面倒くさがりな直感系決闘者がゆくARC-V物語   作:ジャギィ

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赤馬戦を書こうと思った時に、よく考えれば砕羽いるから権現坂に任せて引き分け…なんて幾ら何でもガバすぎるよなぁ→砕羽VS刀堂を書いても勝たせるべきか引き分けにすべきか迷う→長々と迷いながら決めて、次はどう終わらせるか迷う→現在に至るわけです

読者の皆さんゴメンなさい。もうVRAINS始まっちゃってますけど、これからもこの小説は続きますので安心してください

それでは、3回戦な第35話ドーゾ


信念と執念

今、遊勝塾は未曾有の危機に瀕していた

 

3つの召喚法を広げた大元にして舞網市最大規模の塾「LDS」。彼ら彼女らがペンデュラム召喚を狙って遊勝塾を吸収合併という形で乗っ取りを仕掛けてきたのである

 

きっかけは遊矢が昨日出会ったユート、そして彼とのデュエルで怪我を負った沢渡。沢渡の怪我、ユートが榊遊矢とそっくりであるという事実を利用して、遊勝塾に責任という形でペンデュラム召喚を合法的に手に入れようとLDS理事長、赤馬日美香は各コース首席の3人を連れて遊勝塾に訪れてきた

 

遊矢は無関係…とまではいかなくても冤罪であることは確かなので、当然それを事件目撃者でもある遊矢や柚子は追求した。しかし、すでに沢渡取り巻きの3人は買収されていた。証人の数、そして加害者という扱いの立場上、もはや遊矢が犯人ということを止めることはできなかった

 

それに遊矢と柚子は知っている。昨日の襲撃の犯人として取り扱われるであろうユートが風斗、瑠璃の友達であることを。遊勝塾の仲間である風斗と瑠璃を悲しませたくない。ゆえにユートの存在を2人は隠すことに決めた

 

そんな事情を知ってか知らずか、赤馬日美香は条件を持ちかけてきた。互いに代表者を3人選びデュエル、先に2勝した方が勝ちとする条件。遊矢たちが負ければ遊勝塾は合併、LDS側が負ければもう2度と遊勝塾に手を出さない

 

その契約のもと、デュエルが開始された

 

1回戦目は俺とエクシーズコース首席、志島北斗とのデュエルだった。毎ターン現れる、カードを手札に戻してくる「セイクリッド・プレアデス」というエクシーズモンスターがとても強力で、最初の1、2ターンが防戦一方な状態を強いられていた

 

けど、何度も風斗や竜太郎とデュエルしていたおかげでエクシーズモンスターの特徴である()()()()()()()()こと、そして効果の使用には回数があるという弱点が分かっていた俺は、「プレアデス」がORU(オーバーレイユニット)を使い切った隙を突き、「マジカル・スター・イリュージョン」でレベルを持つ俺のモンスターだけを強化し、なんとか逆転勝利をすることができた

 

2回戦目は柚子と融合使いである光津真澄とのデュエル。竜太郎はLDS首席の3人とは名前で呼び合うくらいの仲だったみたいで、同じ融合使いだということもあってか、あの光津って人とはライバルみたいなやつだと竜太郎が言っていた。だから最初は竜太郎が出る予定だったのだが、柚子が遊勝塾の守りたいと名乗り出てきて、その気持ちをくみ取った竜太郎の計らいで柚子がデュエルすることになった

 

竜太郎と渡り合うだけあって、光津のデッキは凄まじかった。「ジェムナイト・フュージョン」という融合カードを墓地から回収して使い回すことで連続融合を行い、「ジェムナイト」融合モンスターによって柚子の「幻奏」モンスターを苦しめた

 

罠カードでの墓地融合で追い詰められた柚子はアクションマジックでなんとかそのターンは凌いで攻勢に入ったものの、堅実に守りも固める融合モンスターに加えて向こうもアクションマジックを使って、最後の逆転の芽も潰された。次のターンで柚子は、残っていた「ジェムナイトマスター・ダイヤ」の一撃で敗北してしまった

 

俺は負けたショックで落ち込んでる柚子を優しく抱きしめて慰めた……のだが、光津は何を思ったのかそんな俺と柚子の様子を見て「見せつけてくれるわね」なんてことを言った。それを聞いた柚子は顔をトマトみたいに真っ赤にすると、俺を突き飛ばして瑠璃の方へ走っていった。一体何だったのだろうか

 

 

 

 

 

「それでは、3回戦…最後のデュエルを始めましょうか」

 

赤馬日美香が余裕を崩さない表情でそういうと、その後ろから竹刀を肩に乗せて刀堂刃が楽しそうに破顔させる

 

「言っとくが、俺はさっきの2人みたいにお行儀のいいデュエルはしねえぜ。どんな奴だろうと、問答無用でねじ伏せるだけだ」

 

それだけを言うと、刀堂はデュエルコートに足を踏み入れた。志島は光津の毒舌でノックアウトしている

 

そして遊矢たちの中からデュエルコートに現れた3人目の選出者を見て、楽しそうな顔が、獰猛な獣のような顔と目に変わる

 

「悪いが、ここは俺の大事な居場所なんだ。絶対に負けるつもりはないぞ、刃」

「へ!竜太郎、てめえが相手なら手加減なんかする必要はなさそうだな!他の奴らよりもずっと戦いがいがあるってもんだ!」

 

2人はデュエルプレートを展開して、殺風景な部屋が映像投影(ソリッドビジョン)で塗り替えられていくのを待つ

 

「フィールド魔法「剣の墓場」、オン!」

 

修造のその言葉とともに、デュエルコートの様相が変化する。荒野の荒々しい大地が広がり、雲が空を覆い、戦士たちの墓標がごとき数多の剣が地に突き刺さる

 

「戦いの殿堂に集いし決闘者(デュエリスト)たちが!」

「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い!」

「「フィールド内を駆け巡る!」」

 

修造が演出の炎を、日美香が薔薇を手にそれぞれアクションデュエルの口上を述べていく。いがみ合ってたはずなのにこの2人、ノリノリである

 

「「見よ!これぞデュエルの最強進化系!」」

「「アクショ〜ン!」」

 

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

砕羽 竜太郎 LP4000 手札 5枚

VS

刀堂 刃 LP4000 手札 5枚

 

 

「俺の先行!…ワリィがよ、お前相手に気を抜いたら負けちまう……だからここは、俺の中の最大の禁じ手を使わせてもらうぜ!!」

「最大の禁じ手だと!」

「まさか、あれをやる気!?」

 

刀堂の言う“禁じ手”。それに心当たりのある砕羽、そして味方である光津さえも、もう揃ったのかとその強運に慄く。北斗は体育座りで不貞腐れていた

 

吹き荒れる大地の上で刀堂は手札からカードを引き抜く

 

「俺は「XX(ダブルエックス)-セイバー ボガーナイト」を召喚!」

 

荒々しい肉体とは裏腹に繊細なレイピアを手に持って、鎧を着た「ボガーナイト」がフィールドに現れた

 

XX(ダブルエックス)-セイバー ボガーナイト

レベル4 ATK1900

 

