小さな幸せ11
ロウリアでハーク・ロウリア34世がその野心の矛先を、パーパルディア皇国という獲物に変えている頃。
大日本帝国のV.V.宅ではちょっとした宴会、もとい、食事会が開かれていた、
参加者は家の主であるV.V.。この家に住まう神聖ブリタニア帝国の皇子皇女方。そして日本の皇族である伏見宮翁。さらになんの関係もない無関係な民間人、玉城真一郎。なんでここにいるのか玉城真一郎。
グリンダ騎士団の長としてではなく、個人で来日していた神聖ブリタニア帝国皇女、マリーベル・メル・ブリタニア皇女といった面子。
ブリタニアの皇子皇女方は宴会の方には参加できない。年少組もいるのだから。しかし、お食事は出来るのでお相伴に預かっていた。まあというのもおかしな話か。ここは彼らの邸宅なのだから。
ブリタニアの皇子皇女は。別の名前でここに居る。ランペルージというお忍び姓だ。コーネリア・ランペルージを筆頭に。ルルーシュ・ランペルージ。ナナリー・ランペルージ。マリーベル・ランペルージ。計四人。
そこへ日本の真の支配者こと夢幻会から、嶋田繁太郎。杉山元。辻政信。山本五十六。伏見宮博恭王。といった面々。全員が集まれないのは時間が時間であったし寝ている者も居る。正味の話ナナリーはもう船をこいでルルーシュに寄りかかり寝ていた。
後はまあ屋敷周りを周回するSPとヴィ家兄妹の親衛隊、コーネリア個人の親衛隊だけだがこちらも不参加なので省く。
他にも夢幻会の面子のSPも当然居るのだがやはりこの場には居ない。精々が山本五十六の妻である美しく長い金髪の女性、リーライナ・ヴェルガモンが同席していたくらいか。
このそうそうたる面子の仲カチカチに固まっている二人がいた。一人は大日本帝国外務省職員にして外交官の朝田泰司。今夜も七三分けの髪型でぴしっと決め。眼鏡を掛けているが、その眼鏡の奥の瞳はすっかり泳ぎ切っていた。
その隣には黒を基調とした豪奢なドレスに身を包む、膝下へ掛かるほどの長い銀髪をした美しい女性。美しさで言えばこの場は美女美少女ばかりであるので彼女の美しさも霞む、パーパルディア皇国皇女にして同国の駐日大使兼外交官、朝田泰司の事実上の妻レミール皇女が朝田と同じく石のようにカチカチに固まって座布団の上に座っている。
自分達は何故このやんごとなき方々の御前に出ているのだろうか? 引っ立てられることでもしただろうか? 視線だけを隣同士で合わせ共に何かしてないか? 失礼を無礼を働いては居ないかと確認する二人。
正直、身に覚えがない。大日本帝国の真なる支配者方や、ブリタニアの皇族方に呼び出される覚えは。
「おッ! 銀髪の姉ちゃん見れる顔してんじゃねえかよ。固まってたから影薄くて気付かなかったけどかなりの上玉じゃんかッ! 俺と一緒に呑もう――ぜえ?!」
身を乗り出し声を掛けてきたのは、何故この場にいるのか分からない、一般人らしき男。逆立てた髪は威勢良く、顎髭を蓄えた如何にもな無頼漢。それがレミール皇女を誘おうとしたとき。
その横からぐいっと耳を引っ張られていた。
「うふふふっ、兄さまぁ~。誰が誰とお呑みになるですってェ~。もう一度仰ってくださいましな~っ!」
ひうっ。息が詰まったのは朝田とレミール皇女。マリーベル皇女から放たれる殺気に身体が強張ってしまったのだ。
レミール皇女も彼女をよく知っていた。薄紅色の腰下まで届く長い髪。意志の強そうな透き通った青い瞳。羽のパーツを背に纏い、桃色を基調としたロングスカートのドレスを着たブリタニアの戦姫、エルファバの魔女。いくつもの異名を北側諸国で持ち讃えられる、神聖ブリタニア帝国第八十八皇女殿下だ。その魔女が無頼漢の耳を引っ張りながらニコニコと温かい笑顔をその美貌に張り付けている。怖い。
「いでェよォ! いでえっ! なにすっだよこの糞マリーィィィッ!!」
「!??」
朝田は朝田で驚いた。マリーベル皇女殿下にあの様な無礼な口の利き方をして。平民風情がである。普通なら無礼打ちながらそうはならず。
「兄さまがレミール皇女殿下に不埒なことを申し上げるからです。わたくしという者がありながら!」
はあッ?! マリーベル皇女殿下はなんといった?! この無頼漢はマリーベル皇女殿下の何なのだ?! 頭の混乱する、朝田とレミール皇女。それに気付くこともなくマリーベル皇女は兄さまと呼ばれた無頼漢の耳をぎゅうっと引っ張りながら、自らの方へと抱き寄せている。
「はあ、真一郎の年上好きは……ああ、レミール大使と真一郎は同年代だったか……。クララが雲の調査で神根島へ行っててよかったよ。こんなの見られたら血の雨だ」
こんなのとは両方。レミール皇女に色目を使ったことと、マリーベル皇女との痴話喧嘩の両方だ。
