帝都の休日 短編連作群保管庫   作:休日

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その日はV.V.邸で

 

 

その日はV.V.邸で日頃の頑張りに対する各人への慰労会が催されておりました

 

慰労会と一口に言っても、行うことは単なる宴会でしたが、それぞれが日頃の労を一時の間だけは忘れて楽しもうと、近親者の間で定期的に行われているのです

今夜の幹事、ホストはもちろんV.V.邸の主である嚮主――いいえ、ただのV.V.さんです

 

参加者は上はなんと伏見の…いえ、フシミンさんや近衛…いえいえ、コノミンさんという何処かの素敵な紳士様方を筆頭に

 

嶋田繁太郎さんという名の、ブリタニアの大企業ランペルージグループ社長の兄であるV.V.さんの幼なじみというおじ様や、その友人である辻政信さん、山本五十六さんという、何処かで聞いたような名前をしたおじ様たち高年齢組から

 

下は大勢いるV.V.さんの姪の中でも更に年少組となるナナリー・ヴィ・ブリタ…もとい、ナナリー・ランペルージちゃんや、ナイトオブシック…否!ナナリーちゃんの同級生のアーニャちゃんという少女まで、多岐に渡る年齢層の人々が参加していたのです

 

知らぬものなどいないはずの一般人ならぬ逸般人たちばかりです

 

ですがしかし、その中にあってただ一人だけ正真正銘の一般人が参加していたのです

 

人相が悪く、無精髭のようなあご髭を生やしたその一般人である玉城真一郎さんという名の男性は、参加者たちの中では中間となる年齢層の、お酒を飲める年齢組となります

 

鈍いを通り越し、もはや馬鹿の領域へと両足を浸している玉城さんは、場にいる人々が実は実は実は揃いも揃ってやんごとなき身分の方々なのだという事実をしりません

馬鹿ゆえか

馬鹿ゆえにか

普通なら気がつくでしょうことに気がつくことなどないのです

ゆえに無礼を働いてしまいます

 

 

 

 

「よーう!嶋田のおっさん飲んでるかー!」

 

ドン

 

玉城さんは嶋田のおじ様の肩を付くように叩いたりします

 

「え、ええ飲んでますよ」

「相変わらずパツキンのネーチャン侍らして、ユフィも手込めにしてんのかーい!」

 

適当に思い付いたことを口にする玉城さんは、嶋田のおじ様の隣にいたストレートロングの金髪をしたお姉さん、ナイトオブトゥ…NO、モニカ・クルシェフスキーという名をした何処かの貴族と同じ名をした女性からの鋭い眼差しに気がつきません

 

「この無礼も―――」

「いいからいいからモニカさん、彼はお酒が入るといつもこんなだろう?抑えて抑えて」

 

モニカさんが腰に手をやり、しかし普段着のいまは帯剣していないことに気がついて、嶋田さんには止められて、おまけに

 

「ただの居候様は怒りっぽくていけませんね。玉城さんのお人柄を一方なりとご存じであるのでしたら軽く受け流すくらいのことはなさらないとまいりませんのに。ね、シゲタロウ」

 

モニカさんは、V.V.さんの姪の一人で長い桃色の髪をした、ブリタニアの皇女ユーフェミア・リ・ブリタニア―――に似たユーフェミア・ランペルージさん、ユフィさんという女性にたしなめられてしまいました

ユフィさんはV.V.さんの姪なだけあって、玉城さんのこともよくしっています

とくに酔ってしまった彼のことはまともに相手をしてはならないことも

もちろん、内心ではユフィさんも玉城さんが嶋田さんへご無礼を働いたことや、自分たち三人の微妙な相関関係を揶揄されたことに嫌な思いをしておりました

しかしそこを「玉城さんだからこんなことくらい平気で口走る」と、我慢したのです

そうです、お隣に悠然と座る嶋田さんのように

そうして彼女は静かにさりげなく嶋田さんの手を握ります

 

「くっ、わかりました。ですが、ユーフェミアさ―――んは、まずその手をお放しくださいませ。嶋田さんがお料理を食べられません」

 

