OVERLORD 自衛隊彼の地にて・・・ 作:ラルク・シェル
マスコミや自分達を狙う敵から逃げなきゃならない上。おまけに泊まる筈のホテルが火災にあってしまったので、アインズ達は伊丹の元嫁という葵梨紗の住むアパートに転がり込んだ。
「外側もそうだけど…部屋もなんて様なの?」
「アルベド様、全くそのとおりですね」
「ちょっと、泊めて貰っているのにその言い方は?」
部屋の中で文句を言うアルベドとナーベラルの2人。
「たくさんの本があるね…」
「しかも、挿絵が多いけど」
「これがぶくぶく茶釜様の言ってた、マンガって奴だね」
アウラとマーレは置かれているマンガ本に興味を持ったりする。ちなみにピニャとボーゼスはBL同人誌を読んだりしていた。
「もしや…アナタの元奥さんも?」
「ええ、オタクなんですよね…」
アインズに尋ねられて伊丹は少し恥ずかしそうに言う。すると葵が少し不機嫌な感じで伊丹に尋ねる。
「ところで、改めて聞くけどなんで家なの?ますます狭くなったし…」
「そうですよ!いくら元奥さんでも民間人を巻き込むなんて危険すぎますよ?それに駒門さんも」
「だってギックリ腰になった人を無理やり連れてこられないし。しかもこのままだと、駒門さんも十分あやしくなるから…」
「それよりも、一体どうやって寝るつもり?」
葵は最初からそんなに広くない部屋が、大勢入って来たのでもっと狭くなった部屋の事で聞いてきた。
いくらなんでも狭すぎてどこでどうやって寝るのか分からないのだった。するとアインズは顎に手をかざして考えると何かを思いつく。
「あの、でしたら我々はこうしましょうか?」
「「「え?」」」
それから伊丹達は居間で、アウラとマーレとナーベラルは押し入れ。そしてアインズとアルベドは屋根の上で一夜を過ごすのであった。当然屋根にシートを敷いて2人は毛布に包まった。
「アインズ様をこんな所に過ごさせるなんて」
「いやいや、思いついたのは私だからな」
「まぁ、それでもアインズ様と過ごせるならどこだって♪」
そのまま嬉しそうにアインズに抱き着くアルベド。もうどうにでも良いと思うアインズだったが、上空の夜空と星を見て改めて自分が日本にいると自覚する。
[俺って本当に日本にいるんだな?]
アインズは思った。もしもこの日本が自分のかつていた日本の過去の形で、いずれ大気汚染で人が普通に住めなくなってしまうのかと。でもそんなことを考えても仕方ないと分かっていた。
[そもそも、ここと俺のいた所が繋がってる訳じゃないしな。でも、本当に暇だな…動きたくても動けないし]
分かっていると思うけどアンデッドのアインズは、食事はもちろん睡眠の必要はない。おまけにアルベドが抱き着いたまま眠っているので、とても長くて暇な夜を過ごすのだった。
そして長かった夜が終わって太陽が昇り朝になり。ロゥリィは朝の祈りをささげている頃、ようやくアインズも朝になって解放されたと思った。
「ふ~~~やっと朝になったか…」
「ん…もうちょっとこのままで」
「ダメだ」
「う~~~」
残念そうになるアルベド。そしてアインズ以外の全員が朝食を食べ終わった途端に伊丹が
「よーーーし、今日は楽しむぞ!!」
「楽しむとは?」
「もちろん遊ぶんだよ!俺のモットーは喰う、寝る、遊ぶ!」
「しかし良いのか?我々を狙う敵とやらが?」
ナーベラルは伊丹の言っている敵が今でも狙っているのではないかと警戒していた。
「もしも敵が居場所を知ったのなら、どこでも同じだろ?それに人気の多いところが結構安全かもしれないしな」
「たしかにな。一先ず我々には休息が必要だ」
伊丹の提案に賛成するアインズだった。
「行きたい、行きたい!!」
「そうだね…せっかくの東京だし」
葵と栗林もそれなりに行く気満々で、それからピニャ達が図書館に案内してくれと富田に頼んできた。
「この世界のお土産とか、たくさん買おうね」
「もちろん!シャルティアが羨ましがるようなものをね!」
「みんなにはどんなものが良いのか?」
さらにアウラもマーレもナーベラルも何を買おうか考えていた。そしてアルベドもアインズを誘おうとしてた。
「では、アインズ様も我々と」
「いや…私は別の所に行きたい」
「え?」
アルベドの誘いを断ったアインズは伊丹に近づき。
「あの…すみませんが」
「なにか?」
「じつはある場所に行きたいんですけど?」
小さい声で伊丹にその場所の案内をしてくれないかと頼んだ。
「まぁ、良いですけど」
「本当にありがとうございます」
会話が終わるとアルベドがショックでうるうるとした眼差しになってしまった。これにはアインズも想定外だとはっきりしていた。
「すまないな。でも、本当に仕方のないんだ…だから頼む」
「でも…」
「とにかくだ。後の子の為の買い物もした方が良いぞ」
「後の子の!?」
それを聞いたアルベドはすっかり立ち直ったので安心するアインズだった。
こうしてそれぞれ3つのグループに分かれて遊びに出かけたのだった。
まずは栗林とアルベド達は原宿・渋谷で買い物をしていた。初めは買い物に興味がなかったロゥリィだったけど、色んな種類のゴスロリ衣装を見て気が変わった。
