帝都の休日 短編連作群保管庫   作:休日

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お兄ちゃん暑いね

 

お兄ちゃん暑いね

 

桜の季節ではないのに桜色

そんなピンクのまっすぐな長髪の少女が、無精髭のような顎髭を蓄えた目付きの悪い青年に話しかけていた

 

「あちいな…」

 

元気なさげにぼやく青年こと玉城真一郎は、ピンク髪の少女クララ・ランフランクに引っ付かれながら、半ば諦めたように項垂れていた

 

暑いですわね兄様

 

すると、今度は玉城真一郎の逆隣に座る、紅色の長髪をした女性が、クララと同じ感想を差し挟んできた

 

「あちいな…」

 

紅色の髪の女性、マリーベル・ランペルージ、こと、マリーベル・メル・ブリタニアに引っ付かれながら、青年、玉城真一郎は、またもや諦めたように項垂れていた

 

「あのよー、お前らさぁ、暑いんだよ…、引っ付いてくんなよ…、離れろよ、頼むから離れてくれよ、俺、熱中症で死んじまうわ…」

 

項垂れていた玉城は、左のクララ、右のマリーベル、双方に言い聞かせるようにして付きはなそうと足掻いた

 

「俺もお前らも汗っだくじゃんか…、まじ馬鹿だろ…」

 

しかし、それは無駄な足掻きでしかない

髪から汗を滴らせながらも、クララ、マリーベルは、玉城から離れようとしないのだから

 

「クララが兄様から離れれば、わたくしも離れますわ」

 

ぽたぽた

分けた前髪からマリーベルの汗が地面に落ちた

 

「マリーお姉ちゃんがお兄ちゃんを離したらクララも離れるよ?」

 

ぽたぽた

ぱっつん切り揃えられたクララの前髪から汗が地面に落ち染みになる

 

「いい加減にしろてめぇら! こんなあっちいのに何で三人揃って引っ付き虫にならにゃならねんだ!」

 

頭を振るい、逆立つ髪から汗を飛ばさせながら、玉城は怒る

 

三人は今日も色んな意味で熱かった

 

 

 

暑いです

 

 

モニカは嶋田家の縁側で風にあたりながら風鈴の音を聞いていた

 

りーん

りりーん

 

涼しげな音から風流を感じる

しかし、暑い

 

「こうも暑いのにどうしてマントを着ているのでしょうか私…」

 

待機任務中だからだそりゃ

仕方ないだろう

モニカ・クルシェフスキー、ナイトオブトゥエルブは嶋田家にて待機せよとブリタニアの皇帝陛下直々の御下命なのだから

 

『夏休みだぞシゲタロォォォウ 』

 

だから、嶋田家に遊びに来る

 

別荘へ行って下さい

 

モニカは不敬ながら皇帝陛下に対してそんなことを考えてしまった

 

すると

 

「君も大変だなモニカさん。シャルルさんの護衛任務」

 

「嶋田さん…」

 

この家の主人にしてモニカ・クルシェフスキーの最愛の人、嶋田繁太郎がやってきた

 

「もう、お帰りになられたのですか?」

 

嶋田は今日、午前中は所用で忙しく、午後にやって来る、あ・そ・び・に・やって来るシャルルの時間に合わせて帰宅予定だった

それなのにもう帰って来た

 

「途中で切り上げてきたよ。君一人だけ暑い中の待機任務は可哀想だと辻さんに言われてね。それに、ほら、うちのエアコン壊れていたろう? この中で騎士の正装で一人待つ君の身を思うと、俺もいてもたってもいられなくってな」

 

それだけ言うと嶋田はモニカの隣に座り、静かに彼女を抱き寄せた

 

「暑いときも俺達は一緒だよ」

 

「…!」

 

モニカの顔は紅くなる

暑さと熱さで紅くなる

 

暑い暑い今日の嶋田家

 

二人は恋人のような抱擁を続け、ブリタニア皇帝、いや、シャルル・ランペルージを待っていた

 

 

「暑いですわ」

 

リーライナ・ヴェルガモンは山本五十六の肩に頭をのせながら呟いた

 

「暑いですわいっくん」

 

暑いなら頭をどければどうかとは言わない

山本は自身の最愛の女性がそうするなら、されるがままでも良いと考えていたからだ

 

「暑い暑いと思うから暑いのだ。心頭滅却すれば火もまた涼し。俺の身体を水か氷だとでも考えればいい。それより、俺にはその言葉遣いの方が気になるのだがな」

 

「あら。わたくしは由緒正しいヴェルガモン家の者ですもの」

 

「だから、普段通りに喋ればいいだろう」

 

「うふふ、いっくんの反応を楽しんでおりますの」

 

リーライナはその美貌に妖しげな笑みを浮かべて顔をあげ、山本を見る

エメラルドの瞳に射ぬかれた山本は、特に動じることもない

 

動じることもなく最愛の女性を見てひとこと

 

「いつものリーラが一番だな」

 

どこにでもいる女性、といった普段の彼女をこそ山本はもっとも彼女らしいと感じている

お嬢様然とした、その実、貴族階級のお嬢様なのだが

 

「淑やかな淑女はお嫌いですの?」

 

そんな彼女リーライナ・ヴェルガモンに山本は

 

「リーライナ・ヴェルガモンという淑女ならばまあ、どのような顔を見せても問題はないがな」

 

とだけ伝え、彼女の肩を抱いて、唇を奪った

 

それは暑く蒸した夏の午後

山本五十六とリーライナ・ヴェルガモンの間に交わされた、熱い熱い口づけであった

 

どのカップリングの恋愛が見たいですか?(いずれもそれぞれに書いております・また書いていきます。新しいカップリングも増える可能性あり。

  • 嶋田繁太郎×モニカ・クルシェフスキー
  • 嶋田繁太郎×ユーフェミア・リ・ブリタニア
  • 山本五十六×リーライナ・ヴェルガモン
  • 南雲忠一×ドロテア・エルンスト
  • 玉城真一郎×クララ・ランフランク
  • 玉城真一郎×マリーベル・メル・ブリタニア
  • 澤崎敦×井上直美
  • レオンハルト×マリーカ・ソレイシィ
  • 原作ルルーシュ×シャーリー・フェネット
  • ルルーシュ(休日)×ミレイ
  • オデュッセウス×皇神楽耶
  • ジェレミア×ヴィレッタ・ヌゥ
  • 枢木スザク×ナナリー・ランペルージ
  • コーネリア・ランペルージ×ギルフォード
  • 高麗大佐×奥様(書けたら(-_-;)
  • 鳩川雪夫×ストーカー女(書けたら(-_-
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