帝都の休日 短編連作群保管庫   作:休日

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原作ギアスゲート×休日ギアス ユフィ視点・シュナイゼル視点


 

 

 

 

 

 わたくしは異世界への門。神根島沖に現れた巨大な雲をお兄様と共にくぐり抜け。

 

 まるで嵐の中に入ったようにも感じつつ、凪の海という不思議な空間を通り抜けた先、平行世界だという海へと辿り着きました。

 

 我が方の艦隊は親善訪問ながら空母ハドリアヌスなどを筆頭に50艦程の大艦隊を向かわせ、我が国が絶えず行ってきた砲艦外交を、平行世界相手にまで行ってしまったのです。

 

 悪戯に相手を刺激することになる。そうシュナイゼルお兄様は反対のようでしたが、コーネリアお姉様や平行世界の存在に懐疑的なギネヴィアお姉様、カリーヌ等の後押しにより実現致しました親善訪問艦隊の陣容。

 

 航空母艦2艦、巡洋艦16艦、駆逐艦24艦、浮遊航空艦8艦、強襲揚陸艦4艦、潜水艦12艦。50艦どころではありませんね。

 

 まるで戦争を仕掛けるような陣容にわたくし以上にお兄様が頭を抱えていらっしゃいました。

 

「ユフィ、我が艦隊は大艦隊に見えるだろう?」

 

「はい」

 

 押しも押されぬ大艦隊でしょう。理想、いえ夢想と否定された夢の中に生きていたわたくしの目から見ても、まるでユーロピア共和国連合へと仕掛けるような大艦隊です。

 

「だけどね。私は向こうの世界の大日本帝国・神聖ブリタニア帝国・AEUの艦隊をこの目で見ている。ユフィだってみたはずだ、コーネリアも、彼の強大に過ぎる大艦隊と、まだ理論上にしかない兵器エナジーウィング機の大編隊を」

 

「はい、見ました。彼の強大な艦隊を」

 

「それを相手に回してたったこれだけの軍勢を供回りに連れて行って何になるというんだ。なれば無駄であるからこそ丸腰で向かう方が余程相手方の心証を良くすると思うのだがね」

 

 平和の使者は武器を持たない。その通りなのでしょう。V.V.レクイエムなど大きな混乱があった先での親善訪問なのですから多少は大目に見て下さるかも知れませんが、無為なる武装は警戒を招きます。

 

「ああ、そこは安心しているよ。我がブリタニアの軍事力など大日本帝国を“技術の日本”を前にしてしまえば塵みたいな物だ。向こう側に相手にもされまいよ」

 

「大日本帝国、向こうの世界の三大超大国の一国、第二位の“技術の日本”二度(ふたど)と目にするその国で、わたくしは何を見て感じるのでしょうか?」

 

「何でも見て感じれば良い。相手は貴重な格上の国なのだからね」

 

 雲を通り過ぎ、到着したその先で驚かされたのは、既にあちら側が準備万端であった事でした。

 

 

 ※

 

 

「なあ、やりすぎじゃね?」

 

 空の上で眼下を移すモニターを見遣りながらシンイチロウ・メル・ブリタニアは呟く。

 

 この男、とうとうマリーベルにひっつかまってしまったのだ。メル家に放り込まれてフローラ皇妃の笑顔の圧力に屈し娘さんを幸せにしますと。

 

 無論怒ったクララは今も絶えず玉城の奪還を試みていたりするが、そんな玉城は艦長席に淑やかに座る妻マリーベル・メル・ブリタニアと、マリーベルの筆頭騎士を見遣る。

 

「アホのアンタには分かんないでしょうけど大日本帝国はこれくらいお見通しよ。向こうのブリタニアが頑張って振り出した戦力を差し向けてくるだろう事くらいはね。長年砲艦外交をしてきた私たち、そして相手方だからこそこは想定の範囲内なの」

 

 筆頭騎士オルドリン・ジヴォンの説明に、だからといってと前置き。

 

「戦艦大和、武蔵、尾張、と世界最強の大和型を3艦も持ってくるかよ。しかも改鳳凰級や改大鳳級の13万tクラスの空母8艦、護衛艦200艦、浮遊航空艦艇300艦って、相手を海の藻屑にする気かうちのお偉いさんは」

 

 アホの玉城でさえもお迎えする艦隊としては非常識に過ぎると思う大艦隊を見てアホかと思うほどの大日本帝国親善訪問受け入れ艦隊が眼下に広がっているのだ。

 

「むう、もしも相手方が不審な行動を取ったとして瞬時のうちに殲滅する作戦とは。いやはや日本軍のやり方は苛烈ですなあ若」

 

