帝都の休日 短編連作群保管庫   作:休日

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ゲバラの護衛艦はグランベリー

 

 

「はあっ?! わたしが最初期型浮遊航空艦の護衛をするのっ?!」

 

 憤り、というよりは、唐突な指令に頭が付いていかないオルドリンは次の言葉に大混乱。

 

『依り正確を期すならば、あなたの艦であるグランベリーがエルネスト・ゲバラ子爵の乗った3150機の護衛に付くと行った感じかしら』

 

 マリーベルの言葉に何でグランベリーがと反論するオルドリン・ジヴォン。グランベリー指揮艦は納得がいかずの反論をする。

 

「旅客機に改造されている3150機は武装は残してあるけれど。だけど、悪く言わせて貰うとあれは浮遊航空艦の最初期型。旧式も旧式で、あれに合わせて飛行するってどれだけ鈍足飛行か分かってるの?」

 

 最新型アヴァロン級の高速に慣れたオルドリンは、今更最旧型の鈍足に合わせて飛行するのはイライラするわけだ。

 

 どんなものでもそうだが渋滞でのろのろ運転しか出来ない車に誰も乗りたくは無い。

 

 

 ここにグランベリーと3150機の諸元性能を挙げてみよう。

 

 

 

 

 ゲバラの護衛艦はグランベリー

 

 

 

 

 軽斑鳩級浮遊航空艦3150機

 

 全長:190m

 

 時速巡航:400㎞

 

 最高速度:900㎞

 

 ブースター装着時:マッハ2~3

 

 乗員:220名

 

 充足時:340名

 

 フレイヤ炉搭載

 

 航続距離:∞

 

 兵装:単装砲(リニア砲)5問

 

   :ミサイル発射機2基搭載

 

   :スラッシュハーケン(近接用武装)

 

   :ブレイズルミナス

 

   :KMF無頼初期型最大10騎搭載可能

 

   :VTOL10機搭載可能

 

 

 

 アヴァロン級浮遊航空艦グランベリー(休日版)

 

 全長:234m

 

 全幅:74m

 

 全高:38m

 

 速力:巡航速度1,100㎞

 

 :最高速度2,700㎞

 

 実用上昇限度:38,000m

 

 兵装:ハドロン重砲4門

 

 :単装リニア砲9門

 

   :大型リニア砲2門

 

   :32連装ミサイル発射機2基

 

   :スラッシュハーケン4基

 

 動力:フレイヤ炉

 

 航続距離:∞

 

 特殊武装:ブレイズルミナス(強化発展型)

 

 最高速度で2.7倍の差があるのだ。遅いも遅い。鈍行列車のそれである。

 

 ちょっと注意しておかないと置き去りにしてしまいそうなほどに遅いのだ。

 

「……ねえ、マリー」

 

『なあに?』

 

「うち(ブリタニア)ってどれだけ日本の影響を受けているのよ。これさあ、どう見たって日本の斑鳩級の技術をかなり取り入れてるじゃ無い」

 

『それはまあ、残念ながら、陸も海も空も宙も全ての面に於いて日本の方が強力だもの……、オルドリンも御存じでしょうけれど8.5世代ナイトメアなんてデタラメ騎や、9.5世代ナイトメアなんて常軌を逸したナイトメアを生み出したのは日本よ?』

 

 それだけではない。第六世代統合打撃戦闘機も第六.五世代戦闘機も日本が生み出した。

 

 宇宙に浮かぶ四機の巨大宇宙ステーションも日本の技術がふんだんに使われている。

 

 海もそうだ。改大鳳級13万t強巨大空母は日本が生み出したし、満載排水量16万tなんて戦艦は日本以外に持っていない。

 

 第四世代、第四.五世代主力戦車も日本が造りだした物。古く言えば究極兵器F号兵器も日本の技術がふんだんに使われており、ブリタニアは日本にその生命線を握られていると言っても過言では無い。

 

『まあ、別に日本と敵対するわけでも無し、考えても詮無きことですわ』

 

 そんな話をマリーとしていると。アホが話を嗅ぎつけてやって来た。

 

「オルドリン、マリーなんだそんな難しい顔をして顔つき着け有って」

 

『に、兄さまっ、どうしてグランベリーに乗艦しておりますのっ?!』

 

「ありゃっ? おめー忘れたのかよ自分で言ってて。兄さまには特別にグリンダ騎士団内で自由に動くことを許可致しますって、前に自分で言ってたろーが」

 

 呆れて、ふぅ、とため息を吐くオルドリン。

 

「この馬鹿なら朝っぱらからうちに来て、ソレイシィ卿に2千ポンド借りてたわよ。俺の田舎の従妹の親戚のばあちゃんの息子の友達が病気で、どうしても2千ポンド必要なんだとか。純情マリーカさんとレオンハルトくんは涙ながらに貸してたわ」

 

