穂乃果の奇妙な冒険 ミューズオブヘブン   作:マキシマムダンガル

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最終話 μ'sオブヘブン

二人の高坂穂乃果は向かい合っている、完全にお互いはお互いの射程範囲に入っている

 

「こうして、似ている自分を見てるとまるで鏡を見てるみたいだね」

 

「この状況でよくもまぁ軽口がたたけるね」

 

見た目が似ていても雰囲気、思想は全く違う、しかし、唯一一緒なのは

 

                 「こいつをぶん殴る」

 

ただそれだけであった

 

「じゃあ、始めようか」

 

穂乃果はニヤリと不敵に笑うと

 

「西部劇で言うところの『()()()()()()()()()()()()()』ってやつだよ」

 

穂乃果の一言に、二人の間に一気に不穏な空気が流れる

そして、二人の間に雫が落ちる音がした瞬間

 

「μ’s!」

 

「μ’sオーバーヘブン!」

 

一気にスタンドを出して攻撃を開始した

 

「オラオラオラオラオラァァ!!」

 

「ウォラァァァ!!」

 

その攻撃はまさに一瞬の出来事

目にも止まらぬラッシュ攻撃は二人の間で衝撃波を作っていた

 

「死ねぇぇ!!」

 

黒い穂乃果の攻撃がμ'sを若干押していた

 

「そんな程度で凄んでも怖くないねぇ」

 

ただただ余裕の笑みを浮かべながら勝利を確信していた

 

「実は、ある人から教わったんだ。逆転の発想、あげちゃってもいいさって」

 

「?」

 

穂乃果はゆっくりと目を閉じると、μ'sがぴたりと止まった

 

「なっ!?」

 

力任せにラッシュ攻撃を放っていたためか拳が空振りし、大きな隙が生まれた

 

「そして、そこに一撃をぶちかます!」

 

一切動かなかったμ'sが急に動き出し、強烈なマグナムストレートがμ’sオーバーヘブンの顔面にめり込んだ

 

「ブッ!!」

 

隙だらけの顔面にめり込んだ右手は止まることなく回転を真っ直ぐ飛ばしμ’sオーバーヘブンは黒い穂乃果を巻き込み吹き飛んだ

 

「やれやれ、って感じだね」

 

穂乃果は帽子を少しだけ深く被りそういった

 

「良くもやってくれたね・・・流石にプッツンきちゃったよ・・・」

 

黒い穂乃果はゆっくりと立ち上がり怒りをあらわにした

 

「安心してよ、その倍くらいは怒ってるから」

 

帽子のツバの奥には静かに怒り狂う少女の目がギラリと姿を覗かせていた

 

「あんたって、確かお人好しだったよね。なら、これはどうかな?」

 

μ’sオーバーヘブンは縮こまり力を貯めている、穂乃果は何事かと身構えると

 

「μ’sオーバーヘブン!これが真実よぉ!!」

 

突然拳を地面に打ち付けると、地面から黒い霧と共に凛、花陽、真姫、ことり、海未、にこ、絵里、希が出てきた

 

「そ、そんな・・・何で・・・」

 

自分の目の前で倒れていった仲間達が黒い霧の中か突如現れ、穂乃果は言葉を失った

 

「さぁ、死んでもらうわ」

 

黒い穂乃果がそう言うと、八人は攻撃を仕掛けてくる

 

「み、みんな!思い出して!穂乃果だよ!」

 

穂乃果は手を出すことが出来ず防戦一方になってしまっていた

 

(ど、どうしたら・・・)

 

μ'sでガードしているとはいえ、流石に攻撃が蓄積し腕に痺れが表われてきた

 

「クッ!みんなを・・・やるしかない・・・の・・・」

 

その時、穂乃果の目の前が一瞬真っ白になり、次の瞬間には何故か部室にいた

 

「へ?ここって、部室・・・」

 

そして、瞬きをした瞬間に、にこが部長席に座っていた

 

「に、にこちゃん!!」

 

「うるさいわね、少しは落ち着きなさいよ」

 

にこは頬杖しながら呆れた顔をしていた

 

「で、でも、確かさっきまで・・・」

 

「だぁー!うるいさっての!時間がないんだからさっさと用件だけ伝えるから!」

 

少し苛立った表情で立ち上がり、穂乃果に指を指した

 

「あんたも会ったことあるでしょ『空条 承太郎』あいつに少しの間スタンドを借りてこの状態を保ってるのよ」

 

「空条さんのスタンドってそんなに便利なの・・・」

 

「スタンドのカタチをそのまま借りてるから、今は私がスタンドって所かしら?」

 

「って、そんなことはどうでもいいの。穂乃果、今戦ってる私たちは言うなれば、黒い方の穂乃果が作った幻影、言うなれば、スタンドで作った分身よ」

 

