騎士王が兜に王位を譲る話   作:VISP

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第4話 Zero編終章IF 或は我様大勝利ルート

 あの初日からの流れは、ある歴史とそう変わる事は無かった。

 アインツベルンへの青髭の襲来。

 征服王主催の王の宴。

 対海魔戦。

 ライダーとセイバーの追跡戦。

 大橋での王の戦い。

 地下駐車場の因縁の戦い。

 多少キャストを変えただけのそれは、しかし徐々に大きくなり、最後の最後で大盤狂わせに繋がろうとしていた。

 

 「ここで貴様か、英雄王。」

 

 既に他の者達が敗退した中、祭りの初日と同じく、祭りの最後で両雄は会敵した。

 

 「やはり貴様が残ったか、騎士王よ。やはり我の目に狂いは無かった。」

 

 最早誰一人生者の無い劇場において、二人の王は最後とばかりに言葉を交わす。

 今日此処に来るまで山の翁、青髭、征服王、湖の騎士と言う錚々たる面々が敗退していた。

 既に互いのマスターも代替わりか撤退に移り、この場にいるのは二人、否、三人しかいない。

 

 「退け。それは討ち滅ぼさねばならん。」

 「却下だ。これは間引きに使う我の財、貴様と言えどやれんな。」

 

 片や人類守護のため、片や裁定者としての責務のため。

 互いに譲れぬものがあるなら、争いを避けるという意味では端からこの話し合いに意味は無い。

 

 「まぁ雑種の間引きは他でも出来る故、貴様次第ではくれてやっても良い。」

 「何…?」

 

 厭らしい笑みを浮かべる英雄王に、騎士王が嫌悪で顔を歪める。

 こういう時の権力者と言う者は大抵まともな事は言わないと相場が決まっている。

 到底飲めない条件を平然と言い、相手に話し合いを決裂させるという体を取る。

 何せ自分がそうだった故によく解ってしまう。

 

 「騎士王よ、お前の持つ悲嘆、そして穢されてもなお染まらぬその魂。我が愛でる価値がある。我が妻となり、その心を我のみに向け、我の下に侍るが良い。さすればこの世全ての悦楽を貴様と共に分かち合う用意がある。」

 

 

 …………………。

 ………………………………。

 …………………………………………………えーと。

 場に痛い程の沈黙が広がった。

 

 

 「あー…本気か英雄王?」

 「ん?我を疑うか?」

 「いや、貴様に限ってそれは無いと思うが…あー…。」

 

 (そう言えば、まともに愛を囁かれたのって、身内除けばいなかったなぁ…。)

 

 等と余りの事態に悲しい生前を思い出す騎士王。

 人、それを現実逃避と言う。

 

 「念を押すが、私は清い身でもないし、怪物とも言われる身だぞ?」

 「くどい!それ全て含めての其方だ!」

 

 きっぱりと言い切る英雄王。

 実に漢らしい物言いである。

 そして、自己評価と言うか自身の優先順位がとことんまで低いのがこの騎士王である。

 人類と自分の貞操を天秤に載せれば、余裕で100:0になる。

 更に現状、この英雄王と全力とやり合って勝てるかと言われたら難しい。

 既に一挙手一投足の間合いと言えど、それだけで勝てたら苦労はしない。

 しかも向こうは竜の因子を持つこちらを確殺し得る宝具を多数所持しており、慢心さえ無ければ敗北は確実。

 これらを考慮した結果、答えは一つだけだった。

 

 「…約束は守れよ?」

 「承諾と受け取るぞ。」

 

 漆黒の鎧と槍を消して武装を解除し、メリハリの効いた肢体を同色のインナーだけで包む姿になる事で返答とした騎士王、否、アルトリアの下に英雄王が実に嬉しそうな笑みと共に歩み寄る。

 

 「ま、待て。先に聖杯を…」

 「待たぬ。先に聖杯を壊せばこの場で貴様を味わえん。」

 