 その涙が目薬だとも知らずに。誰も居なかったから止める者が居なかった。故に玉城は簡単に借り入れられたのだが、その2千ポンドを早速競技KMFの掛けで使ってパーにした。

 

「それでね、オルドリン様。いやさ、オルドリン・ジヴォン卿!」

 

「な、なによそんなあらたまってっ! そんな殊勝な態度を取ったところで――」

 

 オルドリンを壁に追い詰めドンっっと壁に手を突くアホ。

 

「君は美しい。君ほどの美しい女を俺は知らないっ」

 

「な、な、なに、よ、あほ、の、くせ、に、」

 

 そんなしどろもどろろなオルドリンの髪を触るアホはにこりと微笑む。

 

 優しく優しく、オルドリンの髪を撫で掬いながら、ポニーテールに纏めていた彼女の髪を解く。

 

「なあ、遊ぼうぜオルドリン。変な意味じゃねえ、人生楽しまなきゃ損だってことだからよ」

 

 更にオルドリンの髪を撫でる。巻き髪やポニーテールにせず降ろしていたら、結構長いオルドリンの髪。

 

 玉城はその髪に五指を通して優しく撫で梳きながら、彼女を遊びに誘う。

 

 最近時々こういったことをしてくるアホ、だが。

 

 オルドリン・ジヴォン。こういうことには耐性の無い女性である。男勝りで美人だが格好いい寄りで見られることが多いから余計に。

 

 玉城が其処まで計算したかは分からない。元々テキトーに生きているテキトー男なのだから。

 

 だが、この瞬間だけは、間違いなくオルドリンのハートを掴んでいた。

 

「君と共に、一当てしたい。他でもない君とだ。一緒に俺と――」

 

 瞳をキラキラ輝かせて、坊少女漫画風に迫っていたところに。

 

 

 だだだだだだだだだだだだだだっっっ、走る音。

 

 ヒュウーン!! ブリッジの扉が開く音。

 

 ばんッッ 跳躍する音。ばさばさと鳴るスカートの翻る音

 

 スタッと降り立つ音がして。

 

 

 ぽん、ぽん、と壁ドンをしている玉城の両肩に置かれる白魚のような両手。ほきん、ごきん、と音がし、オルドリンは正気に戻った。

 

「うぎゃああああ~~~~っ、俺の、俺の肩がよおおおっっ~~~っっっ!!!」

 

「危ないところでしたわオルドリン。わたくしが急ぎ駆けつけなければこの裏切り者の魔の手に掛かってしまうところでしたっ。大丈夫でしょうか?」

 

「え、ええっ、大丈夫よマリー……っていうか、だ、大丈夫なのタマキ?」

 

「ええ、これにはこのくらいの罰が丁度良いのです!」

 

 爽やかに言うマリーベルとは裏腹に、オルドリンは先ほど壁ドンしてきたときの玉城がかっこよかったなと感じていたのであった。

 

「序でですから標準的アヴァロン型のスペック表もお持ち致しました。まあデータ入力されているので必要ありませんが」

 

 

 

 通常アヴァロン級浮遊航空艦(休日版)

 

 全長:238m

 

 全幅:74m

 

 全高:38m

 

 速力:巡航速度1,150㎞

 

 :最高速度2,750㎞

 

 実用上昇限度:40,000m

 

 兵装:ハドロン重砲4門

 

 :単装リニア砲9門

 

 :大型リニア砲2門

 

 :32連装ミサイル発射機2基

 

 :スラッシュハーケン4基

 

 動力:フレイヤ炉

 

 航続距離:∞

 

 特殊武装:ブレイズルミナス(強化発展型)

 

 

 兵装は斑鳩級に寄せている。

 

 

「思いっきり書いてあるわね。兵装は斑鳩級に寄せてあるって」

 

「どういう訳か日本の開発する兵器はその全てが最適化されて装備となっておりますので、結局はブリタニア独自の物を取り入れながらも日本に併せる形になるわけです。先人に学びなさいというところでしょうか」

 

 ふと、オルドリンは気になったのでマリーベルに聞いていた。

 

「マリー、あなたひょっとしてエルファバで着艦した? ちょっと感が揺れた気がしたのだけれど」

 

「お、オホホ、裏切り者を逃がさないようにと。ヴィンセント・カスタムで来ているのでしょう?」

 

 全部お見通しかと思ったオルドリンは。

 

「艦隊指揮はヨハン・シュバルツァー将軍に任せて3150機、エルネスト・ゲバラ子爵の護衛に急行。急げっ、南ブリタニアの民主共和制原理主義組織壊滅に多大な戦果を挙げたゲバラ子爵は南天のテロリストに狙われている可能性も高いっ」

 

 同時にマリーベル・メル・ブリタニアも指揮を飛ばす、片手に裏切り者をぶら下げて。

 

「エルネスト・ゲバラ子爵の乗った機はハバナ国際空港に向かっている模様。キューバ本土とバハマ諸島及び周辺島嶼の領主フィデル・カストロ伯爵に会いに行くためと推測。現在ギアナ公国カラカス上空付近、ブースター点火ッ! 最大船側で向かいなさいッッ!!」

 

 

 オール・ハイル・ブリタニア!!

