帝都の休日 短編連作群保管庫   作:休日

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モニカのリボン

 

モニカのリボン

 

 

「な、何者です!」

 

「うふふ、それは貴女が一番わかってるはずよ?」

 

気がつけばその者は背後に居ました

 

髪の長さは私と同じで、でも真っ直ぐではないその長い金髪は、ふわふわウェーブのかかった物

 

体の前に流された二房の髪には私と同じリボン

 

瞳の色は深い蒼

 

眉が隠れるくらいで切り揃えられた前髪

 

装いは薄い桃色のドレス

 

マントは無い

 

背丈は私と同じく、スタイルも同じくらい

 

その容姿さえも

 

私はその顔を知っている

 

他ならぬモニカ・クルシェフスキー

 

それがいた

 

気が付けば部屋に私とそっくりな人がいた

 

「はじめまして。私はリリカっていうの。部屋、勝手に入っちゃってごめんなさい」

 

「……!、な、な、何者です貴女は!」

 

「だからあ、リリカって言ってるじゃない。大事な用があってね?」

 

だ、大事な用?

私とそっくりで、でも少し言葉遣いの荒さが目立つ女性は、私に言った

 

「そうそう。とっても大事な用なの。信じてよ。ほら、私の顔、貴女と同じでしょ?」

 

堂々たる女性

私も堂々としている方ですが、この方は少しがさつさが目立ちますね

 

まるでそう。私と同じでありながら、私とは別の私のような

 

「むう…、では、その大事な用とやらをお聞かせ願えないでしょうか」

 

ここまで堂々と部屋に侵入されて気づかない

それは最強と謳われるナイトオブラウンズの一角たる私の脅威でもあるということ

 

ですので、迂闊な行動には出られません

 

とりあえず相手の出方次第でしょうか

 

この家には私の守るべき方もいらっしゃいますし、その方へ危害を加えられるわけには

 

「ええとね。とりあえずどうしたらいいか…、そのね? 貴女を一年間観察させて貰いたいのよ」

 

「か、観察?」

 

私は実験動物ではないのですが

 

「そうなの。実はね私、魔法の国の皇女なのよ」

 

……、変な人です。変な人がいます

この場合、騎士たる私はどうすれば良いのか?

 

日本の警察に連絡?

 

い、いえ。もしこの女性が私と同等の実力者であるならば、警察に止められるはずも

 

「その、変なやつを見るような目をやめてくれない?」

 

858:名無しさん:2022/10/22(土) 01:43:11 HOST:KD106154150080.au-net.ne.jp

彼女リリカは語る

 

魔法の国では代々皇室を継ぐ者は様々な修行をなさなければならない

その一つに一人の人間を一年間観察して日記を付けるという物があるという

 

ただ、観察といっても、ずっと傍に張り付いての物ではなく、魔法の国から水晶玉に映して見るというだけ

 

魔法の国には皆、人間界に自分とまったく同じ容姿をした者がいる

 

その人間を探し出し、観察する、という決まりらしいのです

 

「それで私を探し出し、この嶋田邸の警戒網を掻い潜り、私の部屋に侵入したと?」

 

「そうよ。大変だったのよ?まず、ブリタニアの貴女の家から探し始めて、日本へ赴任中だと知ってから日本に向かって、そうしたら一般住宅じゃない酷い警戒態勢化に置かれてるお屋敷に住んでいるんだから」

 

「あの、大変だったご様子ですが、私、引き受けませんよ?」

「え?なんで?」

 

どうしても何も。知らないところからずっと監視されていい気などしませんし、私にもプライベートがあります

 

するとリリカという女性は。私と同じように体の前に二房流した髪を結び、巻き付けているリボンを解き始めました

 

「当然、報酬無しとは言わないわ。報酬代わりに」

 

二房の髪のリボンを解き、彼女は私に二本のリボンを差し出してきた

 

「このリボン、貸してあげる」

 

「り、リボンを貸していただくも何も、私は自分のリボンを持っておりますし」

 

「貴女のは普通のリボン。でも、このリボンは魔法のリボンなの。これを結んでいれば、人間界に存在する人になら誰にでも変身することができるのよ?」

 

859:名無しさん:2022/10/22(土) 01:56:11 HOST:KD106154150080.au-net.ne.jp

そ、そんな、まさか…

 

「物は試し。変身してみなさいよ。アイドルでも女優でも、好きな者に変身可能だから」

 

そんなこと、本当に?