「「ボガーナイト」が召喚に成功した時、効果発動!手札のチューナーモンスター「X(エックス)-セイバー パウシル」を特殊召喚する!」

「マズい!」

 

危機を感じて砕羽は周囲のアクションカードに目をやる。だがそれが無駄な行動だというのは、このアクションフィールドを得意とする刀堂も、その得意のフィールドを相手に何度もデュエルをしたことのある砕羽も分かりきっていることだった

 

剣を振るい「ボガーナイト」は雄叫びをあげる。すると青い鎧の戦士が姿を現す。その戦士の身体は義眼の右目、欠けた身体の一部が義手と義足で補わられており、しかしそれでもその場から引かない様子で大きな白い刀身の剣で己を支えていた

 

X(エックス)-セイバー パウシル チューナー

レベル2 DEF 0

 

チューナーの登場に、遊勝塾サイドがどよめく。そして代弁するように遊矢は声を上げる

 

「チューナーってことは、やっぱりシンクロ召喚!」

「大正解!だが今からやるのは、世にも恐ろしいコンボだぜ!手札の「フォルトロール」を墓地に送って「ワン・フォー・ワン」を発動!デッキからレベル1の「XX(ダブルエックス)-セイバー レイジグラ」を守備表示で特殊召喚!」

 

2体目の「XX(ダブルエックス)-セイバー」は、小柄な人型のカメレオン。両手に逆手で先端が十字架のような小ぶりの刃物を持っていた

 

XX(ダブルエックス)-セイバー レイジグラ

レベル1 DEF1000

 

「「レイジグラ」が召喚・特殊召喚に成功した時、俺は墓地から「X(エックス)-セイバー」モンスターである「XX(ダブルエックス)-セイバー フォルトロール」を手札に加える!そして今手札に加えた「フォルトロール」は、俺の場に「X(エックス)-セイバー」モンスターが2体以上いる時、手札から特殊召喚することができる!」

 

XX(ダブルエックス)-セイバー フォルトロール

レベル6 ATK2400

 

「えー、また特殊召喚〜?」

「1人でやってるよ〜」

 

1人で何体もモンスターを特殊召喚させるデュエルに、アユとフトシはつまらなさそうに言った。聞こえていた刀堂は文句の1つでも返してやろうかと思ったが、あまり否定できないのもあってグッと叫びたい気持ちを飲み込んだ

 

「俺はレベル6の「フォルトロール」とレベル1の「レイジグラ」に、レベル2の「パウシル」をチューニング!!」

 

バイザーに赤い線を走らせながら、爬虫類特有の目をギョロギョロ動かしながら、「フォルトロール」と「レイジグラ」が跳び上がる。「パウシル」の肉体が光るリングに変化し、2体のモンスターを空中で囲う

 

「白銀の鎧輝かせ、歯向かう者の希望を砕け!!」

 

(レベル)となったモンスターが白い光柱に包まれ…その光が鋭い一閃で内側から斬り拓かれる

 

現れたのは、白銀の鎧を着込んだ「X(エックス)-セイバー」たちの総司令官。二又の大剣の刀身と柄の間に埋め込まれた翠の玉石に「X」の文字が浮かび上がり、その剣を肩に乗せて屈強な戦士が戦場の大地を踏み鳴らす

 

「シンクロ召喚!出でよ!レベル9!「XX(ダブルエックス)-セイバー ガトムズ」!!」

 

XX(ダブルエックス)-セイバー ガトムズ

レベル9 ATK3100

 

刀堂の切り札である「ガトムズ」の登場に砕羽は表情を歪める

 

「「ガトムズ」…!そして「X(エックス)-セイバー」は2体以上いる……」

「「ガトムズ」と「ボガーナイト」が俺のフィールドにいることにより、俺は手札の「フォルトロール」をもう1体特殊召喚!」

 

総司令と尖兵の間に挟まるように、サイボーグの戦士が現れる

 

XX(ダブルエックス)-セイバー フォルトロール

レベル6 ATK2400

 

(揃ってしまった!こうなったら次の俺のターンの手札は……なら!)

 

考えるが早く砕羽は刀堂の方へと一気に走り出し、すぐ手前のアクションカードを手に取る

 

「今更アクションカードなんか拾ったって無駄だぜ!「フォルトロール」のモンスター効果で墓地の「レイジグラ」を特殊召喚!そして効果発動!墓地の「フォルトロール」を手札に加えて、「フォルトロール」自身の効果で特殊召喚!」

 

XX(ダブルエックス)-セイバー レイジグラ

レベル1 DEF1000

XX(ダブルエックス)-セイバー フォルトロール

レベル6 ATK2400

 

「そして「ガトムズ」の効果発動!俺の「X(エックス)-セイバー」1体をリリースする度に、相手の手札を1枚ランダムに墓地に送る!効果を使った「フォルトロール」に「ボガーナイト」、「レイジグラ」をリリースして…やれ!「ガトムズ」!!」

 

「フォルトロール」「ボガーナイト」「レイジグラ」の3体が光の粒に変換され、「ガトムズ」が掲げた大剣に吸収される。そして輝きを得た大剣を大振りに振るうと衝撃波が放たれ、通過した砕羽の手札3枚を吹き飛ばした。そのうちにあった「加速」は量子化される

 

「クッ…」

「へ、拾ってたアクションカードは「加速」か」

(つーことは、「エクストリーム・ソード」は俺とあいつの周りに約1枚ずつ、「回避」や「奇跡」は向こっかわに多く撒かれてるってところか)

 

落ちたアクションカードを見て冷静に分析をする。1番得意なアクションフィールドである「剣の墓場」のアクションカードの位置パターンを、刀堂はほとんど把握している。ゆえに刀堂はどのように立ち回ってアクションカードを取るべきなのか、相手を見ながら考えていく

 

そんな刀堂の姿を見ながらも、砕羽は再びアクションカードを拾いにいく

 

「「フォルトロール」のモンスター効果!俺の墓地の「X(エックス)-セイバー」である「レイジグラ」を墓地から特殊召喚!さらに「レイジグラ」の効果で墓地の「フォルトロール」を回収して、再び効果で特殊召喚!」

 

XX(ダブルエックス)-セイバー レイジグラ

レベル1 DEF1000

XX(ダブルエックス)-セイバー フォルトロール

レベル6 ATK2400

 

「……あれ?」

「どうしたの、アユちゃん?」

 

小さくこぼしたアユの言葉を耳にした瑠璃が質問をする

 

「ねえ遊矢お兄ちゃん、さっきも同じモンスターを召喚してなかった?」

「え?同じモンスターって、それは向こうが同じモンスターを墓地から手札に加えてーーハッ」

「…へぇ……」

 

遊矢は気づく。素良もアメを舐めながら感嘆の声を出す

 

遊矢は分かったのだ。先ほど「ガトムズ」の効果でモンスターをリリースしたにも関わらず、先ほどと同じように(厳密には「ボガーナイト」が抜けてるが)「ガトムズ」と2体の「フォルトロール」、そして「レイジグラ」が揃っていることを