テュカとレレイとロゥリィが着替えをやっているので、当然アルベドとアウラとマーレとナーベラルにも色んな服を着替えして楽しんでいる。ちなみにアウラとマーレは、普段から男装と女装しているという事から逆に着ていた。
たとえばアルベドには白いカットソーと黒いミニスカートで、ナーベラルは青いパーカーにショートパンツとニーソックス。
さらにアウラは白くレースの入った落ち着きのあるワンピースで、マーレはラフな感じのジャケットとジーンズになっていた。
「うわ~~~!4人共、似合ってる!」
「きっとアインズ様も気に入るかしら♪」
「しかし、こういう衣装は…」
「なんか…ねぇ?」
「うん…ちょっと恥ずかしいよ」
恥ずかしがる3人とは別にアルベドは色々と服を選び続けた。
富田とピニャとボーゼスは図書館に到着する。するとピニャとボーゼスは葵の所から持ってきたBL同人誌を取り出して、芸術の資料がないか頼んできた。
そしてアインズは伊丹に頼んである所に案内されてる。
「はい、着きましたよ」
「おお!これが…」
アインズが行きたかった場所はネットカフェだった。
「じゃあ、俺はここで」
「はい、ありがとうございます」
「では時間通りに来てくださいね」
伊丹が離れるとさっそくアインズはネットカフェに突入した。
最初は受け付けで入金をし始める。
「え~~~と、初めての方…でいいですよね?」
「はい」
「では、PCワンルームに3時間で良いですか?」
「それでお願いします」
店員は昨日の事を知ったのか初めて見るアインズの姿に少し戸惑いを見せた。なんとなくこうなるのだと理解していたアインズは、すぐに指定されたPCルームに向かうと、さっそくパソコンを立ち上げた。
「こういうパソコンは、なんとなく懐かしいな」
人間の頃は仕事とネトゲー以外なにもやる事はなく。異世界に行ってからは色んな騒動に巻き込まれたり関わったりしてきた。だからパソコンを使うのは本当に久しぶりだと感じていた。
「では、まずは環境問題について」
最初にアインズが調べたのが未来では問題となっている環境について。それから政治も開いてみると昨日の事でいっぱいになっていた。
「やれやれ…当然だしな」
少し恥ずかしそうになったりする。それから今流行ってるアニメとマンガとゲームについても調べた。
「あっ!このマンガ読みたかったけど…俺のいた時代だと、もう絶版扱いになってたからな…ネットで読んだけど」
笑いながらもネットを楽しんだりするがすぐに時が経ってしまう。
「もう時間か…もうちょっと調べたかったけどな」
もう少しゆっくりしたかったが仕方なくネットカフェを後にした。でもまだ待ち合わせには時間があるので、ゆっくり辺りを見ながら歩いたりするアインズ。
「本当に俺って東京にいるんだな~~~ん?」
するとアインズは一軒の古本屋を発見した。興味を持ったのかそのままアインズは古本屋に足を運んだ。
「ほ~~~こんなにもマンガが…あっ?!」
アインズが目に留まったのは、先程のネットカフェで発見したマンガの単行本全巻。
「全巻そろってるな。なんだか少し緊張するな」
さっそく一巻から読み始めると、あっという間に夢中になってしまう。だが、後一時間で行かなきゃならなかった。
「マズイ…早く行かないと。でも…ええい!」
考えた末に思いついたのが、アインズは気に入ったマンガを衝動買いしてしまった。しかも美少女ゲームのビジュアルファンブックも一緒に。
まさかの衝動買いにアインズは少し恥ずかしくなり始めると、丁度そこに伊丹がやって来た。
「あれ?こんなところでなに落ち込んでるの?」
「聞かないでください…」
「はぁ?」
あまり検索してほしくなさそうな雰囲気をしてたので、アインズも伊丹も何も言わずに待ち合わせに歩いて行った。
到着すると女性陣の大量の荷物に伊丹はため息を吐いた。
「ええっと、お前達3人はなに買ったの?」
するとテュカとレレイとロゥリィは買ったものを答えた。
「こんぱうんどぼう!軽くて扱いやすいのにスゴイ威力♪」
「本は必要。それからたぶれっととぴーしーも」
「こっちの神官服ってみんな斬新なデザインだからねぇ♪」
買った物を説明する3人。それからアインズもアルベド達に何を買ったのか尋ねてみた。
「では、お前達は何を?」
「もちろん、未来のアナタ様との子の為の服ですわ!それから子育てについての本も!」
「魔獣達のお菓子とか調教グッズに、ついでにこのぬいぐるみも♪」
「僕は、植物の本や双眼鏡とそれから…僕もぬいぐるみを」
「当然ユリ達のお土産を色々と考えましたけど、とりあえずこの国の銘菓とメイド服の資料を」
4人も4人で服以外に色々と買っていたようだ。仕方なくそれらの荷物をアイテムボックスに収納させた。それから富田はなにやら落ち込んでいた。その理由はピニャ達の探している資料が図書館になかったのだ。そもそも同人誌やBL本は図書館にはあまり置かないものだから。
「とりあえず、全員温泉行くぞ!!」
切り取りなおして、全員はさっそく温泉旅館に向かうのだった。しかし密かに彼らを追う影が存在していた。
自由時間ではアルベド達のファッションシーンはどうでしたか?それからアウラに女の子の、マーレには男の子の服を着せたりしてみました。そしてアインズのネットカフェと古本屋の過ごし方も。
次回の温泉編も楽しみにしてください。