 

 グローリィ・トゥ・グリンダ!!

 

「ぎゃあああ~~~ッッ!! 肩がァァァッッ!! 肩がよオオァァァァッッ!!!」

 

「うるさいタマキッッ(兄さまッッ)」

 

 

 アヴァロン級浮遊航空艦グランベリーと三隻の随伴艦カールレオン級浮遊航空艦が、グリンダ艦隊より離れ、飛び立った。

 

 

 

 

 こぼれ話。

 

 

 

 カストロ伯爵領についたゲバラは、親友であるフィデル・カストロ伯爵の宮殿で待たされていた。

 

 三十分や一時間ではない。

 

 実に十時間も待たされていたのだ。

 

「げ、ゲバラ卿、本日はお休みいただいても」

 

「いや、待っているよ。こちらから訪れておいて休むのは非礼に当たる、それよりもグリンダ騎士団のお方々にこそお休み願いたいところだが」

 

 グリンダ騎士団の面々はカストロ伯爵の演説を実に十時間も聞いているのだ。

 

 ものすごい精神力だと思う。親友の私でも無理なことをと称賛を送るゲバラ子爵は。

 

 グリンダの面々が立ったまま気絶していることを知らない。

 

 フィデル・カストロ伯爵。

 

 キューバとバハマ諸島を治める貴族は演説が長いことで有名だ。

 

 皇帝の御前会議で八時間の演説を行った猛者としても知られている。

 

 そんな猛者の前にグリンダの面々、マリーベル・オルドリン含めた幹部陣でも耐えられるものではなかったのだ。

 

 

 ※

 

 

「フィデル。君は相変わらず演説が長すぎるぞ」

 

「ふんエルネストよ、私の演説に無駄なものは何一つとしてない。マリーベル皇女擁するグリンダ騎士団の面々も学び取ったものはあろう」

 

「無茶言うな。十時間の演説では半分以上が寝ている」

 

「そんなことはないっ」

 

 平行線をたどる話を切るため、ゲバラは率直に切り出す。

 

「南ブリタニアは平穏を取り戻してきた。大人は仕事に出かけ、子供達には笑顔が……」

 

「良きことだ。ペンタゴンが弱体化し、細胞も死滅してきた証しだ」

 

 南ブリタニア原産の酒を煽り、葉巻に火をつけたカストロ伯爵は切り出す。

 

「行くのか。……欧州へ」

 

 ゲバラ子爵は苦しみに喘ぐ人々を見捨ててはおけない性分なのだ。

 

「行くよ、欧州へ」

 

「貴様にはバハマ諸島の自治を任そうと思っていたのだがな」

 

 カストロ伯爵の領地は広い。海を介しているが内海を持つほどに。

 

 故に優秀な人材の流出は歯止めをかけたかった。

 

 ゲバラは戦友であり親友。これほど信頼できる人間はいないのだ。

 

「だが、苦しんでいる人々がいる。革命ごっこの末に苦しみ喘いでいる人たちが。私にはそれを見過ごせない」

 

 故に、ユーロブリタニアに参加し欧州の解放を成し遂げん。

 

「……止めても無駄か」

 

「ああ……」

 

「では、一つ約束を」

 

 必ずや生きろ。

 

 戦勲を立てて所領の一つでももぎ取ってこい。

 

「……ああ、やって、やるさ」

 

「約束だぞエルネスト」

 

「約束だフィデル」

 

 拳を合わせた親友同士は暫しの別れに入る。

 

 後に欧州解放戦争にて、エルネスト・ゲバラはその功をたたえられ、ブリタニアに戻り伯爵へと封ぜられる事となる。

 

 

どのカップリングの恋愛が見たいですか?(いずれもそれぞれに書いております・また書いていきます。新しいカップリングも増える可能性あり。

  • 嶋田繁太郎×モニカ・クルシェフスキー
  • 嶋田繁太郎×ユーフェミア・リ・ブリタニア
  • 山本五十六×リーライナ・ヴェルガモン
  • 南雲忠一×ドロテア・エルンスト
  • 玉城真一郎×クララ・ランフランク
  • 玉城真一郎×マリーベル・メル・ブリタニア
  • 澤崎敦×井上直美
  • レオンハルト×マリーカ・ソレイシィ
  • 原作ルルーシュ×シャーリー・フェネット
  • ルルーシュ(休日)×ミレイ
  • オデュッセウス×皇神楽耶
  • ジェレミア×ヴィレッタ・ヌゥ
  • 枢木スザク×ナナリー・ランペルージ
  • コーネリア・ランペルージ×ギルフォード
  • 高麗大佐×奥様(書けたら(-_-;)
  • 鳩川雪夫×ストーカー女(書けたら(-_-
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