きく崩す
「やるかどうかは遊矢次第ですよ修造さん。あなたは遊矢のことを思って戦わせないつもりなのでしょうけど、守ってばかりじゃ遊矢のためにならない」
「うっ……」
「どうするかを選ばせることも大事ですよ」
僕の言葉で塾長が動けない隙に、遊矢にやるのかやらないのかを簡単に選ばせる…なんていうが、遊矢からすれば数年来のトラウマの1つがやってきたようなものなのだ。それをアニメじゃ戦うのを選んだからって簡単にと断じて選ばせるあたり、僕も随分ひどい奴だ
けれど、遊矢は以前のように現実からを目をそらすためにゴーグルに手を掛け…途中で止める。数秒間震えた後、ゴーグルを取る手をグッと握りしめてニコ・スマイリーの方を向く。その赤い瞳は怯えが見え隠れしていたが、何かに立ち向かう力強さを感じさせた
「……明日のストロング石島とのデュエル、俺やります!」
「ッ!本気なのか!」
「遊矢、どうして……」
「ここで逃げたら今までの俺と何も変わらない…それに、父さんがストロング石島とのデュエルが怖くていなくなったわけじゃないってことを、俺が証明してやるんだ!」
幼馴染である柚子と権現坂が遊矢の決意に驚きと疑問を表すが、遊矢はハッキリと答える
「ほ、本当にやるのか遊矢!?」
「塾長、俺だっていつまでも怯えてちゃダメなんだ。父さんがあの日やらなかったデュエルを俺がやって、俺がストロング石島を…みんなを楽しませるんだ!」
「おお……俺が知らない間に遊矢がこんなに成長を…!感動の涙が止まらん〜〜!!」
遊矢が告げたそんな決心に、修造さんは顔に腕を押しやってギャグ漫画のように大量の涙を流す。この人ホントに感動とか友情とかに涙脆いよなー
「素晴らしい!つまりチャンピオンの挑戦を受けるということですね?」
「……はい……」
「良いお返事をありがとうございました!それでは明日、スタジアムで再びお会いしましょう」
返答に満足したニコはそう伝えると、さっさと遊勝塾が立ち去っていった
…それにしても「みんなを楽しませる」、か……遊矢も少しずつだけど、今の段階でもかなり前向きな奴になったな。本来ならさっきの場面でもゴーグルをつけて…いた筈。うーん、細かいところはイマイチ覚えてないな。とにかく自分にとっての防衛反応である行動をあいつは途中で踏みとどまったわけだ、かなりの進歩といえるだろう
遊矢を心配して柚子に権現坂、瑠璃に砕羽に鮎川に原田と…6人に囲まれて困った様子の遊矢を、なんだか微笑ましい気持ちになりながら僕は眺めていた。我らが塾長はまだ泣いていた
「さーて今日も仕事仕事〜。…だいぶ金も貯まってきたし、そろそろプロ引退してえな〜……」
全国のプロ
休暇くらいもらえないだろうかというささやかな願いだけでも言ってみようと社長に会う時のことを考えていると、行き先への通り道で横切るビッグブリッジの端の方に小さな人影を見つけた。時間帯は陽が沈みかけた夕方で、大河に少し沈んだ夕陽のオレンジが服のオレンジ色よりも鮮やかで、美しい
そんな良い景色の中で何をやってんだろうとゆっくり近づいてみると、橋の大きな手すりに腰をかけていた少年は見るからに落ち込んだ様子で黄昏ていて、透き通るような青のクリスタルが輝くペンデュラムを目の前で揺らしていた
「……何やってんだ?」
「っ……って、風斗か……」
黄昏ていた人物は遊矢だった。ついさっきまでストロング石島の挑戦を受けると意気込んでいた強気は鳴りを潜め、奥底に隠れていた弱気が表を出ていた
「……こうしてペンデュラムを揺らしていると、父さんを思い出すから揺らして見てたんだ」
「榊遊勝さん…か?」
「うん。……俺、昔から泣き虫でさ、いつも何か嫌なことや怖いことがあったら泣いてて…そしたらその度に揺れるペンデュラムを見せながら、父さんが言ってくれた言葉があったんだ
『泣きたい時は笑え。精一杯大笑いするんだ。笑ってるうちに本当に楽しくなってくる。それが次のエネルギーになる
振り子と同じさ、大きく振れば大きく戻る。デュエルもそうだ。怖がって縮こまっていたら何もできない