怒りをぶつける先を喪失した何処かの騎士と似たモニカさんは、ユフィさんの手が嶋田さんの手を握っていることに気がついて慌てて引きはなそうとします

 

「どうしてわたくしがクルシェフスキー卿の仰ることを聞かなければなりませんの?」

「嶋田さんがお困りになるからです」

 

クルシェフスキー卿というのが何処の誰のことかはわかりませんが、モニカさんの言うことをユフィさんは聞きません

でもモニカさんは嶋田さんが困ると言い切ってはユフィさんを嶋田さんから引き剥がそうとします

 

「困りますのシゲタロウ?」

 

ユフィさんは上目遣いで嶋田さんを見ます

目が潤んでいます

反則です

 

「い、いや、困るというか」

 

ユフィさんの反則攻勢に嶋田さん、困っています

 

「困りますよね嶋田さん?」

 

モニカさんも上目遣いで嶋田さんを見ます

やはり反則です

 

「困らないというか…ぼそ(どうしろというんだ!」

 

モニカさんの反則攻撃に嶋田さん、困っています

 

手を放さないユフィさんに、引き放したいモニカさん

二人に挟まれた嶋田さんは非常に困っています

あちらをとればこちらが立たず

こちらをとればあちらが立たず

といったところでしょう

 

「嶋田のおっさんモテモテで羨ましいぜー!」

 

原因を作った玉城さんは我関せずそんな彼と彼女たちを煽りながら、ふらふらと歩いては、続いて目についた坊主頭をはたきます

 

パーン!

 

肌を打つ音が鳴り響きました

 

「山本のおっさんもいつものパツキンネーチャン侍らしてお熱いねー!」

 

次なる標的にされた山本さんは頭をはたかれたことは別段気にしないままに忠告します

 

「飲み過ぎではないのか玉城君」

 

忠告しながら山本さんは、はたかれた場所を撫でさすってきた自分の隣に座る金髪の長い髪をした女性に「ありがとうリーラ」とお礼を言います

もうなんだか二人の間には自然とした甘い香りと空気が漂っております

 

「もう、いっくんは甘いんだから」

 

山本さんの頭をさするリーラさん、リーライナ・ヴェルガモンさんという、こちらもモニカさんと同じく、何処かの貴族と似た女性は玉城さんを睨みながら言いました

 

「こんな方には一発強めのをお見舞いして差し上げた方が宜しいですわよ?」

 

ですが山本さんは「宴席では多少は無礼講ということで気にせんよ」だそうでして、特に怒ってはいない様子でした

 

 

 

 

その間も、玉城さんは「フシミーン、今度俺用にエロ本描いてくれよー」と、この場にいるやんごとなき逸般人の頂点でありますフシミンさんに声をかけます

 

「玉城君、酒は飲んでも呑まれるなという言葉を知っているか?」

 

フシミンさんも泥酔玉城さんをたしなめます

 

「いいじゃないかちょっとぐれーよぉ、今日は無礼講なんだからよぉ」

 

自分が誰に向かい口を聞いているのか、馬鹿ゆえかアホゆえか、わからない玉城さんは気にしません

世界中の貴人たちから一般市民まで幅広く知られている人物なのに、知らないからこそ玉城さんは気にしません

 

「無礼講といっても限度があるぞ。嶋田君やモニカさんやユフィさんが揉めたりするように絡んだり、山本君の頭をはたいたり、少しやりすぎだろう」

 

そんな玉城さんをフシミンさんは柔らかく注意します

酒は飲んでも呑まれるな

当たり前のことなのです

 

フシミンさんの背後でいつの間にか待機していた幾人かの黒い服を着た男性たちが危うく動きそうでした

でもフシミンさんが手をかざすと黒い服の男性たちは下がります

 

「堅いこと言うなよフシミ―――ん?」

 

まだまだ平気そうな玉城さんでしたが、フシミンさんに絡んだところで後ろから引き倒されてしまいました

 

「ふぎゃっ!」

 