「そ、そうはいっても・・・」

 

穂乃果は何か後ろめたそうに言葉を詰まらせた

 

「何よ、今までさんざん殴ってきたでしょ」

 

「そ、それはそうだけど・・・今までと違って、みんなが戻ってくるわけじゃなし、それに、もしかしたら私が倒すことでみんなと会えなくなっちゃう気がして・・・」

 

珍しくネガティブな考えで穂乃果は俯いてしまった、その時、にこは大きくため息を吐いた

 

「だったら、偽物の私たちにやられてしまった方がいいって事?それとも、あの黒い方みたいに私たちを作ってみる?」

 

そのにこの発言に穂乃果はカッとなり

 

「そんな事しない!!!」

 

机を叩きにこを叱るかのようにそう言った、その発言ににこはにやりと笑い

 

「なら、それでいいのよ。あんたは難しく考えなくて良い、やるったらやる!でしょ」

 

「でも、私だけの力じゃ・・・」

 

「何言ってんのよ、あんただけの力だったら、とっくに負けてるわよ」

 

にこは鼻で笑い飛ばし、こういった

 

「あんたには、八人・・・いや、九人の仲間がいるでしょ」

 

「九人?」

 

「私、絵里、希、海未、ことり、真姫、花陽、凛それになりよりも」

 

にこは穂乃果に指を指して

 

「あんた自身。ね、こんだけ仲間がいたら敵無しでしょ?」

 

穂乃果はその瞬間、少し胸の奥から何かがわき出る感覚を感じた

 

「うん!」

 

「まっ、それだけ元気があれば行けるでしょ」

 

にこは少し笑い穂乃果の胸に手を当てると

 

「しっかり、決着を付けてきなさい」

 

そう言うと、にこは小さな光の玉になり、他のメンバーを呼び出すかのように七つの光の玉が現れ、穂乃果の中へと消えていく

部屋に一人残された穂乃果は、目を閉じて一人呟いた

 

「μ's、ミュージック・・・」

 

次に目を開けたとき、メンバーが攻撃を仕掛けてくる瞬間であった

 

「スタート!!」

 

目を開けたと同時に大きく上にジャンプし攻撃を避け

 

「行くよ!μ's!」

 

μ'sを呼び出し、全員の前に立った

 

「皆の魂、私が受け継ぐ!」

 

穂乃果はそう言うと、全員が一斉にかかってきた

 

「焼き尽くす!K・F・H(クロス・ファイアー・ハリケーン)!」

 

μ'sが構えると炎を竜巻の如く放った

 

「あ、あれはマジシャンズレッドの技!な、何故μ'sが使える!?」

 

「皆の意志、思い、そのすべてを私が受け継いだ、そしてすべてを使ってあなたを倒す」

 

穂乃果は弓矢を引き絞る構えを取ると、何もない場所から矢が表われた

 

「皆、少し痛いけど、すぐ直すから」

 

無数の矢は一矢も外れることなく全員に命中し再起不能(リタイア)にさせた

 

「ふぅ、さてと、いい加減に穂乃果もカッカ来ちゃったから、本気であなたを倒させてもらうよ」

 

穂乃果は黒い穂乃果の方へ振り向き、目の奥から強烈な怒りをたぎらせていた

 

「クックク・・・あんた一人の力で倒されるほど、雑魚じゃあないんだよぉぉぉぉ!!!」

 

今までとは比にならない程の憎悪を纏ったμ’sオーバーヘブンを携え攻撃を繰り出した

 

「シィネェェエエ!!!」

 

そのマグナムにも匹敵する強烈なパンチに、穂乃果は真っ正面からμ'sの拳で相殺した

 

「なっ!?どこからこんな力が」

 

「確かに一人で戦っていたら負けてたかもしれない、でも、にこちゃんに教えてもらったんだ、私には九人の仲間が付いていてくれるから」

 

穂乃果は胸に手を当て目を閉じると確かに胸の奥から仲間達の鼓動を感じた

 

「私は絶対に負けない」

 

「そんな虚勢で勝てるわけ無いだろうがぁぁぁ!!」

 

μ’sオーバーヘブンから放たれる強烈で目にも止まらぬラッシュを、まるで躍るようにすり抜けていく

 

「そこっ!」

 

穂乃果は攻撃の隙を見逃さず、鋭い蹴りを入れた

 

「グッ!」

 

攻勢に出ていた筈が逆に攻勢に出られ後退りした

 

「今度はこっちの番だよ!」

 

後退りさせた瞬間、一気に間合いを詰め自分の制空権に入れた

 

「ずっと思ってたんだ、穂乃果の制空権に入れたら、私の拳をその体に叩き込むって!!」

 

その言葉を掛け声にさっきとは比較にならないほどのスピードでラッシュを放つ

 