 

「そ、それでは、嶋田さんになれたり、するのでしょうか?」

 

「シマダ? あ、ああここの家主さんのあのナイスミドルな彼ね♡」

 

「な?! ふ、不敬ですよ! 嶋田さんは私の主君にして私の」

 

嶋田さんに対して好意的なリリカの反応に、私はつい興奮気味に敵愾心を剥き出しにしてしまいました

 

し、嶋田さんは、私の…

 

「あら? おやおや~、私の何かなぁ?」

 

伺うように挑発してくる彼女

 

「わ、私の大切な主君であって、それ以上の意味などありません!」

 

「あら?そ~う、じゃ、私、彼のこと誘惑しちゃおうかなぁ?」

 

「なぁっっ?! し、嶋田さんはそんな軽い男性ではありません!硬派で紳士な方なのです!昨日今日で知り合った女性になど」

 

「じゃ、モニカを装って近付いたりなんかしちゃって」

 

「だ、駄目ですっ!!」

 

「んー、独占欲強いわね~、益々ナイスミドルなシマダさんの事が気になってきちゃった」

 

藪蛇でした。下手な言い訳と挑発に乗ったことで、リリカの興味が嶋田さんに!

 

860:名無しさん:2022/10/22(土) 01:56:50 HOST:KD106154150080.au-net.ne.jp

 

 

「とまあ、それは置いといて」

 

置くことではありません。私にとって貴女は脅威です

 

「とりあえずシマダさんに変身してみたら?」

 

「へ、変身…。憧れの嶋田さんに私が?」

 

本当に、なれるのでしょうか?

 

「なれるわよ。本当に魔法のリボンなんだから。試しに鏡台の前に立ってみて」

 

鏡台。嶋田邸の、日本様式の鏡台の前に私は立つ

 

鏡に映るのは私は

 

後ろにウェーブヘアの私も映っているので、この場には四人の私がいます

 

「両手を顔に当ててクロスして」

 

手に手を重ね、顔の前で交差させます

 

「これでいいのですか?」

 

「そう、そしてパラレルパラレルシマダさんになーれ、って、唱えてみて。そしたら手を離すの。分かった?」

 

「……い、いきます。……ぱ、パラレルパラレル ……嶋田さんに」

 

なーれっっ。

 

 

手を離し、目を見開いたとき、私の目の前に、私の主君にして、私のお慕いするお方、優しい男性の姿があったのです

 

 

 

 

 

 

とまあこんなところです。原作は三十年くらい前の漫画・アニメのクロスオーバーですが、わかった人います?

 

どのカップリングの恋愛が見たいですか?(いずれもそれぞれに書いております・また書いていきます。新しいカップリングも増える可能性あり。

  • 嶋田繁太郎×モニカ・クルシェフスキー
  • 嶋田繁太郎×ユーフェミア・リ・ブリタニア
  • 山本五十六×リーライナ・ヴェルガモン
  • 南雲忠一×ドロテア・エルンスト
  • 玉城真一郎×クララ・ランフランク
  • 玉城真一郎×マリーベル・メル・ブリタニア
  • 澤崎敦×井上直美
  • レオンハルト×マリーカ・ソレイシィ
  • 原作ルルーシュ×シャーリー・フェネット
  • ルルーシュ(休日)×ミレイ
  • オデュッセウス×皇神楽耶
  • ジェレミア×ヴィレッタ・ヌゥ
  • 枢木スザク×ナナリー・ランペルージ
  • コーネリア・ランペルージ×ギルフォード
  • 高麗大佐×奥様(書けたら(-_-;)
  • 鳩川雪夫×ストーカー女(書けたら(-_-
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