ふらふらの玉城さんに足払いをかけながら小さな手で服を掴み引き倒したのは、白い衣服と黒いマントを着た踵にかかるほどの長髪を持つ少年でした

V.V.さん、V.V.邸の主にして今回の慰労会のホストで幹事であります

 

「まことに申し訳無い伏見宮でん―――フシミン殿。御貴殿が御承知の上とはいえ、この馬鹿を招いたのは私の娘です。非はホストである私に」

「いや、構いませんぞV.V.殿。彼もまたこうして縁があり我々と知り合ったわけですからな。そう、一般人である我々と」

「そう言って戴けると助かります。……おい馬鹿、あっちに行くぞ」

 

普段見られないV.V.さんの堅苦しい言葉遣いを見ていた玉城さんは「おっさんが変になった」と口走っていましたが、V.V.さんは気にも留めずに玉城さんを年少組の元へと引きずっていきました

 

「V.V.、いやV.V.殿下と玉城君か。彼らもまあまったくあり得ん不思議な巡り合わせをしたものだな」

 

フシミンさんは、コノミンさんに話しかけます

 

「ええまったく。ですがしかしそれは我々とて同様にです。この世界で玉城君と、あの玉城と縁ができるとは思い描きもできないことでしたからな」

「確かにな」

 

フシミンさんとコノミンさんは杯を鳴らしてご機嫌気味に飲み干しました

 

 

 

 

少女祈祷ちゅ―――馬鹿無礼中…

 

 

 

 

 

 

 

 

「……っ痛、う、うう、あったま痛ぇ」

 

玉城さんはそう言って起きました

 

「あ、起きた」

「兄様大丈夫ですか?」

 

ぐらぐらする頭と視界

玉城さんを覗き込んできたのはピンク色の髪の少女と、紅い髪の女性です

 

玉城さんは彼女たちを知っています

ピンク色が玉城さんの幼なじみであるクララ・ランフランクちゃん、紅色が玉城さんと夢を語り合ったことのあるマリーベル・メル・ブリタニ―――マリーベル・ランペルージさんです

 

「あれ…?クララ…マリー…?俺、どうなって…?」

 

玉城さんの疑問にマリーベルさんが答えます

 

「兄様は飲み過ぎで泥酔なさってフシミン様に御無礼を働き、怒ったV.V.おじ様にルルーシュたちの、つまりわたくしたちの輪に放り込まれた後、コゥ姉様に抱き着いて殴られましたのよ?」

 

マリーベルさんは少し、いえかなりお怒りの様子です

怒っているのはマリーベルさんだけではないようです

 

「お兄ちゃんはコゥお姉ちゃんに殴られた後に気絶してたんだよ! もうっ、お兄ちゃんにはクララがいるのにコゥお姉ちゃんにデレデレして!」

 

クララちゃんも怒っていました

理由は明白です

クララちゃんは明確な、マリーベルさんは密やかな、玉城さんへの恋心を懐いているからです

 

好きな男性が別の女性に抱き着いた

 

これはクララちゃんとマリーベルさんにとっては面白くないことでしょう

 

どうして自分に抱き着いてこないのか

 

といった、嫉妬の感情も沸き上がってくるというものです

馬鹿に恋する馬鹿な少女たちなのです

玉城さんこんなどうしようもないお馬鹿さんなのに、実は自分も美女美少女からモテモテなのです

しかして残念なことに玉城さんにはわかりません

クララちゃんのようにきちんと言葉にしても、それでも悩める乙女心を十全に理解するには察する力が無さすぎるからです

マリーベルさんのお気持ちになど微塵たりとも気づくことはありません

馬鹿ゆえに

 

「全然記憶にないぞ」

 

当たり前です、気絶していたのですから

ですが玉城さんの気持ちは、気分はまだいいままです

ふわふわ、ふわふわ、ふーわふわ

まだ酔いが醒めていないからです

酒癖の悪い玉城さんらしい、というところでしょうか

 

「クララの言葉を華麗にスルーしたあ!」

「クララの妄言はスルーなさっても結構ですよ」

「なんのことだよ」

 

甘い流れは玉城さんに似合いません

鈍くて馬鹿な玉城さんは二人の少女を見比べてぼけーっとしております

するとそこへ

 

 

 

 

「クララ、マリー、そんな泥酔馬鹿に構っていると君たちにまで馬鹿と臭いが移るぞ」

 

黒髪短髪の美少年、V.V.さんの甥の一人で名門アッシュフォード大学の学生、ルルーシュ・ヴィ…アウト!

