幸せを求めた少年の目録   作:らーゆ★

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少しずつですが。
1話あたりの文字数を増やしています。
まぁ目標としては1話あたりを一万文字くらいかな?
まだまだ先の話です…。

さー!遂にハンニバルたんがあるアラガミに変化します!

ではどうぞ!

※今更ながら神機を神器と間違えてたことに気づいたので修正しました。すんません!


その3 戦場へ

レンとハンニバルは嫌な予感がしていた。

その嫌な予感は自然とレンとハンニバルを急かしている。

今は先程の歩くペースをかなり凌ぐ速さで走りながら森の中を進んでいた。

 

「それにしても、ほんとに天気怪しくなってきたなぁ」

 

『……』

 

「どうした?」

 

『…相棒は感じんか?この嫌な空気』

 

「んー、確かに感じるな。雨が降る前とは違う、なんかシケってるよな」

 

アラガミと退治した時とは違う、嫌な感じ。

 

『確かにな。これは絶対に天気のせいではなかろう』

 

「わかっている」

 

『あの雲……、アラガミとは違うがなにか邪悪なものを感じる。あれはあまりいいものとは思えん。』

 

「そんなにか?」

 

『ああ。むしろ邪悪という点に関してはアラガミなんかよりタチが悪い。アラガミは殆ど本能であらゆるものを『喰う』がアレは違う。まるで悪い事をする為の存在と言うべきか……。アレは今後放置していていいものではないのは確かだ』

 

「それは確かにヤバイな……。どうする?」

 

レンははなからどうにかするつもりだったが、一応確認を兼ねて聞いてみた。

 

『うむ。幸いあの雲には核のような存在を感じる。それを追えばなにか分かるかもしれん』

 

「そうか……。ならその核とやらを追うぞ」

 

『ああ。だがアレはやはり雲なだけあって移動が速い。ここからは私が走ろう』

 

「了解。てか最初からそうしてくれよ……。」

 

『ふん。ゴットイーターが怠けるんじゃない。』

 

「おまえも元々そうだろうが!?」

 

むしろ明らかに人間より強靭な力を持つアラガミがサボってどうすんねんと突っ込む。

 

『わかったわかった。後で愚痴はいくらでも聞いてやるから取り敢えず俺から離れてくれんか?』

 

「チッ……、まぁいいや。ほらよ…っ!」

 

レンはその場に神機を突き立て、後ろに素早く下がる。

 

ハンニバルだった神機はコアが突然輝き、まるで神機が生きてるかのように動き出した。

そして神機から溢れ出るオラクル細胞はやがて神機の原型を崩していき、そのまま巨大化してハンニバルのカタチへと変化していく。

 

「……凄いな」

 

レンは改めて神機が武器でなく生きてるアラガミだという事を実感した。その頃には黒い塊のオラクル細胞は色づいてきてハンニバルにへと完全に変化していた。

 

「なんかその姿を見ると緊張してしまうな」

 

「ガァ。」

 

「え?なに?」

 

「………。」

 

「…どうした、黙りこんで」

 

先程までアラガミとは思えない程喋りまくっていたハンニバルは突然黙り込み、レンをじっと見つめていた。

 

(もしかして、理性が飛んだのか…?)

 

そう考えたレンは警戒心を増す。

 

その時、突然ハンニバルが動き出してレンに手を伸ばした。

連は咄嗟に下がろうとするが、ハンニバルは逃がすまいと言わんばかりに腕を伸ばしてレンを掴んだ。

 

「っ!?おい!離せよ!?この野郎!!」

 

『落ち着け、相棒。喰うつもりはない』

 

「え?」

 

『理性はうしなっとらん。ただ言葉が通じんかっただけだ』

 

「なんでだよ?さっきまで喋っていただろう?」

 

『恐らくお互いが触れていないと会話が出来ないのだろう』

 

「なるほど。そういう事か。いやー焦ったーーっ。」

 

『生きろと偉そうに言ったやつが殺しては洒落にならんからな。そんなことはせんとこの命にかけて誓うさ。信じろ』

 

「そうかよ…。で、さっきはなんて言ったんだ?」

 

『ん?ああ、喰ってやろうかって言ったんだ』

 

「……オレモウオマエシンヨウデキナイ。」

 

『え!?』

 

「冗談だよ。さぁ行くぞ!」

 

『そ、そうか……。それでは乗れ!駆け抜けるぞ!!』

 

「おう!!」

 

レンはハンニバルの背中へと乗り、森の中を凄まじい速さで駆け抜けていくのだった。

ここに、最強の騎士が誕生した瞬間でもあった。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ここから私1人で行きます」