「V.V.ブリタニア帝国皇兄殿下であらせられますね?! せ、僭越ながら申し上げますッ! 私とレミール皇女はなぜこの場にお引き立てられてしまったのでしょうか?!」
膝下に届く長さの髪をしたレミール皇女よりも更に長い明るい金髪をした、十歳くらいの、この場には相応しくない紫色の瞳をした少年が朝田の言葉に応じた。
「ふ~ん、朝田君だったねキミ。よく僕の事をブリタニア皇兄だと知ってた物だ。余り出回っていない情報なんだけど。よもや南天のスパイだったなんてオチじゃないだろうね?」
「ブリタニア皇兄殿下ぁッ?!」
大きな声で驚いたのはレミール皇女。この幼い少年がブリタニア帝国の皇兄殿下だとは予期できなかった。当たり前だ。ブリタニアの皇帝は六十代後半。それが僅か十つほどの少年がその兄だというのだから。
「ああレミール大使。僕はこう見えても六十七歳だ。キミらよりもずっと年上だからそこは忘れないように」
六十七?! また一つ、レミール皇女は驚いた。驚愕した。どう考えたってあり得ないと。そこにちゃちゃを入れたのが無頼漢だった。
「よおよお姉ちゃんよお。そのおっさんはただの無駄に年食ってるジジイだからあんまし気にすんなよ。年金ジジイなんだよ。くそが会社や不動産やら投資やらで儲けまくってるくせに年金まで貰いやがってよお!」
皇兄殿下になんという口をきくのだこの平民は?! パーパルディア皇国ならば間違いなく無礼打ち……いや、ただの平民がブリタニア帝国の皇兄殿下に対してこの様な態度を取れるはずが。
「話が進みませんね。玉城君は少し黙っていてください」
「は、はいッ! 辻閣下ッ! 次の衆院選、立憲政友会から是非ともこの玉城真一郎をよろしくお願い致します!」
「その件はまた後日。マリーベル皇女殿下。黙らせて置いてください」
「承りましたわツジ卿」
兄さま行きましょうね~寝所へ~♪
うわあ止めろアホォォォ!! 俺の好みはネリーなんだよォォ。ネリーっ、ネリーっ!!
「「「「「……」」」」」
夢幻会メンバーは思った。マリーベル皇女は何をしようとしているのかと。
「まあ、玉城君とマリーベル皇女が出来ちゃった婚などしよう物なら……それはそれで日ブの関係性はより深まりますが。日ブの皇室、華族、貴族からかなり苦情が出そうですねえ」
「政信、クララのことも忘れないでね。マリーベルを殺しに行こうとするだろうから。うちの国、お家騒動並みに揉めてしまうよ」
玉城を愛するマリーベルはどうも玉城と寝てしまおうと本気で考えている節がある。そうなれば最凶の暗殺者がマリーを狙う。止めても止まらないだろうトンビに油揚げをさらわれるとはこの事だから。
「ま、クララもマリーベルも本気で殺し合いまでするとは思わないけど……、ないよね?」
エルファバの魔女は肉弾戦も相当強く両目ともギアス持ち。同じくギアス嚮団のトップクラスの暗殺者クララ・ランフランクも両目共にギアスを持ち暗殺術に長けている。この二人が本気でぶつかればグリンダ騎士団内には止められる人間がいない。筆頭騎士でも割って入るのは無理だろう。
「大丈夫だろう。マリーベル殿下もクララ君もそこまで無分別ではないと思うぞ」
丸坊主の紳士が割って入った。山本五十六卿。日本の真なる支配者の――。
「そうですわ。だいたい玉城さんが態度を明確に為されないのが問題であって」
山本にしなだれかかっているブリタニア帝国ヴェルガモン伯爵家令嬢リーライナ・ヴェルガモンが、玉城が悪いと不満を漏らす。そう全てはあの馬鹿ニートが悪いのだ。
「すまん。どうも奴は私の事が好きらしいのだ……」
何故か申し訳なさそうにコーネリア皇女が頭を下げた。
「厄介な……、しかし辻よ、本当にアレを政友会から立候補させるつもりか? アレは問題を起こすぞ」
杉山元が顔をしかめ、玉城の立候補について反対の意見を述べた。あんな人間を万一当選させて、我々のバックアップがあれば当選させられるだろうという杉山は、それをこそ反対しているのだ。
「まあ、根は悪い男ではない。我々は実際にソレを知っているからな。一度やらせてみてその後ならマリーベル皇女との婚姻にも文句は出ないだろう。まあクララさんは大いに反発して何をしでかすか分からんが」
伏見宮博恭王が意見を述べ。
「皆様方のご意見とマリーベルの好意。そしてクララの好意。これらを考慮なされるのならば僭越ながらこのルルーシュ・ランペルージの回答といたしましては、あのニートに二人とも娶らせるという案も」
ルルーシュ皇子が自らの思うところを語る。
そして最後に嶋田が。
「まあ、私も二人娶ってますからその考えもあるにはありますが。玉城君は平民ですからねえ。ああ、だからこその衆議院を一期だけでも、か」
で、みんな揃って。
「「「「「というか、玉城君の話の場ではない!!」」」」」