 

そして再び「ガトムズ」の効果で効果を使用した「フォルトロール」と「レイジグラ」をリリースして砕羽の手札を破壊し、残った「フォルトロール」で「レイジグラ」を蘇生、「レイジグラ」の効果でリリースした「フォルトロール」を回収して特殊召喚すれば……同じ布陣が残る

 

「しまった!これは“無限ループ”だ!!」

「え、“無限ループ”…?」

「……あっ!」

 

刀堂のコンボに気づいた遊矢の様子に、柚子は首を傾げる。そして遅れて瑠璃もその言葉を意味を理解する

 

「2体の「フォルトロール」と「レイジグラ」を使い回して「ガトムズ」でリリースすることで、無限ループが出来ているんだ!そして「ガトムズ」の効果で無限に増えるモンスターをリリースし続ければ竜太郎の手札が」

「…あっ!0になるまで手札を捨て続けさせられるわ!」

 

遊矢たちの目の前でまた「ガトムズ」の効果で2体のモンスターを使い砕羽の手札をアクションカードごと減らし、「フォルトロール」の効果で「レイジグラ」と「フォルトロール」を揃える

 

「先行1ターン目で、全ての手札を捨てさせるコンボだと…なんたる奸計!」

「しびれるくらいズルいぜ〜!」

 

その非難を聞いた日美香が、心外そうに言う

 

「ズルい?ルールを守って行動する彼の、一体どこに不正があると言うのかしら?」

「むぅ〜、そういうことじゃなくて〜」

「…でも、確かにその通りかな……」

「遊矢お兄ちゃんに負けた人と比べたらずっといいけどさ〜」

 

その大人気ない反論に同意するタツヤと子供ながらの文句を返すアユとフトシ。ちなみにフトシが言った“負けた人”というワードで隅っこで落ち込んでいた志島はさらに沈み込んでいた

 

「「フォルトロール」の効果で「レイジグラ」を特殊召喚して「フォルトロール」を回収し特殊召喚!そして「フォルトロール」の効果で墓地から「XX(ダブルエックス)-セイバー パウシル」を特殊召喚!」

 

XX(ダブルエックス)−セイバー レイジグラ

レベル1 DEF1000

XX(ダブルエックス)−セイバー フォルトロール

レベル6 ATK2400

XX(ダブルエックス)-セイバー パウシル チューナー

レベル2 DEF 0

 

「チューナー…」

「このコンボの後のパターンくらい、てめえも分かってんだろ?俺はレベル6の「XX(ダブルエックス)-セイバー フォルトロール」とレベル1の「XX(ダブルエックス)-セイバー レイジグラ」に、レベル2の「XX(ダブルエックス)-セイバー パウシル」をチューニング!」

 

「フォルトロール」と「レイジグラ」が「パウシル」によってできた光の輪を通過し、再び光に包まれる

 

「最強の「XX(ダブルエックス)-セイバー」揃い踏み!とくと見やがれ!!シンクロ召喚!出でよ!レベル9!「XX(ダブルエックス)-セイバー ガトムズ」!!」

 

2体目の白銀の鎧の司令官が刀堂の前に降り立つ。それぞれ主人を守るように大剣を構えた

 

XX(ダブルエックス)-セイバー ガトムズ

レベル9 ATK3100

 

2度召喚された「ガトムズ」を見て、遊矢が驚嘆の感情で言う

 

「2体目の「ガトムズ」!?」

「攻撃力3000を超えたモンスターが、1ターンで2体も!」

「しかも「ガトムズ」の効果で竜太郎の手札は0枚。モンスターカードを引かなければ、「奇跡」を使うことさえままならん」

 

いきなり敗北濃厚な状況に戸惑う遊矢たち。そんな遊矢たちを見ても砕羽は周りから見れば不思議なほどに落ち着いていた

 

「俺はこれでターンエンドするぜ」

 

そしてみんなが砕羽を見守る中、とうとう全ての手札が墓地に送られてしまい、さらに2体目の「ガトムズ」をシンクロ召喚した刀堂がターンエンドの宣言をする。長い1ターン目が、ようやく終了を迎えた

 

 

砕羽 竜太郎 LP4000 手札 0枚

VS

刀堂 刃 LP4000 手札 0枚

 

XX(ダブルエックス)-セイバー ガトムズ

レベル9 ATK3100

XX(ダブルエックス)-セイバー フォルトロール

レベル6 ATK2400

XX(ダブルエックス)-セイバー ガトムズ

レベル9 ATK3100

 

 

「ガトムズループによる先行ハンデスが決まったか。いくら竜太郎でも、こりゃもう勝ち目はないね」

 

いつの間にか復活していた志島が、刀堂と砕羽のフィールドを見比べながら小物臭そうに喋った

 

「あら北斗、アンタいたの?」

「最初からいたよ!?1回戦目は僕が出たじゃないか!」

「そう言えばそうね。あまりに見事な逆転負けだったから、しっかり忘れてたわ」

「しっかり!?そこはうっかりかすっかりじゃないのか!?……前から思ってたけど、僕の扱い、以前にも増して酷くなってない…?」

「あら、自覚あったのね、驚いたわ」

「それはこっちのセリフなんだけど!?」

 

 

「何やってんだよあいつら…」

 

志島と光津の漫才なやりとりに呆れた様子でため息を吐いた。そして対戦相手…砕羽竜太郎を様子を観察する

 

(俺の先行ハンデスは決まればほぼ勝てるが、それは一部のデッキ以外でだ。「ガトムズ」で墓地に送ったカードにモンスターカードが多くあれば、北斗なら「セイクリッド・ソンブレス」、真澄なら「廃石融合(ダブレット・フュージョン)」か「ブリリアント・フュージョン」、竜太郎だったら「オーバーロード・フュージョン」で俺の布陣を崩してくることができる。先行でこのコンボを使えば俺の手札も0になるから、ここでもし返してくることができれば逆に負けるのは俺だろうな……けどあいつ、なんで捨てられるって分かっててアクションカードを拾いまくったんだ?)

 

分かりやすいコンボ(ガトムズハンデス無限ループ)、ゆえに破られた時のことも考えている刀堂だが、前のターンで「ガトムズ」に捨てられながらもカードを拾い続けるという砕羽の奇行に疑問を浮かべる

 

「俺のターン、ドロー!」

 

デッキから唯一の手札となるカードを引いて、砕羽のターンが始まる。たった1枚の手札を短く眺めると砕羽は動き始めた

 

「相手フィールドにモンスターが存在し俺のフィールドにモンスターが存在しない時、俺の墓地の「サイバー・ドラゴン・コア」の効果を発動することができる!「コア」をゲームから除外することで、デッキの「サイバー・ドラゴン」を特殊召喚する!」

「墓地に落とした手札に「コア」があったのか!」

「来い!「サイバー・ドラゴン」!!」

 

墓地から現れた、小さく細長い「サイバー・ドラゴン」の「コア」が霧散して除外していく。するとデッキからその核を元に組み上げられた機械竜が、機械音のような甲高い咆哮とともに出現した

 

サイバー・ドラゴン

レベル5 ATK2100

 