勝ちたいなら勇気をもって前に出ろ。その勇気の分だけ喜びも戻ってくる
振り子……ペンデュラムは何かを発見する道具でもある。お前が道に迷った時、このペンデュラムが…進むべき方向を指し示してくれる』
今みたいな夕陽がよく見える日に…父さんは俺にそう言ったんだ」
「……よく覚えているな」
「父さんとの、数少ない思い出だからね」
そういう遊矢の顔は、きっと無理して平常心を装ってる顔だった。目尻に浮かんだ涙を見れば嫌でも察する。多感な時期に父親がいなくなって、周囲から謂れのない糾弾を受けて、そんな日々を約3年
「……ちょうど僕もそんな時期だったかな……」
「え?」
「…なんでもないから忘れて」
「?うん……」
…榊遊勝が急にいなくなったのが正当性のある、あるいは理不尽な理由じゃなかった場合、1発思いっきりぶん殴ってやる
ちょっぴりセンチな気分になって勝手なことを考えてしまったが、話はまだ続いているから黙って耳を傾ける
「俺、怖いんだ。今のままじゃダメだって思ったから、頑張って1歩踏み出してみたけど…次の1歩が踏み出せないんだ。明日のデュエルで失敗したり間違えたりして負けてしまったら……今度は俺だけじゃなくて、みんなが傷ついてしまうんじゃないかって…それが、たまらなく怖い……!」
遊矢が考えているのは、もしもの可能性だ。もし、明日の戦いで予想できない何かが起き…負けてしまった場合。榊遊勝の評価と遊勝塾の地位はさらに底辺まで落ちることだろう。そんな塾に所属している人間に、悪劣な民意が何も手を出さないなどあり得ない。今以上の迫害と弾劾が襲ってくるかもしれない。遊矢はそれにより、親しい人が辛い目にあうことを恐れているのだ
………恐れているの……だが……
「おい、遊矢」
「……な」
に、と言い切る前にデコピンを額に1発当てる。中指でやったから結構な威力が出て、遊矢は顔を大きく仰け反らせる
「イッタ!いきなり何するんだよ!」
「それを言いたいのはこっちだ。なんでお前はそこまで考え込むんだ?」
「へ……?」
僕の言葉に呆然とした遊矢に対して、言葉を続ける
「いいじゃないか。失敗したり、間違えたって。それどころか隠れたり逃げたりすることだって文句は言わん。僕がお前の立場だったら悩みもせずに周りの人間連れて逃げるからな」
僕が善悪どちら側の人間なのか問われれば、少なくとも善側の人間であることは間違いないといえる。が、人は誰しも他人には言えない、他人には理解できない
遊矢…正確には遊矢シリーズはとんでもないものを心の奥底に抱えている。バラバラになった覇王の人格なのでは、などが飛び交った前の世界の推測も当たってるかどうかは分からんが、少なくともそいつのデュエルは、遊矢の目指すデュエルの真逆だ。遊矢の目指すデュエルがみんなに幸せをもたらすものならば、覇王遊矢のデュエルはみんなの幸せを奪うデュエルといっても過言ではない。あんな圧倒的な力が、アカデミア以外の多くの
きっと将来…近く、知らない未来で遊矢は苦しみ、葛藤するだろう。自分のデュエルは正しいのか、大切な人を助けられるのか、そして内なる存在の二律背反に
けど、みんな
「お前は自分の嫌な過去と向き合ったんだろ?なら次は因縁との決着だ。勝つにしろ負けるにしろ逃げるにしろ、お前は答えを出さなければならない」
「でも…もし負けたらみんなが」
「たらればの話は結構だが、予測したり喋ったりしたくらいで良い未来にならないことなんて、遊矢も分かってるだろ?」
「それは……」
「何より」
視線を遊矢から横にスライドさせる。つられるように横を見た遊矢の視線の先には、僕と同じように遊勝塾が見えてることだろう
「お前は尻拭いを少しくらい
「風斗……」
人間の特権は反省だ。大人になるにつれ許されなくなる失敗くらい、ガキの頃に大いにさせておくべきだろう。いつかその失敗が、自分や誰かを救うことができるかも知れないのだから
「…柚子?」
遊矢が不意に呟く。振り返ってみると、遠目でも分かるピンクのツインテールが目に入った。遊矢を心配してきたのかな?