いつの間にあのニートの話になったのか? 玉城真一郎恐ろしい子。それぞれの思いを胸に。先ほどよりやはりカチコチになっているレミール皇女と朝田泰司へと目を向けた。
辻が音頭を取る。
「朝田君、レミール皇女、今夜この席にお二人をお呼びしたのは他でもありません」
そう言い、資料を出す。二枚だ。
「つ、辻卿、こちらは?」
レミール皇女が震える声で尋ねる。なんだこれは? 人型をしたゴーレム。色は黄土色から茶色を基調とした色だ。見たことがある。
一年前、エストシラントの街中を縦横無尽に走り回り、ルディアス派を葬っていたあの鉄のゴーレム。日本で一年勉強してきたからこそ知っているKMF、ナイトメアフレームだ。初期の方の。
「このおもちゃ。無頼初期型とグラスゴー初期型に当たるタイプで。日本とブリタニアで何万機と倉庫で眠っておりましてね。実際の処使い道がありません。それで今回オーバーホールして貴国に500機ほどお譲りしようかと。なに、本当に初期型の初期型なのでおもちゃなのですよ」
また、おもちゃ……それも500機。
しかもこれを数万機保有していると……
ああ、やはり大日本帝国と神聖ブリタニア帝国は、つくづく神話の帝国を超えている。
「よ、よろしいのでしょうか。その、これまでにも大量の兵器を無償提供して頂いておいてさらにこのようなっ、正直申し上げまして私は先日より混乱しっぱなしで胃が痛く」
「胃薬もプレゼント致しましょうか?」
そういう話ではない。全てが全て無償譲渡というのがもう頭がどうにかなりそうで、体調までおかしくなっているのだ。とは、レミール皇女は言い出せないし、朝田もフォローには入れなかった。
すると杉山が口を挟んだ
「いやな。色々と調べてみたところここらあたりは。ああ、第三文明圏の事だが、第三文明圏には急峻な場所や不整地地が多い。戦車も必要だがナイトメアも必要ではないかと思ったのだ。それでどうせ使わんオンボロの旧式機の最初期型ならば提供しても良いのではという話になってな。オーバーホールして貴国に90式VTOL輸送用500機と共に供与しようと会議で決まったのだよ。我々は少し忙しくなる上にこんな時に限って、ロウリアなる弱小も弱小な国が貴国を狙って居るようだと諜報員から連絡が入ったのだ」
これを耳にしたレミール皇女の身が別の意味で固まる。朝田はというと、以外と平静のようだった。何故平静にしていられるのだろう。レミール皇女の祖国が狙われているというのにと、彼女は少し不満を持つも。
「それとこっちは本物のプレゼントだ。我らの国ではおもちゃに近い代物で短期間の大量建造も可能。日ブ共に700隻から保有しているが、一隻ずつかもう一隻+くらいならかまわんだろうという話が協議の上で出てな」
コーネリア皇女が口走ったその資料を見たとき。レミール皇女は今度こそ本当に気を失いそうになった。
軽斑鳩級浮遊航空艦×1
カールレオン級浮遊航空艦×2
話を締めくくるように伏見宮博恭王殿下がとどめを刺した。
「貴国流に旧式無頼と旧式グラスゴー。それぞれ250機ずつだが設計形式はほぼ同じなので無頼とでもグラスゴーとでも呼称してくれたまえ。それの運搬用にも使える艦船だ。たった3隻で役に立つかは分からんが、上手く使ってくれたまえレミール大使」
ああそれとくれぐれも頭に入れて置いて欲しいのは。解体して調べんことだ。我々の調べた限り、ムーやミリシアルの技術力でも二度と組み立てられんだろうし、解析も出来ん。第三文明圏、ロウリアとの戦争ごっこは任せたぞ。
遠くなる声を聞きながら、私は良き夢、悪き夢、良く分からぬ夢を見ているのだ。起きたら泰司と一糸まとわず布団の中で目覚めるに違いないと考え。闇の中に意識を落としていった。
◇
そして宴席の場で一時間後に泰司の膝の上で目覚めたレミール皇女は、一升瓶を手に持ち。
「伏見宮王殿下、コーネリア皇女殿下、ルルーシュ王子殿下、ナナリー皇女殿下、ヴェルガモン伯爵令嬢殿、嶋田閣下、辻閣下、杉山閣下、山本閣下、皆々様方。パーパルディア皇国は弱小国ながら、これまで以上に第三文明圏の要の一つとして精進して参ります。ご指導ご鞭撻の程平によろしくお願い申し上げます」
ラッパ飲みしながら、遂に常識を掃き捨てたのであった。
頂いた全ての兵器の使い方など未だ練習中なのにここで更に追加追加。古の魔法帝国のような空飛ぶ戦艦などどうやって使えというのだ。
ぐびぐび呑み始めたレミール皇女はやがて本当にぶっ倒れ、朝田の介抱の下、のんべえの如くふらふらになりながら帰宅の途に就くのであった。
やんごとなき方々に会った夢を見た。翌日そうして目を覚ましたレミール皇女。昨日の夜、どこかで飲んだのか酒臭い。
ふと隣を見ると泰司が隣で寝息を立てていた。思い出した何処かで飲んで、散々飲んで帰宅した後、日を跨いで泰司に抱かれたのだ。激しく愛し合い、幾度となく泰司を受け止めて、泰司も私の中へと幾度となく。
