本日、朝、晴天なり。クルシェフスキー領領都ポートランド郊外。クルシェフスキー家所有の大広場に集められたのは実に数万という貴族達だった。
親方様のもとに集められた子の貴族は全て西海岸諸侯。親方様は西海岸諸侯の盟主であらせられる。
親方様の子が治める地は西海岸から食い込んだ、東・南はロッキーやニューメキシコ地帯にまで及び、北はブリティッシュコロンビアやアルバータにまで及ぶ。
ブリティッシュコロンビア
アルバータ
アイダホ
モンタナ
ワイオミング
ネヴァダ
カリフォルニア
ユタ
コロラド
アリゾナ
ニューメキシコ
ワシントン:クルシェフスキー直轄領
オレゴン:クルシェフスキー直轄領
総人口3億5千万人を超え、域内面積は500万㎢に近い。戦力的にも神聖ブリタニア帝国の四分の一が集中している。
なにしろ南天の防備に割かなければならない戦力が西海海岸と太平洋には集められているからな。
つまり親方様は神聖ブリタニア帝国の四分の一の領域と力と人口を持つ支配者。これだけの大きな力を持つ一諸侯は過去から現在まで居たことは無い。
一諸侯に力が集まりすぎると反乱の怖れがあるからだ。だが、皇家、そして大英帝国、その前進の時代より、クルシェフスキー家は常に時の王室に仕えてきた。
一切の翻意も見せず、野心の欠片も持たず。その高潔なる姿勢に数多くの貴族が魅せられ、子は大きく膨大に増えていった。
それは新大陸、ブリタニア大陸に来てからも変わらなかった。先住民との戦争になるかと思われたときも、必ずクルシェフスキー家が割って入り、話し合いで済ませ、なんと先住民から貴族を輩出させるという離れ業、ともすれば皇家への背信行為に繋がるのでは無いかと思える行動さえ取ってきた。
多くの批判があった。これ幸いにとクルシェフスキー家は責められた。だがそれでも方針を変えず、皇家への忠誠心はけして揺らぐことはありませんと言い切り、時のクルシェフスキー家当主は眼光鋭くわめき散らす貴族達を黙らせたという。
ブリタニア北南戦争が起きたときも皇家の盾となり、剣となり戦った。熾烈を極めた最大級の内戦で、クルシェフスキー派閥からは多くの戦死者を出したが。戦後にはその権勢は更に強力な物となった。
定住地として、西の要としてクルシェフスキー家は太平洋に面した大きな領地を与えられ、クルシェフスキー派閥の貴族の多くも西海岸へと渡っていった。
これが現在のクルシェフスキー影響圏、西海岸諸侯を象る最初の一歩となったのだろう。
その後も第一次拡張戦争、第二次拡張戦争、英雄帝クレア・リ・ブリタニア擁立にも大きく貢献し、太平洋戦争の調停役も務め果たし、西海岸諸侯は更に膨張していった。
貴族の中には自ら志願して『是非ともわたくしめをクルシェフスキー家の一門に加えて頂きたいと』門戸を叩く者が続出し。
結果としてクルシェフスキー家の正確な西海岸影響圏、通称西海岸諸侯圏は。
総面積:4,774,663㎢
総人口:356,439,584人
という、神聖ブリタニア帝国史上最大の勢力となったのだ。
親方様万歳
これは北南戦争を起こした欧州貴族よりも勢力としては多く、声を掛ければ更に集まるとさえ言われているほどの巨大勢力圏。
この西海岸諸侯の盟主クルシェフスキー家は一千年、一千年の歴史を誇る他に類を見ない貴族家なのだ。
栄枯盛衰、起こる貴族在れば滅びる貴族有り、取り立てられれば潰される貴族もある。その中で単純な意味ではブリタニア皇家よりも歴史が長いのでは無いかとさえ言われるクルシェフスキー家は、もう、その時が来ても良いのでは無いか?
即ち、ブリタニア皇家に代わり、ブリタニア朝に代わり新たなる皇家。クルシェフスキー朝を起こしても良いのでは無かろうか? そう考えている者もこの場には居よう。
もし、今日の、本日の全体集会がブリタニア朝に取って代わらんとするその宣言集会だとしても、誰も反対はしない。クルシェフスキー家の結束はそれだけ強固なのだ。
戦力は恐らくブリタニアの三分の一。大日本帝国はクルシェフスキー家と非常に大きな縁がある為必ずやこちらに付くはず。充分勝算はある。
親方様が声を発する。皆その一言一言を聞き逃すまい。
親方様は爵位こそ侯爵だが発言権、影響力共に既存の大公爵を超えている。
それだけの御方が今。クルシェフスキー家の――。
「まず、諸卿らに申しつけておく。愚かな考えを持つ者、これを捨てよ。ブリタニアが滅ぶとき、それはクルシェフスキーが滅ぶときである」
へ?