「そして俺の墓地にはもう1枚「サイバー・ドラゴン」が存在する。俺は「サイバー・リペア・プラント」を発動!その効果でデッキから「サイバー・ドラゴン・ドライ」を手札に加えて召喚!」

 

サイバー・ドラゴン・ドライ

レベル4 ATK1800

 

身体を横断する黒の線を黄緑に灯しながら、「サイバー・ドラゴン」の隣に一回り小さい小型の「ドライ」が現れる

 

「「ドライ」の召喚時効果で、「ドライ」自身のレベルを5に変更させる!」

 

サイバー・ドラゴン・ドライ

レベル5 ATK1800

 

「マジかよ!?」

「俺はレベル5となった「サイバー・ドラゴン・ドライ」と「サイバー・ドラゴン」でオーバーレイ!!」

 

古戦場の大地に宇宙の渦が広がる。自らの機体を眩い球体へと変え、2体のモンスターが1つの渦中に飛び込む

 

「可能性の機械竜よ!その首1つに重ね合わせ、進化の道を突き進め!」

 

2つのORU(オーバーレイユニット)を周囲で漂わせながら、翼を唸らせ「サイバー・ドラゴン・ノヴァ」が飛翔した

 

「エクシーズ召喚!ランク5!「サイバー・ドラゴン・ノヴァ」!!」

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァ

ランク5 ATK2100

ORU(オーバーレイユニット) 2

 

「クソ!出てきたのそっちかよ!」

ORU(オーバーレイユニット)を1つ使って「ノヴァ」の効果を発動!墓地のもう1体の「サイバー・ドラゴン」を復活させる!」

 

砕羽の眼前の乾いた大地を砕いて、「サイバー・ドラゴン」が復活する

 

サイバー・ドラゴン

レベル5 ATK2100

 

砕かれた映像投影(ソリッドビジョン)の演出が修復される中、刀堂は訪れた危機に汗を垂らす

 

「そして「ノヴァ」の2つ目の効果!1ターンに1度、俺の手札、またはフィールドの「サイバー・ドラゴン」1体を除外することで発動!このターンのエンドフェイズまで、「サイバー・ドラゴン・ノヴァ」の攻撃力を2100ポイントアップさせる!」

 

紫電を迸らせる「サイバー・ドラゴン・ノヴァ」。まばらに散りながら隣の「サイバー・ドラゴン」からエネルギーを空になるまで吸収し続け……やがて全て吸収し終えると、機械竜は動きを停止させた

 

本来の倍の力を得た「ノヴァ」が発する電磁波を間近で当てられた「サイバー・ドラゴン」は、歪で不快な金属音とともにバラバラに崩壊した

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァ

ランク5 ATK4200

ORU(オーバーレイユニット) 1

 

「バトル!「サイバー・ドラゴン・ノヴァ」で「XX(ダブルエックス)-セイバー ガトムズ」を攻撃!「エヴォリューション・パワーノヴァ・バースト」!!」

 

攻撃宣言に従い、「ノヴァ」が攻撃態勢に入る

 

「やらせるか、よォ!」

 

ブォン!

 

刀堂が背負った竹刀を力強く空中で薙ぎ払う。すると剣圧で吹いた風が周囲に散らばるアクションカードの1枚を飛ばし、近くに飛んできたそれを刀堂は手に取った

 

「おあつらえ向きのカードが来やがったぜ!アクションマジック「奇跡」を発動!「ガトムズ」はこのターン戦闘では破壊されなくなり、ダメージも半分になる!」

「いいや、ならない!」

 

否定が鼓膜を震わす。見れば刀堂の目の前では、すでに先ほどいた場所とは2メートルは離れたところでアクションカードを拾っている砕羽がいた

 

「アクションマジック「ノーアクション」を発動!お前の「奇跡」を無効にする!」

「何!?」

 

白銀の鎧の戦士に降りかかったであろう加護。それは発動された新たなアクションカードによって無慈悲に砕かれ、それにより「ガトムズ」を守るものは完全に消えた

 

胸部の赤いコアに青白いスパークが走る。光を増しながらコアの点滅がピークに達して、普段使わない翼の丸い開閉口が開く。開かれた口の奥からは「ノヴァ」本来の赤いエネルギー、翼の開閉口からは取り込んだ「サイバー・ドラゴン」の青いエネルギー。それぞれ充分な溜めの後に…赤と青が同時に「ガトムズ」に向かって放出された

 

その背丈の半分は超える大剣を前面に構えて「ガトムズ」は防御を行うが、その行為は無駄に終わった。プレイヤーの手札を奪う大剣も、希望を砕く白銀の鎧も赤と青の奔流に溶かされ、司令官は荒野の最果てで爆散した

 

刀堂 刃 LP2900 手札 0枚

 

「グッ…!やってくれるじゃねえか!」

「だが、これで終わりじゃないのはお前も分かってるはずだ!メイン2、俺は「サイバー・ドラゴン・ノヴァ」でオーバーレイ!!」

 

熱線を吐き出した機械竜は口から機械音を震わせる。さながら、己の進化を周囲に知らしめるための、歓喜の叫び

 

「可能性の機械竜よ!力をさらに積み重ね、進化の最果てに行き立て!エクシーズ召喚!現れろランク6!「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」!!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

ランク6 ATK2500

ORU(オーバーレイユニット) 2

 

スパークを至る所から弾かせながら、さらに鋭利なエッジがついた翼を広げ、擦り合わせ、金属音と同時に猛禽のような甲高い咆哮をあげる

 

「「インフィニティ」のモンスター効果!1ターンに1度、特殊召喚された攻撃表示モンスター1体を吸収し、このカードのORU(オーバーレイユニット)にする!「コア・ドレイン」!!」

 

「インフィニティ」の胸に位置する球体が赤く灯ると「ガトムズ」に一直線でレーザーを投射する。それを食らった「ガトムズ」は呻きながら苦しみ始めるが、やがて力尽きるとオレンジ色に光るORU(オーバーレイユニット)となり、「インフィニティ」のORU(オーバーレイユニット)として加わった

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

ランク6 ATK2700

ORU(オーバーレイユニット) 3

 

「俺はこれでターンエンド」

 

 

砕羽 竜太郎 LP4000 手札 0枚

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

ランク6 ATK2700

ORU(オーバーレイユニット) 3

VS

刀堂 刃 LP2900 手札 0枚

 

XX(ダブルエックス)-セイバー フォルトロール

レベル6 ATK2400

 

 

「やった!逆転した!」

「し・び・れ・るぅ〜〜〜!」

 

タツヤとフトシが華麗な逆転劇に喜ぶ。互いに手札は0であるがライフが優位に立っている以上、遊勝塾側が勝つ可能性が大きくなった

 

それとは対照的に、日美香は内心冷や汗を流す。日美香は遊勝塾には息子である零児と渡り合ったと噂される白星風斗の存在を知っていた。しかし、難航しているペンデュラムカードの開発にはオリジナルのペンデュラムカードが必要であり、ペンデュラム召喚によって再び注目を浴びてる遊勝塾からすれば、他の塾にペンデュラムカードが渡るのは何としても阻止したいはずだ。そこに所属している白星風斗が、なんのアクションも起こしてこないはずがない