 ヨハン・シュバルツァー将軍はうんうんと肯く。

 

 因みにシュバルツァー将軍の言う若とはシンイチロウの事である。旧姓を玉城は、窮屈で退屈な宮殿暮らしよりはグリンダ騎士団にいる事を望んだのであった。

 

 そんな三人の様子を見ながらマリーベルは。

 

「これも日本の真なる支配者方の深謀遠慮なのでしょう。彼の方々は、わたくしたちごとき凡人ではとても追いつけない思考をしていらっしゃるのです」

 

 

 

 原作ギアスゲート×休日ギアス ユフィ視点・シュナイゼル視点

 

 

 ※

 

 

「はくしょんっっ。ずずっ、誰か噂をしているのでしょうか」

 

 阿部信行は夢幻会最高意思決定機関会合メンバーが集まっている円卓で、盛大なくしゃみをしていた。

 

「おい。風邪をうつさないでくれ」

 

 杉山元が身を逃れさせて呟く。

 

「失礼ですね。これでも体調管理はきちっとしておりますよ」

 

 一瞬バチったその何でも無い空気に、部屋の隅にてちっちゃく立っている枢木ゲンブ宰相は一人でガタガタ震えており、辻に気遣われたりしていた。

 

「まあ、正直馬鹿みたいな戦力だ。浮遊航空艦艇に潜水艦も含めれば600艦での出迎えだからな。相手方もさぞ萎縮していることだろう」

 

 伏見宮の言葉にズームアップされたスクリーン。改大鳳型、新大鳳型一番艦大鳳の13万tの巨体に張られた横断幕が小さく写っている。

 

 “異界の神聖ブリタニア帝国歓迎! シュナイゼル殿下万歳! ユーフェミア殿下万歳!”

 

 万歳どころか虐めである。

 

「あんなことをされてもただただ萎縮するだけでしょうね。ライオン処か恐竜の檻に閉じ込められたような物ですから」

 

「たったの60艦に対して600艦も持ち出すとか、やり過ぎなんですよ」

 

 近衛に続き阿部が静かに言うと、再び纏める伏見宮もふうとため息を吐いて。

 

「世界侵略をしていた国だからな……。南天と比較すれば遙かに“小物”とはいえ、こちらもそれ相応の対処が必要となってくる。相手の心をへし折るくらいのな」

 

「もうへし折れているでしょう。最初の接触時に」

 

 と近衛は口にし、皆は推移を見守った。迎えに行っているのはあちらのユーフェミア皇女に対して最も優しく当たれるだろう、夢想主義者ではない現実主義者のこちらの世界のユーフェミア皇女だ。

 

 そのユーフェミア皇女の補佐として嶋田繁太郎が共に居る。どちらかと言えば嶋田の方が主役かも知れない。

 

 

 ※

 

 

「……」

 

「ユフィ、緊張しているのかい?」

 

 茶色のスーツでビシッと決めた還暦過ぎの男性、夢幻会元老の一人嶋田繁太郎は、白と薄紅色の公務服で身を固めたタイトスカートに腰部より後ろに広がる薄桃色の羽の様なひらひらしたスカートを海風に靡かせている自身の妻に問うた。

 

「いいえ、前回の会談時にもわたくし、彼方の世界のユーフェミア皇女とお会いしお言葉を交しておりますので」

 

 ユーフェミア・リ・ブリタニア――神聖ブリタニア帝国第三皇女。世界第一位の超大国“力のブリタニア”の皇女様は緊張こそしていなくとも、期待感は隠せていない。

 

 留めるところには金のラインが入り、それ以外は白という大きな髪留めで結われた膝裏まで届く長い髪は、今は毛先が腰の上に届くくらいの大きな一つのポニーテール。

 

 その大きく結われた桃色のポニーテールを強い海風がなぶり、彼女は頭を抑える。嶋田も嶋田でスーツに合わせた帽子が飛ばされないようにと頭を抑えてその場に立つ。

 

「ユフィ、髪の毛がくしゃくしゃにならないように気を付けてね。流石に髪の毛がくしゃくしゃだと他国の親善訪問大使を受け入れるのに様にならない。上空にはブリタニア側からグリンダ騎士団70艦が見張っているから、マリーベル皇女も見ている筈だ」

 

「マリーベルお姉様が……それにしてもグリンダ騎士団も一気に大きくなりお姉様も大変でしょうね」

 