 くい、と顎先を掴まれ、顔を上げられると、アルトリアは慌てた様に約束の履行を求めるが、ここまで来てしまったら男が待てる訳も無く、あっさりと一蹴される。

 

 (そう言えば、仕事以外で口説かれた事なんて無かったな。)

 

 このアルトリア、ハニトラで初体験済みだとは既に言及した。

 逆に、アルトリアをアルトリアだと知ってこうも熱心に口説いてくる男ははっきり言って未体験だった。

 冗談の様に声をかけてくる者は円卓の騎士にいたが、彼らとは上司と部下の関係であり、恋愛関係に発展する余地は無かった。

 だが、自身と同等かそれ以上の立場の者から罵倒や挑発ではなく、口説かれたのは完全に初体験であった。

 

 「あ…」

 

 そう思うと、途端に戸惑いが湧き始めるのが人間の不思議な所で、アルトリアが頬を羞恥で桜色に染めるその姿は、常の覇王然とした姿を知る者からすれば、余りに大きなギャップがあった

 

 「その婚儀待て―――ッ!!」

 

 そこに無粋な叫びと共に雷撃が降り注ぐ。

 

 「ちっ」

 

 その無粋な雷を、英雄王はアルトリアを庇う様に前に出ながら、展開した幾つもの盾で以て防ぎ切る。

 アルトリアもそれを自然と受け入れつつも、女の顔をしていたのを身内に見られたくないのか、英雄王の背に顔を隠した。

 

 「てめぇ金ぴか!何父上に汚ねぇ手で触れてやがる!?ぶち転がすぞオラぁ!!」

 

 全身を覆う白銀の鎧、そしてアルトリアとよく似た容姿の少女の騎士。

 第四次聖杯戦争におけるセイバー、モードレッド。

 またの名を兜の騎士、叛逆王とも言われる彼女は、今、父である騎士王から受け継いだ王位継承の剣を抜き、殺意を迸らせていた。

 

 「狂犬、如何に我が妃の連れ子と言えど婚儀への横槍は万死に値する!」

 「ハッ!父上に手ぇ出していいのはオレだけだ!オレだけがその人を殺して良いんだ!テメェ如きが触れて良い人じゃねぇんだよ!」

 

 実に手前勝手な言い分だが、このファザコンなのかマザコンなのかよく分からん拗らせ暴走甲冑娘は止まる気配は一切ない。

 先ず間違いなく、話し合いで止まる質ではない。

 

 「良かろう。オイタの過ぎる娘は躾ねばな。」

 「オレを女と言うんじゃねぇ!!」

 (あれ?これオレが止めるの?)

 

 今ここに、聖杯戦争最後の一戦だと言うのに、実際は一人の女性を奪い合う不毛過ぎる戦いが幕を開ける事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 結果、神父とタイマンやった果てに夢の中で妻子殺したケリィがモードレッドに令呪2画で聖杯を破壊させて第四次終了。

 溢れた泥は我様と騎士王が受肉するための材料になったので、原作程泥の被害は大きくなりませんでしたとさ。

 

 なお、先生&婚約者は大量の宝石受け取って離脱させ済み。

 

 第五次?受肉して子作りして育児に励んでるアルトリアさんと我様が楽しそうなので参戦せず。

 

 

 

 

 

 

 

 モードレッド

 

 継承した鞘が触媒になってうっかり呼ばれてしまったオレっ子。

 乳上に恥じない王道を、と言う事で結構潔癖な性格になってしまい、ケリィから原作セイバー的扱いをされる。

 その上セイバー顔なので青髭にストーカーされたりした上、乳上とは同盟すら組めずに戦う事数度。

 しかも糞むかつく金ぴかに乳上を取られそうになり激怒…したと思ったら見事にケリィに横槍されてお流れに。

 

 五次で士郎に召喚され、受肉した乳上を発見するも…すっかり優しいお母さんになってた乳上に愕然とした後、甘やかされて骨抜きにされて戦力外に。

 

 




 

 よし、次はFGO編だな(色々と目を反らしつつ




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