 

ここはガレット獅子団領の本陣構えるグラナ砦。

その中に対戦国であるビスコッティ共和国のミルヒオーレ姫様と勇者シンク、親衛隊隊長エクレール率いる第二部隊が見事侵入を果たし、遂にガレットの大将レオンミシェリ閣下がまつ最上階の闘技場へ上がる為のエレベーターの前にたどり着いていた。

 

「姫様!流石に無茶です!相手はレオ閣下ですよ!?」

 

「心配してくれてありがとう。でも大丈夫、私はただ……、レオ様と話がしたいのです。何故このごろ昔のように接してくれなくなったのか、何故戦ばかりされるのか……。それを聞きに行きたいだけなのです」

 

「姫様……、わかりました。我々はここで待ちます。姫様も気をつけて」

 

「エクレがそう言うのなら僕も。姫様、お気をつけて」

 

「ありがとう、エクレール、シンク!では、行ってきます!」

 

そう言って姫様はエレベーターに乗り、最上階をめざすのだった。

 

その頃最上階では、ガレット獅子団領のレオンミシェリ閣下が勇者シンクと親衛隊隊長エクレールを待っていた。

 

(ここで両方共に打ち倒し、勇者から神剣パラディオンを奪えば……っ!)

 

レオ閣下はただ、それだけが望みだった。

そうすれば自分が読んだ星読みの未来を回避できると。

 

しかし、未来はそう簡単には変えられない。

レオ閣下の希望を打ち砕くかのように最上階にたどり着いたエレベーターの扉が開く。

 

「おじゃま致します、レオンミシェリ閣下。」

 

そこにいるはずの無い、そこにいては行けない筈のミルヒオーレ姫がそこに聖剣エクセリードを携えて佇んでいた。

 

レオ閣下はそのあってはならない筈の光景に驚愕し、同時に脳裏に焼きついた親愛のミルヒオーレ姫が死ぬ星読みの映像が走馬灯のように頭をよぎる。

 

「レオ様が国の宝剣を賭けて戦われるのであれば、私も聖剣を持って戦わなければならないと思い、勝手ながら推参致しました」

 

何も知らないミルヒオーレ姫は堂々たる姿でレオ閣下の前に歩み寄った。

対するレオ閣下は、自分の星読みと全く同じ状況になりつつある事に驚愕と恐怖を隠せずにいた。

その間にも、この場に同席していたガレット獅子団のメイド長であるルージュは隙を狙ってミルヒオーレ姫に攻撃をしかけ、聖剣エクセリードを奪おうと試みた。

しかし、それはミルヒオーレ姫の強い意思に反応し本来の力を取り戻した聖剣エクセリードによって拒まれてしまうのだった。

 

そして遂に、お互いの聖剣と宝剣を賭けて戦おうとした瞬間だった。

 

突然、闘技場の上空の黒い雲が渦巻き出したのだ。

 

と同時に、闘技場が砦から離れて上空にうかびだした。

 

そして、

渦巻きの奥から、禍々しい雰囲気の卵のような物が姿を現したのだった。

 

 

時は少し戻り、砦付近の森の中。

 

セルクルを大きく超える速度て移動している騎士、レンがいた。

 

「ハンニバルっ!!」

 

『わかっている!!!』

 

レンたちが目指していた黒い雲の中心の核に向かって進んでいた時だった。

その核が自ら雲の中から姿を現したのだ。

どす黒く、どこか卵の様な雰囲気の核は誰から見てもヤバイものだと分かるほど禍々しいものだった。

 

『……っ!レンっ!!』

 

「なんだ!?どうした!?」

 

『あの核の真下の砦に人がいる!!このままでは危険だ!!』

 

「なんだと!?」

 

『このままでは間に合わんかも知れん!!姿を変える!!』

 

「わ、わかった!!」

 

レンはすぐにハンニバルの背中からどいた。

レンが降りたのを確認したハンニバルは新しく手に入れた変幻自在の能力により、より足が速いものを想像する。

 

『(最も速いとなるなら……っ!)』

 

ハンニバルは思いついたアラガミをすぐに想像し、己の姿を変えていく。

 

速さを求めるなら自然と4足の獣型。紅蓮の炎を前脚に纏いながら白いライオンのような毛並をはためかせて走るその姿はハンニバルの記憶に強く根づいている。

 

変化を始めたハンニバルの姿は以前と同じように、しかし以前より明らかに早くその変化を遂げていく。

そして変化を終わらせ、元ハンニバルはその場に佇む。

 