 グリンダ騎士団は、平行世界の、エリア11と呼ばれている日本と。この世界の神根島近海が繋がってしまったゲートの件と、活発化している白い翼の動きに合わせてとうとう70艦30万人体制にまで大幅な戦力増強を試みられていた。

 

 ただこれはあくまでも通過試験で、その実100艦50万人体制を目指している噂もあるくらいだが、第一次世界大戦を引き起こした今の南天への怒りが覚めやらぬシャルルなら実現してしまうだろう。

 

 白い翼のテロリズムに北側諸国は悩まされているのだ。

 

「来たぞユフィ」

 

「ええ、ヒロユキも抜かりなきよう」

 

「ヒロユキの名前を出してる時点でユフィが抜かるんでいるんだけれどね」

 

「あ、ああそうでしたシゲタロウ。いえ、嶋田卿とお呼びしなければならないのでしたね」

 

 ユフィは自分でも分かっていなかったのかテンパっていた。これをほぐした嶋田は沖に見える艨艟群を捉えながら。もう少し落ち着こうとある考えを思いついた。

 

「ユフィ、海を背にして立って」

 

「海を背に?」

 

 ユフィは指示されたとおりに海を背にする。ユフィの背後には艨艟群の影。嶋田はスマホを横にし。

 

「いい絵だ」

 

 とだけ呟くと、ポニーテールの髪を大きく靡かせたユフィの姿をパシャリと撮った。

 

 すると“そういうことですか”と、今度はユフィが自分のスマホを出して。

 

「ヒロユキ、ヒロユキもわたくしと同じようにお立ち下さいな」

 

 自分がヒロユキの一枚絵を撮りたいと、彼が先ほど自分の立っていた位置に立たせる。

 

「これでいいかな?」

 

「ええ、それで、じっとしていてくださいましね。では……ハイ、チーズ!」

 

 パシャリ。

 

 なんとものどかで緊張感の無い主人達だと思う嶋田とユフィのSPたち。そのうちの一人にユフィは歩みを寄せていく。

 

「い、如何致したのでしょうかユーフェミア皇女殿下」

 

「ええ、その、わたくしと夫嶋田卿の身長に丁度お合いになる方だと思いまして。はい」

 

 ユフィの手ずからカメラモード中のスマートフォンを手渡されるSP。

 

「それでわたくしと嶋田卿を、背景に写る艦隊と共に写して下さい。記念写真です」

 

「はあ、まあそれでよろしければ」

 

 在る一定の時を除き緊張感を出さない嶋田とユフィの警護を長年してきたSPは、ご夫婦での記念撮影かと思いながら、嶋田とユフィが並び立つその背景も捉えた記念写真を撮るのであった。

 

 

 ※

 

 

「す、ごい、一度見て知っては居りましたが、一国でこれだけの大艦隊を……」

 

 ユーフェミアは海の風に大きなポニーテールを靡かせながら、ただただ大日本帝国の受け入れ艦隊に圧倒されていた。その艦数は浮遊航空艦隊を含めれば600艦に上るという。

 

 いま、ユーフェミアとシュナイゼルは、VTOLで戦艦大和に乗艦し、大和の強大さを体感していた。

 

「確かに凄いね。何をどうやってもこの艦はブリタニアの建艦技術では作れない。こちらの世界のブリタニアでさえこの戦艦ヤマトを作ることは出来ないという“技術の日本”これほどとは……」

 

 圧倒的力な差だ。その上、大日本帝国、神聖ブリタニア帝国、まだ見ぬ南天条約機構はそれぞれ数万発から十数万発のF号兵器――我々の世界で言う理論上は作れる大量破壊兵器フレイヤの更に強力な物を保有し、天にまで浮かべているというでは無いか。

 

「我が妹ながら、いくさびとたるコーネリアに大日本帝国との一度目の会談を任せなくて良かった。もしも任せていて力を見せろ等と挑発していればブリタニアは滅亡していたことだろう」

 

 常が格下ばかりだった。それが故にブリタニアは増長していた面が大いにある。どんな国が相手でも勝てる。無根拠な自信ばかりが大きくなっていって現実が見えなくなっていた。

 

 国内は皇族至上主義、貴族至上主義、力こそ全ての思想が蔓延し。

 

 それでも実態としての力を持つが故にこれまでは上手く回ってきた。

 

 それがエリア11という綻びによって崩れ始めていたところを、異界より現れた大軍勢の力を目の当たりにし夢より覚めた。

 

「吉と出るか凶と出るか、賭けではあったけど、賭けには勝った」

 

 V.V.レクイエムといった世界的戦争こそ起きたが、‟介入前のブリタニアやあなた方の世界、こういっては悪いですが南天の餌場になる可能性もありましたよ?”

