小さな幸せ3
大日本帝国外務省パーパルディア担当職員、朝田泰司は述べた
「エストシラント沖に見えましたるあれが、我が大日本帝国パーパルディア皇国派遣使節団の艦隊です」
朝田の隣で水平線に現れた艦隊を見つめるレミールの美貌は、驚愕に彩られていた
この目で視てさえもまだ信じられない
しかし、現実にパーパルディア皇国の政治中枢、外務局より見える巨大な水柱は、確かにいまそこにあったのだ
偵察の竜騎士からの魔信が、偽りや誇張ではないのなら、全長にして300mを優に超える戦艦や、竜母が多数存在しているとのこと
その内の1隻の戦艦が放った砲撃がエストシラントの海に着弾したのだ。地を轟かせ、大気を震わせる轟音と共に
加えて100隻を数える150m以上の大戦艦郡、恐るべき脅威だ。とくに大和という名の超巨大な戦艦と比較すれば、世界第二位の列強ムー帝国の誇る大戦艦ラ・カサミがただの小舟に見えてしまう
空を見上げれば海上の艦隊とはまた別の、空飛ぶ艦隊が進軍してきている
軍艦が、それも200m級の軍艦が空を飛んでいるのだ
飛行戦艦を運用している国など、伝承に存在する世界を支配したとされる古の魔法帝国ラヴァーナルをおいて、他に存在しないはずなのだ
或いは噂の域を出ないが、神聖ミリシアル帝国が発掘したとされる、ラヴァーナルの飛行戦艦が稼働状態にあるかもしれないが、それでもそう多くはないだろう
だが、言葉にするまでもなく日本の艦隊には、空中に浮かぶ艦隊までが艦列を成して姿を現していた。それも10を超える隻数でだ
「空に、空に浮かんでいるのはなんだ?」
「帝国空軍の浮遊航空艦隊です。本来なら時速400㎞から500㎞、最高速度となると900㎞は出る艦艇ばかりでしてね。特殊なブースターを取り付ければマッハ2、音速の2倍の速度を出しながら、高度3万mを飛行可能なのですが」
「音の速さの2倍で高度3万mだと?!」
「ええ、ですがまあ、それほどお驚きになられる事でも、然程に珍しい事でも御座いませんよ。我が国の空母。貴国で仰るところの竜母には、マッハ2以上の速度で飛行する鉄の竜、戦闘機が数十機搭載されておりますしね。我が国には8千機からの戦闘機がありますので、すべて高度1万mを超えて上昇可能です。そんなに珍しい物ではないんです」
「音よりも速く飛ぶ飛行機械が8千機…」
音の速さを超える飛行機械が日本にはある。ムー帝国大使ムーゲはそう話していた。話していたが、まさか8千機などというでたらめな数だとは、レミールは考えてもみなかったのだ
よもや飛行戦艦までも保有し、時によってはやはり音速を超える恐るべき速力を出すという。下手をすると古のラヴァーナル帝国を上回る超文明を築いているのではなかろうか
「ああそうそう、浮遊航空艦隊で御座いましたね。あれらがあそこまで遅い速度で進んでいるのは、此度の貴国来訪に際しての海軍の巡航速度に合わせているからです。まさか浮遊航空艦隊だけが先に貴国へかっ飛んできて、騒ぎを大きくさせるわけにもいきませんので」
「り、竜母は、何隻連れてきているのだ」
衝撃と恐怖に上ずる声を抑えながら、レミールは朝田に尋ねた
「竜母ではなく、空母なのですが、その空母は私が受け取っております本国よりの連絡では確か4隻だったはずです」
坦々と話す朝田に対してしびれを切らしたレミールは声をあらげた
「この期に及んで誤魔化さずともよい!! 偵察騎からの報告ではとてつもなく巨大な竜母、空母が、最低でも10隻はあると聞き及んでいる!朝田、お前も先ほどの魔信を聴いていたはずだ!!」
この反応を予期していたかのように、朝田はやはり坦々と答えた
「確かに。しかし、それは貴国の偵察騎士の方の間違いですよ。此度の使節団艦隊の陣容は、戦艦2、空母4、浮遊航空艦12、揚陸艦12、空母と揚陸艦の護衛艦として巡洋艦・駆逐艦、あとフリゲート艦が合計して100、潜水艦が36、補給艦や支援艦艇が60ほどだったはずですので。恐らくですが、偵察騎士の方は強襲揚陸艦や輸送揚陸艦、それと補給艦艇あたりを空母とお間違えになられたのでしょう。強襲揚陸艦などは一見空母にしか見えませんので」
