小ネタ 策士マリーベル
するとパッと目を覚ます兄さま。
もう少しの間、御就寝下さっていらっしゃってもよろしいのに。
「あ、あら?!」
突然お起きなさる兄さまにわたくしは少し慌てながらも平静さを装いつつ。
左胸に紫の薔薇のコサージュを付けた白い上着と、金の髪留めで大きく一つに纏めた髪に白い帽子。
タイトなスカートの赤い衣服に、焦げ茶色のソックスといった姿。
社長令嬢マリーベル・ランペルージの姿であり、視察に赴くとき様のマリーベル・メル・ブリタニアとしての装いを兄さまにご披露いたします。
「こ、こほんっ、わ、わたくし本日余所行きの装いで御座いまして、いつもの衣服ではありませんの」
思えばこの視察用の公務服は兄さまの前で披露した事が無い様な気も致します。
わたくしが兄さまを公務に連れまわす事。その事その物がありませんものね。
マリーベル・メル・ブリタニアの騎士か?! 等と、兄さまの事を邪推されても困りますし。
シン兄さまはわたくしの婚約者であると大々的に発表致しますにも、時期という物が御座います。
無論、皇室への根回し、描く大貴族家への根回し、盟邦大日本帝国への根回し。そして北側諸国全土への根回しとなさねばならぬことは多岐にわたります。
兄さまの意思の確認?
その様な物は必要ありません。
兄さまがわたくし以外の女性を選ぶなどという事は億に一つもございませんもの。
もしもその可能性があるとしたらクララ・ランフランクというわたくしの恋のライバルのみ。
あの娘への対処も万全。迎え撃つ覚悟はできておりますわ。
本日はあの娘はおじさまの会議の護衛として出席中。
わたくしは日本の、主に新宿副都心界隈と秋葉原の視察に赴くのでここに居るのです。
兄さまをお誘いしようとしていたのですが、御就寝だったご様子でしたので諦めるつもりでしたが。
お起きになったのであれば話は変わってまいります。
このまま兄さまを拉致──もとい。兄さまをお誘いし、わたくしの御車にて送迎をさせて頂きましょう。
ところで兄さま。固まっておいでですが如何なされたというのでしょうか?
「ま、マリー、だよな?」
「はい、マリーベルですわ」
「な、なんだよそのかっこ」
「うふふふ、視察用の公務服ですの。テレビなどでは中継されているのですが、兄さまそもそもそもギャンブル関係以外をご覧になりませんものね」
ええ、この公務服姿。
テレビ中継ではそれなりに放映されている機会も御座いますのよ?
それなのに兄さまはちっともご覧になってくださいませんので。
「こ、こう、なんつーのよ。で、出来る女って感じがする……よく考えたらお前ブリタニアの皇女、お姫さまなんだよなあ。出来て当たり前なんだよなあ」
「学業、礼儀作法、武芸一般、一通りは習得してきておりますわ」
「そりゃ俺の肩外せるわけだわ」
「この衣装の時はその様な粗暴な事は致しません。神聖ブリタニア帝国第八十八皇女マリーベル・メル・ブリタニアとしての通常の公務を行う時ですから」
「英雄皇女様でもいくさ姫さまでもねーっつー訳か。なら、俺も安心してパチンコに──」
「行かせませんっ!」
ぐっと肩を掴んでわたくしのひざの上にもう一度寝かせます。
視察は三十分後。三十分間このままで。
「ううっ?! おめーに肩を抑えつけられると幻肢痛がして痛いんだけど……膝は、柔らけーし、良い匂いがする」
「前半は必要ありませんが、後半のお言葉は、そ、その、お、女として……嬉しい、ですわ」
しばしの沈黙。
雀がちゅんちゅん鳴いておりますね。
わ、わたくしったら、行けない事を考えてしまいましたわ。
こ、このまま、もしも兄さまにちゅんちゅんされてしまわれましたら、どう致しましょう?
だ、大事件になってしまいますわ!
