とある科学の速度標識《スピードサイン》   作:直視明光

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時宮進の物語は、未来と過去を並行して進めたいと考えています。
こちらの現在編では、原作のキャラもよく出て来ます。



現代編第1章 彼の目覚め Sleeping-Dirty
目覚め


時宮は静かにまどろんでいた。暖かな光と体にかかった布団が心地よい。

「 あの……時宮先輩、起きてくれるとありがたいのですが……起きてください」

誰かの声が聞こえるが気にしない。にんげんだもの。昼までゆっくり眠っていたい朝もあるのだ。意識はまた心地いい闇へと沈んでいく。

「 時宮さん…………ああもうこいつときたら、ほらぱっぱと起きろよロリジジイ!見た目は私と対して変わらないくせに威張りやがって!」

そう言うと少女はそのまま当たっていたライトの光をmaxにした。凄まじい光が時宮の顔に直撃する。

声と光に驚いて、時宮は慌てて飛び起きた。少女は自分で光を当てたくせに、ここまで早く起きてくるとは思っていなかったらしい。後ろにのけぞっている。

「 ちょ、今なんて」

「 はっ、私、今なにか言いましたか」

顔からダラダラ汗を流しながら行っても説得力はない.しかも手はまだライトのスイッチを捻った位置のままである。もっと追求しても良かったが、その先にあるのは互いが傷つく道だけに思えた。

「 あー、とりあえず照明の明るさを落としてくれると」

「はい時宮様、すぐに 」

少女は迅速にライトの明るさを落として、何事も無かったかのように手を元に戻していうことは

「 ライトが壊れてたんで直してました」

「 いやそれ絶対嘘だよね!」

あははーと2人で乾いた笑みを交わす。そのまましばらく笑った後、やっともっと重要なことに気が付いた。

『 この女、誰だ?』この部屋はアレイスターから直接宛がわれたもので、普通の人間が入ってこれる所ではない。

もし入って来れる人間がいるとしたら、それは……

「 時宮さん、いきなり布団を抱えて私から離れないでください」

敵が何を言おうが知ったことではない。左腕に刺さった点滴を外して特殊ゴーグルをかけ、その間に右手で後頭部を覆っている演算補助装置のモードを能力使用モードに切り替える。

「あの、時宮さん 。何故にいきなり完全武装を?パジャマでその格好は相当痛いですよ」

げんなりした顔で少女は時宮をなだめる。

「 黙れ外部機関からの刺客が。この僕が速度標識(スピードサイン)と分かって来るとはいい度胸じゃないか」

「 いや、私刺客とかじゃありませんよ。大体、刺客が相手を起こしたりしますか」

「 それもそうだな……。じゃあ君は誰だよ」

「 へっ……ああ、私ときたら、まだ名乗ってませんでしたっけ。私は月兎雷花、統括理事長から貴方をお世話するように言われてきました」

軽めの格好をしていて、いわゆるギャル系の見た目をしている。口調とのミスマッチが凄い。それにしても……

「 随分ファンタジーな名前だな」

「 気にしてるんでそれ以上名前について言わないでください」

「 分かった、分かったから光量最高の照明をこちらに向けないで」

「 分かればよろしい」

時宮はひとつ大きな溜息をついた。

「 それで、何でこの後に及んで世話役がつくんだよ、今までは俺だけで上手くやってただろ。なにかミスでもしたか」

 これは当然の疑問だろう。月兎も特に取り乱すことなく、滑らかに答えた、

「 ああ、これは統括理事長からの厚意ですよ」

「 厚意ねぇ」

 統括理事長が、タダで人員をポンと貸してくれるはずがない。

「 何でも、最近時間が足りないそうですね」

「 大きなお世話だ」

「余計な仕事は私に任せて、趣味に専念してもらえればいいと言ってましたよ 」

 どうにも嘘臭いが、時宮はそれを受け入れておくことにした。もう一度息を大きく吐く。その瞬間に、空気が張り詰めた。

「 それで、今回はどんな仕事なんだ。下部組織に指示を出して終わるような依頼なら、ここまでしなくて良かったと思うが」

 月兎も空気が変わったのを察知したらしく、顔が真剣になる。

「 いえ、今回は時宮さんに直接請け負ってもらいたく」

「 へぇ、私が手を下すのにふさわしい内容なんだろうな」

 月兎はうなづいた。

「 はい。あなたに暴走する現学園都市1位を止めてもらいたいんです」

 

 

 

 

 




主人公の一人称がどんどん変わるのはわざとです。
月兎雷花は後にアイテムのーになる人です。
現代編と言っても、最初のうちはまだ少し昔です。
感想等頂けると幸いです。
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