「揚陸艦、竜母のような揚陸艦…!」
「はい、普段は遠征打撃群として空陸戦用の戦力を取り扱う専用の艦艇でして、強襲揚陸艦と他に2隻の大型揚陸艦と組ませ、護衛の巡洋艦・駆逐艦・潜水艦と合わせて一つのグループとして扱っております。今回の使節団としてそれを4個郡用意してきました。そして空母戦闘郡もまた同様に4個郡を。我が大日本帝国外務省としては、第3文明圏の覇者にして、強大な列強国であるパーパルディア皇国との、国交開設にあたり、決して非礼とならない充分な艦隊だと自負しております」
意味するところは、陸海空全方面での潤沢な戦力を揃えてきているということだ。それも日本の言う空母のような巨大揚陸艦も何隻も
1度に上陸させられる部隊はどれだけに及ぶか
1度の航空戦で音の速さを超える飛行機械や、飛行艦隊と、海上を埋め尽くす鋼鉄の艦隊と、もしも戦闘に及んだとき、パーパルディアはどれだけ戦えるのか
「……」
レミールは二の句が継げなくなった。200隻以上の大艦隊だ。1隻1隻がムーのラ・カサミを子供と見てしまえるような巨大な鋼鉄の艦隊
戦闘用艦艇は100と少しらしく、パーパルディアの全軍、1000隻近い戦列艦隊を以てすれば数の力で押し潰せるような気もしないでもない
だが、それでもレミールの危機意識はしっかりと働いていた
危険だ
この国へ普段通りの対応をしていればどうなっていたことか
ルディアス陛下がどういった反応をなされるのかも気になる
列強パーパルディアの皇族として誇り高い自分であったが、あの大和の砲撃と、現れた鋼鉄の艦隊や飛行機械に飛行艦隊を前にすれば、プライドだけでは生きられない現実があることをレミールは思い知らされたのだ
「間もなくエストシラント港に入る事に、と言いたいところなのですが、貴国の大艦隊がひしめく港に我が国の艦隊が入るわけにも参りませんので、沖合いにて待機させていただきます。使節団の代表は輸送用VTOL、垂直離着陸ができる飛行機械にてお連れしたいと思うのですが、レミール様、御許可願えませんか?」
「あ、ああ、構わん。日本との外交については私が全権を委任されているからな」
「ありがとうございます。では、早速使節団の方に連絡を通しますので。指定場所は」
「港の開けた場所に上陸するように伝えてくれ」
「わかりました」
本音ではパラディス城の中庭でも構わなかったが、今のパラディス城は混沌としている
この外務局内でも、朝田が話はじめてより誰もが彼の言葉に耳をすませていた
静まり返る外務局の中で、レミールと朝田だけが声をあげていたのだ
時折、怯えるようにエストシラント沖をみやりながら
朝田はレミールの許可を得て、スラックスのポケットに入れていた小型無線機を取り出し、プレストークボタンを押していた
魔信にも似た無線機の存在は、レミールも預かり知っている
彼女と円滑に連絡を取り合えるようにと朝田が彼女とのホットライン用として渡していたからだ
レミールの無線機は彼女の邸宅に置いてある。文明圏外の蛮族の物を後生大事に持つな。そういったルディアスからの叱責が飛ぶ可能性があった為に
本当は常に連絡を取り合えるような態勢でいなければならないというのに、近頃日本を相手にするようになってから、ルディアスはレミールへの苛立ちを隠さなくなっていた
彼女もそれに気付いていたので、それ相応の体裁として無線機の持ち歩きはしていない
その無線機を使い、朝田は沖合いの艦隊に連絡を入れている
「こちら外務省の朝田泰司です。パーパルディア皇国皇族であらせられますレミール様よりVTOLによるエストシラント港上陸の許可が降りました」
『了解。こちら大和。これより使節団を送ります』
「了解しました。お待ちしております」
朝田の声が響く外務局の中で、レミールは考えていた。この使節団との交渉はなんとしてでも成功させなければならない
間違っても、ルディアスの覇道をそのまま日本にぶつけるようなことになってはならないと
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