OVERLORD 自衛隊彼の地にて・・・ 作:ラルク・シェル
伊丹達が日本から特地に戻って3日。
アルヌスに作っていた駐屯地はかなり完成していて、それから色んな所からも行商人が来ては店を出したりしている。だが、今はそんな暇ではなかった。
「しかし、日本での休暇が終わったのに…今度は何だ?」
なぜなら伊丹達が日本に行ってる間にある大事件が起きたらしい。
その内容というのは
「単刀直入に言うと…吸血鬼ですね」
「きゅ、吸血鬼?」
狭間浩一郎のそんな言葉に伊丹達は呆気に取られてしまう。するとすぐに写真を取り出した。
「これが、その吸血鬼の写真だ」
その写真には黒いドレスに大きなランスを持って、蝋のような色白で銀髪ロングの少女の姿。
「これが…吸血鬼か?」
伊丹は写真の少女を見てこう思った。まるでホラー系のエロゲに出てきそうな感じだと。
「この吸血鬼は今、セクフィア帝国と友好関係のリ・エスティーゼ王国にあるエ・ランテル近郊の森に出没」
「しかもこの吸血鬼を討伐しようとした冒険者達は、全て全滅させられている様子。そこでリ・エスティーゼ側は、なんとかセクフィア側に助力をお願いしたみたいです」
「あの…いくら友好関係でも、そんなに簡単にお願いできたのですか?」
栗林はいくら2つの国が友好関係でも、片方の一方的なお願いに簡単に応じるとは思えなかった。すると黒川茉莉は机に地図を広げ始める。そこにはリ・エスティーゼ王国とバハルス帝国とスレイン法国と、そしてセクフィア帝国の位置が良く分かる地図だった。
「ここがリ・エスティーゼ側にあるエ・ランテル近郊の森で、それからここからがセクフィア側の森。こうして見ると丁度、吸血鬼がいるのがその中間辺りなんですよ」
「なるほど、もしいつ何時に吸血鬼が帝国の領土に来るかもしれないから…そうならなければ協力しろって訳ですか?」
「そうだ。ただし、あくまで我々は吸血鬼の調査を前提に行い。大きな戦闘はなるべく避けるとのこと」
狭間が今後の吸血鬼に対する行動は、控えながらも限りなく調査に力を入れるという方針とした。しかし伊丹はこの吸血鬼少女は、もしかしたらアインズと関係があると考える。
それから会議が終了して、伊丹は急いでテレパウィンドを首にかけてアインズに連絡を取った。
「アインズさん、アインズさん聞こえてますか!?」
《伊丹さん、いきなりなんですか?》
「じつは…これから突然現れた吸血鬼少女の調査に向かうんですけど…その吸血鬼はもしかしてアインズさんのところの?」
《はい、アナタの思っているとおり。アナタが言っている吸血鬼は恐らく私のところの守護者のシャルティア・ブラッドフォールンだ》
なにやら暗い感じで伊丹の質問に答えるアインズ。それはデミウルゴスから聞いた話ではシャルティアがセバスとソリュシャンと合流し行動した。それから2人と別れたシャルティアだったが、どういう訳か精神操作を受けて今回の事件に発展してしまう。
《という訳なんです…》
「じゃあ、これからアナタは何を?」
《まず我々だけで、シャルティアの所に向かいなんとか洗脳を解いて見せます》
「そうですか…じつは俺達も今からシャルティアって奴のいる草原に行くつもりなんです。と言っても、ただどんな動きをするか監視程度ですけどね」
《それが良いでしょう。シャルティアの戦闘力は高いですからね。ロゥリィ以上だと思ってください》
「あはははは、そうですか。だったら気を付けますね」
会話が終わるといつのまにか伊丹の後ろに、テュカとレレイとロゥリィが立っていた。
「お前ら、なにを?」
「あの…私達も出来ることがあれば」
「その吸血鬼も見てみたいし」
「なんだか私と近い感じがするしねぇ♪」
少し困った感じがしたが仕方なく一緒に調査に向かうのだった。
そして伊丹と会話が済んだアインズも、アルベドを連れてシャルティアが潜伏している草原に向う。