「我が家は一千年。ブリタニア、大英帝国、その前進国家を変わらず支えてきているが、それはこれからも変わらぬ」
「し、しかし親方様ッ! 皇家の親方様に対する報いは余りにも無体に過ぎまするッ!! 大貴族連合の反乱、血の紋章、これまでの戦乱や大乱での活躍ッ!! それを、それだけの貢献をしてきたにも関わらず未だ親方様は侯爵という地位に留まり、領地も依然変わらぬままッ! これでは我ら西海岸諸侯一同納得がいきませぬッッ!!」
功労に対する報償が為されていない。そうだ親方様に立つことを望む者達が多いのはソレが原因だ。皇家はクルシェフスキー家を蔑ろにしている。
だが、親方様はまあ待てと数万人の諸卿を諫められた。
「実はな、もう何代か前より話はあったのだよ。陞爵の話と新領地下賜の話は」
なっ?! そ、そんなことは初めて聞くぞ??! ど、どういうことなんだ!!
「だが、先代も、先々代も辞退されたのだよ。そして私も固辞してきている。まあシャル――皇帝陛下からは西海岸諸侯から不満が漏れたときは見せるようにとの言伝と、こんな物を預かってきている。読み上げるぞ」
親方様の言葉を待つ諸卿、ごくりと唾を飲む音が聞こえる。
「以下の者、これまで200年間の長きにわたる功績に対する報償を固辞し続け、現在まで繋ぎ来た貴族クルシェフスキー侯爵家。現時点を以て望むのならばブリタニア領太平洋全域及び西海岸全域を下賜し、爵位を大公爵とするものとする」
『ハアァァァーーー?!!』
皆が驚きの声を上げる。中にはひっくり返る物も居る。
「なお、次なる武勲乃至功績を立てたと判断された瞬間、以上は強制的効力を帯びる物とする」
そ、それって、え、親方様が今望めば大公爵へと二階級特進??
次の手柄で強制昇進と巨大領地の下賜?
我らクルシェフスキー派閥は皆、親方様の直系の家臣となり、あらたな子まで……。
「分かっただろう諸卿。皇家はずっとクルシェフスキー家に対し報いようとして下さって居た。これを固辞し続けてきたのは我がクルシェフスキー家の方なのだよ。だからこそ、勘違いからの馬鹿な行動を起こさないよう慎んでくれたまえ」
場が盛り上がると同時にざわめく。
即ち、大公爵クルシェフスキーという歴史の瞬間に立ち会えそうなのだと。
「私としてはいまのままで充分なのだがね。先代も、先々代もそうであった。皆静かに生きたいのだよ」
なんと、なんと、親方様は欲の無い御方なのか! 望めば手に入る大公という地位ですら必要の無い物としてお考えとは。
そして、そして我ら子や家臣団はなんと底の浅い人間だったのか?! 親方様の真意、皇家の真意両方を読み切れず安易な皇家打倒を考えてしまうとは!!
皇家は、皇家は、ずっと以前より親方様への報償を用意し、親方様がお受け取りになる瞬間を心待ちにしておられたのだ。
ブリタニア万歳!! ブリタニア皇家万歳!! 我らの浅はかなる考えをお諫めくださり感謝の言葉も御座いませぬ、この身この魂。クルシェフスキー家とブリタニア皇家のため、これからも役立てていく所存っ!!
しかし動かずのクルシェフスキーの秘密の一つにはこの様なことが隠されていたのか。秘密と言えば、親方様の仮面の下はどの様なお素顔なのか。ほとんどの家臣が見たことが無いと言われる素顔、一度見てみたい物よ。
※
「はあ、なんでこんな余興を開かねばならないのか。私は静かに生きたいんだよ。ブリタニアの皇帝になる? なんでそんな疲れることを進んでしなければならないんだ。大公昇進はほぼ確実だし書類仕事に西海岸とブリタニア領太平洋全部、たぶん西海岸だけだろう。まさかアッシュフォード領やカラレス領沖の太平洋まで入っていないだろうな? そこまで面倒見切れないぞ……公海の確認や見直しも必要だし書類仕事も増える……、頭が痛い……」
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嶋田繁太郎×モニカ・クルシェフスキー
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嶋田繁太郎×ユーフェミア・リ・ブリタニア
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南雲忠一×ドロテア・エルンスト
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玉城真一郎×クララ・ランフランク
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