 

 大日本帝国の本当の支配者の一人と目される辻卿の言葉通り、南天とか言う勢力が入り込みやすい状況に我が世界はあるという。そして一度入ってしまえばもう追い出すことは不可能に近い。

 

 大日本帝国も神聖ブリタニア帝国も南天には苦労させられているらしい。

 

 一度その南天との間で世界大戦が勃発したとか。犠牲者数はたった一年と少しの戦争で8000万人を数えたという。

 

 恐ろしい数値だった、あり得ない戦死者数だった、こんな戦争を平然と起こせる南天条約機構。彼の中華連邦を消滅の危機に追い遣ったというだけでもその圧倒的戦力を感じ取れる。

 

 ふとユーフェミアを見ると、彼女はヤマトの巨砲を見つめていた。

 

「どうしたんだいユフィ?」

 

「お兄様、このヤマトの砲はわたくしの見てきた砲の中で最も大きく最も重厚ですわ。これを、人の手で作り出せるだなんて」

 

「ああ、本当にね。スペックを教えて貰えたが最大射程は1千㎞を超えているらしい。信じられないね」

 

 

 ※

 

 

「嶋田閣下、ユーフェミア皇女殿下、ご到着したようです」

 

「到着? 到着ったって、あれはうちの大和じゃないか」

 

「大和ですわね……ヒロユキ、もしかしたらお二人とお二人のSPの方々は大和に乗り換えたのかも知れませんよ?」

 

「電車じゃ在るまいしそんなこと」

 

 シマダ閣下~っ、ユーフェミア殿下~っ。

 

 大和の舷側から手を振っているのは。ユフィと同じ衣服、ユフィと同じ髪留めで纏められた大きなポニーテールを靡かせ。ユフィと全く同じ顔にして同じ姿の彼方の世界のユーフェミア殿下であった。申し訳程度に身を乗り出したシュナイゼル殿下も手を振っている。

 

「ほら」

 

「あちゃあ~、電車じゃ無いんだぞ。戦艦なんだぞ」

 

 港湾施設に接岸された大和。

 

 次々に下船してくる人達の中、前後を屈強な騎士に挟まれたユーフェミア殿下とシュナイゼル殿下が降りてきた。

 

「久方ぶりですシマダ閣下、ユーフェミア皇女殿下」

 

 まずはシュナイゼルが挨拶をする。

 

「V.V.レクイエム以前からですから結構時間が空いておりますね。こちらこそまたお会いできて光栄ですシュナイゼル殿下」

 

「お久しぶりに御座いますシュナイゼル殿下」

 

 しっかりと握手をする嶋田とユフィ。

 

 続いて。

 

「お久しゅう御座いますシマダ閣下、ユーフェミア皇女殿下」

 

 ユーフェミアの挨拶、シマダもユフィも笑顔で受ける。とくにユフィは質問を交えて。

 

「久方ぶりですねユーフェミア殿下。現実に即した夢、夢想では無い夢の続きは上手く運んでおりますか?」

 

「はい、ユーフェミア皇女殿下に諭された現実を見ての実現可能な夢を、わたくしも実践に移しております」

 

「それはよかった」

 

「ユーフェミア皇女殿下の方は如何でしょう?」

 

「ええ、わたくしもまた新たに建国されたAEU諸国を相手に鋭意頑張っているところですわ」

 

 すぐ隣でそんな話をしているユーフェミアとユーフェミア。

 

 白いタイトスカートに薄紅色の衣服、衣服から伸びた膝辺りから身体の後ろを覆う、花びらや羽を連想させるトレーンタイプのスカート。

 

 髪を留める部位には金のラメ、その他は丸く大きな白い部位の髪留めにて大きなポニーテールに纏められた膝裏まで届く長い髪は、髪の側頭部位のみをシニヨンにして編み込んでいる。

 

 二人とも全くの同じ姿をした同じ顔の二人のユーフェミア皇女。

 

 兄であるシュナイゼルには見るだけでは見分けが付かない。

 

 しかし、ユフィの夫である嶋田にはどちらが自分の愛しているユフィかが分かるのだ。

 

「違いが分かるのですかシマダ閣下には」

 

「いいえ、私にも違いは分かりませんよ。全く同じ服装、全く同じ髪型、全く同じ容貌ですから。ただ雰囲気や空気で分かるんです。ああ、こちらが私の愛する妻であるのだなと。一目で分かりますよ」

 

 嶋田はそっと手を伸ばし片方のユーフェミアを抱き寄せた。

 