ルルーシュ・ランペルージさんがお声をかけてきました

 

「お、ルルーシュ。お前も飲んでるか」

 

玉城さん、馬鹿にされても平気です

馬鹿ゆえに

 

「俺の年齢で飲めるわけがないだろう、なに考えてるんだお前は。さっきから伏見宮殿下や嶋田卿、山本卿、ユフィやクルシェフスキー卿に絡んで、姉上にも抱き着いて」

「んー?誰だそれ。フシミンや嶋田のおっさんってそんな風に呼ばれてんのか?」

「……う、失言だった、ぼそ(玉城が馬鹿で助かった」

 

思わず失言してしまったルルーシュさん、逸般人ばかりのこの席で、玉城さんだけが本当の一般人、特別なのです

皆さん彼には秘密にしている身分をお持ちなのです

この時ばかりは玉城さんが馬鹿で助かりました

そんなルルーシュさんですが、大学生とはいえ日本の法律ではまだ成人していないのです、ルルーシュさんと同年のマリーベルさんもお酒は飲んでおりませんので玉城さんのように酔ってはおりません

クララちゃんに到っては高校生なので飲めなくて当然なのです

必然的に二十歳以下は皆さん年少組となるのです

 

「まあいいぜ。お前らガキどもに付き合ってたらせっかくの高い酒が飲めなくなるってもんだ、んじゃな~」

 

玉城さんへこたれません

まだ飲む気でいるのです

しかしそれはかなわぬ幻想郷なのでした

 

「お前はもう駄目だ」

 

ルルーシュさんの後ろからお声がかかります

コーネリア・リじゃなかった、コーネリア・ランペルージさん、年少組に混ざっていた年少組には非ずな紫色の長髪が鮮やかな美貌の女性です

名前からおわかりのように、彼女もV.V.さんの姪御さんのお一人様

あちらで酔ってしまったモニカさんが、もう自分は引っ付いてしまえばいいんだあと開き直って嶋田さんに全身体ごと引っ付いてしまい、今までとは反対に嶋田さんからモニカさんを引き剥がそうと奮闘することになってしまったユフィさんの実姉でもあります

コーネリアさんの非情なお言葉には、身の程知らずにも彼女に惚れているらしい玉城さんも不満を漏らします

 

「なんでだよ」

 

高いお酒

このやんごとなき逸般人たちの間で持ち回りで行われている慰労会、本当に高いお酒が出ているのです

お馬鹿の玉城さんもそこは酒好き

知らないお酒ばかりの中でもいくつか知っているヤバい値段のお酒のラベルを見ているのです

これは退くことができないというものです

ですが、コーネリアさんは淡々と告げます

 

「叔父上から飲ませるなとのお言葉が出た。何故かは己で考えよ、と言いたいところなのだが、馬鹿には分かりやすく言っておこう。呑まれ過ぎて調子に乗りすぎだお前は、少し頭を冷やせ」

 

惚れた女からのキツイ一言、orzな玉城さん

 

 

 

 

しかしどうして反省の色は無いようでした

身を乗り出して告げたコーネリアさんのたわわな胸元を覗き見ています

 

「ぼそ(でかい」

 

小さな声でした

この男、真面目な話の最中に嫌らしい目でよろしくないことを考えていたようです

でもそんな玉城さんには天罰が下ります

クララちゃんにマリーベルさん、お二人には聞こえておりましたので

 

「えいっ!」

 

クララちゃんの蹴りが玉城さんの左腰

 

「はっ!」

 

マリーベルさんの蹴りが玉城さんの右腰に

 

ズドン!