だけど、いち早くシャルティアから少し離れたセクフィア付近の森に、到着したのは伊丹達であった。さっそくテントを張ったりしてシャルティアの監視体制が完了する。
「さてと、俺達の任務は吸血鬼改めシャルティアの監視と調査だ。どうやらアインズさんとの知り合いみたいで、後はあの人が何とかしてくれるみたいだからな」
「でも、本当にアインズさん達に任せていいのですか?」
「仕方ないだろ?ここからはリ・エスティーゼの領土だから。いくらセクフィアと友好関係らしいけど、俺達は未だによそ者だ」
「それに、万が一部下を死なせる訳にはいかないからな」
それから全員は林に隠れて高性能フィールドスコープやカメラでシャルティアの観察・見張りをし始める。すると倉田はフィールドスコープでシャルティアを見ていると、伊丹にこんな質問をし始めた。
「あの、隊長」
「なんだよ倉田…」
「…俺、ケモノ萌えって知ってますよね?」
「もちろん、だからなに?」
「あの吸血鬼…結構カワイイっスね?」
どうやら倉田はシャルティアのルックスを気に入っているみたいだった。これには伊丹も同意してしまう。
「たしかに、なんかエロゲに出てきそうな美少女だな?」
「ええ、しかもロリ巨乳なんて…」
そんな事を言っているが、実際シャルティアの胸はただの詰め物。
「2人共、いい加減にしないと撃ちますよ」
「ところでさぁ、私にも見せて」
銃を構える栗林が2人の会話に乱入して、ロゥリィもさっそくスコープでシャルティアを覗いた。
「あれが例の吸血鬼ねぇ…あっ!?」
「どうしたロゥリィ?なにか動きが?」
「もう彼らが来たみたいよぅ」
「彼ら…アインズさん達か!!」
すぐに再びスコープを覗いた伊丹。丁度そこにアインズとアルベドが到着する。シャルティアが愛用の武器のスポイトランスを持った状態で、血のように赤い目が虚ろになっていた。
[アンデッドのシャルティアがなぜという疑問が残るが?ここで戦闘が起きて、何者かに精神支配か…何かが起きて命令が起きないままか?]
アインズはシャルティアの状況に仮説を考える。だが、それでも今はシャルティアをなんとかするのが最優先だ。
「少しもったいない気がするが…」
「それは?」
「超々レアアイテム、
アインズの指に着けている3つの宝石の付いている、指輪型アイテムの
経験値に応じた願いが叶える超位魔法の
「超位魔法とそんなレアアイテムを…下僕のシャルティアに使うなんて、なんて慈悲深い♪」
「さぁ、指輪よ!シャルティアにかけられた全ての効果を打ち消せ!」
しかし突然
「なに!?」
これにはアインズは大きな衝撃を受けた。なぜならレアアイテムを使った超位魔法が効かないのだからだ。
「くっ…撤収だアルベド!」
「はい!」
仕方なくアインズはアルベドを連れてテレポートで逃げた。そしてこの様子を見た伊丹達も驚いた。
「おいおい…アインズさんとアルベドさんが逃げた…」
「なんかの魔法を使ったみたいだけど、効かなかったみたい…」
「隊長どうしますか?」
富田に聞かれた伊丹はこれからどうしようか考えた。
「とりあえず、しばらく監視を続ける!そして武装を強化してヘリで上空からの調査をさせろ!」
「了解!」
今の伊丹が出来るのはこれぐらいだった。
一度戻ったアインズは、まずナザリックの警護レベルを上げるようにと命令する。さらにシャルティアがあの状態なので、第1から第3階層をマーレとコキュートスに守護して貰った。一方その頃。自衛隊も伊丹の指示通りに警戒レベルを上げて、上空からでもシャルティアの監視を続けていた。
ついにお待たせしましたシャルティア暴走編です。
伊丹達はシャルティアの調査・監視をすることになりましたけど、一応シャルティアは丁度リ・エスティーゼとセクフィアの国境の間にいると考えてください。