「マ、マルドゥーク…っ!」

 

「クオォォォォォォンッ!!!!!」

 

完全に変化したことを伝えるかのように力強い咆哮を見せたマルドゥークは、しゃがんでレンを背中に乗せる。

その瞬間、マルドゥークに触れたレンはマルドゥークに話しかける。

 

「凄いな…。ホントに変化できるとは……。」

 

『実は私もこうも簡単にできるとは思わなかった。さぁ行くぞ!』

 

「了か……っ!」

 

マルドゥークはレンの答えを待たずに一気に駆け出した。

ほかの生物を凌ぐ大きさと先程までの速度を超えた速さで一歩一歩大地を踏みしめるように走るその姿は正しく『神』の名に相応しい姿だった。

 

少し走った所ではるか前方に2体のセルクルとそれに乗る2人の女性の姿をレンは確認した。

 

片や金髪に昔の忍者のような格好をした娘と、片や隣のセルクルよりはるかにデカイセルクルに乗り、昔の武士のような格好をした女性。

 

その2人は後ろから伝わってくる振動に気づいて振り向いた。

 

「お、お館様!!」

 

「な、何でござるかアレは!?」

 

隠密隊頭領ダルキアン卿と隠密部隊筆頭ユキカゼははるか後方からやって来る得体の知れないものに驚きをあらわにしていた。

 

まるで獅子のようでありながら神々しさ兼ね備える姿。

それは先かなり速く移動していた自分達にどんどん近づいてることに気づいた。

 

「何という速さでござるか!?」

 

「このままでは追いつかれるでござるな……。ユキカゼ、奴から魔物の気配は?」

 

「お、お館様。それがまったくしないのです。恐らく魔物ではないかと」

 

「なんと……っ!しかしあんな狼見た事がないでござるな……」

 

「せ、拙者もです。お館様、どうされますか?」

 

「……魔物ではないとは言えど邪魔されては困るでござる。ここで食い止めるでござるよ!!」

 

「御意!!」

 

 

 

「どうする!?前のお二方はやる気満々だけど!?」

 

レンは走りながら確認していた前方の2人が臨戦態勢に入ってことに気がついた。

 

『今はそんな暇はない!!跳ぶぞ!!』

 

「……っ!了解っ!」

 

マルドゥークは走りながら後ろ脚に一気に力を込め、一瞬で上空に飛び上がった。

 

その飛距離は前で構えていたユキカゼとダルキアン卿の攻撃範囲内を悠々と超えていた。

 

「なっ!?」

 

「……っ!」

 

突然の物凄い跳躍に付いていけずに2人はみすみすと謎の狼を逃したのだった。しかしそれよりも2人はさらに驚きの事実にきづく。

 

「……お館様」

 

「……ああ。ユキカゼも気づいたでござるな」

 

(人が…乗っていた)

 

ダルキアン卿は物凄い速さで遠ざかる姿を見届けながら、一瞬だが見えた謎の狼の背中に乗っていた人物の正義に満ちた顔をみて少し安心したのだった。

 

 

 

 

レンが遂に森を抜けた時、砦の上の核は既に姿を変えていた。

それはキュウビのような姿でありながらはるかに大きく禍々しい邪気を放っていた。

 

 

『……くっ。』

 

「どうした!?調子悪そうだけど!?」

 

レンは物凄い速さのおかけで起きた風圧の中、自然と声は大きくなっている。

 

『……やはりキツイな』

 

「なにがだ!?」

 

『この姿を保つ事がだ。同じオラクル細胞とはいえ全く異なる性質や形ではやはり結合能力が下がる。このままでは自然消滅してしまうかも知れぬ』

 

「なに!?大丈夫なのか!?」

 

『あの砦の上までは持ちそうだがそれ以降は厳しい。幸い神器の姿なら私はエネルギーを消費しなくて済む。だからお願いがある。』

 

「…もしかしておれが神機を使って戦えってことか!?」

 

『そうだ。因みに拒否権はないぞ?なに、いまの相棒なら必ずできる。目視で確認した感じでは今の君の方がはるかに強い』

 

「おうよ!!勿論やってやらァ!!」

 

『よしっ!!なら私は責任を持って君を安全にあの場まで運んで見せよう!!』

 

「頼むぜ!!!」

 

もう砦は目前に迫っていた。




ちなみにですが、ハンニバルが姿を変える時のイメージは
神機の捕食モードの時のように内側からオラクル細胞で形成された物が出てくる感じです。
わかるかな?分からないですよね(笑)

さー!次は遂に戦闘シーンです!!
頑張るぞー!
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