「オラオラオラオラオラァァ!!!」

 

避ける間もなく体中に拳がめり込んでいき痛がる隙すらない

 

「ウォラァァ!」

 

トドメと言わんばかりの一撃で黒い穂乃果は吹き飛んでいき壁に打ち付けられた

 

「流石にまだ倒れた訳じゃないでしょ」

 

「ガフッ・・・な、舐めやがって!」

 

起き上がりそう言うと

 

「来なよ、正面から受けて立つよ」

 

そう言うと穂乃果は構えた

 

「さっさと死にやがれってんだ!!!」

 

穂乃果の挑発に乗り一気に飛び込んでくる

 

「オラァ!」

 

飛び込んでくる黒い穂乃果の一瞬の隙を突き上に打ち上げ

 

「オラオラオラオラオラァァ!!」

 

怒濤のラッシュを放った

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァ!!」

 

今までの比にならない程早く強烈なラッシュ攻撃は怒りこそあれ殺意は一切感じられない

 

「トドメェ!!」

 

最後の一撃が腹部に入り大きく中へ打ち上げられ、その後地面に叩きつけられた

 

「ぜぇ・・・はぁ・・・」

 

穂乃果は息を切らしていた

その時、地面に叩きつけられ立ち上がることが出来ないはずの黒い穂乃果が重症ではあるが立ち上がった

 

「な、なんで私を()()()()の?」

 

「何でだろ・・・ただ、死ぬことはないかなってさっきはそう思ったから・・・かな?」

 

穂乃果はおどけた調子でそういった

 

「何てお人好しな・・・」

 

「それにあなたは嫉妬はしても殺そうと何て思ってなかったと思うんだ」

 

「・・・」

 

「だって、あなたはもう一人の私、平行世界だろうが何だろうが」

 

「あんたみたいなお人好しがよく生き残れるわね」

 

「えへへ」

 

穂乃果は照れ笑いをしながらもう一人の穂乃果の方へ行って、手を取った

 

「あなたなら知ってるでしょ、すべてを直す方法を」

 

「・・・」

 

もう一人の穂乃果は少し黙り

 

「あなたにはどんなに頑張っても勝てる気がしないな」

 

少し笑うと

 

「あなたのスタンドの力を覚醒させるには、私のスタンドと力を融合させる必要がある」

 

「融合?」

 

「そう、そうすることでμ'sの本来の力を発揮することが出来る」

 

「その方法は?」

 

「あなたのμ'sを出して」

 

穂乃果はそう言われスタンドを出した

 

「さぁ、最後の仕上げ」

 

μ’sオーバーヘブンを出すと、二つのスタンドが共鳴しもう一人の穂乃果のスタンドがμ'sの中へ入っていく

 

「これがμ'sオブヘブン、そして、すべての平行世界を統べるスタンド」

 

もう一人の穂乃果が説明していると

 

「あれ、あなたの体・・・」

 

もう一人の穂乃果の体が消えかかっていた

 

「スタンドはスタンド使いの生命エネルギーから出来ている、スタンドが傷付けばスタンド使いも傷が付き、スタンドが消えればスタンド使いの生命エネルギーがなくなる、つまりは死ってことだね」

 

「そ、そんなやっと分かり合えたのに・・・」

 

「泣かないで、私が選んだ結果なんだから。それに、何だかいま心が落ち着いているの、今から死ぬって言うのにおかしな話だけど」

 

もう一人の穂乃果はフッと笑うと

 

「さぁ、もう行って、私の代わりにラブライブ優勝してね」

 

「うん!」

 

穂乃果は頬に大粒の涙を流しながらそういった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果が次の瞬間に目を開けると、見慣れた光景が写った

 

「ここは音ノ木坂・・・」

 

気が付けば音ノ木坂学園の屋上にいた

 

「私、戻ってきたんだ」

 

穂乃果は少し惚けていると

 

「穂乃果!」

 

聞き慣れた声が聞こえてきた

 

「こんなところで油を売って何をしているのですか!」

 

そこには園田海未の姿があった

 

「海未ちゃん!」

 

「さぁ、生徒会の仕事に戻りますよ」

 

「うん!」

 

こうして穂乃果以外にとって何の変哲もない日々が過ぎていった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『パチパチパチ』

 

大きな映画館の真ん中の席に座っている一人の男が拍手をしていた

 

「いい余興であったぞ、穂乃果」

 

たった一人の観客は賞賛の言葉と共にそう言った

 

「お褒めいただきありがとうございます、D()I()O()()

 

真ん中に座っているDIOに穂乃果は深々と礼をした

 

「我が永遠なる時の余興にしては上出来だ。次も期待しているぞ」

 

DIOはそう言うと映画館を後にした

 

To be continue?




これにて完結ですご視聴ありがとうございました
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