 

だからこそ、零児との会談による短い不在の時を狙って、遊勝塾を陥落しなければならない。約束を取り付けてしまえばいかに白星風斗といえど、例えサウザンド・フェイスというネームバリューを駆使しようと後の祭り、ペンデュラム召喚をLDSは手に入れることができるのだ

 

当然遊勝塾の決闘者(デュエリスト)の情報も把握済みである。風斗がLDSの講師をすることでLDS生の質が総合的に上がったことから、遊勝塾メンバーの実力も高まっている可能性も十分あった

 

しかし蓋を開けてみれば、遊矢の非公式の勝率はさほどと言えるほどの変化がない。柚子も同じだった。つまり、デュエルの腕前が大きく上がってないということに他ならなかった。唯一の観念事項としては、LDSトップクラスの実力者である各コース主席たちと渡り合う砕羽とのデュエルであったが、実力が拮抗しているということは勝率も5分5分。これならば遊勝塾合併も十分可能だ……そう、思っていた

 

(甘く見ていた……遊勝塾の実力を!)

 

確実に勝てるであろうと踏んでいた榊遊矢との戦いは、志島の油断、そしてエクシーズモンスターの性質を逆利用してきて、見事に逆転負けされた。柊柚子のデュエルは勝利したものの、光津は完勝というにはあまりに手こずり過ぎていた。そして今、本気を出している刀堂と真正面からせめぎ合っている砕羽の存在

 

実際のところ、日美香の考えは大きく間違っていた。遊矢や柚子たちは決して実力が上がってないわけではない。勝率が大きく変化していないのは、プロ決闘者(デュエリスト)である風斗が適度に勝ち、適度に負けを繰り返していたゆえ

 

「俺のターン!ドロー!」

 

苦々しい表情を浮かべながらも、刀堂は力を込めドローする。そして引いたカードを見て、口角を上げる

 

「へへへ……俺も随分ツキが回って来たようだぜ。俺は「XX(ダブルエックス)-セイバー フォルトロール」で「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」を攻撃!」

「な!?攻撃力は「フォルトロール」の方が低いのに!」

 

遊矢の疑問は、刀堂が手に取ったアクションカードが答えだった

 

「アクションマジック「エクストリーム・ソード」!!「フォルトロール」の攻撃力をこいつで1000上げるぜー!」

 

砕羽はアクションカードを拾おうと動くが、先ほど周囲のカードを拾いすぎたおかげでアクションカードが見当たらない。決断は早かった

 

「ッ…!ッ「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」のモンスター効果!ORU(オーバレイユニット)を1つ使い、「エクストリーム・ソード」を無効にする!「ドレイン・ストリーム」!!」

 

ORU(オーバーレイユニット)となった「サイバー・ドラゴン・ドライ」を喰らって、その力を基にしたビームを吐く。照射されたビームは発動された「エクストリーム・ソード」に直撃し、音を反響させながら破壊される

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

ランク6 ATK2500

ORU(オーバーレイユニット) 2

 

ORU(オーバーレイユニット)を使ったことで「インフィニティ」の攻撃力が小さく下がる

 

「これで「フォルトロール」の攻撃力は2400のままだ!今の「インフィニティ」でもギリギリ倒せる!迎撃しろ!「エヴォリューション・インフィニティ・バースト」!!」

 

「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」は周囲に漂う力の源により火力を僅かに増していた。ゆえに迫り来るサイボーグ戦士の大剣の重みを、ギリギリで上回ることができた

 

高く飛びかかり、剣の重みに任せて機械竜に振り下ろす。しかし「インフィニティ」はコアのエネルギーを喉から通して口内に持ってくると、降り掛かる「フォルトロール」めがけて至近距離のビームを発射した。ほんの数秒の拮抗も虚しく、サイボーグの男は四肢を爆散させ消えた

 

刀堂 刃 LP2800 手札 1枚

 

だが、アクションマジックを無効にして迎撃されていても刀堂は笑っている。なぜなら、攻撃することそのものが罠なのだから

 

「へへ…そうだよな、お前はそうするしかないからな。これでもう「インフィニティ」の効果はこのターン使えねえぜ。俺は「命削りの宝札」を発動!」

「「命削りの宝札」…!そうか、だからわざわざ回りくどい方法で俺に効果無効を使わせたわけか!」

 

「命削りの宝札」には大きなデメリットがある。使用ターン、自身はモンスターを特殊召喚できず、相手へのダメージを0にするという誓約があり、このどちらかが満たされなくなった時点で「命削りの宝札」は発動できなくなる。仮に「フォルトロール」の効果を使って「インフィニティ」の効果を誘ったとしたら、無効にされようがされまいが「命削りの宝札」はこのターン使えなくなる

 

だから刀堂は砕羽がアクションカードを無効にしてくると踏んで、「フォルトロール」で攻撃を敢行したのだった。無限ハンデスの時にアクションカードを拾いすぎたせいで砕羽の周りのアクションカードは尽きていた。「インフィニティ」を使ってくるのは確実だった

 

「このカードを発動したターン、俺はモンスターを特殊召喚できねーしお前にダメージを与えることもできねえ…しかしその代わり、俺は手札が3枚になるようにデッキからカードをドローできる!」

 

刀堂の手札は0。そこから3枚になるようにドローするということは、一気に3枚のカードを引くということ。3枚のカードを一気にドローする

 

「へ!俺は3枚のカードを場に伏せて、ターンエンド!」

 

 

砕羽 竜太郎 LP4000 手札 0枚

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

ランク6 ATK2500

ORU(オーバーレイユニット) 2

VS

刀堂 刃 LP2800 手札 0枚

 

伏せカード 3枚

 

 

「3枚全部が魔法・罠カードだったか…俺のターン!」

 

伏せられた3枚のカードを見て、ドローしながらそれの中身を予想する

 

(あいつのデッキにある魔法・罠は展開と攻撃を主軸においたカードが多い。数少ない防御札の「セイバー・リフレクト」すらダメージ反射という側面を持つ…そしてあの笑み。少なくとも1枚は「ガトムズの緊急指令」あたりがあったと考えた方がいいな)

「俺は「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」で刃にダイレクトアタック!」

 

防がれるだろうと分かっていても、砕羽は攻撃を行う

 

「アクションマジック「回避」を発動!攻撃を無効にするぜ!」

「「インフィニティ」のこうーー」

 

そこまで言いかけて、砕羽は思い留まる。ここで「回避」を無効にしてしまえば、もうこのターンの間「インフィニティ」の効果は使えなくなり、その隙にモンスターを大量展開してくる可能性が大きかったからだ

 

「…!」

 

ならばと近場にあったアクションカードを手に取り、それをデュエルディスクに差し込む。発動したカードは、まさにおあつらえ向きのカードだった

 

「アクションマジック「ノーアクション」!刃!お前の「回避」を無効にする!」

「何!?…グアアアー!」

 