「自分が納得できることをすれば良いんだ。始末くらい任せろ。…んじゃ、僕そろそろ行くわ」
言いたいことはとりあえず言ったし、余裕があるとはいえ仕事もあるから柚子を横切る形で歩き出す。馬に蹴られる前に、おジャマ虫は退散しますかっと
何かを話し合う2人を横目に見ながら、僕はデュエルドームに向かって走り始めた
『さあさあ皆さん!今宵もこの時がやってきました!本日の対戦カードは、こちらァ!』
月が輝く夜の会場、広大なフィールドの上で
『プロの世界に突如現れ約半年!それまでの戦歴、なんと無敗!!デッキは千、戦術は万、カードは億と豪語する正体不明の男!いったい誰が彼の力を予想できたのか!?レオ・コーポレーション専属の「千顔」、「サウザンド・フェイス」ウウゥゥゥーーーーッ!!!』
サウザンド・フェイスこと白星風斗…つまり僕は、爆音めいた歓声を慣れた様子で見回しながら、
そして僕の登場から十数秒後に、向こう側の入場口から人影が姿を現す。見覚えのある白銀の鎧と剣、新たに左腕に装着した小柄な盾。そして兜から覗く鋭い眼光が、騎士のような外見には合わない純粋な闘志を纏ってこちらを睨みつける。実に、半年ぶりの再会であった
『対するは地から這い上がってきたこの男!「聖なる
こちらでも湧き上がる声が上がるが関係ないと言わんばかりに無視を決め込み、歩いて僕の目の前で立ち止まる
「約半年か。貴様に受けた屈辱、その借りを返しに来たぞ」
「実に久しいですねぇ。この半年、プロの世界で貴方の名は忽然と消えていましたが…私を下すほどに強くはなれましたか?」
「当然だ。貴様を倒すために、この半年修練に費やした…あの時のリベンジを果たすぞ、サウザンド・フェイス!次はそちらが引き摺り下ろされる番だ!!」
盾が邪魔にならないようデュエルディスクをセット、展開し、今すぐにでもデュエルを始められる状態を作り上げるローライド。初めて出会った時の惨めなまでの傲慢は感じられず、ただ
だからこそ、仮面の裏の変声機を調整し、僕自身の声に近づけた
「……いいだろう、面白い。ならば今回は
デュエルディスクを起動させ、パンッ!と手を合わせオジギをする
「ドーモ ローライド・レイト=サン サウザンド・フェイスです!!来い!お前の本気で、この仮面を剥ぎ取ってみせろ!」
「望むところだ、千顔!!」
『互いの準備は整いました!ではこれより、サウザンド・フェイス選手VSローライド・レイト選手のデュエルを開始いたします!フィールド魔法「溶岩回廊」、オン!』
一瞬の閃光が目を閉じさせ、目を開けた自分とローライドが立っていた場所は、岩でできた階段や通路の入り組んだ足場のうちの1つ。そして周囲や岩をオレンジに照り染める熱気の正体は…真下でグツグツと煮え滾るマグマから発されたものだった。そう、ここは火山の火口をイメージしたアクションフィールド。火口に落ちれば死にこそにないが、アツゥイ展開になること間違いなしなフィールドである。
『サウザンド・フェイス選手はデビュー戦にローライド選手に挑戦いたしました!そのローライドが次は
解説の言葉が途切れたと同時に、アクションデュエルお馴染みの口上を僕から述べてゆく
「戦いの殿堂に集いし
「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い!」
「フィールド内を駆け巡る!」
「見よ!これぞデュエルの最強進化系!」
「「アクション……!」」
「「デュエル!!」」
サウザンド・フェイス LP4000 手札 5枚
VS
ローライド・レイト LP4000 手札 5枚
「
初ターンから「ソーラー・エクスチェンジ」か。手札の「ウォルフ」を上手く処理してきたし、向こうの出だしは良好といったところか
『ローライド選手、いきなり手札を補充してきた!手札があまりよろしくなかったか!』
「さらに「光の援軍」を発動!3枚デッキから墓地へ送り、「ライトロード・ハンター ライコウ」を手札に加える。モンスターをセット、カードを1枚伏せ、ターンエンド」
