影に生きたい(切実)   作:alleha

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プロローグ

 目が覚めたら赤ん坊だった。

 

 正直汗が止まらなくなりそうなほど焦った。

 何故なら起きた時に目に入ってきたのは女、女、女、女、と総勢4人の女性が俺をガン見していたからである。

 コミュニケーションが苦手な俺にとって女性と話すという事はビルの4階から飛び降りる事と同じくらい難易度の高い所業であり、さらに室内だからなのか全員がラフな格好で・・・目に毒なのである。

 しかしそこは赤ん坊、まだ性欲なんてものは一ミリたりとも出てこない。

 

(・・・というかなんで赤ちゃん?もしかして俺って夢見てんの!?こんな女たちに赤ちゃんの姿をプニプニ触られるのが俺の望んだ事なの!?)

 

 自分がそんな特殊な性癖であった事に嘆いていると、赤ん坊だからなのか急に泣きたくなり思いっきり泣いてしまう。

 彼女らはオロオロとしながら俺を抱っこしたり手を握ったりしてくれている・・・ゴメンね?なんか感情がうまくコントロール出来ないんだ。

 暫く腕の中で揺すられていると急に眠気が襲ってくる、恐らく次に起きた時はいつものベットの上であろう。

 

(この夢は墓まで持って行こう。)

 

 そう思いながら俺は眠りについた。

 

 

♦︎ ♦︎ ♦︎

 

『ヒビキ!誕生日おめでと〜』

 

「・・・ん、ありがと」

 

 どうも、俺です。

 今日は誕生日です。

・・・5歳の

 

 と言うわけでどうやらあの時の夢は夢ではなかったようで、3人の姉達と母に囲まれて俺こと南沢 響は誕生したようだ。

 今になってその事を深く実感しだした。

何というか赤ん坊の頃は精神が体に引っ張られるというか、上手く動かないというか・・・ぶっちゃけ殆ど赤ん坊としての記憶も今は曖昧である。

 ただ過去の(前世の)俺の記憶として残っているのは自分の性格と趣味位で自分の名前やどのようにして死んだのかがよく分からない。

 5年経った今では、漸く思うように体が動くようになり感情のコントロールが上手くできるようになった。

 この5年間、本当に辛かった。

すぐに泣いちゃう体は俺にとって羞恥の塊のようなもので、一日中ジッとしていたってお腹が空いて泣いてしまうし歩こうとすると頭が重くて転んで泣いてしまい、それを家族の誰かがあやしに来てくれるのは大人として情けなく思った。

 家族は父、母に8つ上の姉が2人と3つ上の姉が1人、1つ下の妹が2人というどうして男が全然産まれないの?と不思議に思うほどの女子率の高さで、普通の転生系男子としてはガッツポーズものなのだろうが女子苦手な俺にとっては『強制女子とお話しできるよ!やったね』の権利がついてきいる。

 今の所、母以外にまともに話す事ができるのは妹位だ。

 他の姉達は5年経っても「ああ」とか「そう」とか「ふーん」位しか話せていない。

 寧ろ5年あれば普通に会話できるのでは?と思うかもしれないが、そうでもないのである。

 その理由として一番大きいのはやはり家の巨大さであろう。

両親は金持ちなのか分からないがとにかく家がデカイので姉達に会うのは飯の時、それから風呂の時(・・・・)だ。

 

・・・はい、風呂の時です。

昔は1人で入る事が困難であった為、仕方がないと割り切って我慢してきたが、最近では1人で入っていると向こうの方から入ってくるので防ぎようがない。

 しかしそこは家族、本当に嫌がった顔をすれば素直に出ていってくれるのでその点だけは良いことであろう。

 

 そして、最近分かったことなのだがこの世界には武偵と呼ばれる職業がある。

 

・・・あれ?これってもしかしてと思い、武偵に関する事を調べるとぼぼ100%緋弾のアリアの世界であると証明できた。

 

 つまり俺は緋弾のアリアの世界に転生してしまった訳である。

 

 そう結論づけて、これからどうするかとか武偵にでもなるかとか考えたが取り敢えず今を生きるという結論が自分の中で出た。

 

・・・生きたいように生きればいいや




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