「キャっ!」

 

「こちらが私の妻、ユーフェミア・リ・ブリタニア皇女です」

 

「も、もうヒロ……嶋田卿。わたくしはユーフェミア皇女殿下とこれからをお話ししているところなのですからお邪魔なさらないでくださいまし」

 

「そんなの移動中にでも出来るよ」

 

 そんな嶋田とユフィの姿を目にしながら羨ましそうにシュナイゼルは呟いた。

 

「愛あるが故、ですか。私もそんな恋をしてみたい物です」

 

「できるでしょう。シュナイゼル殿下のその甘いマスクなら」

 

「ははは、権力欲や、お金、容姿に引かれてくる女性はお断りしているのですよ……。……それにしても、恐るべき港湾施設ですね。あの大艦隊が次々に身を収めていくとは」

 

 350余隻の艦隊はドックや岸壁に次々とその身を収めていく。どれ程巨大な港湾施設なのだろうかとシュナイゼルは汗を流す。

 

「あの300艦の浮遊航空艦もどこかへ」

 

「ええ、大型の駐機場がありましてね。そちらへ帰還していきました」

 

「あれらはほんの一部なのでしょう?」

 

 ユーフェミアが恐る恐る尋ねると、嶋田は支配者の空気をぶわっと出させて口にした。

 

「ええ、一部です。全軍では浮遊航空艦2千数百艦、主力水上鑑定千数百艦はありますよ」

 

 びくっと肩を震わせるユーフェミア。額に嫌な汗をにじみださせるシュナイゼル。想定の三倍強の戦力なのだから二人が恐怖して当然であった。

 

 加えて嶋田の威圧感が二人を圧する。

 

「我々もこの様な巨大な軍を保有するつもりなどない。だが巨大にならざるを得ないのですよ。南天は“数の南天”はそれだけの物量を誇る相手なのでね」

 

「し、シマダ閣下、威圧を抑えて頂けると」

 

 シュナイゼルは額に汗しながら言う。いつも冷静で微笑みを絶やさない兄の姿にしかし、この威圧を真正面から受けては致し方ないのかも知れないと、ユーフェミアは思った。

 

 ユーフェミアも穏やかな空気を瞬時に凍り付かせた嶋田に空恐ろしさを感じる。お日様のように暖かい空気を持ち、周りへの気配りも欠かさないシマダ卿。

 

 そのシマダ卿があのような凍てついた空気を放つなどと思いもしなかったから、だがそのシマダ卿の手をユーフェミア殿下が握ると、彼は凍てついた空気を霧散させてしまった。

 

「その……シマダ閣下は、ユーフェミア皇女殿下を愛していらっしゃるのですね」

 

 羨ましいくらいにユーフェミア殿下は愛されているのですね──少し妬けてしまいます。

 

「ええ、愛しております。心の底から。私の大切な妻ですので」

 

「ひ、ヒロユキ……」

 

 小さな声だったので誰にも聞こえていないシマダ卿の本当のお名前らしき物。ああ、わたくしもいつかはこの様な夫婦関係を築けるお相手と。

 

「こほん。まあ、じゃれ合いはこのくらいにして。お車の方にお乗り下さいシュナイゼル殿下、ユーフェミア殿下、これより東京をご案内致しましょう」

 

「よろしくお願い致します。一度目の会談の時は全てを視ては居りませんでしたので」

 

「わたくしも楽しみですわ」

 

「ぜ、全部は見れませんよ? 相当時間が掛かるので」

 

 

どのカップリングの恋愛が見たいですか?(いずれもそれぞれに書いております・また書いていきます。新しいカップリングも増える可能性あり。

  • 嶋田繁太郎×モニカ・クルシェフスキー
  • 嶋田繁太郎×ユーフェミア・リ・ブリタニア
  • 山本五十六×リーライナ・ヴェルガモン
  • 南雲忠一×ドロテア・エルンスト
  • 玉城真一郎×クララ・ランフランク
  • 玉城真一郎×マリーベル・メル・ブリタニア
  • 澤崎敦×井上直美
  • レオンハルト×マリーカ・ソレイシィ
  • 原作ルルーシュ×シャーリー・フェネット
  • ルルーシュ(休日)×ミレイ
  • オデュッセウス×皇神楽耶
  • ジェレミア×ヴィレッタ・ヌゥ
  • 枢木スザク×ナナリー・ランペルージ
  • コーネリア・ランペルージ×ギルフォード
  • 高麗大佐×奥様(書けたら(-_-;)
  • 鳩川雪夫×ストーカー女(書けたら(-_-
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