回避するはずの攻撃が直撃する。2500の攻撃を食らった刀堂のライフは、もはや瀕死の状態になっていた

 

刀堂 刃 LP300 手札 0枚

 

「くっ、してやられたぜ…だが、俺のライフはまだ残ってる。勝負はここからだ!」

「…俺はカードを1枚セット。これでターンエンドだ」

 

 

砕羽 竜太郎 LP4000 手札 0枚

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

ランク6 ATK2500

ORU(オーバーレイユニット) 2

 

伏せカード 1枚

VS

刀堂 刃 LP300 手札 0枚

 

伏せカード 3枚

 

 

「「ガトムズ」の効果を警戒して伏せたってところか?俺のターン、ドロー!…そんじゃあ、派手にいくぜ!リバースカードオープン、「死者蘇生」!対象は俺の墓地の「XX(ダブルエックス)−セイバー ガトムズ」!!」

「ッ!」

 

伏せられたカードの1枚が公開される。それを見て砕羽は瞬時に思考を回転させ、最適解を探る

 

(伏せられた1枚は「死者蘇生」!ここで使ってきたということは間違いなくブラフ、本命は残り2枚のうち1枚にある「ガトムズの緊急指令」のはず!ここで「死者蘇生」を無効にすれば、間違いなく一気にシンクロ召喚を決めてくる…だけどあいつは「ガトムズ」を蘇生させると言った。「ガトムズ」で「インフィニティ」を戦闘破壊されればそれこそ刃の思うツボ……!)

「クッ…「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」の効果発動!ORU(オーバーレイユニット)を1つ使い、「死者蘇生」を無効にする!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

ランク6 ATK2300

ORU(オーバーレイユニット) 1

 

刀堂の思惑通りに効果を使わざるを得なくなった砕羽。「インフィニティ」の攻撃力も低下し、その表情は苦々しい

 

「まずは「リビングデッドの呼び声」を発動するぜ!墓地から特殊召喚するのは「ガトムズ」だ!」

 

XX(ダブルエックス)−セイバー ガトムズ

レベル9 ATK3100

 

「俺のフィールドに「X(エックス)−セイバー」が存在する時、罠カード「ガトムズの緊急指令」は発動できる!このカードの効果は、俺かお前の墓地から「X(エックス)−セイバー」2体を選んで特殊召喚する効果!よって俺は自分の墓地から、「XX(ダブルエックス)−セイバー ガトムズ」と「フォルトロール」の2体を特殊召喚する!」

 

XX(ダブルエックス)−セイバー ガトムズ

レベル9 ATK3100

XX(ダブルエックス)−セイバー フォルトロール

レベル6 ATK2400

 

「「フォルトロール」のモンスター効果!墓地の「レイジグラ」を守備表示で特殊召喚!そして「レイジグラ」の特殊召喚時効果で2枚目の「フォルトロール」を墓地から手札に加え、俺のフィールドに2体以上の「XX(ダブルエックス)−セイバー」がいることにより、手札の「フォルトロール」を自身の効果で特殊召喚する!」

 

XX(ダブルエックス)−セイバー レイジグラ

レベル1 DEF1000

XX(ダブルエックス)−セイバー フォルトロール

レベル6 ATK2400

 

「「フォルトロール」のモンスター効果を発動し、墓地の「パウシル」を復活させる!甦れ「パウシル」!!」

 

「フォルトロール」が地面に剣を突き刺す。突き刺した場所から底の見えない穴が開き、そこから義肢の鈍い金属を輝かせる戦士が、体を剣で杖のように支えながらフィールドに舞い戻った

 

X(エックス)−セイバー パウシル チューナー

レベル2 DEF 0

 

「レベル6の「フォルトロール」、レベル1の「レイジグラ」に、レベル2の「パウシル」をチューニング!最強の戦士は、3度現る!シンクロ召喚!レベル9!「XX(ダブルエックス)−セイバー ガトムズ」!!」

 

3体目の「ガトムズ」がマントをたなびかせ、空から乾いた大地に着地した

 

XX(ダブルエックス)−セイバー ガトムズ

レベル9 ATK3100

 

一気にフィールドを埋め尽くした「XX(ダブルエックス)−セイバー」の展開力に、味方の志島や光津も驚きを隠せない

 

「驚いたわ。まさか、あれだけ不利な状況から一気に逆転してくるなんて」

「ま、刃の「X(エックス)−セイバー」なら、なんら不思議なことでもないけどね。……けど真澄、いいのかい?このままじゃ、竜太郎負けてしまうけど」

「な、何?いくらあいつが良くデュエルする仲だからって、敵の応援なんてするわけないでしょ」

 

一瞬動揺しながらも毅然とそう言い返す光津。もっとも、無駄に早口で話しているから、志島からすれば仲間の変化がまるわかりなわけだが

 

「いや、キミは彼のことを…ん?」

 

そこまで言いかけて、志島は何かに気づき呟く

 

「あぁ、そっか。遊勝塾がLDSに統合されてしまえば、竜太郎と一緒にいられる時間がグッと長ーー」

「フンッ!」

「ギャア!!」

 

呟きかけたが、つま先に踵を叩きつけられて中断されてしまった。志島は涙目で悶える

 

「な、なぜ…僕が何を…?」

「自業自得よ」

 

哀れ、志島北斗

 

「ーって、そろそろ動き出すわね」

 

X(エックス)−セイバー」たちが猛攻撃を仕掛けるべく構える

 

「バトルだ!「XX(ダブルエックス)−セイバー ガトムズ」で「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」を攻撃する!」

 

剣を薙ぎ払うことで生じた衝撃波が地を走る。それは機械竜のコアから翼にかけて両断するほどの傷痕を残し、エラー音を響かせながら様々な部位を爆散させ、消えた。爆風の余波は、背後にいた砕羽を軽く吹き飛ばす

 

砕羽 竜太郎 LP3200 手札 0枚

 

「く…アクションカードが…」

 

周囲を見渡すが、もうどこにもアクションカードが見当たらない。このままでは負けるかもしれない事実に砕羽は歯噛みする

 

「どうやら頼みの綱のアクションカードも尽きたみてえだな!「XX(ダブルエックス)−セイバー フォルトロール」でダイレクトアタックだ!」

「ぐわああああ!!」

 

「フォルトロール」が大剣を薙ぎ払うことで生まれた真空波が、直撃した砕羽を吹き飛ばした

 

砕羽 竜太郎 LP800 手札 0枚

 

「ああ!」

「このままじゃ…!」

「うぅ…ハッ!」

 

持ち前のタフネスで即座に立ち上がった砕羽は、すでに攻撃モーションに入っている「フォルトロール」を見た。そして、飛ばされた場所の目の前には偶然落ちていたアクションカード。砕羽はこれに賭けた

 

(この状況を打開できるのは、「大脱出」しかない!)