デッキからさらに3枚のカードを墓地に落とし、リバース除去モンスターである白いお父さんこと「ライコウ」を手札に加え、おそらく罠と一緒にセット。セットモンスター特有の青紫の小さな球体がリバースの上に現れる
サウザンド・フェイス LP4000 手札 5枚
VS
ローライド・レイト LP4000 手札 3枚
セットモンスター
伏せカード 1枚
「僕のターン、ドロー!最初から飛ばさせてもらう!まずは「
『おお〜っと!なんと発動したカードは融合カード!LDSでのみ体得できる融合召喚を、彼は使用することができるのかー!?』
僕が手札から発動したカードを見て驚く人々たち。しかしローライドはただ冷静に観察しているだけ…。あげたカードがカードなだけに、あまり驚いてないって言ったところか
「
『な、なんとサウザンド・フェイス選手、デッキのモンスターを墓地に送って融合召喚!?しかもあれは、伝説の「
鋭い爪の生えた四肢と翼の細身の黒い竜が名を表すような真紅の瞳を光らせ、筋肉繊維の肉体に頑丈な骨格を纏った雷を操る上級悪魔が翼を広げながら、溶岩の中から出現する。2体の咆哮が渦に溶け込み、交じり合う
「雷光の悪魔よ!真紅の瞳をその身に取り込み、黒き炎とともに生まれ変われ!融合召喚!!」
渦より現れたのは、人間のような肉体で立ち上がる漆黒の竜。手と足の爪はより太く尖っており、ヒクつく赤い筋肉が剥き出しの肉体を抑えるように鎧骨格で覆い隠している。尾をしならせ、口の端から炎を漏らす赤い眼の竜の形相は……まさしく悪魔
「レベル9!「悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン」!!」
悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン
レベル9 ATK3200
「3200の攻撃力……」
『攻撃力3200のモンスターをいきなり融合召喚ー!しかもたった1枚のカードだけで!恐るべし、「
「
「「
口内で火を折り畳み、徐々に黒みが帯びていく。おそらく伏せも「ライコウ」がやられた時、あるいは囮にするための攻撃反応型のはず!これで「ライコウ」のリバース効果は封じた!
「ならばバトルフェイズ開始時、「ブレイクスルー・スキル」を発動する!」
「何、「ブレスル」!?」
「その「悪魔竜」の効果をエンドフェイズまで無効!」
だが僕の予想に反して使用されたカードは妨害カードの「ブレイクスルー・スキル」。発動されたカードから出た赤いエフェクトを直に食らった「ブラック・デーモンズ」は力を封じられたことで怯み、攻撃のために溜めていた黒炎も途中で霧散した
マズいな。この状況で「ライコウ」を割りにいったら、ローライドは確実に「ブラック・デーモンズ」を破壊しにかかり墓地も肥やされる。普通なら相手ターンで結局リバースしてくるから躊躇なく攻撃するのだが、今のターンは「
ここは攻撃せずに出方を見よう。「レダメ」がいるからあまり使いたくはないが、万が一に備えて「融合解除」と「レッドアイズ・スピリッツ」も伏せておこう
「…バトル取り消し!カードを2枚伏せて、僕はこのターンを終了する」
サウザンド・フェイス LP4000 手札 3枚
悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン
レベル9 ATK3200
伏せカード 2枚
VS
ローライド・レイト LP4000 手札 3枚
セットモンスター
「私のターン!私はセットモンスターを反転召喚する!」
カードをドローするや否や、それを手札に加え伏せモンスターを表にする。さて、一体どのカードを破壊してくるのか…個人的には無駄撃ちさせられる「レッドアイズ・スピリッツ」や現状使い道のない「融合解除」が望ましいが……
「表になるのはリバースモンスター……「魔導雑貨商人」!」
っ?!「魔導雑貨商人」、だとッ?!