 

と炸裂しました

 

「痛ででででっ! あにすんだよお前らぁ!?」

 

怒る玉城さん

 

「お兄ちゃんのばーか!」

「兄様最低ですわ!」

 

怒っているクララちゃんとマリーベルさん

 

「やれやれ、やはりこれのどこが良いのか俺にはさっぱりわからないな。俺が女なら間違えてもこんなやつに好意は懐かない。悪友としてならそれなりに楽しめそうだが厄介ごとに巻き込まれてしまいそうな気もするしな」

「ルルお兄ちゃんにはわからないよお兄ちゃんの良さは」

「ルルーシュにはわからないことですわ」

「だから俺もわからないと言ってるだろ」

 

クララちゃんとマリーベルさんの物好き具合にはかなり呆れているルルーシュさんです

 

「どうしたのだ二人とも」

 

たわわな実りを覗き込まれたことそのことに気がついてないコーネリアさん

こと闘争についてはいかんなく力を発揮する武勇高き彼女も、なかなかに迂闊なところがあるようです

彼女の傍で控えていた眼鏡をかけた長髪黒髪のイケメン騎士が玉城さんに殺気を飛ばしていることにも、これを気づけていないのですから

 

年少組は年少組で騒がしいようです

 

「皆さ~んお団子とお菓子ですよ~」

「ナナリーと二人で作った…」

 

そこへ、ほんわかした声と共にやってきたのはナナリーちゃんとアーニャちゃん

彼女たちはお手製のお団子とお菓子を作って運んできたのでした

 

 

 

少女祈祷ちゅ―――馬鹿反省中

 

 

 

お酒禁止令を言い渡された玉城さんは、大広間の年少組の座の端っこで座布団を二枚敷き、その上でうつ伏せになり寝そべっておりました

 

「あー、つまんねーよー、酒飲めないと楽しさも半減だぜ」

 

六十畳は余裕でありそうな大きな広間です

人もいっぱいです

年長組や高年齢グループに混ざりお酒が飲みたい玉城さんはしかし、右側で玉城さんと同じように座布団を二枚敷いて寝そべるクララちゃんに監視されて年少組から出られないようにされています

もちろんクララちゃんを言いくるめて逃げ出すことも考えましたがV.V.さんから強く言われているクララちゃんは監視の手を緩めません

 

「こうなったのは自分のせいじゃん」

「なんで俺のせいになるんだよ?ガキのお前にはわからないかもしれんが、宴会なんてのは騒ぐのが普通なんだよ。それがなんだよ。ちょっと騒いだくらいで酒禁止って」

 

反省中は一時の気の迷いのようでした

玉城さん、全然反省の色が見えません

 

「あんた場所が場所なら今日の宴が始まってからの間に四度は死んでいたわよ」

 

反省しない玉城さんに、反省を促したのは両肩で二つ結びにした金髪が眩い女性でした

彼女も年少組の一人です、ただしマリーベル・メル・ブリタニア―――と、似ているマリーベルさんの護衛任務中でもあります

 

「なんだよオズ」

 

玉城さん、うんざりしたように顔だけを彼女に向けます

失礼な男です

 

「ナイトオブナイツはマリーお姉ちゃんの傍を離れてもいいんですか?」

 

クララちゃんも玉城さんにならって顔だけを女性に向けました

玉城さんの真似をしてはいけません

 

「そのマリーが玉城を監視するようにと、コーネリア様やルルーシュ様からも玉城を監視しなさいと仰せつかりました」

 

クララちゃんはV.V.さんの娘です

重要な意味を持っています

ですからオズさん、オルドリン・ジヴォンという名の、こちらも何処かのお貴族様と同じ名前をした別人ということになっている女性も敬意を表します

 

ナイトオブナイツ?

 

なんのことですか?