 

一抹の希望を抱いて、カードを拾い上げ…砕羽が見たアクションカードの名前欄には効果書かれていた

 

「奇跡」、と

 

「クッ!」

「トドメだ!「ガトムズ」で直接攻撃!!」

「竜太郎!」

 

遊矢の悲痛な叫びが木霊する。地震のような振動とともにショックウェーブが膝をつく砕羽に迫り……

 

「…仕方がない!墓地の「超電磁タートル」を除外して、効果発動!」

「なんだと!?」

 

発動されたカードに刀堂は驚く。砕羽の目の前に「超電磁タートル」と呼ばれる機械の亀が墓地から姿を現し、胸の赤いSと青いNの文字が光る。反発し合った磁力のエネルギーが攻撃を寄せ付けないフィールドを作り、「ガトムズ」の渾身の一撃を難なく弾いた

 

砕羽は膝立ちの状態から立ち上がると、膝についたホコリを手で払った

 

「なるほどな。アクションカードを大量に捨てさせた意味がようやく分かったぜ。最初から「超電磁タートル」が捨てられると分かってたから、アクションカードを全部使うことで自分だけ防御手段を確保しようとしていたってわけか。「コア」で「サイバー・ドラゴン」の召喚も確実だったから、守備表示で「奇跡」を使えば1ターン粘れるしな、俺のデッキの場合」

「ああ。戦闘除去が主軸のお前のデッキなら、「セイバー・リフレクト」のことも考えれば、いかに一撃でライフを削り切るかが重要だからな。もっとも、いきなり手札を全部捨てさせるとは思ってもいなかったが」

「そうかよ」

 

刀堂が息を吐く。互いに幾度もデュエルをしたことがある仲だからこその読み、戦術、高度なデュエルタクティクス。刀堂は自分が読み違えたのだと痛感していた

 

(こんなことなら「ガトムズ」で攻撃しとくべきだったぜ。そうなりゃあ…いや、たらればはやめとくか)

「俺は「フォルトロール」をリリースして、「ガトムズ」の効果を発動!最後のアクションカードを捨てさせてもらうぜ!」

 

抜け目なく、容赦無く、最後の希望をも捨てさせてくる「ガトムズ」。それを墓地に送り、覚悟を決める砕羽

 

「そしてカードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

砕羽 竜太郎 LP800 手札 0枚

 

伏せカード 1枚

VS

刀堂 刃 LP300 手札 0枚

 

XX(ダブルエックス)−セイバー ガトムズ

レベル9 ATK3100

XX(ダブルエックス)−セイバー ガトムズ

レベル9 ATK3100

XX(ダブルエックス)−セイバー ガトムズ

レベル9 ATK3100

 

リビングデッドの呼び声

 

伏せカード 1枚

 

 

「俺の、タァーーン!!」

 

力強く、カードを引き抜く。伸びた腕から微弱な風圧が吹く

 

「………来た!俺は「サイバー・ドラゴン・コア」を召喚!」

 

「サイバー・ドラゴン」の5/1サイズの大きさである小型の機械竜が姿を現した

 

サイバー・ドラゴン・コア

レベル1 ATK400

 

「「コア」が召喚に成功した時、デッキから「サイバー」または「サイバネティック」と名のついた魔法・罠カードを1枚、手札に加えることができる。俺は「サイバネティック・フュージョン・サポート」を手札に加える!」

「機械族専用の融合補助カードをここで!?」

「まさか、あのリバースカードは「融合」!」

 

志島は伏せられたカードに当たりをつけるが、実際は違う

 

「そして俺はリバースカードオープン!「パワー・ボンド」、発動!」

 

砕羽が発動したカードは…「サイバー」デッキ最大のパワーカードの1つにして、切り札

 

「パ、「パワー・ボンド」だと!?」

「「パワー・ボンド」は俺の手札・フィールドの融合素材を墓地に送り、エクストラデッキから機械族融合モンスターを融合召喚するカード。今の俺の手札、フィールドに融合素材となるモンスターはいない…だが、ここでさらに俺は「サイバネティック・フュージョン・サポート」を発動する!」

 

残った最後の手札をデュエルディスクにセットする。すると「サイバネティック・フュージョン・サポート」が現れて、そこから電撃が迸る

 

砕羽 竜太郎 LP400 手札 0枚

 

「ライフコストを半分支払い、機械族融合召喚に必要な融合素材を1度だけ、手札・フィールド・墓地のモンスターを除外することで融合召喚を可能とする!俺の墓地には「サイバー・ドラゴン・ドライ」、フィールドには「サイバー・ドラゴン・コア」がいる!墓地の「サイバー・ドラゴン・ドライ」とフィールドの「サイバー・ドラゴン・コア」は、「サイバー・ドラゴン」として扱うことができる!墓地の「サイバー・ドラゴン」、「ドライ」、そしてフィールドの「コア」をゲームから除外して、3体で融合!」

 

墓地から出現した機械竜3体のうち、「サイバー・ドラゴン・ドライ」と「サイバー・ドラゴン・コア」が「サイバー・ドラゴン」に変化し、3体の機械竜が渦の中で混じり合う

 

「可能性の機械竜よ!3つの首を混じり合わせ、真の可能性の姿を現せ!」

 

渦の中に、巨大な影が映り込む。霧散した渦の奥から見える大きな機械の体が光沢を放ち、長く太い尾が大地から跳ね上がる。そして、緑、赤、黄の眼光をそれぞれ光らせながら、鈍い銀色の翼を広げる

 

「融合召喚!来い、レベル10!「サイバー・エンド・ドラゴン」!!」

 

3つ首となった最強の「サイバー・ドラゴン」が、3つに重なる電子の産声で大気を震わせた

 

サイバー・エンド・ドラゴン

レベル10 ATK4000

 

「「パワー・ボンド」の効果により融合召喚に成功したモンスターは、自身の元々の攻撃力分、攻撃力をアップさせる!「サイバー・エンド」の攻撃力は4000…つまり!攻撃力は8000となる!」

 

サイバー・エンド・ドラゴン

レベル10 ATK8000

 

「8000の、攻撃力…!?」

 

もはや誰にも止められない圧倒的パワー。暴力的とさえ言える火力に、日美香は驚愕する

 

 

砕羽 竜太郎 LP400 手札 0枚

 

サイバー・エンド・ドラゴン

レベル10 ATK8000

VS

刀堂 刃 LP300 手札 0枚

 

XX(ダブルエックス)−セイバー ガトムズ

レベル9 ATK3100

XX(ダブルエックス)−セイバー ガトムズ

レベル9 ATK3100

XX(ダブルエックス)−セイバー ガトムズ

レベル9 ATK3100

 

リビングデッドの呼び声

 

伏せカード 1枚

 

 

「アクションカードは完全に尽きた!「セイバー・リフレクト」があろうとライフが0になれば使うこともできない!終わりだ!「サイバー・エンド・ドラゴン」で「XX(ダブルエックス)−セイバー ガトムズ」に攻撃!!」

 

「サイバー・エンド・ドラゴン」の3つの口から、強力なエネルギーが溢れる。解き放たれるエネルギーの奔流に紫電が駆け巡る

 

「「エターナル・エヴォリューション・バースト」ォ!!」

 