背中に多くに荷物を詰め込んだ複腕の小さなダンゴムシと思わしき昆虫が姿を現す
魔導雑貨商人
レベル1 ATK200
「「ライコウ」じゃない!?」
「確かに先ほどのターン、私は「ライコウ」を手札に加えたが、伏せたモンスターが「ライコウ」とは限らん!」
「ぐっ……」
やられた…!綺麗な流れからの「ライコウ」サーチでさも当然のように「ライコウ」をセットしたと錯覚してしまった…OCGの頃の癖で1:1とってくると勝手に思い込んでしまった!
「「魔導雑貨商人」のリバース効果により、魔法・罠が出るまでデッキの1番上のカードを1枚ずつ確認してゆく。魔法・罠が出た時そのカードを手札に加え、それまでに確認した全てのモンスターカードを墓地に送る」
ヤバい、1枚目から当たってサーチなら全然問題ないが、「魔導雑貨商人」を投入してる以上モンスターの比率は多めと考えた方がいい。そして何より…テーマ一色じゃない「ライトロード」とか正体不明の何かが飛んできそうなのが何より恐ろしい。例えば、僕すら知らないアニメ世界のカードとか!
「効果起動!ドロー!1枚目は「ライトロード・ビースト ウォルフ」!」
「1発目から…!」
さっき「ウォルフ」コストで「ソーラー・エクスチェンジ」使ってたくせに1発目からそれとか、どんな引きしてんだよお前!……まさか3積みとか?だとしてもおかしいけど!
「ドロー!2枚目は「ライトロード・ドラゴン グラゴニス」!ドロー!「ライトロード・サモナー ルミナス」!ドロー!「超電磁タートル」!ドロー!…「
「おいコラざけんなよ!」
今さらっとスルーしかけたけど「超電磁タートル」!?なんだってそんなガチガチなカードまで仕込んでやがんだ?!この時点でシャレにならないアドを稼がれてんだけど…マジヤバい。でも「
「「ライトロード・マジシャン ライラ」!ドロー!「
「「シラユキ」…?聞いたことがない……わけじゃなかったような……」
危惧していた、覚えのないカードがデッキトップから捲られていく。違う、確かカード情報の中にそんな名前のがあった気がするが…忙しいのと別のデッキ作りでまだ見きれてないんだよなぁ。遠目で見た攻撃力は1800に見えたが…墓地に送るってことは、自己再生持ちのアタッカーってとこか?いや、もしかしたら「タートル」みたいな墓地除外による阻害系のカードかもしれない……
「ドロー!…今、私が引いたのは速攻魔法「サイクロン」。よってこのカードを手札に加え…確認したモンスターカード全てを墓地に送る」
引いたカードは汎用魔法の1つ「サイクロン」。こっちの伏せを1枚破壊するために使ってくるとは思うが、どっちに当たるか
『ローライド選手、
「当然だ。このデッキはいわばリベンジ用、今日この日のために作り上げた我が剣なのだ!墓地へ送った「ウォルフ」のモンスター効果!このモンスターを墓地から特殊召喚する!その効果にチェーンして手札に加えた「サイクロン」を発動!破壊するのは…左のリバースカード!」
溶岩を水飛沫のように撒き散らしながら小型竜巻が伏せカードを破壊しに迫る。僕は岩の回路を走り、落ちていたカードを拾ってみるが「回避」だった。破壊は、防げない
「サイクロン」の攻撃が直撃し、「融合解除」はバラバラに砕け散った。ブラフ目的で伏せていたとはいえ、できりゃ被害なしが良かったんだけどなぁ…!