 

 

「玉城がお酒を飲まないようにと。この男、少し目を離すとすぐに酒瓶のところへ向かおうとするでしょう」

「なんだよオズ、ひとを餌探してる蟻みたいに言いやがって」

「蟻? Gの間違いでしょ」

「ちょっとナイトオブナイツ!Gはひどいよ蟻に訂正して!」

「お前ら言いたい放題だな!」

 

玉城さんは無視されています

 

「たまきーん、マリーベル殿下―――っとと違った違った。マリーベルお嬢様とナナリーお嬢様がみんなで楽しもうって誘ってるにゃー」

 

猫みたいな語尾をつけて玉城さんを誘うのは、オルドリンさんと同じランペルージグループ社長令嬢マリーベルさんの護衛をしている肩にかかるくらいの青髪をした女性、ソキア・シェルパさんです

 

「コーネリアの隣に座れるなら行ってやっても痛だだだだ!」

 

言いかけて玉城さんはクララちゃんにつねられました

 

「まだ言うし」

 

それを見てソキアさんも追い討ちをかけます

 

「たまきんはマリーベルお嬢様の隣だよ、逆隣はもちろんクララお嬢様かにゃー?」

「なにが悲しくてガキどもに挟まれてお酒を飲めない場にいかなけりゃならないんだよ」

「それはたまきんが伏見宮殿下―――っと、フシミン様に御無礼を働いたからさあ」

「そうよ、だいたいあんたどうして自分の国の皇ぞ」

「オズ!口チャックだぜい!」

「あ、ええ、助かったわソキア…」

「迂闊すぎだぜいオズ」

「だからなんの話なんだよ」

「お兄ちゃんは気にしなくっていいの」

 

玉城さんはなにもしらないのですよオルドリンさん

ソキアさん

も危ないところでした

世の中、知ってしまうと怖いこともたくさんあるのです

 

「まあまあ話はたまきんのお酒が抜けてからの方が良さそうだけど」

 

アルコールが抜けるまで待っていると玉城さんはおそらく寝てしまうでしょう

 

余談ですが、年少組といっても慰労会そのものには参加していない大人なら混ざっています

たとえばコーネリアさんの護衛であるギルフォードさんやダールトンさん

ルルーシュさん、ナナリーさんの護衛である小夜子さん、ジェレミアさん、キューエルさん、ヴィレッタさんなどなど、挙げればきりがないくらいには大人がいっぱいです

年少組とは、二十歳以下の慰労会参加者を指しての年少組なのです

そこへ参加している大人がコーネリアさんだけであっただけのことなのです

玉城さんは社長令息令嬢ばかりな年少組の護衛の皆さんを不思議には思いません

世界的な大企業の令息令嬢なら護衛くらいいるだろうと考えているからです

そのくらいの常識は持ち合わせているよです

内実は違いますが、ある意味では間違いでもない、といったところでしょう

 

さてさて、あさてさてさて、そうして慰労会は続いていくのです

逸般人の中に紛れ込んだ一般人、玉城さんを内に抱えて

 

 

おしまいです

本当は昭和のイラストレーターさんが書いていた本にあったマナーの話で「自己を表す時に私と言わず、自分の名前を言うのはある程度の年齢になってからは変な感じになってしまう」といった記述がありまして、高校生のクララが、いまだに自分のことを「私」と言わずに「クララ」と言っていることが変だと玉城に言われて、クララが泣いてしまうといったお話を書くつもりでした

 

 

 

どのカップリングの恋愛が見たいですか?(いずれもそれぞれに書いております・また書いていきます。新しいカップリングも増える可能性あり。

  • 嶋田繁太郎×モニカ・クルシェフスキー
  • 嶋田繁太郎×ユーフェミア・リ・ブリタニア
  • 山本五十六×リーライナ・ヴェルガモン
  • 南雲忠一×ドロテア・エルンスト
  • 玉城真一郎×クララ・ランフランク
  • 玉城真一郎×マリーベル・メル・ブリタニア
  • 澤崎敦×井上直美
  • レオンハルト×マリーカ・ソレイシィ
  • 原作ルルーシュ×シャーリー・フェネット
  • ルルーシュ(休日)×ミレイ
  • オデュッセウス×皇神楽耶
  • ジェレミア×ヴィレッタ・ヌゥ
  • 枢木スザク×ナナリー・ランペルージ
  • コーネリア・ランペルージ×ギルフォード
  • 高麗大佐×奥様(書けたら(-_-;)
  • 鳩川雪夫×ストーカー女(書けたら(-_-
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