帝都の休日 三次創作 エルファバの魔女の肩もみ
エルファバの魔女の肩もみ
「あん?なになに~、特集記事ブリタニアの対テロ特殊作戦部隊グリンダの牙」
待ち惚けで鼻くそをほじっていた玉城真一郎。何とはなしに彼が手に取った本の特集ページ。
大々的な飾り文句と共に大きく描かれていたのは、全体的に赤い色でカラーリングされたKMFだった。
「筆頭騎士の剣の秘密ねえ」
割と見慣れたスマートな機体は突き出した両肩部にそれぞれ取り付けられた紫色のマントと、両肩部後背に六本ずつ装着された剣が特徴的。
騎士階級の存在するブリタニア帝国の騎士を彷彿とさせる佇まいは、騎士爵等に詳しくない者が目にしても格好良いと呼べる造型だろう。
見慣れているというのは南ブリタニアや東南アジア、時に中東クウェート国等で起きるテロ事件でそれぞれの国政府からのブリタニア帝国への応援要請があれば。
都度出撃し活躍している為、マスコミなどがよく取り上げて紙面を飾っているからだ。
「あ、それってグリンダ騎士団の特集?」
そのKMFを見ていたら後ろから声を掛けられた。
振り向けば両肩で左右二つ結びにされた金髪を揺らして、緑色の双眸を玉城の持つ本のページに向けている赤い服の少女の姿。
学生服にも見えなくも無い赤いスカートは丈が短く、すらりと伸びる健康的な両脚が肌を露出させている。
「ああそうだよ」
生返事を返した玉城。
「どれどれ~、ちょっと私にも見せて。えーっと、筆頭騎士の剣の系譜に迫る――筆頭騎士の実兄オルフェウス・ジヴォンは」
その玉城の肩に手を置いて身を乗り出す彼女は、彼の肩越しに益々身を乗り出し、赤と金縁で彩られた機体をまじまじと見つめて。
「うう~んさっすがグレイルよね。いつ見ても格好良くって素敵! お兄ちゃんも素敵!」
まるで我が事の様にして頬を緩めにやけていた。
「なんでお前が嬉しがンだよ。大体よォ、こいつジヴォン家の貴族様だぜ? 平民のお前にゃ関係ねいだろが」」
そんな彼女に怪訝な顔色で問い質すと。
格好いいから好きだ。好きな物が特集されていたら嬉しいと彼女はいう。
まあそれはそうだ。アイドルの追っかけみたいなものである。
「私KMFが大好きだし、特にグレイル。とかグレイルとかグレイルが!」
「へいへいそーですかよ。ま、お前が言うみたいにこいつは結構イイ線いってるけどな。見かけが普通に格好いいわ」
生返事に彩りを添えてみる、それだけで更に彼女の表情筋は緩んだ。
「なーにがイイ線いってるよ、玉城のくせになっまいき~」
「あのな、俺一応年上だぜ? 敬え」
「あんた年上って威張れるほどの年上らしさ無いじゃない。ニートのくせに」
言葉で非難して声色で悦びを表す。空気も相手の態度も読めない玉城にも目に見えて彼女の機嫌が良いとわかった。
肩に置かれた手がもみもみ。肩もみ仕様さながらの有りよう。
余程に好きなのだろう、このランスロット・グレイルというKMFのことが。
「俺のこたーさておき。如何にも騎士っつー感じだよなこのKMFは。勇敢さに満ち満ちているぜこの表情」
「うんうん、そーそー」
「乗ってるパイロットなんかも勇ましくて格好いい騎士様なんだろーな」
「うんうん、わかってんじゃない」
肩もみが両肩もみに変化した。緩やかでそれなりに上手く押されるツボ。
「おお、イイ……」
「ちょーっと気分良いから特別サービスよ。それにしてもあんたろくに仕事もしてない癖して無駄に肩凝ってるわね」
「ほっとけ」
自分に対していつも気に食わないといった態度の少女らしくない、とても友好的な態度。
どんな心変わりなのからしくないったらなかったが、揉み込まれる肩の心地良さに黙って動かずにいることにした。
普段は険悪な雰囲気の間柄にある少女からの肩もみを満喫すること約一分。
開きっぱなしの障子戸のあちら側から、長い濃色桃色髪を大きなポニーテールに纏めた頭がひょっこりと覗いた。
白いタイトなスカートに、腰からは羽を思わせるピンクのひらひらスカートという意匠特徴的な動きやすい服装をした少女が、障子に手を触れさせて玉城たちを見ていたのだ。
「ユーフェミア様っ」