「「ウォルフ」を特殊召喚!攻撃表示!」
白い毛並みの狼の獣人が、武器を振り回しながら空中から空いた穴から降り立つ
ライトロード・ビースト ウォルフ
レベル4 ATK2100
「そして私はチューナーモンスター「ライトロード・メイデン ミネルバ」を召喚!」
召喚したのは、金の髪飾りと装飾のついた白い服を着た茶髪の少女。どこか幸薄さを感じさせる彼女の伸ばした腕の先には、これまた真っ白なフクロウが羽を伸ばして止まっていた
ライトロード・メイデン ミネルバ チューナー
レベル3 ATK800
「「ミネルバ」…?」
『こ、ここでチューナーモンスターの登場だぁ!まさか、まさかなのかぁ!?』
「カードというのは、案外探してみれば見つかるものなのだな…見せてやろうサウザンド・フェイス、貴様に指し示された私の新しい力の1つを!私はレベル4の「ウォルフ」に、レベル3のチューナー「ミネルバ」をチューニング!!」
「ミネルバ」が何かしらの呪文を唱えると3つの緑光の輪に変化し、白狼の戦士がその輪をくぐり抜け、レベル分の星への生まれ変わる。そしてそこに、光の柱が差し込む
「神に魅入られし聖戦士よ!裁きの龍に跨り地上を浄化せよ!」
灼熱が弾ける火口の真上から、月夜をバックに白き龍が舞い降りる。獣のような強靭な肉体、神々しい大翼の裁きの龍。その頭に乗っているのは金でできた鎧と大剣を装備した、まさに神に選ばれた聖戦士
「シンクロ召喚!レベル7!「ライトロード・アーク ミカエル」!!」
白龍の赤い視線が、悪魔竜の眼光とぶつかり合う
ライトロード・アーク ミカエル
レベル7 ATK2600
「ミカエル」がフィールドに現れたと同時に観客のボルテージが一気に上昇する。ローライドは重っ苦しそうな甲冑と剣と盾を装備中にも関わらずひょいひょい岩の通路を跳躍で登っていき、最終的には「ミカエル」に最も近いと言える天辺付近にまで辿り着く
『なんとォ!ローライド選手のシンクロ召喚が炸裂!半年も消息が不明だったのはシンクロの体得のためかぁ!?』
いやはや、本当に驚きだ。多少のデッキ強化程度で「ライデン」と「フェリス」を渡したってのに、そこから「ミネルバ」を探して見つけて、シンクロ召喚を習得するとは……。召喚法を覚えることは要所を抑えれば非常に簡単だ。だけどそれは、教える人間がいればという前提が必要だ。LDSがシンクロを独占している以上、
「よくシンクロ召喚なんかを身につけたな」
「カード自体は探してみればあった…だが、問題は召喚法だ。LDS以外の多くの場所ではシンクロ召喚など存在すらも知らず……だからこそ私はLDSの公式デュエルを事細かに研究した。もちろん貴様に負けぬために、多くの地を転々と流れる流浪の旅の修行も行った……ただひたすら勝つために!屈辱を晴らすため!私に黒星をつけた者には、黒星で返すのみ!」
『呼んだ?』
「呼んでねえ帰れ」
唐突に表に出ようとした黒星を帰宅を進めると、ぶーたれながら精神の奥底に沈んでいった。余計なのが出てきたせいで話最後聞けなかったじゃねえか
「ーーゆえに、私の誇りにかけて貴様を打ち倒す!永続魔法「魂吸収」を発動!」
「「魂吸収」…「ミカエル」のコストを減らす気か!」
「やはり知っていたか。ならば説明は不要!「ライトロード・アーク ミカエル」のモンスター効果!1000ポイントライフを払うことにより、フィールド上のカード1枚をゲームから除外する!「悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン」を浄化せよ!」
ローライド・レイト LP3000 手札 2枚