それで泰司と共に、二人で気を失うように眠ってしまったのだったな。
「ふふっ、泰司。かわいい寝顔だな……」
私はよく眠る泰司をベッドに残してドレスを着ていく。いつもは泰司が着付けを手伝ってくれるのだが、今日くらいはよいか。自分で出来ぬでもない。
泰司の事は後で起こしてやるとして、私の髪を自分で梳くのはなかなか大変だ。長すぎるからな。こちらもいつもは泰司にしてもらうのだが。んーー、やはり泰司を起こすか。
私はベッドのある部屋へと足を運び、泰司を起こす。泰司の顔に顔を近づけ、耳を甘く噛みながら。泰司を起こすのだ。
「はむっ、泰司、あむっ、泰司起きよ、起きるのだ。あむっ、髪を梳いてくれ」
「あ、ん、れ、みる、皇女……え、あれ、もう朝、か、う、ちょ、レミール皇女くすぐったいですよ、」
「ふふ、早く起きぬからだ、さあ泰司。起きたなら服を着替えて、私の髪を梳いてくれ。やはり長すぎて自分ではやり辛い」
「分かりました……ふああ、あっ。よく寝たなあ」
そんな朝のスキンシップを泰司と図っていた私の下に、『貴国パーパルディア皇国用の浮遊航空艦の用意出来てますんで受領してください』との電話が入ったのは、出勤する僅か五分前の事であった。
中央歴1640年7月3日現在 パーパルディア皇国軍
基準排水量70000t級のパールネウス型戦艦×4隻
基準排水量40000t級空母×4隻
基準排水量14500t級重巡洋艦×4隻
基準排水量2200t級駆逐艦×16隻
基準排水量1100t級コルベット×12隻
基準排水量10500t戦車揚陸艦4隻
60式主力戦車×1000輌
90式VTOL×16機
ゼロ式艦上戦闘機52型360機
ゼロ式【陸上】攻撃機240機
旧式無頼・旧式グラスゴー×500機
90式VTOL輸送用×500機
軽斑鳩級浮遊航空艦×1隻
カールレオン級浮遊航空艦×2隻
どのカップリングの恋愛が見たいですか?(いずれもそれぞれに書いております・また書いていきます。新しいカップリングも増える可能性あり。
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嶋田繁太郎×モニカ・クルシェフスキー
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嶋田繁太郎×ユーフェミア・リ・ブリタニア
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山本五十六×リーライナ・ヴェルガモン
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南雲忠一×ドロテア・エルンスト
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玉城真一郎×クララ・ランフランク
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玉城真一郎×マリーベル・メル・ブリタニア
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澤崎敦×井上直美
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レオンハルト×マリーカ・ソレイシィ
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原作ルルーシュ×シャーリー・フェネット
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ルルーシュ(休日)×ミレイ
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オデュッセウス×皇神楽耶
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ジェレミア×ヴィレッタ・ヌゥ
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枢木スザク×ナナリー・ランペルージ
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コーネリア・ランペルージ×ギルフォード
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高麗大佐×奥様(書けたら(-_-;)
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鳩川雪夫×ストーカー女(書けたら(-_-