玉城が言うより早く肩もみ少女が居住まいを正す。
覗いてきた少女の名はユーフェミア・ランペルージといって。
付き合いはそれなりに長くとも未だよく知らないランペルージというブリタニア帝国の大企業の、そこの社長令嬢だった。
ここはそもそもユーフェミアの叔父の家、現在大日本帝国に住んでいる彼女が訪ねてきていても不思議ではないのだ。
「な~にやってんだよ?」
覗き見、隠れ見ている様な様相に、玉城の表情にも妙なといった色が浮かぶ。
「あ、あの……」
何かまずいところを見てしまった。そう言いたげな困った表情。
「何をなさっておいでなのですか?」
薄紫色の瞳に動揺っぽい物が見られたユーフェミアがおずおずと尋ねてきた。
「質問に質問で返すんじゃねー」
「あ、あんた口の利き方にっ」
「あ?だって俺ランペルージの社員じゃねーし。大体お前マリーに対してはタメ口だろーが。なんだってユフィとかには様なんだよ」
「そ、それはそうだけど……あーもう!あんたにはわっかんない事情があんのよこっちには!」
しかしユーフェミアがこちらを見て何をそんなに困る必要があるだろうかと思い、ありあり事実だけを伝える。
「ん、まいーや。あのさKMFの特集っつーか、グリンダ騎士団ってあんだろ? それの特集を雑誌でやっててな。その話をこいつとしてただけだよ」
「グリンダ騎士団の?」
「おう、ほれ」
雑誌をひらひらさせて彼女に見せる。雑誌を受け取った彼女はそのトップ記事に掲載されている赤いKMFランスロット・グレイルの項目に目を落とした。
「鮮烈な赤、その性能は通常機体と比較し三倍以上の戦闘能力を有する?」
「あ、ユーフェミア様。その三倍の戦闘力ってのは大げさすぎですので信じないでくださいねっ」
「なんでお前がそんなこと知ってんだ?」
「いいから黙る!」
慌てた拍子にぎゅっと強く揉み込まれた指。
痛いと訴える玉城に余計なこと言うからよと応じる少女。
「……」
本からちらっと彼らに寄越されたユーフェミアの視線はまた困惑の色に。
「あ、あのタマキさん。マリーお姉様がいらっしゃるのに、他の女性と、その」
ごにょごにょ。
小さな声で言うユーフェミアに玉城はまた雑誌のページを一枚捲った。
そこには、赤茶色が全体を覆う、巨大なKGFの姿が一枚絵で写し出されていた。
「あっ!」
それを見ていると、ユーフェミア程露骨な桃色をしていないが、桜色の長い髪の少女がやってきた。
「それお姫様の──」
「ああっ、クララよお。おまこれが何か知ってんのかよ?」
クララ・ランフランク。この家の当主の娘であるお嬢様で、玉城の事が何故か好きな変な女の子でもあった。因みに超の付く美少女。
「ええーなになにィ。全高27.26m、重量74.73t、スラッシュハーケン×2、MVS×2、ブレイズ・ルミナス、ハイパーハドロン砲×1、拡散ハドロン砲×10、ミサイルポッド」
玉城が読み上げていく間、クララがオルドリンに突っかかる。
「駄目っ」
「え、クララさん?」
「お兄ちゃんの身体を触っても良いのはクララだけ」
「そ、それは無体では」
ユーフェミアが口を挟むも。
「ユーフェミア様……ユフィお姉ちゃんだって嶋田おじさんの身体を他の女性に触られたら嫌でしょ!!」
「そ、それは」
口をつぐむユーフェミア。
そして、後ろの障子がスーッと小さな音を立てて開いたのはその時だった。
「あっマリーおねさ──」
ユフィが言いかけて黙る。
「マリ──」
オルドリンが言いかけて黙る。
「マリーおねえちゃ──」
クララが言いかけて黙る。
マリー……マリーベル・ランペルージ、こと、マリーベル・メル・ブリタニアは、彼女が愛する玉城真一郎。
何故か彼女もクララ同様に超の付く美女でありながら玉城みたいなアホに惚れている。その玉城が、自分の特集が組まれたページを開いている事に、ニコニコ微笑んでいた。
「こりゃゴリラだな」
「「「!?」」」
ユーフェミア、クララ、オルドリンがその一言に、こいつ何を言い出すんだという表情になる。
マリーベルはニコニコと微笑んでいる。心なしか腰下にまで届くマリーベルの薄紅色に近い長い髪がざわついている幻覚が見える。