「ミカエル」の背後から光が降り注ぐ。神の加護による後光が「ブラック・デーモンズ」に触れるとそこが白く染まり、苦痛の声をあげながら悶え苦しむ。抵抗をしても身体を動かせず、動くこともできないまま炎の一片も残さず露に消えた
「クソ…除外じゃあ蘇生することもできない」
「モンスターが除外されたことにより「魂吸収」の効果発動!1枚除外されたことで500のライフを回復する!」
ローライド・レイト LP3500 手札 2枚
「これで阻むものは何もない!「ライトロード・アーク ミカエル」、プレイヤーへダイレクトアタック!「レイ・ジャッジ」!!」
手に持った剣を上空へ構える「ミカエル」。後光からの光が剣に集まるとそこから光が幾つにも枝分かれして、レーザーが曲線を描いて発射される。下は溶岩、上はレーザーの雨
「ローライド!お前忘れてないか?これが何デュエルだったかを!」
「ムッ!」
「アクションマジック「回避」!「ミカエル」の攻撃を無効に……ッする!」
迫り来る光の線、光速にも音速にも程遠い高速の光を目で追い、身体を傾け、地を蹴り、時に岩壁を使って三角跳びしながら回避していく。我ながら素晴らしいアクロバティックっぷりを披露しながらも、回避の移動を利用して聖騎士への距離を順当に詰めていく
『見事なアクロバティック回避により、大ダメージを防いだー!』
「ーっ、ととぉ…あぶね」
着地の際に取れかけたフードを改めて被り直しながら、未だ上にいる対戦相手を見やる。向こうは失念していたといった表情だったが、すぐにいつもの怒ってそうな表情に変えてプレイングを続ける
「まるで猿のような身軽さだな。だが、これは間に合うまい!「魔導雑貨商人」でダイレクトアタック!」
「させん!罠カード「レッドアイズ・スピリッツ」を、墓地の「レッドアイズ」モンスター1体を対象に発動!対象のモンスターを蘇生する……現れろ!「
熱くオレンジに瞬く溶岩、そこから漆黒の影が飛翔し…僕の目の前で停止する。かつて伝説の超レアカードと呼ばれたドラゴン、「
「
レベル7 ATK2400
「チッ…エンドフェイズに「ミカエル」の効果により、デッキの上から3枚カードを墓地へ送る。私はこれでターンエンド!」
サウザンド・フェイス LP4000 手札 3枚
レベル7 ATK2400
VS
ローライド・レイト LP3500 手札 2枚
ライトロード・アーク ミカエル
レベル7 ATK2600
魔導雑貨商人
レベル1 ATK200
魂吸収
「若干キツいなぁ……それに結構熱い」
それに相手の墓地はとても肥えている。このまま持久戦に持ち込まれれば、厳しい戦いになるかもしれん……けど、だ
「でも面白えなあ、オイ」
仮面の裏は不思議と笑顔が浮かんでいた
最近手帳の更新諸々が終わって少し余裕が出てきたので、投稿しました。アイデアはあるんだけどうまく表現できないしモチベも浮き沈みして大変だぜ☆ …書きたい作品はたくさんあるのに浮気はダメだって思ってしまうんですよねー。時が経つたびに別作品のアイデアは浮かんじゃう!これが二律背反で惑う感情!
というわけで、かつて便乗オシリスでボコったローライドさんがシンクロを身につけて再登場!実は今の風斗、「シラユキ」の効果を知らないんですよねー……このままデュエル続いたらヤバいことなりそう。主に顔芸とか
それでは次回予告!
シンクロを習得したローライドに対してエクシーズで対抗する白星。しかし、彼の力はこんなものではなかった。溶岩が湧く渓谷のデュエル、果たして風斗に勝機はあるのか!?
「これが、もう1つの私の力だ!」
「リアルファイトがやりたいなら、望むところだ!」
「「
面倒くさがりな直感系決闘者がゆくARC−V物語
第30話 「勇気の剣、踏み出す鎧」
お楽しみは、これまでだ!