「ああ、……っに、兄さま、行けませんこの様なところでっ、っっああーーーっっ!!」
「な、なにやってんのお前」
「し、思考実験ですわ、兄さまがわたくしを襲ったらという」
「襲うかっ! 天下のブリタニアの皇女様を襲ったら俺100%死刑だろっ?!」
「兄さまがきちんとわたくしを娶ってくだされば問題ありませんわ」
わたくし、あまりの恥ずかしさに両手を頬に充てて、嫌々と首を振ります。
その首の動きに合わせて私の長い髪もふぁさふぁさと揺れます。
兄さまは真っ赤なお顔を為さり固まっていらっしゃいますが、事態の推移をご理解いただけたようですわね。
わたくしはいつでも兄さまを受け入れる覚悟はできております、兄さまがきちんと責任をお取りくださるのならば、この身をいつでもどこでも、この場ででも。
捧げるつもりですわ。
「お、おま、おま、そ、そんな、はしたないこと、お姫さまが」
わたくしはそっと兄さまの紫色のシャツをまくりその素肌に触れます。
「ちょっ、ちょっと待っ──」
ああ、兄さまの鼓動を感じますわ。
どくどくどくどくと、とても速い、お逃げ為さる時よりも速い鼓動。
わたくしは兄さまの手を取り、自身の胸へ。大きな胸だという自信はあります。
「こ、こらマリー、しゃん、あーた、さっきからなにやってんの? むにゅんとしたやーらかいお胸さまが、俺の右手に当たって……ちょーちょっと、君、やり過ぎじゃねー、の?」
「わたくしの鼓動を感じてください。兄さまの様に速いでしょう? わたくしと兄さまはいま同じなのです」
一致しているわたくしたち。寸土の違いも無く。
わたくしは膝枕をしていた兄さまを離して、そのお体に自らの身体を重ねます。
「うふふ、兄さま、お身体は正直ですわ」
「あ、あのな、お、お前みてーな、い、いい女に、覆いかぶさられたら、は、反応するもんもするわいっ!!! いいからどけっ!!!」
嬉しい。わたくしを女として見て下さっているのですね兄さまは……。
「退きません。警邏が来るか、お呼びがかかるまでこのまま抱き締め合って居ましょう」
「だ、だからあ、俺のが持たねーっつってんの!!」
「わたくしをお抱きなさいますか? もちろん責任はお取りいただきますが?」
「だ、抱かんっ! 抱かねーぞっ!! マリーを抱いたら責任もあれだがクララに何されるか分からんっっ!!」
「クララ・ランフランクはわたくしが退けます」
「抱かそーとすんじゃねーよっっ!!」
そうしてわたくしは三十分の間。
警邏の者が呼びに来るまで兄さまと抱き締め合っておりました。
もちろん、秋葉原と新宿副都心の視察には兄さまもご一緒していただきましたわ♪
ですが、一つ問題が。わたくしがわたくしと分かってしまう装いでは、結局のところ騒ぎとなってしまいまして。
日本で大きな信用を得ていない最低最悪の報道に嗅ぎ付けられてしまい。
『ババーンッ! 神聖ブリタニア帝国第八十八皇女殿下マリーベル・メル・ブリタニア殿下に男の影っ!!』
『ドドドドドーン!! なんとおーーっ!! お相手は日本人の平民っ! 一般人であるのでお顔は伏せさせていただきますが、秋葉原でプリクラを取りっ、新宿歌舞伎町ではマリーベル殿下に恐れ多くもお酒を飲ませたという男性は、界隈では名のしれてない?? へ?ニート? ともあれマリーベル皇女殿下には相応しからずお相手であり、当局の対応が待たれる次第です』
ご提供は朝に舞う新聞のフレーズでご存知の「舞朝新聞号外」でございました。
どのカップリングの恋愛が見たいですか?(いずれもそれぞれに書いております・また書いていきます。新しいカップリングも増える可能性あり。
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嶋田繁太郎×モニカ・クルシェフスキー
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嶋田繁太郎×ユーフェミア・リ・ブリタニア
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山本五十六×リーライナ・ヴェルガモン
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南雲忠一×ドロテア・エルンスト
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玉城真一郎×クララ・ランフランク
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玉城真一郎×マリーベル・メル・ブリタニア
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澤崎敦×井上直美
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レオンハルト×マリーカ・ソレイシィ
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原作ルルーシュ×シャーリー・フェネット
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ルルーシュ(休日)×ミレイ
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オデュッセウス×皇神楽耶
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ジェレミア×ヴィレッタ・ヌゥ
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枢木スザク×ナナリー・ランペルージ
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コーネリア・ランペルージ×ギルフォード
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高麗大佐×奥様(書けたら(-_-;)
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鳩川雪夫×ストーカー女(書けたら(-_-