攻撃寸前の「サイバー・エンド・ドラゴン」、刀堂の迎撃カードでは耐え切れない攻撃、逆転のためのアクションカードもなく、遊勝塾サイドの誰もが、赤馬日美香すらも、砕羽竜太郎の勝利を確信してしまった

 

 

 

ただ1人、刀堂刃以外は

 

 

 

「リバースカード、「破壊輪」!!」

「ッ!!?」

 

発動されたカードに目を剥く砕羽。それは刀堂が前のターンの最後に伏せたカードであり、砕羽、光津、志島がよく知る刀堂刃ならばまずデッキに入れはしないはずのカード

 

モンスター1体を破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを互いに同時に与える輪が、「サイバー・エンド」の中央の首に嵌められる。輪には幾多もの手榴弾が連なっている

 

「生憎だが、ただで負けてやるのは俺の性に合わねえんだよ!」

 

端の2つの首が「破壊輪」を取り除くべく噛み付こうとするが、時すでに遅し

 

カッ!と光が「サイバー・エンド・ドラゴン」を包み、やがて抱擁した光は爆風の嵐に変わり、アクションフィールド全てを覆い尽くすほどの大爆発を起こした

 

「グアァァーーーーー!!!」

「ガアァァーーーーー!!!」

 

初期ライフの2倍もの効果ダメージをモロに食らった砕羽と刀堂は、互いに吹き飛ばされて地に伏した

 

 

砕羽 竜太郎 LP 0 手札 0枚

VS

刀堂 刃 LP 0 手札 0枚

 

 

 

 

 

「ひ、引き分け……?」

「互いに1歩も引くことのなかったデュエル…竜太郎の気迫もそうだが、あの刀堂という決闘者(デュエリスト)もなんという執念か」

 

権現坂は素直に感嘆した。戦術こそ己が掲げる「不動のデュエル」とは大きく異なるものの、互いに1歩も下がらず己の信念をぶつけ合うその戦いは、権現坂の心に大きな波紋を作った。同時に、友のために何もしてやることができなかった、自分の弱さを心から悔いた

 

柚子も、自分の実力不足を痛感していた。もし、もし自分が負けていなければ…そう考えずにはいられなかった。心情を察した瑠璃が、柚子を慰める

 

「竜太郎!」

「刃!」

「大丈夫か!?」

 

遊矢は砕羽、光津と志島は刀堂へと、それぞれ倒れている仲間の元に向かう。2人とも肩を借りながら、ゆっくりと立ち上がる

 

「遊矢…すまない、勝てなかった…」

「何言ってんだよ!竜太郎は充分頑張ったじゃないか!」

 

謝罪する砕羽の言葉に、励ましながらそう返す

 

「しかし意外だったよ、まさか刃が勝ちでも負けでもなく引き分けを取るなんてね。てっきり次のリベンジに燃えるばかりだと思ってたよ」

「「破壊輪」は「セイバー・リフレクト」とのコンボも考えて入れたの?だとしても刃らしくないわよね。どういう心境の変化なのかしら」

「お前ら、怪我人にムチ打ってそんなに楽しいか?」

 

軽口を叩きながらも、頑張ってデュエルした刃に心の中で称賛を送る光津と志島。仲がいい3人らしい信頼だった

 

刀堂は2人に頼んで遊矢が支えている砕羽の方へ向く。視線に気づいた砕羽も刀堂たちを見る

 

「次は、ぜってー負けねえからな」

「ああ、俺もだ」

「へっ」

 

刀堂の宣戦布告。改めて伝えられた、ライバルとしての言葉を胸の奥にしまいながら、2人は支えられながらデュエルコートを退場した

 

それを見ていた修造は小さく微笑むが、次の瞬間には気を引き締めた表情を浮かべ、何かを考え込む日美香に話しかけた

 

「赤馬理事長、勝負の結果は引き分けとなりましたが……ここはどうか引いてもらえませんか?そちらもこれ以上、この話を大きくしたくはないはずです」

 

今、LDSは沢渡シンゴの襲撃を口実にペンデュラム召喚を手に入れようとしている。しかし、仮にここでLDSが負けて話が露呈してしまえば、大きなバッシングと非難がLDSに襲ってくるのだ。黒い噂こそあれど舞網市一を誇るLDSが、そのような致命傷とすら言える経営的ダメージを受けたいはずがない

 

ゆえにこれは修造の賭けであった。遊勝塾はLDSの優秀な決闘者(デュエリスト)を相手に引き分けの戦績を出した。損得勘定ができるならば、負ける可能性が充分付き纏う勝負を続ける理由などあるわけがない……だから、向こうは引いてくるはずだと修造は考えた

 

しかし、彼にとっての誤算は、赤馬日美香が胸の内に秘めた怒りと執念であった

 

「引き分けで条件をうやむやにするなど、そんなことは許されません!互いにもう1人選出し、4回目の対戦を行うことを提案します!」

「な!?そんなムチャクチャな!」

 

赤馬日美香のヒステリックな宣告が部屋全体に響き渡った。遊勝塾の存続をかけた3回デュエル、そのデュエルは引き分けという結果を残し、しかし日美香はそれを許容しなかった

 

「こちらは2回戦勝者の光津真澄を選出します!さあ、そちらも早く…」

「ーーーその必要はない」

 

日美香の声を、誰かが遮った。みんなが声の元に向かって見てみると、フードを被った男が座っていたベンチから腰を上げていた

 

フードを取り、赤いマフラーを浮遊させながら…レオ・コーポレーション社長、赤馬零児は宣告する

 

「何故ならば、この勝負を続ける理由がなくなったからだ」

「零児さん!?」

 

日美香はこの場に現れた息子の存在に驚く。そして冷や汗を垂らす。零児がいるということは、自分が最も警戒すべき存在…

 

「いやぁ、最後の最後だけ見ることができたけど、8000ダメージの「破壊輪」とか刀堂もなかなか面白いことをしたなぁ。つーかエグいわ」

 

零児が出てきた場所から、文字通り影のような人物が姿を現す。漆黒の黒衣を纏った、正体経歴不明という点においてアカデミアよりも日美香が警戒している……

 

「ドーモ、初めまして。赤馬社長にはいつも助けられています。……白星風斗です」

 

もっとも底が見えない人物が、遊勝塾に帰ってきた




まず今回のデュエルについて謝罪します!

①おそらくプレイングがガバガバであろうこと!
②演出上、「パワー・ボンド」にチェーンする形で「サイバネティック・フュージョン・サポート」を発動させたこと!実際のルールでは先に「サイバネティック・フュージョン・サポート」を使わないと「パワー・ボンド」発動できません!
③引き分けにする演出上、エラッタ前の「破壊輪」を使用したこと!ライフ的に「破壊指輪」でも大丈夫だったのですが、なんかそれだと地味なのでエラッタ前「破壊輪」使わせてもらいました!

以上3つの謝罪!もうっしわけ、ございませんでしたぁぁぁぁぁーーー!!!クオリティ下げないと言いつつこの体たらくですよ

まあ、VRAINSが始まったことでモチベーションもまた戻ってきましたので、ゆっくりではありますが更新はしていきます

次回予告は前回のままで!お楽しみは、これまでだ!
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