人は
生まれながらに平等じゃない
これは齢四歳にして知った
社会の現実。
だからどうした。
無個性?
関係ない。
社会の現実?
どーでもいい。
やる事はただ一つ、強くなる。
挑戦しよう。
遥か先に……僕は………………
ヒーローになるため。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「今から進路希望のプリント配るが 皆!!」
「だいたいヒーロー科志望だよね」
先生がそう言うと、クラスの一人を除いて皆が手を挙げた。と言うか話を聞いていなかったから挙げてないだけだが。まあ話を聞いていたとしても挙げていなかったと思うけど。
「「「「「「「ハーーイ!」」」」」」」
「zzzzzz………」
唯一手を挙げていなかった少年、緑谷出久。話を聞いていなかった訳ではなく、単に寝ていただけだ。
基本的に授業中は寝ている為に、誰も起こそうとはしなかった。せめて一人位でも起こそうとしれやれよ……………
「うんうん、皆良い”個性“だ。でも校内で”個性“発動は原則禁止な!」
先生が注意すると、いかにも不良のような見た目の少年が、先生に言った。
「せんせえーー「皆」とか一緒くたにすんなよ!」
「……………………んぁ……」
緑谷はまだ寝ていたが、もう少しで起きてしまいそうだ。緑谷は基本的に寝起きは駄目なのだ。
「俺はこんな”没個性“共と、仲良く底辺なんざ行かねーーーよ」
目付きの悪い少年………爆豪勝己は机に足をのせ、
そう言った。見た目と性格がここまで比例する人間も珍しい………プライドと自尊心の塊みたいな男だろうか?
「そりゃねーだろカツキ!!!」
「誰が”没個性“だ!!!」
当然の如くブーイングの嵐だ。だが、爆豪はそんな事を言える程の”個性“を持ってる。他のとはレベルが違う、圧倒的な力を持っている。
「モブがモブらしくうっせーーー!!!」
「………………………どっちが………煩いんだよぅ……」
少しずつではあるが、緑谷は起きかかっていた。先程から、クラスの人達があまりにも騒がしいからである。
「あーー確か爆豪は…………
『雄英高』志望だったな」
先生がそう言った途端に、皆がざわつき始めた。それもそのはず…………雄英というのは凄い所だ。説明はしない。
「国立の!? 今年偏差値79だぞ!!?」
「倍率も毎度やべーんだろ!?」
すると急に爆豪が机に立った。机に足で立つな。危ないじゃないか…………
「そのざわざわがモブたる所以だ!」
「………………………ふぁ…」
起きたは起きたが、意識が朦朧としている。少しだけ機嫌が悪い。五月蝿くてイライラしてしまう。
「模試じゃA判定!!
俺は中学唯一の雄英圏内!」
「あのオールマイトをも超えて俺は、
トップヒーローと成り!!」
「必ずや高額納税者ランキングに名を刻むのだ!!!」
爆豪が自信の欲望を叫ぶ。ここまで純粋な欲望は珍しいんじゃないだろうか………………
「そいやあ緑谷も雄英志望だったな」
「…雄英?……………ああ、そう………そうだったか」
あ……そう言えばそんな所だったなぁ……みたいな感じで思い出した。寝惚けながら書いた物だったから、正直あまり覚えていないのだ。
クラスの皆が一斉に此方を見た。こんなに見られたら胃に穴が開いちゃう。てか何かしたっけか?
クラスの皆が一斉に笑い吹き出した。人の顔見て笑ってんのか? 結構イラッて来るんだけど。
「はああ!? 緑谷あ!? ムリッしょ!!」
「勉強出来るだけじゃ、ヒーロー科ははいれねんだぞー!」
教室内に笑い声が響く。緑谷は自分の事だと気付いていない。勉強は出来たが、馬鹿なのだ。
すると、爆豪が…………
「こらデク!!」
緑谷の机を爆発した。”個性“使ったら駄目だって言われてたのに………………爆破の音に少し驚いた緑谷は、
「うおっ!!」
後ろに仰け反ってしまった。当たった所でダメージはないのだが、万が一という事もあるので避けておこうと思う。
「”没個性“どころか、”無個性“のてめェがあ~」
「何で俺と同じ土俵に立てるんだ!!? 」
爆豪は笑ってはいるが、内心ぶちギレているだろう。自分の道に入ってきた石ころを逃すはずはない。今にも襲いかかりそうだった。
「何の話か分かんないけど、落ち着いて」
冷静に対処するべきだろう。下手に動いて面倒事になってしまえば、不味いからだ…………別に殴っても良いんだけれど。多分、かっちゃん吹き飛ぶし。
「そもそも何の話か分かんないんだけど」
それがいつもやっている事。代わり映えのない毎日、全てが灰色に見える。
そう言えば、何で僕、ヒーローになろうと………
「たくよォ!! 意味わかんねーーよ!!!」
「記念受験でもすんのかァァァ!!?」
爆豪は大声で喰いかかった。別に相手をする気もないが、言っておいた方が良いだろう。
「てめェが何をやれるんだ!?」
「何って……………ヒーロー?」
緑谷は臆測もなくそう言った。あくまでも目標だが。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは、何かとにかく凄い緑谷君が、
だいたいの敵を、
ワンパンで吹き飛ばす、
物語である。
”Plus Ultra!! ONE PUNCH!!!“