「こんなゴツイもん乗り回すのはゼッテーゴリラの類だわ。いや、ゴリラだわ」
いつもなら不敬!と叫び玉城の頭に剣の柄を振り下ろすオルドリンが、ぶるぶる震えている。
玉城と同じく悪乗りしたクララが。
「ぶふぉっ!! ご、ゴリラだよねっ、こんなの乗ってるのゴリラ──ひッ!!」
悪乗りしかけて止めた。
ユーフェミアはがたがた震えながら「ヒロユキ助けて!」と何か拝んでいる。
やがてニコニコと微笑んでいたマリーベルが歩を進め、「ゴリラだゴリラ!ぎゃはははは!」大笑いしている玉城の両方に。
そのしなやかな指と手を置いた。
「お、今度は誰だクララかまたオルドリンか?それともユフィ? 大穴でおっさん!!」
「ウフフフ、わたくしですわ」
「お、マリーか?」
十指がしなやかに食い込み始める。
マリーベルの長い髪の毛はそのまま腰下に流れているのに、影では何故か悪魔の翼の影絵の様な雰囲気を醸し出している。
その異様な空気に玉城とマリーベル以外の三人は震えていた。
ニコニコと微笑むマリーベル。
「ウフフフ、ゴリラ……ゴリラですか……。確かにゴリラが騎乗しているのかもしれませんねえ?」
「お、おい、ちょっと、いてえん、だけど、もうちょっと、優しく」
「こんなかぎづめを持つゴリラかも知れません。シン兄さま、どう思われますかあ」
ぐりん、ごりん、玉城の肩に食い込んでいく十指は止まることなく奥へ、奥へ。
マリーベルは微笑んだまま「ウフフフ」と笑っている。
「い、いだ、いだい、いでえッッ、いでえッて、ちょっ、マリー、おまっ、なにやって」
「ゴリラが肩をおもみするとどうなるかの実験ですわ。ウフフフ。お付き合いくださいますわよね兄さま?」
「ぎゃあああああああああ────!!」
バギンッ!!
肩の骨の折れる音が聞こえたが。
クララ、オルドリン、ユーフェミアの三人は涙目になって何も言えなかったという。
やがてVV邸に一台の救急車がやってきたのはその三十分後だったとか。
どのカップリングの恋愛が見たいですか?(いずれもそれぞれに書いております・また書いていきます。新しいカップリングも増える可能性あり。
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嶋田繁太郎×モニカ・クルシェフスキー
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嶋田繁太郎×ユーフェミア・リ・ブリタニア
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山本五十六×リーライナ・ヴェルガモン
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南雲忠一×ドロテア・エルンスト
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玉城真一郎×クララ・ランフランク
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玉城真一郎×マリーベル・メル・ブリタニア
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澤崎敦×井上直美
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レオンハルト×マリーカ・ソレイシィ
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原作ルルーシュ×シャーリー・フェネット
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ルルーシュ(休日)×ミレイ
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オデュッセウス×皇神楽耶
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